きゃりぶれ! Bonus Discs

ひとえあきら

Bonus.1『劇場版 磁帯戦隊キャリブレンジャー! -出陣!!新たなる戦士-』

Bonus.1 - tr.1『劇場版 磁帯戦隊キャリブレンジャー! -出陣!!新たなる戦士-』

(SE;爆発音)ちゅどーん!! どかーん!! ぐわーんバリバリバリ!! ぐわらっしゃーん!!

『時は21世紀、史上稀に見る未曾有の災害に見舞われたこの地球を陰から狙わんと蠢く悪の帝国――』

『世界を蹂躙する猛威に全ての希望が潰えたかに思われたその時、敢然とそれに立ち向かわんと戦う者が現れた!!』

『彼女らこそは地球最後の希望!! 今こそ較正こうせいせよ、キャリブレンジャー!!』


OP主題歌『キャリブレーション!磁帯戦隊キャリブレンジャー!』

唄:マグネティックラバー、すずむし'93

作詞:キョン・雨音 作曲:山本正之


 台詞「磁帯戦隊キャリブレンジャー!」


♪アイツのデッキがメーター振った 聴いたぞ録ったぞこの瞬間

 Yar! Yar! 普通の女子高生でも Yar! Yar! テープを手に取れば

 キャリブレート・チェンジ!! (Ohhh---!!)

 カセットテープをひらめかせ(A!A!A!)

 征くぞ僕らのキャリブレンジャー(B!B!B!)

 デジタル厨には(えぃ!)キャリブレーションキック!!

 HiFi野郎には(やぁ!)アジマス調整チョップ!!

 なんて嬉しい JK戦隊

 感度バイアス 感度バイアス あぁキャリブレンジャー


♪キャリブルー!キャリブレッド!ブラック!イエロー!ピンク!

 キャリブレイヴァーに変形だ!

 Yar! Yar! 暢気に戦う姿が Yar! Yar! テープに焼き付いて

 キャリブレート・チェンジ!! (Ohhh---!!)

 ドルビーマスクを煌めかせ(S!S!S!)

 征くぞ僕らのキャリブレンジャー(C!C!C!)

 ゆるふわ厨には(えぃ!)メタルポジションパンチ!!

 エアチェッカーには(やぁ!)MPX崩し!!

 なんて嬉しい JK戦隊

 メタルハイポジ メタルハイポジ あぁキャリブレンジャー


♪デジタル厨には(えぃ!)キャリブレーションキック!!

 HiFi野郎には(やぁ!)アジマス調整チョップ!!

 なんて嬉しい JK戦隊

 感度バイアス 感度バイアス あぁキャリブレンジャー


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(字幕)『侵略帝国D.C.I. 極東基地』

「ぅおのぉぉぉれ!!おのぉぉぉれ!! またしてもキャリブレンジャーめ!!」

 総司令グルンディッヒがその巨体を震わせて怒り狂う。

「ぬぅぅぅ!! あと一歩、あと一歩であったものをーーーっっっ!!」

 負けじと大将軍ブラウプンクトが雄叫びを上げる。

「これは暫し、作戦の立て直しが必要ですなぁ、フェッフェッフェ」

 科学長官テレフンケンが不気味に嗤う。


 そこに突如、通信が入った。

『これはこれは皆様、お揃いで。お久しう御座います』

「ぬお!? 貴様は――」

「もしや――」

「オングーロか!?」

『左様で御座います。不肖オングーロ、本日を以て大参謀を拝命致しました』

「何とっっっ!?」

「大参謀となっ!!」

「ほぉぅ、これはこれは」

『極東侵攻作戦のスケジュール遅延を憂慮された大帝王陛下より勅命賜りました。只今、日本へ向けて移動中であります。手土産代わりにひと暴れして参りますので、詳しい話はその後で』

 ぶつっ、と通信が切れた。

「――むぅぅ」総司令が考え込む。

「これはちと危うい状況ですかな。フェッフェッフェ」と長官。

「ど、どういうことです!?」と当惑気味の大将軍。

 総司令は席にどっかと座り込み、

「オングーロの奴めを陛下直々に送り込まれたと言うことは、この極東基地を先々は奴に任せるつもりかも知れぬ」

「な、何ですとーーっっ!!」今更驚く大将軍。

「極東、特に日本は忌々しきキャリブレンジャーめの所為で作戦がさっぱり進んでおりませんからなぁ。フェッフェッフェ」

「我々としても早急に手を打たねばなるまい」

「そ、そうですな!! あの若造の麾下に付くなぞ、冗談ではないっ!!」

「最悪の場合、我々が皆、更迭ということも考えられますからなぁ。フェッフェッフェ」

「うむ。キャリブレンジャーの打倒は無論のこと、万が一のために――」

 三人は昏い表情で作戦立案に入った。


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(ナレーション)『キャリブレンジャーの秘密基地・キャリブレベースは、ここ鹿苑木ろくおんぎ高校の旧校舎に偽装されている』

 ヴーっヴーっヴーっ!! ヴーっヴーっヴーっ!! ヴーっヴーっヴーっ!!

 唐突に響き渡る非常事態警戒警報音。

「何事かッ!!」雨音指令が叫ぶ。

「た、大変だよキョウく…じゃなかった指令、太平洋B3ポイントより正体不明の飛行物体が接近中です!!」

 マキ秘書が慣れない言い回しに噛みながらも報告する。

「むぅ……この反応はおそらく侵略帝国の飛行要塞だが……エネルギーの大きさと移動速度が段違いだな」

「ちょーっとお待ちなさい!!」

「何事か、ソニア隊員」

「隊員、じゃありませんわ!! 大体、なんで貴方が部長のわたくしを差し置いて指令なんですのっ!?」

「何を言うかソニア隊員、電音部とは世を忍ぶ仮の姿、これが真の姿ではないか」ドヤ顔で言うな。

「そもそも、か弱き淑女レディを前線に立たせて自分は後ろでふんぞり返ってるとか、貴方それでも日本男児ですのっ!!」

「そもそもウチにか弱いのも淑女レディも居ない件w」

 ヴィー隊員が混ぜっ返す。

「コワモテ悪役令嬢は約一名在籍してるけどなw」

 便乗して悪ノリする雨音指令。

「言うに事欠いて……二人とも、そこに直りなさいっ!!」

 額に青筋を盛大に浮かべて、びし!!と床を指すソニア隊員。

「ぶちょ…ソニア隊員って、どー考えても配役間違えたんでね?」

「確かに、あれではむしろ悪の女幹部の方が似合うような……」

「そんなこと言っちゃ駄目よ~~」

 ミサ隊員・シンク隊員・ヒビキ隊員がひそひそと話している。

「そこっ、陰口は本人に聞こえないように言うものじゃなくて!?」


 完全に流れに置いていかれた感のあるマキ秘書、それでも頑張って報告する。

「あ、あのー、それでですねー、その飛行物体が接近してるんですけどー!!」

「む!! それはいかん。あとどのくらいで……」

 ソニア隊員の舌鋒から逃れるため、強引に話を戻す雨音指令。

 だが、少々遅かった。


 どかんばきんぐわっしゃーん!!


 突然、秘密基地が激しい振動に見舞われる。ラジカセやデッキがラックから次々に投げ出された。カセットテープが雪崩を打って崩れ落ちる。

「うわー待てー!! デンスケがー!! 682がー!! あ、そこの009、落ちるな!!」

 機材の惨状を目の当たりにして雨音指令が錯乱している。

 とにもかくにも、這々ほうほうの体で部室…に偽装した秘密基地…から脱出すると、上空には巨大な飛行物体が浮かんでいた。巨大な乾電池の先端にこれまた巨大な豆電球がくっついたような形のUFOだ。

「ま、マキくん……接近つーか、もう来てるじゃねーかおい」

 埃に咽せながら雨音指令がツっ込むと、

「だーかーらー!! あと10秒くらいで来ちゃいますよ、って言おうとしてたのにー!!」

 ぷんすかとややおこなマキ秘書。あらかわ。

「そこを先に言え……」

 がっくりと座り込む指令。


 そのUFOから突然、地上に向かって光が差し、誰かがゆっくりと降下してきた。

 ♪明るい帝国~明るい帝国~みんな世界中~なーんでも~て・い・こ・く~

 バックでやけに脳天気な混声合唱が流れている。まるでどこかのCMソングのようだ。

 その歌が盛り上がって終了すると同時に光は消え、そこに長身痩躯の男が立っていた。

「おやおや、ちょっと接近しただけでこんな有様とは。そろそろ建て替えを検討すべきではないかな、キャリブレンジャーの諸君?」

 嫌みったらしく言ってのけると、怪盗ルパンばりに装着していた単眼鏡モノクルに手を当ててニヤリと嗤う。

 その台詞にさっと身構え、臨戦態勢になる一同。


「世界は広いですわね。まさかこの世に響いちろ…もとい雨音指令より性格のねじくれた輩がいるとは思いませんでしたわ」

「しかもあの眼鏡……アナクロ趣味にも程がある。19世紀の人間ではないのかw」

「あれで悪の組織とかじゃなきゃ、ただの変質者じゃんねー」

「そもそもいい年した大の大人が悪の組織とか地球侵略とか言ってる時点で終わってる件w」

「みんな駄目よ~~あんまりほんとのこと言っちゃ~~あれでかっこいいと思ってるのかも知れないんだし~~」


「んなっ……」

 女性陣の猛撃にたじたじとなり、絶句してしまった彼だったが、気を取り直して、

「我が輩は侵略帝国D.C.I.大参謀オングーロ。本日は着任の挨拶に伺った。以後お見知りおきを」

 と、優雅な仕草で一礼する。てか、こいつやることなすこといちいちキザったらしい。

「用件はそれだけか、陰険眼鏡」あまねしれいのこうげき!

「いっ…陰険……」おんぐーろはフリーズした!

「……あれはかなり効いてるなw」

「流石は天然毒舌指令w」

 シンク隊員とヴィー隊員が笑いを噛み殺している。


「えーいまったく口の減らん連中だ!!」あ、陰険眼鏡がキレた。

「これは挨拶代わりだ!! 出でよ騒音怪人ノイジーミュータント!!」

 上空のUFOから再び光が差し、二足歩行のガマガエルの全身に大小様々のメガホンをくっつけたような怪人と10人ほどの戦闘員が現れる。

「ふはは、征け!! メガロゲーロ!!」

 命令された怪人はゲロゲーロ!!と叫んで全身を震わせる。全身に並んだメガホンから大騒音が流れた。

「何ですのっ!?」

「何だ、この騒音は!?」

「きゃぁ~~!!」

「こ、鼓膜が死ぬ……」

「もーなんか吐きそうなんだけどっ!?」

 あまりの騒音に一同、耳を押さえる。

 雨音指令が額を押さえつつ指令する。

「キャリブレンジャー、戦闘開始パワーオン!!」

「「「「「らじゃ!!」」」」」

 ソニア・シンク・ヒビキ・ヴィー・ミサの5人が、ポケットからカセットテープを取り出す。

 斜め上に構えたそれをベルトのバックルを開き装着する。よく見るとバックルはカセットウォークマンに似た形状だ。

 そして声を一つに叫ぶ――

「「「「「スタート・キャリブレーション!!!!!」」」」」


(BGM)『キャリブレアクション』

♪大地を蹴ってキャリブレキック 感度調整 レベル上げ

 稲妻を呼ぶアジマスチョップ 敵を倒したメタポジパンチ

 おー!おー! レンジャー キャリブレンジャー!! 


「毎回思うんですけど、花のJK戦隊ですからもっとこう、エレガントなBGMは無いのかしら。学生服美少女戦士的な」

「そうか? やはり変身なら菊池先生か宙明先生が燃えるではないか!!」

「私はもっとふんわりした~~お駄マジョっぽいのとか~~」

「ちょいちょーい、パイセンがたー、現役JKならせめてプチキュアっしょ!!」

「いやいやいや、ここはセクスィーにビューティーサニーでフラッシュ一択」


 などとくっちゃべってる間に、ベルトが高速回転し内部のカセットを巻き上げる。それが終了し、自動反転オートリバースがかかり、更に最後まで巻き戻されると――。

 5人の体はカラフルな強化服に包まれた!!

「「「「「キャリブレート・チェンジ!!!!!」」」」」


「紺碧のエレガンテ!! キャリブルーですわっ!!」

「紅のジャスティス!! キャリブレッド!!」

「黄金のヒ~リング!! キャリブイエロ~~♪」

「桃色のエキサイティン!! キャリブピンクっ☆」

「漆黒のマニアック!! キャリブラックですがなにか!?」


「「「「「磁帯戦隊!!!!!」」」」」

 一斉に片手を突き出しポーズを決める。背景がど派手に輝く。

「「「「「キャリブレンジャー!!!!!」」」」」

 ちゅどーん!!とカラフルな大爆発!! てか、こんなに火薬使って学校は無事なのか!?


<< □ |> ○ || >>   ||||||||||||||||||||||||||


 本日よりG.W.期間中、連日公開!!

 期間中に完結予定(たぶん^^;)


 大参謀オングーロ、ブラック、ピンクについては追って公開予定の本編Disc.2をお楽しみに!! (おぃ)

 敵の3大幹部はこのエピソード限定のキャラです。

 尚、最初のナレは大平透のイメージ。

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