第3話 閉じた窓

4日目

雨が降っていた

けっこうひどい雨

朝からハルは、窓を開けることは無かった


俺も蒸し暑いから

リビングに逃げていたけど

彼女の窓が気になって

何度も自室へ行き

それを確認するように

窓辺に立った


彼女に会えないのが

寂しかった


ハルの笑顔が見たい


まだ

出会って数日だというのに

たった一日

顔が見れないことが

こんなに寂しいなんて


俺は彼女に心底、魅かれているんだと

実感した


「今夜はリビングで寝なさい

窓開けて寝れないから

具合悪くなるわよ」


自分の部屋で寝ようとする俺に

母が言った


「うん

ソファーで寝るわ」


そう言いながら

部屋に枕を取りに行った


電気もついていない・・・


今日はどこかに出かけてるのかな?


俺は窓を見て

彼女に届きはしないけど

小さな声で


「おやすみ」


と言って

リビングに枕を投げた

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