第7話
「と、まあそんな感じで
あちこち住処を変えて、ここにたどり着いたそうだ。
人に触れられるのか。
「人に触れたのはあの時だけだな。それと、
そうか。
名を娘にもらったらしい。
ただの藤である私には無いものだ。
そのうち人が勝手につけるかもしれない。とセキリュウは言う。
藤が神になったという話を聞いてみた。
させられたのか、自らなったのかはわからないが、いずれにしても、あり得ることだそうだ。
人々があまり熱心に求めると、私もそうなってしまう可能性もあるらしい。
「お前は神になりたいのか?」
セキリュウに問われた。
なりたくない。
「じゃあこれからは、人が来たら狐火で追い払ってやるよ!少し脅かしてやれば、人は来なくなるさ。」
セキリュウの言葉通り、徐々に人は来なくなった。
それでも、以前願いを叶えてもらったから。そう言って来る者もいる。
最初はセキリュウもあの手この手で脅かしていたが、変わらぬ人の想いに諦めたようだ。
「たまにいるんだよな。何度脅かしてやっても来るヤツが。しょうがない。お前も諦めてくれ。」
私は以前より人が来なくなっただけでも良かったので、たまに少しならかまわないと言った。
そうして、私はセキリュウと日々を過ごすことになった。
藤の花のひとりごと 天乃三葉 @Mituba_amano
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