第6話 邂逅

「案外近いところにいましたね」


「おう。まさか本当に来るとは」


「来ますよ。会いたいって言われたし」


「その、なんだ。なかなか。えっと。声に似合わず美形の細まっちょじゃねえか」


「ありがとうございます。あなたのほうも、その身体であの機敏な動きとは思えない」


「あ、これか?」


 胸。


「邪魔なんだよなこれ。最近はいくらかましだが」


 掴まれる。


「おいっ。いきなり揉むのは」


「なんですか。この。あざ」


「あ。ああ。これか。パラミリーやんのに邪魔だから、毎回巻いてんだよ。布でな。ぎちぎちに縛ってさ」


 彼の。

 顔が。


「提案があります」


 深刻になった。


「次の対戦で、最後にしましょう」

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