第4話 悲しげ

5日目

晴れているのに

今日も彼女の窓は開かない


俺は窓を開けたまま

部屋で漫画を読む


チラチラと

窓を見るけど

人気も無い


どうしたんだろう?


気になって気になって

ココから動けない


俺は、全身から汗がダラダラ流れて

今にも溶けそうなアイスクリームのようになっていた


俺が話してばかりいるから

嫌になってしまったのかな?


そんなマイナスの事ばかりが頭をよぎる



頭が痛い

冷却シートを額に貼って

フラフラと部屋に向かう


彼女の部屋に

電気が付いている


俺は窓に駆け寄る


タイミングよく

直ぐに

彼女の窓が開く


ハルがこちらに気が付いた

彼女はいつもとは違う表情に見えたけど

俺はそれよりも

声が聴きたくて


「どっか行ってたの?」


前のめりになり

そう聞くと

彼女は、より顔を曇らせて

小さく頷くだけで

理由は言わなかった


いいんだ

理由なんて


俺は彼女が

また窓を開けてくれたことが

嬉しかった


その日は

いつもより長く話をした

だけど、彼女の笑顔を見れることは無かった


「また、明日」


と言ってカーテンを閉める


会えたことの喜びが走りすぎて

俺は一方的に

話をしていた

俺だけが楽しんでいた


ベッドに横たわり

ソヨソヨと揺れるレースのカーテンを見る

ハルの表情みたいで、悲しげに見えた

今更、彼女を心配した

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