第5話
次の日
昼食を食べながら優香里に質問された。
「そいえばあの後から望月とはどうなん?」
「毎日連絡とってるよー」
「ラブラブですやん。会ったりしてるの?」
少し照れながら
「今度の土曜日に会う事になったの///」
「まじか!どこ行くの?」
「まだちゃんと決めてないけど、映画観ようかなぁみたいな話をしてるよ。」
「はぁあああ、いいねぇ、楽しそうで」
ため息をつきながら机に倒れ込んだ優香里の顔を覗きこみ
「優香里は部活が恋人だもんねー?」
「そうそう、毎日体育館でデートですよ、
…ってこら。」
そんな話をしながら、土曜日を待ちわびている自分がいた。
その日の夜
スマホが鳴り、画面に目を落とすと、涼からの着信だった。
ドキドキしながら通話ボタンを押し、電話に出る。
「はい」
「あ、美緒。今大丈夫?土曜日のこと話したかったんだけど」
初めての電話に胸が高鳴った。
「うん、大丈夫!」
それから、土曜日に何の映画を観ようか、部活での出来事、私のバイトの話など時間を忘れて話した。
気付いたら時計は日付を越えようとしていた。
「ごめん、涼くん、気付いたらこんな時間だね」
「ほんとだ、美緒と話すの楽しくて時間経ってるの気付かなかった。そろそろ寝るよな?」
「うん、そうだね、本当にあっという間だった。そうだね…そろそろ寝なきゃかな」
この電話を切るのが名残惜しく思ってしまっていた。
「そういや、俺の事呼び捨てで呼んでよ」
「えええ、それはまだ恥ずかしい」
「なんでや(笑)呼んでくれなきゃ電話切らないよ」
「えぇっ…涼…くん」
「君、つけてるやーん!」
「だって慣れないんだもん。みんなからは呼び捨てされることが多い?」
「そうだね、みんな"涼"って呼ぶかなー」
「慣れるようにするね」
「おう!じゃあ、美緒、おやすみ。また明日な」
「涼…くん、おやすみなさい」
その日の夜は電話を切った後もなかなか寝付けなかった。
土曜日は何を着ていこう。どんなメイクをしよう。何を話そう。
そんなことばかり考えていた。
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