第13話 買いも売りも成行注文で
買いも売りも成行注文で
『Twitter』や『Yahoo! ファイナンス』などで銘柄チェックをしていると、よく「何円で買った」という投稿を見かけますよね。
実はこの「何円で買った」は、せっかく買ったのに株価が下がっていく危険性がきわめて高いのです。
そもそも「何円で買った」つまり買いの「指値注文」で株式を手に入れても、たいていはそのあとさらに下げます。
なぜなら、買いの「指値注文」をして約定するには、あなたの「指値」つまり「この値段なら買いますよ」の値まで株価が下がってこなければならないからです。
つまり株価が下がる流れにまかせて買いのエントリーを行ないます。
であれば、あなたが株式を「指値」で買ったあと、株価の流れは上に向かうでしょうか、下に向かうでしょうか。
あなたの「指値」まで下落してきた株価です。
当然下に向かう可能性が高いですよね。
買いの「指値注文」まで株価が下がったのに、その「指値」で株価が反発する根拠はなんでしょうか。
だいたいこのあたりで反発するだろうな。
過去の値動きを見ているとこの株価で反発するはず。
なんて考えますよね。
しかし前者はただのヤマカン。後者はいちおうテクニカル分析をしていますが、株式取引はそこまで規則性・再現性を期待しないほうがよいのです。
あなたが「何円まで下がってきたら買い」と思っても、板情報では抵抗線にすらならず、あなたの「指値」よりもさらに下げていく可能性が高いのです。
「そんな馬鹿な」とお思いの方は、実際に買いの「指値注文」を出してみてください。
たいていはあなたの「指値」よりもさらに株価は安くなっていきますよ。
そもそも「何円になったら買いどきだ」は理性的な判断ですらありません。
単なる偶然でありヤマカンでありバクチでしかないのです。
相場を見ていて「今が買いだ!」と判断したら、買いどきは今しかありません。
そう思いながら買いの「指値注文」を設定しても、そこまで株価が下がらずに反発していく可能性だってあります。
儲けられるはずのタイミングを見極めたのに、結局買えずに株価は急反発。機会損失どころか大相場を逃しかねません。
売りで手仕舞うなら買いよりもさらに「成行注文」とするべきです。
可能であれば「指値注文」はしないでください。
板情報を見ながら売りの「指値注文」を出したとします。
しかしあなたの売りの「指値」まで株価が上がらずに反落していったらどうでしょうか。
せっかく売りどきを見極めたとしても、利益を確定できずにそのまま急落してストップ安にもなりかねません。
ポジションを手仕舞うときは、必ず「成行注文」にしてください。
買った銘柄でせっかく含み益が出ているのに、売りの「指値注文」を出して約定できなければ、そのまま含み損へと転落しかねないのです。
売りのタイミングを見切ったとき、確実に株式を手放せなければ、さらに株価は下がっていくものと覚悟してください。
ここまで買いでエントリーして売りで手仕舞いするパターンを書きましたが、「空売り」でも考え方は同じです。
「空売り」でエントリーして「買い戻し」で手仕舞う場合でも、「成行注文」が基本になります。
天井で「空売り」するのはまず不可能です。いつが天井なのかは、株価が下落してからでなければ誰にもわかりません。
つまり株価が上がっていくときに「空売り」でエントリーするので、売ったら上がるパターンにハマるのです。
しかし空売りの「成行注文」は、基本的に株価が下がっていくのを見てから売れます。
つまり流れは下降傾向なのです。
これなら株価が上がっていくときの「空売り」よりも確率のよい「空売り」注文ができます。
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あなたが株式取引をしていて、損失を拡大してしまうのは「指値注文」だからかもしれません。
株価が下がってくるだろうと見越したところで買っても、株価は下降傾向なのですから「買ったら下がった」になる確率のほうが高いのです。
確率よく「買ったら上がった」にするには「株価が上がり始めたら成行注文で買う」のです。
もちろんただの一時的な戻りで、そこから反落していく可能性だってあります。
それで損失を拡大しないためには「損切り」を機械的に徹底させるべきです。
詳しくは次回に述べますね。
現在鋭意執筆中ですが。
春先は体調不良のシーズンなので、ご多分に漏れず私も頭痛と吐き気に悩まされています。
すっきり梅雨入りや夏入りするまでは、ほどほどの活動を心がけます。
こんな状況で約四年も毎日連載したんですよね。
自分が恐ろしいです。
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