RE:Play Baby ― その赤ちゃん、史上最強の魔王の生まれ変わり。 〜ちゅいまちぇん、世界の片隅で平穏に暮らちたいので冒険に連れ回ちゅのやめてもらっていいでちゅか?〜
第二十八話:ギルド試験狂騒曲㉑/少女たちへの祝砲、それは天使の断末魔
第二十八話:ギルド試験狂騒曲㉑/少女たちへの祝砲、それは天使の断末魔
「これが──ギルドの『冒険者』である事を証明する“
ギルド選抜試験の閉幕から数時間後──日は徐々に
試験に見事合格したスティアとフィナンシェは、ギルド支部の受付カウンターに戻ったエスティから、ギルド公認の『冒険者』である事を証明する“
「これが──ギルドの“
折りたたみ式の
「失くすと大変だからな……。失くさないように身体のどこかに縫い付けておきなさい」
「怖っ!!?」
「…………冗談だよ。とまぁ、“
「「…………『
聞き覚えのない単語にスティアとその横で“
「ギルドの
「なるほど~。じゃあ、あたしは“
「わたしは……“
「承知した。エンブレム嬢は“
「
「「────でしょうね」」
エスティのこそこそ話を聴いたふたりは、受付カウンターのすぐ脇にいるラウラとトウリに目を向ける。
「あぁ〜〜、何故ですの!?
「
「嫌ですの嫌ですの嫌ですの〜〜っ!!
「わがまま言うなって!! 駄々こねて暴れるなコラッ!!」
「「「……………………。」」」
“
「オイ、テメェ等!! 何スルーしてんだ!? お前らもこのアホお嬢様を何とかしてくれよッ!!!」
「…………。」
「…………。」
「…………さて、次の話だが……」
「この
いよいよラウラに膝に
「──次に説明するのはギルドにおける“
「まずは“
「次に“
「そして、
「そして、“
「最後に、“
「“
エスティの言葉にスティアは全霊を傾けて聴き入る。ギルドでも最高位の称号──『
「この
「え〜っ、じゃあドラゴン退治とかはすぐに出来ないの?」
「そうなるわ。
「因みに〜♪ 最高に可愛いアイノアちゃんの
「うわっ、でた……!!」
そして、エスティの堅苦しい説明が終わった瞬間──隣で別の冒険者の
「はいはい、あんたの仕事は“
「あんえ……エフフィはんひろいれす〜!!(約:なんで……エスティちゃんひどいです〜!!)」
突然の横槍に怒りを露わにしたエスティにほっぺをぎゅうっと押されながら、アイノアが元いた位置まで押し戻されて行く。
「ともかく、これがギルドの仕組みだ……! では、改めてようこそ──ギルドへ、駆け出しの冒険者たち……! スティア=エンブレム、フィナンシェ=フォルテッシモ、あなた達の目まぐるしい活躍を我々は期待しています」
「…………ハイ!!」
「…………はい!!」
かけられたのは“期待”と“歓迎”の言葉。スティアとフィナンシェは──これからギルドの“冒険者”として、道を歩むことになる。
(あ〜ぁ、
「あとこれ、ギルドの新米向けのガイドブック。よーく読むように……!!」
──『ゴブリンでも分かる! 楽しいギルド♪』
「…………ハイ」
「…………はい」
(二回目の返事が明らかにやる気ない!!?)
(その本もらう人、いっつも『俺はゴブリンと同じ扱いなのか……!』ってすっごい
「いやー、良かったッスね、ふたりとも……!」
エスティの歓迎の言葉をカティスがフィナンシェの背中から
「あっ……! オヴェラさん!」
「フィナンシェちゃん、スティアちゃん、おめでとうッス! これで名実共に──立派な冒険者ッスね!」
「はい♪ オヴェラさんがくれた推薦状のお陰です。本当にありがとうございます」
フィナンシェはオヴェラに深々と頭を下げながら、彼に感謝の言葉を伝える。彼のお陰でふたりは選抜試験に参加できたのだから。
「オイラは“きっかけ”を作ったに過ぎないッス。れっきとした“冒険者”になれたのは──紛れもなくふたりの実力ッスよ」
(い〜や、おれのおかげでちゅよ……!!)
「…………はい!!」
そのフィナンシェの笑顔に満足したのか、オヴェラは
「もうふたりなら大丈夫ッスね」
「…………オヴェラさん?」
「オイラは……そろそろ行くッス。此処でお別れッスね」
「うん、わかったバイバイ」
「オヴェラさん、さようなら〜♪」
「アレーーーッ!!? 思ってた反応と違うーーーーッ!!?」
「…………くすっ♡ 冗談ですよ♡」
「あー、びっくりした〜」
「……で、オヴェラさんはこれからどうするの?」
「昨日の“
ふたりにそう言い残し、オヴェラは歩き出す。
「さようなら……オヴェラさん」
「…………次はオイラも、ふたりに見られても恥ずかしくない──立派な冒険者になるッスよ!!」
フィナンシェに見送られ、手を振りながら──改心した冒険者の男は去って行く。支部の扉をくぐり、やがてお互いの姿が見えなくなるまで、手を振り続けながら。
「う〜ん♪ 素晴らしきかな別れの時♡ アイノアちゃん、感動しちゃいました〜♡」
「あたしもそろそろ帰ろっか……? この子もそろそろミルクの時間だろうし」
「ばぶ、ばぶぶばぶぶぶっ……!!(約:いや、おれはミルクは嫌いでちゅ……!!)」
「そうだね♪ フオリさんやアヤさんにも“冒険者”になれたって報告しないとね♪」
「ちょっ……アイノアちゃんを無視しないで〜〜っ!!」
その様子の
しかし──、
「あっ、本来の用件、思い出しました〜♡ 試験で集めてくれたアイノアちゃん
「「い・り・ま・せ・ん!!!!」」
──アイノアのその言葉に、無性にムカついたスティアとフィナンシェは“ドンッ!!”と大きな音をたてながら、
「ひ、ひどい!!? アイノアちゃんがそれを作るのにどれだけの時間と魔力を費やしたと思ってるんですかーっ!!?」
叩きつけられたアイノア印の“
その時だった──、
「エンブレム嬢、フォルテッシモ嬢、その“
──エスティが思いもよらぬ発言をする。
「…………え、こんな趣味の悪いゲテモノいるんですか……?」
「やだー、フィナンシェちゃんったら意外と
「まぁ、これにはこれで
そう、にこやかに言いながらエスティはカウンターに置かれた“
「エスティちゃん……そんなにも……そんなにも、アイノアちゃんのことを……///」
両手を頬に添えながら、アイノアはくねくねと身体をくねらせている。
「「…………うわ、キモい」」
スティアとフィナンシェの
「実はな……参加者たちが集めたり、果樹園に散らばっていた“
──そのエスティの言葉に、アイノアはほんの少しだけ“嫌な予感”を感じ、背中にはゾワゾワと
「エスティちゃん……??」
「それでだ♪ この気味の悪い“
「なんでアイノアちゃんの……私の口調を真似するんですか……?」
「受付カウンターの前にポーイッ♡」
エスティの作られた可愛らしい
何事かと集まって来た冒険者に円陣を組むように袋は囲まれ、あたかも──
「ラウラ嬢、早速で悪いが──ひとつ“
「ちょっと……エスティちゃん、ホントにやめて……!」
「あー、なるほど~♪ 良いですわよ、エスティさん。特別に──
「ねぇ……ほんとにやめて? 今度、スイーツでも何でも奢るから〜っ!!」
そして、エスティの
これから起きる事を理解したアイノアが抵抗を始めようとした瞬間──、
「ちょ、やめ────」
「取り押さえろ!!」
「「「イエッサーーーーーッ!!!」」」
──エスティの指示と共に、複数のギルド支部の職員たちがアイノアを背後から羽交い締めにする。
「は、放して〜っ!! どこ触ってるんですか、変態ッ!! エ、エスティちゃん! そ、そんな事したら、アイノアちゃんが大変な事になっちゃうんですよ!?」
「えぇ、知ってます〜♡ 確か“
「────ひっ!?」
「アイノア、あんた……ラスヴァーさんに言ったわよね……?」
羽交い締めにされ、恐怖で顔面蒼白になっているアイノアに顔を近付けながら、エスティは彼女の全身を舐め回すように言葉を
「悪い事するなら、裁かれる覚悟が無いとダメだって……♡ なら、あなたも勿論、
「お願い……やめて……アイノアちゃんの恥ずかし
「うん♡ とっても愉しい♡」
「やめて……アイノアちゃんがとんでもない事になっちゃうんですよ!? 健全な青少年には刺激が強過ぎる
自分がどう言う目に合うかを理解しているからこそ、アイノアは必死にエスティに許しを請うが──、
「だ〜め♪ ラウラ嬢……“
──エスティは笑顔のまま無慈悲に、処刑人のように大剣を構えるラウラに
「ハーイ♡ “爆炎よ 爆ぜろ”──」
「ちょ──やめっ! こうなったら、“
それを阻止すべくアイノアは声を振り絞って抵抗を試みるが──、
(こ、声が出ない……!? ど、どうして……!!?)
──フィナンシェの背中にいるカティスの干渉によって、アイノアの声は急に掻き消されて聴こえなくなってしまう。得意の美声がでなくなり、彼女は打ち上げられた
(“
周囲を無差別、又は対象を指定して──その者や物質が発する“音”を消し去る事が出来る。詠唱が必要な魔法の阻害や聴覚に作用する“
(魔犬の女王とその子どもたちよ……。
「────!! 〜〜〜〜〜〜!!?」
声にならない叫びをあげて、アイノアは自分の分身とも言える“
「今日一日、さんざん好き勝手やって、
(あとは──お前に
「────『
そして、エスティの断罪の言葉と共に──ラウラが振り下ろした大剣から火球が放たれる。
(『
「────ッ、やめてぇええええええ!!」
最後の最後に、カティスの術から開放されたアイノアが悲痛な叫びを上げるが──時すでに遅し。
──ボォオオン!!
爆音と爆炎と共に、大量の“
そして、その瞬間──、
「────ッ、んっっっっっぎゃぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!???」
──アイノアの無様な
「ねぇ……フィーネ? あれ、どうなってるの……??」
「……多分、“
「フィーネの説明がえらい具体的で、あたし今、若干引いてる」
「//////」
「あぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!!???」
アイノアは立ったまま、年頃の女の子がとてもじゃないが
その感じる快感は──常人が許容出来る快感の数百倍。
「う〜ん、最っ高/// この光景だけでもオカズには十分だわ〜///」
そんなアイノアの無様な断末魔を、エスティは
そして、アイノアが叫び続けること1分後──、
「ぁぁぁぁ────────ぁ♡♡♡」
──とうとう快感に脳が焼き切れたのか、最後に妙に
「────────。」
そして、身体をピクピクと痙攣させ、口から泡を吹き、白目を剝きながら──アイノア=アスターは完全にのびてしまった。
「──よしっ!!
エスティの指示に職員たちは無言の敬礼をすると、失神したアイノアの首根っこを乱暴に掴むと──ずるずると
「うわぁ……」
「よく見ておきなさい、トウリさん。あれが……“
「あ〜、スッキリした/// 私、いま人生で一番幸せ〜〜///」
神妙な面持ちでアイノアの末路を見届けた周囲の冒険者たちとは正反対に、エスティは上機嫌に鼻歌を歌いながら受付カウンターに戻っていく。
「あー、あたし達も帰ろっか……?」
「そう……だね……」
その後、
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