第49話 ロッカールームで女性陣は自分の感情を確認します(ブラ姿で)。

信治は男女共用スペースに置いてあるロッカールームベンチに座っている。

今日はあまり走れていないなと感じている。

それもUJIZANE対策なのだから仕方ない。

この試合は守備に重きを置いて、カウンター攻撃に焦点を合わせるべきだと思う。

着替えたり休んだりした後に行わるミーティングに提案してみよう。

信治がそういう事を考えこんでいると、不意に右側の視界が途切れる。そして右手にやわらかいものが当たる。

「ねぇ信治、ナターリアかわいい?」

呼びかけられた方を見ると、自警団用のユニフォームのズボンと上半身は真っ赤な刺繍の入ったブラジャーを付けたナターリアがいた。

「ちょっと、ナターリアさん困ります」

信治は頭から血が引き、下半身が熱くなる。

「どうせ、今晩良い事するの。だからこれくらいだし丈夫なの。信治の視線はナターリアの胸に釘付けなの♪良いって事だよね」

「ナターリアちゃん、ダメだよ。信治さん、困っている」

円さんの声がする。

そちらに視界を持っていくと、上半身はキャミソール姿で自警団のズボンをはいている円さんいる。白いキャミソールをぐぐっと持ち上げている胸元に視線が行く。

円さん刺激が強いですと信治は思う。

「これからナターリアは信治さんと打ち合わせするの」

「でもナターリアちゃんの姿は破廉恥だよ。円こそたるんだお腹見せて恥ずかしくないの?」

「それに同じチームなんだから大丈夫なの。円の方が恥ずかしい姿しているの」

「あっ。ナターリアちゃんを追いかけるので精いっぱいで。信治さん、見ないで」

そう言って脱兎のごとく女性用のロッカールームに戻っていった。

「この既婚者が!」

やはり上半身にスポブラをした環さんが現れる。

腹筋が割れていてとてもセクシーだと信治は思う。

「皆さん待ってください。せめて着替えてからにしましょう。ナターリアさんは開放的な国の生まれだとしても、その姿とその下着は無いと思いますよ」

「雪と環もジェラシー持っている感じ。それでナターリアを急いで追いかけてきた感じ」

雪さんはアンダーシャツから黒い下着で胸の部分が盛り上がり、それは刺激が強い。頭が真っ白になりそうと感じる信治だった。

「試合に集中しなさいよ、その姿は無いわよ」

「そうですよ。これから戦術の再確認の時間ですからね、早く着替えてください」

雪さんは赤面しながら努めて冷静な声を出している感じがする。いつも優しくて、微笑んでいる感じの雪さんがちょっと起こっていると感じる信治だった。

「はーい、でもこの乱世、好きな人に好きって伝えて、恋人にならないと転生したい意味はないの。これ以上一緒にいると怒られるの。信治、この試合絶対勝とうね」

「ナターリアさんがすみません。急いで着替えてきますので戦術の打ち合わせにそろそろ戦術の打ち合わせを行いましょう。着替えたらミーティングスペースにいきましょう」

雪は願う。冷静に声を出せていたらいいのに。この乱世に好意を伝えて結ばれたいのは女性だとしたら当たり前の事なのだ。信治に引かれていく自分が少し怖いなと雪は思う。

「信治君も信治君よ、ちょっと胸が大きくて開放的だからって、デレデレしたらだめなのよ。でも男の子なら仕方ないわね」

環もどこか優しい声で言った。

「申し訳ありません、気を付けます」

「ナターリアはプレースタイルもそうだけど、不意に弱点を突くのが上手いから、手玉に取られないようにしてね」

「はい」

環は冷静にアドバイスしているつもりでも、どこかでナターリアに対するいら立ちを覚える。でもその気持ちは、信治への好意の裏返しだとも理解している。

私の信治君への好意はこれで十分。生前、命がけの恋をしたのだから。あの人への想いを裏切れない。だから今はこれでいい。そう思う環だった。

「さぁ、雪、信治君、着替えてミーティングスペースに行くわよ」

自分の気持ちを感じられた環は振り切れた様に明るい声を出すのだった。


                         

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