第8話 集いし者たち

「ところで潤、どうしますか?」

「どうしますか、というのは?」

「訓練場でメーティス様、ヘカテ様がお待ちなのでそちらへ行きますが、その前に寄りたい箇所等はないのでしょうか?という意味です」

なるほど、施設の中は見て回りたいけどそれより気になる事があるのでそちらを優先する事にした。「俺以外の人間がいる、とメーティスさんから伺っていたから、まずはその人達に会いたいな」

「分かりました。皆さん、訓練場にいらっしゃるので早速向かいましょうか。道すがら聞きたい事はありますか」聞きたい事か、改めて言われるとそうだな…。

「この基地にはみんないるのか?」

「いいえ、この基地にはヘリオス様、ヘカテ様、メーティス様、そして貴方を含めた人間3名、そして接続回路ユニット3機です」

「接続回路ユニット、というのは?」

03,と先程まで呼ばれていた事を踏まえるとおおよその察しはつくが

「私の事です。神性接続回路、それが私達の正式名でした。潤に私がいるように、他の人にも回路ユニットが存在します。詳しくはまたこの後、説明があります」

でした、と過去形なのは俺が名前を付けたからだろう、というのは想像に難くない。

「着きました。ここが訓練場です」

扉が鈍い音を立てながら開く…その様子は俺を試しているようであった。

「お待ちしておりました。人の子よ、無事に名前を付けれたようで安心しました。それで、どのような名前を付けたのでしょうか?」

「ナジェです。希望を意味する言葉が由来だそうです。それより、メーティス様。潤に他の人達を先に紹介したいのですが宜しいでしょうか?」

メーティスさんは少し考えてから

「そうですね、ここで人の子は山邊さんを入れた3人ですものね。先に紹介しておく方が宜しいでしょう。上野さん、高坂さん、どうぞこちらへ」

「いよっ!アンタが噂の3人目か、俺は上野・歩夢。この子はオトナシ、宜しくな!」

男性とナジェとは正反対な印象を受ける女性、この子がナジェの仲間なのだろう。

「ちょっと、上野君だけでなく私にも注目してくれるかしら私は高坂・由貴。この子は相棒のイツキ。これから、仲良くしていきましょ」

イツキ、彼もナジェと同じなのだろうが、唯一の違いは男性という事だろう。この2人が共に戦っていく人達なのか。

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