第17話「問い掛ける声の行く先は明日か昨日か?」

またそうやって誰かに願うのか?


頭の中で声がした。

その声は俺の声に似ていた。


いつになったら変わるのか?


問い掛けるその声に脅迫されている様な感覚が俺を支配した。

なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?なぜ?

なぜ俺は生きているのだろうか?

生まれたから?死んでいないから?

その似て非なる自問自答には結論こたえなどなかった。


何度繰り返すのか?

何度同じ事を繰り返すのか?


一度目は過失だった。二度目は惰性だった。三度目からは習慣となっていた。

頭の中で問い掛けるその声に対して俺はただ思い浮かべる事で応えた。


変わらないのか?

変われないのか?

変わりたくないのか?

変わろうとしないのか?


わからない。分からない。解らない。判らない。


また逃げるのか?

またけるのか?

またらすのか?

まだ向き合わないのか?


ワカラナイ。ワカラナイ。ワカラナイ。ワカラナイ。


わからない?

わかろうとしていないのではないか?

本当にそれをわかろうとしているのか?


ワカラナイ。ワカラナイ。ワカラナイ。


ならわかれよ。

わからないならわかれよ。


頭の中で聞こえるその声は問い掛けるのをやめて結論こたえを投げ掛けた。

俺は投げ掛けられたその結論こたえこわくてこわくて堪らなかった。

そして俺は自分とわかれた。

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