第3話「警察はこの辺には来ませんよ?」


 食堂




 ふぅー、結構歩いたから疲れた………


「あのー、聞きたいことあるんですけど……」


「ご飯食べながらにしましょうよ。せっかく食堂来たんですし」


 ルンルン気分で並んでいる。食べるのが好きなのだろうか。

 

「僕お金無いんですけど………」


「そこはお姉さんにお任せあれ!仕方ないので奢ってあげるつもりです!」


「まあ拉致られて無理矢理ここに連れてこられたのは僕ですからね」


「はいはい。すいませんでした〜」


 コ、コイツッ、全く反省してないよな?さっき反省してるとか言ってたけど。

 

「僕拉致られてるんで、警察に言ったらアンタ一発で逮捕じゃないかなぁ」


「あ、警察はこの辺には来ませんよ?なんてったって、ここは裏社会側の世界ですもん」


「………………マジすか?」


「マジですよ」


 やばい。拉致られたのに反撃も出来ない。ってか裏社会側の世界ってなんだよ!裏社会には警察はいないのかよ!

 ああぁ、最終手段が無くなった。


「何食べますか?」


 と、入ったところにあるメニュー表を見せてくる。呑気だなぁまったく。


 料理は表側?の社会と同じ感じなんだな……………ん?

 カラフル眼球サバイバル定食…………。

 これなんだよ。絶対食いたくねぇ。これ食うやついるのかよ。


「じ、じゃあ僕はこの豚骨ラーメンで」


「それじゃあ私は…このビーフカレーで」


「かしこまりました〜。席に座ってお待ちください」


 結構いい匂いするし、周りにはそこそこの人が食事をしに来ている。美味しいのだろう。


 近くがちょうど開いたのでそこに座ることにした。


「座りましたし、質問いいですか?」


「そうでしたね。すっかり忘れてました。いいですよ」


 本当に忘れていたのだろうか。もしそうならマジで殴りたいんだが………。

 

「…では、何故僕がここに連れてこられたんですか?」


「あなたがこの裏社会に必要と思ったからです」


「自分がこの裏社会に必要? 自分、頭良くないですよ」


「別に頭の良さだけが全てではないですよ。少し前から私たちはあなたを見張っていました」


 マジかよ!?


「その結果、私たちにはあなたが必要だと思ったので無理矢理連れてきました」


 なんでそこで無理矢理連れてくるんだよ。他に手はなかったのか?


「………では具体的に自分の何処が必要だと思ったんですか?」


「そうですね……簡単に言えば、才能ですかね」


「才能?」


 なんの才能だよ。まあ確かに運動はそこそこ出来る方だった。クラスの中ではいつも上の下くらいの出来ではあったが、それでも自分より上はいた。

 さっきも言ったが頭の良さは平均レベル。特に秀でたこともできないし…………


「ふふっ、悩んでますね」


 笑われた。そんなに顔に出てたか?


「才能なんて、特に思いつきませんよ」


「それもそうですね。答えを教えます。




 あなたにある才能は『殺し』の才能です」


 






 知らない方が良かったのではないだろうか?



————————————————————

あとがき


 夏休みサイコー




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