第4話 真実(偽) 神の決断

目が覚めると、ベッドに拘束されていた……え?なに、この状況⁉ そして、ここはどこ?! 

「目が覚めましたか」

「ここはどこなんですか⁉ そして、この」

「ここは、私達の基地の中です。ようこそ、人の子よ。此度の協力感謝致します」

慈愛に満ちた澄んだ声が突如、謎の女の後ろからした。

「あ、貴方は?そもそもなんで、拘束されてるんですか?」

「事情を説明する前に逃げられては困るからです」

「貴方の気持ちも分かるけど、流石にやりすぎよ、03。申し送れました。私はメーティス。今回は私達の仲間である03がとんだご無礼をしてしまい大変申し訳ありません」

「いえ、気にしてませんので頭を上げて下さい」

ここに来る前に殴られた鳩尾はまだ少し痛いけど、そんな深々と頭を下げられては逆に申し訳ない気持ちになる。

「それで何度も彼女から協力を求められましたが、俺は何をしたらいいんですか?」

「協力してほしいのは私達が抱える深刻な問題についてです。さて、本題に入る前に気象を始め様々な異常が各地で起きているのはご存知でしょうか?」

「ええ、知ってますが。それがなにか?」

毎年、コメンテーターが前代未聞の暑さです、と言っていたり地震の頻発など異常が続いているように思う。

「それらは私達、神が引き起こしている警告でした。環境破壊、生態系の破壊など人間の行いに警告を繰り返し、改めるよう促してきましたが改善されないと判断し、ついに神々が罰を下すことを決めました」

「ちょっと待って下さい。今の話の流れではメーティスさんは敵側ということになりませんか?」

昔、なにかの本で見た気がする。メーティス…知識を司る神だったような。

「神罰、彼らはそう言っています。その意味が分かりますか?」

「いえ…」

「神罰とは神自らが人類そのものを滅ぼす、という事を意味します。人の世を終わらせて次なる種に全てを託そう。それが今の神々の考えです」

神罰。その意味を03が静かに怒りを抑えた様子で解説してくれた。それは初めて明確に分かった彼女の表情の変化でもあった。

「ありがとう03,詳しい話は私からしましょう。いまは焦らないで待つときですよ」

「……はい、メーティス様」

03と呼ばれた彼女は不安そうに俺を見つめる。

規模の大きな話に思考が追い付かないが彼女を助けたいという気持ちは紛れもなく本物だ。となれば、自然と答えはもう決まっているようなものだ。

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