第27話 ナンピンするくらいなら損切りする
ナンピンするくらいなら損切りする
上がると思って買ったのに、株価がみるみる下がっていく。
ここで「ナンピン買い」を入れる方もいますが、これは悪手です。
なぜ悪手なのか。
「ナンピン買い」は、株価の下落が終わったと思うところまで待ってから取引することになります。
つまり株価の下げ止まりが何円になるかがさっぱりわからないのです。
仮に△40円まで下がったとき、△100円になってからナンピン買いをしようとしたとします。
そうすると△70円に着く前に株価が上昇する可能性もあります。それなら買値よりも高くなる可能性も出てきますよね。
△100円に達して「ナンピン買い」をすれば、平均コストで△50円下げられます。この場合△50円まで株価が戻れば、損益ゼロで撤退できます。
なんだ、「ナンピン買い」っていい判断じゃないか。
そう思いますよね。
しかし次のように計算してください。
△100円で「ナンピン買い」しようとして、そこまで下がるのを待ち続ける。
それよりもいったん△40円で「損切り」して、△100円のところで改めて買ったらどうでしょうか。
この場合「損切り」で△40円の損失を出しますが、△100円で買い直したら、そこから最初の買値まで戻したら+100円の差益です。合わせて+60円になります。
「ナンピン買い」をすると△100円まで待って買い増しますから、最初の買値まで戻したら合わせて+100円になります。
なんだ、やっぱり「ナンピン買い」のほうが得じゃないか。
ちょっと待ってください。保有株式数を思い出してください。
「損切り」してから買い直したほうは100株しか保有していません。ですが「ナンピン買い」のほうは200株保有しています。これで損益を比べるのはフェアではありません。
そこでフェアになるよう「損切り」したほうの△100円での買い直しを200株にして株数を揃えます。
すると「損切り」で△40円が出ますが、△100円で200株買い直したら、そこから最初の買値まで戻したら+200円の差益になります。合わせて+160円になります。
「ナンピン買い」の結果はどうでしたっけ? +100円でしたよね。
つまり「ナンピン買い」をすると、得られる差益が減ってしまうのです。
ですので、上がると思って買った株式が意に反して下がってしまったら、容赦なく「損切り」してください。そして下げ止まって上げに転じたサインが出たところで、改めて買い直せばよいのです。
「ナンピン買い」なんてしたら、得られる差益を目減りさせてしまいます。
ナンピンするくらいなら損切りする。
「損切りは正義」と言われるのも、このような計算が前提にあるからです。
「株価はいつかは戻ってくる」という根拠のない自信で保有し続ける方もいらっしゃいますが、これは精神的にも
どうせ元に戻るとしても、いったん「損切り」してから、その値よりも下で買い直したほうが、差益は高くなります。
「ナンピン買い」は株式取引のセーフティーロックとして機能します。
しかし最善手ではないのです。
「上がると思って買ったら下がる」
それならすぐに「損切り」するクセをつけてください。
そこよりも株価が下がっていったら、下げ止まって上げに転じるのを待って買い直せばよいのです。
あなたが「この銘柄は上がる」と下した判断が間違っていたと理解すること。
これでしか、上がる銘柄を見分ける眼力は養えません。
もし「損切り」を繰り返しているのに眼力が養われないようなら、才能がなかったと思って潔く株式取引を引退したほうがよいでしょう。
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