第5話 男意気の勝負


不忍通りを歩いて外堀通りに出りゃあ湯島天神下にたどり着きやす。

春日通りを越えて一つ目の信号を右手に入りゃあお江戸の時代から残っている連れ込み宿街(江戸時代じゃあ出会い茶屋と呼ばれていたらしく不忍池周辺の池之端から湯島界隈には何十件もの出会い茶屋が軒を並べていたらしい)今日じゃあラブホテル街ですが。


暫く真っつぐ行った左手側のホテルMARIにチェックインして部屋にへえったと思いねえ。



おいらは途中で買った飲み物とお菓子をテーブルの上に置いて、ソファに腰掛け先ずは煙草に火を点けた。

美咲はおいらが無造作に置いた荷物を片付けおいらのジャケットを脱がせハンガーに。

さりげないこの動き、たった4つ5つしか違わねえのに、、、

ちょいとした姐さんぽさに心掴まれやした。


何やら後ろでゴソゴソしてやがるなあと振り向くと。


『コッチ見ないで!』


って恥ずかしそうに言いやがる。

“ストッキングを脱いでいやがった”

せっかちな野郎だなぁ~と独りごちと思いきや、、、髪をちょいと結んで


『お湯浸かるでしょ?』


そのままお風呂場に行き満遍なくシャワーで流してお湯溜めてやがる。


“不味い、、、惚れそう”


おいらは生粋の江戸っ子!気遣い心遣いの出来る野郎にゃあ滅法弱え~ときてやがる。ましてや末っ子の甘えん坊とくりゃあ尚更の事。

さりげ無く世話焼かれんのがでえ好き。

美咲の所作はおいらの胸に突き刺ささりやがった。


『あたしも一服しよ』


おいらの隣に座り煙草を吸い始めた。

片手はおいらの手をしっかり握ってやがる。

いつの間にかおいらの肩に頭乗っけて、、、


“何から何まで年上女の魅力満載じゃあ御座いやせんか!”


「さっきの続きじゃねえが何でおいらの誘いを断らず来たんだ?」


『じゃあ、何で兄貴と揉めるの目に見えてて兄貴の指名してるホステス口説いたの?』


質問を質問で返すなんざあ卑怯な真似しくさってぇ、、、

ちょいと返事に窮していたと思いねえ。


おいらの手を取り自分の胸に当ててこう言いやがった。


『此処が感じたこと。理由なんて分からない』


“かぁ~完全においらが負けてやがる”

きっとその後の言葉があるなら、、、

“野暮な事お言いでないよ”だな


おいらは美咲の煙草をそっと灰皿に置いて、優しいキスをした。


“無理やぁ~我慢出来ねえ~”


舌を激しく絡ませ唇を吸い上げりゃあ、いつしかおいらの右手は一直線に美咲の白くてむっちりした内股へ、、、


“柔らけえ~つき立てのお餅みてえだぁ~”


おいらの指先はホフク前進で敵の要塞に挑む最前戦の兵士じゃあ御座いやせんか。

ようやっと五人の精鋭ソルジャーが要塞パンティに辿り着いたと思いねえ。


『あっあ~おっお風呂?あっ』


初めての対戦相手のパンティに触れた瞬間が何よりも至福のひととき。

まるで好物のすき焼きで牛肉を卵に浸した時か、大トロ握りの炙りを醤油に漬けた時にも似てやがる。


筋目に沿って中指先をツゥーと下に、、、

下から上への栗返し!


『あっあっあ~ダメぇ~』

『びしょびしょになってきちゃった』


“はぁ~堪りわせんわぁ~この台詞!”


美咲の野郎ときたひにゃあ、ガッチガチでズボンの中で張り裂けそうになってるおいらの息子を優しく撫で上げてくれてるじゃあ御座いやせんか。

おいらも負けじと美咲のパンティの中へ指先を潜らせた。


かぁ~びっしょびしょに溢れけえっていておいらの指は完全に溺れちまいやがった。


美咲はおいらのズボンのベルトを外しファスナー下げの下着(勝負ビキニパンツ)の上からパクって来るじゃあ有りやせんか!


「あぁ~あっあっ」


おいらが堪らず声を上げると、、、

パッと顔を上げて優しく微笑みながら


『お か え し 』


って立ち上がりお風呂場へ行くと溢れけえったお湯を止めて戻って来やがった。

おいらは目の前の美咲を座ったまんま抱き締め、顔いっぱいに豊満な胸を貪りながらワンピースの裾から両手を入れて肉つきの良いお尻を撫で回した。


「美咲!もう我慢出来ねえ、、、」


おもわず声を漏らしちまったおいらの頭を、子供をあやす母親の様に優しく抱き締め。


『ベッド行こ』


そう言うとベルトを外してすっとワンピースを脱ぐとベッドに潜り込んだ。

おいらも急いで服とズボンを脱いでパンツ一丁で美咲の後を追ってベッドの中へ。


美咲は淡いクリーム色のレースのあしらったキャミソールと揃いのブラジャーとパンティ姿!


“下着のセンスも俺好み”と独りごち。


二十歳の男にとっちゃあ~4つ5つ上の女たあA5ランクの極上ビフテキ以上よ!

ベッドで横たわっている美咲を見ているだけで、ホンにヨダレが垂れてきやがる。


そぉーと頬に手をやって唇合わせりゃあ~


“はぁ~キャミソールのサテンの感触が敏感なおいらの肌を刺激しやがるぅ~”


したっけ先から遣られっ放しじゃあ御座いやせんか!


此処からがおいらの腕の見せ所!


まだまだ駆け出しのひよっ子では御座いやすが、十四の春に男に入門して以来6年と8ヶ月!こなした数ならそこいらの旦那衆にも引けわとらんめえ!


果たしてこの美咲嬢のお眼鏡に適うか否か?

観音様でもお天道様でも分かるめえ!


己の力を全て出し尽くして挑まずにゃあならんめえ!



やらずんばならねえ男意気!



生粋の江戸っ子「道」の勝負や如何に?





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