第15話 トレーリングストップで確実に含み益を獲る

トレーリングストップで確実に含み益を獲る


 皆様は「トレーリングストップ」をご存知でしょうか。


 「トレーリングストップ」とは、現在の株価のいくらか下にストップを設定すると、株価が上昇していくときはそのストップも上昇についていく機能です。そして株価が下落に転じたら、その時点のストップで自動的に手仕舞いできます。


 株式取引をしている方にとって、まさに理想的な取引手法です。


 なにせ一度設定してしまえば、相場を見ることなく、自動的に損切りや利益確定ができます。


 会社員の方が副業で株式取引をしているのであれば、9時前に「トレーリングストップ」を設定しておくのです。

 すると午後3時までにストップにかからないかぎり利益を伸ばし続けられます。

 仮に反落してきても損切りや最低限の利益が確定します。

 まさに会社員の副業にもってこいの機能です。


 「自分が取引している証券会社ではトレーリングストップを提供していない」場合もあります。

 その場合は相場を見ながらあなたご自身で「手動トレーリングストップ」を行なえばよいのです。

 もちろん片手間の副業ではできません。本職をお持ちなら証券会社を選ぶときに「トレーリングストップ」機能を提供しているところを選んでください。



 「手動トレーリングストップ」は「逆指値注文」で行ないます。

 手持ちの株式の現在値が1,000円のとき、990円の「逆指値注文」で「成行売り」を出しておきます。これで990円に到達したら自動的に成行注文で確実に売却できます。


 もし株価が1,020円まで上がったら、「逆指値注文」の値を△10円幅の1,010円または△1%の1,009円に変更しておきます。これで仮にストップに引っかかっても、最低10円または9円の利益を確実に確保できます。

 さらに株価が急進して1,050円をつけたら、「逆指値注文」の値を△10円幅の1,040円または△1%の1,039円に変更するのです。


 こうしておけば、つねに利益を確保しながら株式取引に挑めるので、勝率はきわめて高くなります。


 もちろん、最初「買いエントリー」してすぐにストップにかかれば少ないながらも「損切り」になってしまうのです。

 ですが「買ったら下がった」はそもそも「買い注文を出したとき」には想定外の出来事です。

 素直に負けを認めてすばやく「損切り」できるかが株式トレーダーの腕前の差として現れます。

 だから初心者こそ「トレーリングストップ」を活かすべきなのです。



 言葉が難しい。原理や仕組みが難しい。だから「指値注文」で拾って「指値注文」で利益確定すればいいや。


 これではいつまで経っても儲かる株式トレーダーにはなれません。


 株式は「上がる」か「下がる」かの二者択一です。

 「買ったら上がる」には上昇トレンドに入ったと確認してから成行で買っても遅くはない。


 「指値注文」をして株価が下がってくるのを待っているのは、そこまで株価が下落してきた、つまり下降トレンドの最中で買ってしまっているのです。

 だから「買ったら下がる」のだと気づいているでしょうか。


 そして「買い注文」が約定したら、すかさず「トレーリングストップ」の出番です。

 そうすれば上昇トレンドと思ったのにただの「戻り」ですぐに買値を割ってきたとき、自動的にストップが発動して「損切り」が完了します。


 株価が上昇していくのを確認したら都度「トレーリングストップ」、つまり株価が上がっていったらストップもついていくように調整して変更するのです。

 これで最小限の「損切り」と、できるだけ高い売り注文で大きく利幅を狙う「利益確定」を両立できます。


 証券会社を選ぶ際は「トレーリングストップ」機能が使えるところにしましょう。

 それができれば兼業でも株式取引が怖くなくなりますよ。



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