RE:Play Baby ― その赤ちゃん、史上最強の魔王の生まれ変わり。 〜ちゅいまちぇん、世界の片隅で平穏に暮らちたいので冒険に連れ回ちゅのやめてもらっていいでちゅか?〜
第三話:目覚めの時③/ヴァルタイスト地下迷宮
第三話:目覚めの時③/ヴァルタイスト地下迷宮
──ふたりの少女は
スティアとフィナンシェは
未知の体験に胸踊らせながら突入した二人も、差し込む日差しの向こう側──
暗闇に足を踏み込むには“勇気”が少し足りない。スティアとフィナンシェは恐怖に
「大丈夫──心配しなくていいよ。ここには俺たちがちゃんと居るからね」
そんなふたりの少女に欠けていた“ほんの
優しく語り掛ける声に、スティアとフィナンシェは
──あぁ、この人たちといるなら自分たちは安心できる。
そんな
「もう大丈夫かい? 歩けるかな?」
にこやかに少女たちを気遣う優しい声に、スティアとフィナンシェは──
「はい……もう大丈夫です。ありがとうございます」
──そう答える。
ただ一つだけ
(かぁ〜〜!! 若い
──
“
事実──ヴァラス達の
次に、彼等がふたりの少女に“
〜〜〜
しばらく──と言っても
歩けども歩けども──
「すごい……」
スティアの口から出た感想は
「はぇ~、すっごいね兄貴。これなら……」
「あぁ……! これだけの規模だ、ここが魔王カティスの
「全くだねぇ……。ここの情報をくれた
しばらくすると、
「寒かったら上着を貸してあげるよ、スティアちゃん」
「あ、ありがとう……ございます……」
「
「ありがとうございます、ラウッカさん」
ヴァラスとラウッカは、そんなスティアとフィナンシェの
「オイラも……あのー、おふたりさん? 良かったらオイラが買ってきたお菓子でも食べるかい」
自分も会話の
「汚いから触らないで!!」(スパァン!!
「ごめんなさい……このローブお気に入りで……」
「なんで!? オイラ対してだけやたら
スティアに腕を
──そもそも、
((そりゃお
──オヴェラ自身に問題が有るのだが。
「ところで──『
寒さに慣れたのか、
それがスティアの
そもそも、『
──が、『盗み』なんて言う“犯罪行為”を行う“
つまり──
「そうさねぇ……アタシたちの仕事を簡単に言えば、その“
「そう言った
「へぇー、なるほど」
──
今回の
情報がない以上、その
そこでギルドは手始めに、未知の
「そうやって
「今日の調査でこの
ヴァラスたちの説明にスティアとフィナンシェは息を飲む。
彼等の役割は
安全ならそれに越した事はないが、なにせ今調査している
「ここが本当に魔王カティスの
「……だな。その代わり、
ヴァラスは得意気な顔で鼻息を荒くすると、人差し指を
「兄貴……女の子にデレデレしてお
──と、不満げな表情で
「調査
「そしてもう一つの利点──調査
──“
この際、この攻略
何故か──理由は簡単。万が一、ギルドが
また、戦利品を
「アタシたちは“調査ギルド”は、未踏の領域の調査って言う
「つまり……どう言う事なんですか?」
「つまり、ここの調査で俺たちが『何をしても』、逆に『何かあっても』──ギルドはそれに
「そう……例えば、この
「じゃあ、あたしたちがお宝を見つけたら……!!」
「
「やった……!!」
『お宝』と聞いてスティアとフィナンシェは目を輝かせている。
そんな話に、故郷から飛び出して数時間で巡り会えるなんてなんて運が良いんだろう。スティアとフィナンシェはそう感じずにはいられなかった。
──まさか、
〜〜〜
崩れ落ちたかつての
冷え切った空気はさらに
体感温度は
「……
「…………そうだな」
『
一般的な
人喰い魔獣が潜む
──だが、ここはどうだろうか。誰もいなければ、何かがいた
「流石に
「そうスッね……今のところ目ぼしいお宝も見つかってませんし」
「…………チッ! あー、つまらねぇ」
そんな
「なんだか……怖いね」
「…………うん」
ヴァラスたちとは対照的に、スティアとフィナンシェはただの一つも
「あ〜〜、もういいや」
一番最初に
「ヴァラスあんた、もうおっ
ラウッカの問い掛けに、何も語らず──
それを合図に、『
一歩、また一歩。少女を喰い物にせんとする
そして、今まさにふたりの少女の身体に牙が勢い良く伸びようとしたその時──
「……見て! あの奥、何か
──スティアの声に、獰猛な“獣”は
「
ついさっき
「おいおい……なんだよこりゃあ……!! スゲェ……まじで
「こりゃあたまげた……!! なんて綺麗なんだい……!!」
「なに……これ……?」
「すごい……こんなにキレイなの初めて」
入り口から崩れた廻廊を下りること数百メートル。恐らくはこの
だが、
──
誰が見ても、誰が手にしても、誰がどうやっても──
「や……や……や、ぃやっったーーーー!! 大当たりだー!!」
「アタシたち大金持ちよー!!」
「うっひょー、すんげーッス!!」
『
「王家の
ヴァラスは
「つまり
オヴェラは
「本当にあった……
ラウッカは奇跡を
──間違いない。
『
「ねぇ……フィーネ。この財宝って
スティアは目の前の財宝に、「自分は夢でも観てるんじゃないか?」と
「あ〜ん、全部持って行きたい〜〜。これとあれと……これもきれーい。魔王カティスさん、素敵な『
「わ゛っーーーー!? フィーネがもうお宝ごっそり集めてるーーーー!!?」
「スティアちゃーん、見てみてーわたしたち大金持ちだよー♪」
「落ち着いてフィーネ!! そんなにいっぱい持てないでしょ!?」
「
「フィーネの眼がぐるぐるしているぅーー!? あとなんか
フィナンシェの
「アッチニモット、オ
「あぁ、待って!? フィーネ、あなたは
〜〜〜
「ごめんね、スティアちゃん。あんな量の財宝見た事なかったからつい
「まだちょっと影響が残ってる!?」
「あっ//// いけないいけない……落ち着かなきゃ」
そう言いつつフィナンシェは辺りに散らばる財宝を
財宝に一瞬で心奪われた『
──これ程の財宝を安置しているのは、
スティアがそんな事を考えるのには、理由があった。
──
メイドと言えば、
しかし、あのメイド服を着た人形たちが──
「スティアちゃん……見て、あれ……」
「ここが
フィナンシェは
スティアはこの場所の
その時──
「──────ッ!!!」
ズキンッ──と前髪で
まるで眼球に刃物を突き刺された様な激しい痛みがスティアを襲い、
「スティアちゃん!? 大丈夫!?」
スティアの異変に気付いたフィナンシェはすぐさま彼女に駆け寄って、蹲る彼女の身体を支える。
「──ッ、──ッ……だ、大丈夫……ちょっとチクッとしただけだから……」
「本当……?」
「うん……それより……あの人たちに
「大丈夫だよ……。みんなあっちの方でお宝に夢中で、スティアちゃんの事なんて誰も見てないよ」
「そっか……良かった……」
その時だった。
「スティアちゃん……扉が……」
「紋章が……輝いている……?」
先ほどまで、
そして、
大きな地鳴りを響かせて、まるでふたりを
──さっきの右眼の激痛のせい……? そう考えるスティアだったが、すぐに首を横に振って
その手をそっと掴むと、フィナンシェはスティアの手を引く。
「……行ってみようスティアちゃん」
──どうしても気になる。果たして、この奥に何があるのか?
「うん……。行こう、フィーネ」
意を決したのか、スティアはフィナンシェと共に扉の奥へと進んで行く。
そこは──
スティアとフィナンシェが足を踏み入れたのを確認したかのように、部屋の
そこにあったのは──黄金の
──
この
スティアの
思わず息を飲む──。
「あれ……? なんだろう、あの箱……?」
いきなり棺に駆け寄ったフィナンシェの大胆な行動に、思わず息を吹き出す──。
「ぶーーっ!? 何やってんのフィーネ!!?」
「見て、スティアちゃん。これ……何かしら?」
慌ててフィナンシェに駆け寄ったスティアが見たのは、黄金の棺の上にポツンと置かれた小さな小さな『宝箱』だった。
大きさにして
「中に何か入っているのかな……?」
そう言いながら、フィナンシェは宝箱を大きくガタンと揺らす。
コツン──と
瞬間──フィナンシェは宝箱に手を掛け勢い良く開けようと
「────本当にこれ
スティアはフィナンシェに冷静になる様に
「これが罠だったら……
だからリスクに備えるように
「────大丈夫だよ。何かあったらふたり仲良く死ぬだけだから怖くないよ♪」
「
──駄目だ。全然、気にしてない。
スティアがフィナンシェの
そこには──
「…………え?」
「…………あら?」
「…………ふえ?」
──ひとりの赤ちゃんが入っていた。
毛布に
生きている──、あまりにも不可解な状況にスティアの頭はパニックを起こしてしまう。
(……赤ちゃん……? なんで赤ちゃん……??)
無理もない、宝箱から──それも誰も
──分からない、理解できない、考えたくない──
スティアの頭の中であらゆる可能性がぐるぐるしている。
「わぁ~、赤ちゃんだー」
そんな“
「どうしたのー、こんな箱の中に入って? いまお姉ちゃんが出してあげるからね」
なんだったら、
(
そうは思いつつも、スティアは目を丸くしながら赤ちゃんを見つめる。
毛布に包まれた赤ちゃんは、
──本当に赤ちゃんだ。宝箱から赤ちゃんが出てきた。いや、ありえる? ありえないよね?
だから──スティアは叫ぶしかなかった。
「あ……あ……、赤ちゃんが宝箱からドロップしたーーーー!!?」
この時、スティアとフィナンシェは知らなかった。まさか、目の前の赤ちゃんが──
(ど……ど……、どうなってるんでちゅかーーーー!!?)
──なんて、スティアとフィナンシェ以上に慌てふためいた状況に
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