2208年1月11日(月)祝日 3
2208年1月11日(月)祝日 AM9:00
1階のスポーツジムの駐車場に愛車を止めそのまま2階の入り口へと向かう、ゲートの前に立つと、スポーツジム側のシステムが俺のインプラントチップのIDを読み取り、会員であることを確認し、ゲートの門が開く。
このスポーツジムには人間のスタッフは一人もいない、スタッフはすべてアンドロイドだ。
今日、人類は生きるために労働をする必要がなくなり、労働に奪われていた時間を
各種レクリエーション、創作、研究、娯楽に充てられるようになった。
肉体的にも、ジムで運動する必要は全くない、俺も含めた人類はすべて12歳以上に
なれば、服を買う感覚で脳も含めて新しい体に交換できるからだ。
俺の体も、昔のオリジナルの体は、肩幅も広くがっちり体形だったが、今の体は肩幅も狭くすらりとしたスレンダー体系だし、顔も男でありながら美少女顔で髭も生えてこない、声は女としてはちょっと低めのハスキーボイスといったところだ。
それでも最新のバイオテクノロジー技術で、以前の体より力持ちだし持久力もある。
さらに食べ過ぎても不要な栄養素は排泄と共に体外に放出され、逆に足りない栄養は
自宅やいたる所に設置されているメディステーションで処方される薬を飲むことで補える。
それでもスポーツジムで運動する理由は、自身を限界まで追い込んで得られる一種の達成感と、自身の体を他人に見せつけること、そして出会いの場としてである。
昔のように自身の努力で筋肉を作り上げたいという人もいるが、そういう人たちは、そういう目的で作られたボディを使用し、ゴールデンジムやパワードジムといった、同様に体を鍛えあげる事を専門としたジムに通う。
俺が2階にあがるといつもの様に、年齢1桁から20半ばに見える多くの人々が、各種マシン等でトレーニングをしたり、休憩スペースで談話をしていた。
そしてほとんどの人が、その体を見せつけるような際どいデザインのトレーニングウェアを着用し自身の肉体を誇示している。
ちなみにそのほとんどに当てはまらない人は全裸だ。
俺も更衣室で準備してきたトレーニングウェアに着替える。ひと昔前ならトレーニングウェアといえば半袖Tシャツにハーフパンツかロングパンツが定番だっただろう。
しかし今日の俺がトレーニングウェアとして着るのはNラバー製のレオタードだ。
一応体の見えてはいけない部分は隠れているが、股間のふくらみも含めて体の線が一際誇張されるシンプルながらもちょっとエッチなデザインだ。
着替え終わり、運動に入る前にインプラントを起動して、自分のソーシャル設定を確認する。
このソーシャル設定をしておかないと、ストイックに運動したい気分なのにナンパに巻き込まれたり、全くタイプじゃない人に口説かれたりと、面倒なことになること請け合いなのでちゃんと設定しないといけない。
自分のソーシャル設定が知り合いのみボディタッチ、話しかけOKに設定にしてある事を確認し、俺はトレーニングエリアに入った。
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