中学時代レギュラーになれずに、草サッカーチームに入るも追放されて異世界で無双します

第４６話 信治覚醒します

クリアされたボールのスローインから試合が始まる。エクスがスローインをするようだ。近くに地方騎士団のボランチの一人とUJIZAEが近くにいる。

エクスはUJIZANEにボールを投げ、ドリブルの姿勢に入る。信治は雪の背後にヒールリフトされても様に距離を少しおいて詰める。

「おなごはまた天蹴球をみたいでおじゃるか？。見るが良いでおじゃる。エクス行くでおじゃるよ」

「任せといてー、俺の早さには誰もついてこれないからな」

「裏１０８式天蹴球」

雪は横を走り抜けてくエクスについて、下がる。

信治はスペースをカバーする。

「信治とやら、恐れをなしたでおじゃるな。エクス頼むでおじゃる」

UJIZANEはヒールリフトをする。

そして信治のいるスペースに走りこんできた。

エクスは雪とマッチアップをしている。

エクスはクロスは上げられない。信治は技とエクスとUJIZANEのパスコースを開ける。

「UJIZANE頼む」

信治はそのボールを持っていた。パスが来るの分かっているなら対応しやすい。

即座にマークの位置を変え、ボールをカットする。

信治ははそのままドリブルをする。

ハイパータフネス　

スキル　ドリブル発動中という文字が頭に浮かぶ。

足の遅いＵＪＩＺＡＮＥを置いていき、シュタールと王子はクロスが来てもオフサイドにならないタイミングを見ている。

信治はエクスもＵＪＩＺＡＮＥもいない。広大なスペースをドリブルをしていく。

右ボランチがつり出されて、バイタルエリアにボランチがスライドし、トップ下がボランチの位置まで下りていく。カバーリングだ。そうするとナターリアさんが動くことができる。

ナターリアが走りながら、叫ぶ。

「後ろ。エクスが来てる。逃げて」

信治はトップスピードでドリブルをしているので、背後が見えない。

背後を見るとスピードが落とした上に、体制を崩す事になる。

「雪さん、頼みます」

そう言って本来、エクスが守るべき、広大な右サイドペースへボールを出した。

エクスにも負けず劣らずの俊足で信治を追い越して、ボールにたどり着く、雪だった。

そうパスサッカー中心の自警団ではあまり目立たないのだが雪も俊足なのだ。

信治は追いついてきた、ボランチとエクスを無視して、ペナルティエリアを目指す。

ナターリアがワザとらしく、バイタルエリアに侵入していく。

地方騎士団の右ボランチは急いでナターリアの元に向かう。

円は右サイドでこぼれ球を拾うべくペナルティエリアのへの侵入を目指している。

シュタールと王子は出ディフェンスラインから抜け出そうとしている。

地方騎士団のディフェンスラインはシュタールたちがいる中央部分を締めるようにぎゅっと小さくなる。円につられて地方騎士団の左ボランチもつり出された。

そして雪は、シュタールでもなく、王子でもなく、信治にボールを送り出した。

中央部分に走りこんでいた信治は優しいパスを受けるとトラップをした。

広いスペースでフリーの信治は左足を一閃、アウトフロントでボールを蹴る。

地方騎士団のゴールキーパーは必死に手を伸ばすが、それをあざ笑うか様にボールはゴールに吸い込まれていった。

ぴーと得点を告げる笛が鳴る。

信治は自陣に戻るべく歩いているとエクスに美止められた。

「おい、こら待て。お前は何のためにサッカーしてるんや！」

「サッカーと楽しんで、チームのみんなと勝つためだよ」

「みんながおらんとサッカーできへんのか？自分が無いのか？」

「いいや、自分のエゴだ。人生で何の役にも立てなかった自分が、自分が楽しんでチームのために戦える、腐らず、すねず、いじけず一生懸命に打ち込めるものがある。これほどの喜びはないよ」

「うそや、活躍して、モテて、名誉をもらうために自分自身の力でサッカーをするためちゃうんか？そのためのチートやろ！」

「チームプレイをして、個人技はチームプレイの枠に収まるべきで、チームプレイと個人技が合わさった時こそ、強くて楽しいチームになるんだろ。苦しい事も嫌な事もあるけど、サッカーと言う楽しみがある。ただ俺が生きるめにサッカーを楽しんでいる。心からサッカーを一生懸命楽しむだけさ」

「覚えておけ。チームプレイとか言い訳せずに俺みたいに自分のためにサッカーする奴こそが最強だと言う事を。証明してい見せる」

「信治さん、ナイスシュート！」

「雪さんの折り返しのパスが優しかったからね。ありがとう」

むぎゅー。

ナターリアに抱き着かれる信治。

「信治、技ありなの。やっぱり夜のテクニシャンにならないようにナターリアがうばっちゃおうか？」

「ナターリアさん、抱き着かないで」

「これは得点した時の感情表現なの」

「それなら私も良いわね、信治、格好良かったわよ」

そう言ってナターリアと信治を引きはがしにかかる環だった。

「信治さん素敵です」

そう言って円さんが離れた所から見ている。

「みんなありがとう。左サイドを崩していこう」

自警団もいびつなチームの編成だけど、地方騎士団もおかしなチームだと言う事に気がつく信治だった。UJIZANEとエクスに頼り過ぎていて、一方的な攻撃を主軸にしている。

エクスはサイドバックだから上がると広大なスペースができる。

そこをつかられたら守備がもろい。

どう相手の軍師（ヘッドコーチ）は修正してくるのだろうか？

今のままだと大量得点で勝てる。

そのためになら、タイトなマークも長い距離のドリブルもなんだってしてやる。

そう思う信治だった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　続く