第43話 左サイドの攻防
地方騎士団の
「プランBだ。一気に決めろ。相手は今までの自警団じゃない。全力で走れ」
「任せるでおじゃる」
「あんたが走れと言うならどこまでも走ってやるよ」
UJIZANEとエクスがそう言い放つ。
クリアしたボールをスローインをして自警団はゲームを再開しないといけない。
「シュタール、スローインしてくれ。王子ボールキープを頼む」
シュタールはスローインを行い、王子はボールを受ける。
シュタールはゴールに向かって走りこんでいる。アレックスは地方騎士団の攻撃力が高いので攻撃を最低限の人数に任せたのだ。
そこに地方騎士団のボランチの一人が王子にプレッシャーをかける。
王子はかわして、シュタールへスルーパスを送る。
しかし、地方騎士団のセンターバックも優秀でスルーパスを読んでおり、簡単にパスカットをしてロングボール送り、またUJIZANEの足元にピタリと収まる。
「やらせませんよ」
雪が相手を揺さぶるように言う。
「ボールを取ってから言うでおじゃる。やぁ、やぁ、やぁ、やぁ」
信治はUJIZANEのボールを送る位置に移動する。
左サイドの後方に大きなスペースができる。
ある監督は言っていた。フォーメーションは丈の足りない毛布だと。
どこかに必ず空きができるから、ケアをすることが大切だと言う意味だと信治は考えていた。
UJIZANEの途中でエクスが走り抜ける。
一瞬の
雪はエクスを負うべきかUJIZANEのマークを続けるか迷った。
「やぁ」
UJIZANEはボールを高く、左サイドの空いたスペースに行くように蹴りげる。
そこには自警団の選手は誰もいない。
トップスピードに乗ったエクスが走りこんでいる。
信治は考える間も無く、走り出している。
エクスがボールにたどり着き、そのエクスに信治は何とかマークにつくことができた。
「なかなか早いやん。信治とやら。でも関空快速くらいの速さやで。俺が何でエクスと呼ばれてるか教えてやろか、足の速さが特急、つまりエクスプレス並みの速さと言う事や。関空特急はるかと言うこっちゃ。じゃぁ抜かしてもろうで」
信治はエクスを相手いしている間に雪のポジションを確認する。UJIZANEをマークしてくれている。ナターリアも見えた。フリーだった。
一対一で抜かせる訳にはいかない。
信治がするディフェンスは本来なら間合いを図り、相手の意図をつぶすべき状況だ。
しかし、この時は相手が止まっていた事もあり圧殺するディフェンスを行う事のした。エクスは信治にとって左側から抜こうとする。ボールを出した瞬間、信治は左足でボールを奪い取る。そして、そのままフリーのナターリアに対してパスを行った。
そして、全力で上がっていく。反撃の始まりだと信治は確信した。
続く
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