第7話「左に右折したタクシーは空を飛んで海に潜った。」

「死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!」


 少女は剥き出しの殺意を男へぶつけていた。手に持った包丁を少女が降り下ろす度にグチャッという湿った音が辺りに鳴り響いた。

 少女が包丁を降り下ろしているのは男の股間。

 股間にある男が男である証、男の男性器に向けて少女は何度も何度も繰り返し包丁を降り下ろした。

 少女により破壊された男の股間は、陰部から腹部にかけて赤い肉塊となり、そこに男性器があったのかすら既にわからなくなっていた。

 それでも少女は男の股間へ包丁を降り下ろすことをやめなかった。


「死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!」


 少女は裸だった。

 少女の股間にある少女が女である証、少女の女性器からは粘っこい白い液体が垂れていた。

 少女の女性器からは白い液体に混じり、赤い液体も溢れ出ていた。

 まだ幼さの残る少女は、股間の女性器から白と赤の入り混じった液体を垂らし、目からは透明な液体を流しながら男の股間にある男の男性器へ包丁を降り下ろし続けた。

 その行為が100回を超えた頃、少女はその行為をやめた。

 そして、裸の少女は背中を向けていた男の頭部の方へ向き直ると愉しそうに微笑みながらこう言った。


「あはっ。どう?気持ちよかった?あなたってマゾヒストなんでしょ?このくらいすればもう一度勃起出来るんじゃない?ねえ?ねえ?ねえ?返事してよ…ねえ!こんなオトコオンナじゃなくてもう一度私にいれてよ!ほら!ほら!」


 男は少女の交際相手であった。

 既に返事をしなくなった男と少女の乗るベッドの横に女装した男が踞っていた。

 女装した男の股間には、少女の女性器から垂れている白と赤の液体と同じ液体が付いていた。

 その女装した男は恐怖で動けず、ただひたすらに謝っていた。

 少女は女装した男に言った。


「あら?あなたまだいたの?さっさと消えてよ。私達いま愛し合っているんだから。ふふふ、あなたみたいな浮気相手とは違って私はこの人の恋人なの。羨ましい?羨ましいでしょう?」


 女装した男が何かを答えることはなかった。

 黙ったままの女装した男に少女は言った。


「どうしたの?良いのよ。もうあなたを責めたりしないわ。この人があなたとように、私もあなたとじゃない。二人とも浮気をしたのだからおあいこなのよ。なあに?あ、これ?これはこの人のためにしたことよ。この人ったらあなたとしている間はあんなに大きくしていたのに、あたしがあなたとしているのを待っている間に全然大きくならなくなっちゃったんだもの。だから私はマゾヒストなこの人のために刺激を与えてあげたの。ふふふ、私って優しいでしょ?でもダメね。だってこの人もう死んじゃったみたい。私達は恋人だから私が死ねって言えば死んでくれるのよ?羨ましい?ねえ?羨ましいでしょう?…なら、あなたを私の新しい恋人にしてあげるわ。ふふふ」


 少女は愉しそうに微笑んでいた。


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