人(工知能)が転生⁉ 転生した破壊兵器の「人」としての物語

>この作品のさわりとしては、人間が絶滅した世界で新たに地球の支配者となり破壊を繰り返す人工知能。その中でもひときわ戦果を挙げていた〈シャットダウン〉という人工知能が死に際に「心」とは何かという一つのバグを生み出し、異世界に転生する。そして新たな世界で落ちこぼれとして扱われている〈クオリア〉という人間として生まれ変わったシャットダウンがその世界で会う様々な人とのかかわり、その中で会う様々な事情を抱えた人々との関係の中から「心」をラーニングしていく...という物語だ。

>最近だとごくありふれた?異世界転生という題材に人ではなく、〈人工知能〉を転生させるという斬新な作品だ。自身がこれまで見てきた中では、現代日本のような世界で人工知能が成長していく...、または未来の世界を想像して書かれたもののしかなかった。しかしこの作品は、そこに〈異世界転生〉を掛け合わせたのだ。

>この作品の素晴らしいところは、クオリアの周りにいる人々の感情の描写だ。
もちろん〈心〉というものを題材にしているだけあって感情の描写が素晴らしいのは当たり前だ。しかし自分でもよく表せない感情をこのように文章として表せるのは本当にすごいことだと私は思う。

>これからもクオリアがどう成長し〈心〉を学んでいくのか...目が離せない物語だ。

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