優の休憩所

時雨白

休憩所での目的

第0話 プロローグ

 気づいたときにはすべてが終わっていた。


 刻一刻と無慈悲に過ぎる時間、心配そうにこちらに話しかける子供の声、何事かとこちらに向けられる視線。


 私の中で何かが音を立てて崩れていくのがはっきりと分かる。


 視線が定まらない、頭の中が徐々に真っ白になっていく。


 自分自身がやらかしたことを理解させられる。


 予兆はあったはずだ、警戒も怠らなかったはすだ、彼からも忠告されていたはずだ。


 いくらでも防げたはずだ、そのチャンスは沢山あったのだから。


 しかし、私はそのチャンスを掴み取ることが出来なかった。


 いつだってそうだった、何度も何度もチャンスを無駄にして失敗した。


 それでも諦めずにただ進み続けた。だけどそれがダメだったのかもしれない。


 いやダメだったのだ。ダメだと分かっていながら挑み続けた愚かな私に神が業を煮やし天罰を与えたのだろう。


身の程を弁えろと!お前ごときに何も出来るはずがないと


 結局私はなにもできなかった。彼の言っていたことが正しかったと思い知る。


 こうなることなら彼の言うことを聞いてみるべきだった。だったら少しはマシな結果になったのだろう。


 だけど私はそれを拒否したのだ、詰まらないプライドを守るため、一歩踏み出す勇気がないため私は彼の手を拒んだ。


 もう足が動かない、もう何もできない、その事実が私からすべてを奪い取る。


 残ったのは乾いた笑みと諦めの涙だった。


 こんな状況に陥って初めて彼の助けを期待する愚かな私が嫌になる。


 しかし、もういいのだ。もう私は終わったのだ、例え彼がまだ私を助けたいと思っていても、もう助からない。そうなっているはずだ。


 誰か教えてほしい、結局私はどうすればよかったのですか?

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