RE:Play Baby ― その赤ちゃん、史上最強の魔王の生まれ変わり。 〜ちゅいまちぇん、世界の片隅で平穏に暮らちたいので冒険に連れ回ちゅのやめてもらっていいでちゅか?〜
第二十ニ話:ギルド試験狂騒曲⑮/大騒動、大惨事、大事件 -Trouble & Accident & Emergency-
第二十ニ話:ギルド試験狂騒曲⑮/大騒動、大惨事、大事件 -Trouble & Accident & Emergency-
一方その頃──ラスヴァー家旧邸宅、裏庭・
「
迷宮庭園を駆け抜けたラウラとトウリは、そのまま庭園の裏手にある
「──スンスン……これは、リエムの実の樹だな」
「リエムの実……! まぁ、高級果実ではありませんか!?
トウリが
「リエムの実ってのは、たっかーい樹に
「何と……あの高い樹に、実る果実は一つだけですの!? 道理で、やたら流通してないし、ほっぺが落ちるほど美味い訳ですのね……」
自分がかつて口にした高級な果実の味を思い出しているのか、ラウラは
「リエムの実って確か一個2万ルーツ(※日本円で約20万円程)もする高級品なんだが……やっぱ貴族か、ラウラは……!」
「なら
「あぁ、失敗だけどなコレは……」
「──と、言いますと?」
「一個の果実が周囲の“
「なる程、欲をかいて失敗したのですね?」
「そう言うこった──ッ!? ストップだラウラ、
周辺の様子をつぶさに観察しながら、樹々によって薄暗くなっている
「…………ッ! 確かに……少し生臭いですわね……!」
その匂いはただの人間であるラウラにも嗅ぎ取れる程に、
「獣……いや、この血肉の匂いは……
「な、何が起こっているのですの、トウリさん……!?」
「大量の蛙みたいな
それは、
「こんな
「──だな。問題はそのフォレストフロッグの群れが、何に
フォレストフロッグ──この
「その大型の
「だと思う……ぜ。いくらなんでも、おれたち参加者が手も足も出ない化け物を投入するなんて、あの趣味の悪い女でもしねぇ筈……いや、アイノアの事だから確証ねーけど」
「──スンスン……ウッ!? 血の匂いが強くなってきやがった……近いな」
トウリがあまりの
そして──ふたりが目の前にあった倒れた
「な、なんですの……こ、これは!!?」
「おいおい……冗談じゃねぇ……!! 何考えてんだ、あのアイノアとか言う奴……!!」
「む、
「──嫌な予感がするな……!! ラウラ、一旦邸宅まで戻るぞ!」
フォレストフロッグたちは皆、
その
しかし──、
「Gurrrrrr…………!!」
「な、何ですの……今の
「──最悪だ、こりゃ……群れの“
──
ラウラとトウリが迷宮庭園で打ち倒した魔犬よりも遥かに大型の肉食獣の声。そして──“パキパキッ”と落ちた枝を踏みしめる音を鳴らしながら、その怪物はゆっくりと近付いて来る。
「ト、トウリさん……
「き、
姿は見えずとも、その怪物の放つ威圧感は凄まじく、ラウラとトウリはその威圧感に気圧されて、その場に立ち
ラウラとトウリは額から冷や汗をダラダラと
そして、そんな彼女たちに狙いを定めたかの様に──泉の向こう側から、獣は現れる。
灰色がかった毛並み、
「あ、あばばばばばば……!!」
「あ、あわわわわわわ……!!」
あまりに“
そして、
「WowooOOOOOON!!!!」
──高らかに
その真っ直ぐに
「ぎ……ぎ……!!」
「ぎ……ぎ……!!」
「「ぎ、ぎゃああああああああああああああ!!!?」」
──
「Garrrrrrrrrr──!!」
絶叫を上げ、その声を原動力にしてラウラとトウリは全力で逃走を始める。そして、ふたりの“
「「た、た、助けてぇえええええええっ!!!!」」
逃げるは少女ふたり、追うは巨大な魔犬──『ハウンド・クイーン』。このラスヴァー家旧邸宅に放流された魔犬たちの女王個体──連れ去られた我が子達を追い掛け、迷い込んだ
カティスが観た──スティアとフィナンシェの“死の未来”まで、残り3分。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます