第4話 株式を保有するには、手放すには
「株式」は「市場に積まれていない」。
すべての「株式」は誰かに保有されている。
この認識から株式取引をスタートさせないと、正しく売買できません。
では、実際に株式を保有したり手放したりしたいときはどうすればよいのでしょうか。
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株式を保有、手放すには
株式を保有するには
「株式」を保有するには、現在保有している方が東京証券取引所の「銘柄の相場」で「売り」注文したものに、「買い」注文を出して約定(売買成立)するしかありません。
「株式」は「市場に積まれていない」からです。
このとき「売り」注文を出している方は少しでも利益が出るように、「自分が買った値段より高い株価」で「売ろう」とします。
つまり現在の株価よりも高い「売り指値(売る側の言い値)」で「売り」注文を出すのです。
だからどうしてもこの銘柄の「株式」が欲しいのなら、高い「売り指値」に「買い」注文を入れて約定するしかありません。
約定したらその価格まで株価は上昇します。
もし参加しているトレーダーが少なく、時間を気にしないのであれば、あなたの買いたい株価で「指値買い」注文を出してじっと我慢してください。
現在の「株式保有者」が根負けすれば、買い手のあなたの「買い指値(買う側の言い値)」で約定できるかもしれません。
「買い」注文を約定させると、その「株式」はあなたに保有権が移ります。
これであなたはその銘柄の「株式」の保有者となり、株主となれるのです。
ちなみに株主になると、配当金と株主優待が受けられます。(配当金ゼロで株主優待がない企業も上場されています)。
この日までに「株式」を保有していれば配当金と株主優待を得られる基準日を過ぎる日が「権利落ち日」です。
株主は配当金と株主優待さえ得られる確証が得られれば、それが確定した翌日つまり「権利落ち日」に「株式」を売る方が多いのです。
株式を手放すには
「株式」を保有している間、株価は絶えず変動します。
ここでも多くのトレーダーは勘違いしているのです。
実は「株式」を保有しているかぎり資産はいっさい増えも減りもしません。
利益も出ていませんし、損もしていません。あるのは含み益か含み損かだけです。
(信用取引の追い証を考えなければ、という注釈付きです。信用取引については後日書く予定でいます)。
株価は、あるときは買値よりも高くなり、あるときは買値よりも安くなります。
「株式」を手放すときは、できるだけ高い株価で「売り」注文を出すべきです。
しかしその株価で「買い」注文が出されて約定しないかぎり「売れない」つまり手放せません。
そして現実には売りどきを逃してしまったがために、株価がそこからどんどん下がっていき、ストップ安をつける場合もあります。
「買い」は指値で買えないと株式が手に入らないだけで、実害は出ません。
しかし「売り」はすでに株式を保有しています。
一度手放すタイミングを逃してしまうと、実害が大きくなる可能性もあります。
株価が高くなっていけば含み益が生じて、いつ「売り」注文で約定しても利益を得られます。
しかし安くなっていくと含み損が生じて、いつ「売り」注文で約定しても損失を被るのです。
そうです。「株式」は手放さないかぎり、得も損もしません。
仮にその時点で売ったら利益が出る「含み益」の状態か、その時点で売ったら損失が出る「含み損」の状態かでしかないのです。
実際に手放さないかぎり、どんなに含み益があってもお金は増えませんし、含み損でもお金は減りません。
とくに含み損状態のときは、あえて利益確定して「損切り」できなくて、株価が回復するまで握り続ける「塩漬け」を行ないやすいのです。
「株式」の「売り」注文が約定すると、その「株式」の保有権は買った方に移ります。
これであなたはその銘柄の「株式」を手放せ、株主から外れるのです。
そしてそのときでしか実際の損得は発生しません。
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「株式」を保有しているだけでは損も得もしません。
この考え方が根底にあるので、損失を先送りしようと「塩漬け」にしてしまうのが、投資家の悪いクセです。
しかし「塩漬け」するとせっかくの資産に動かせないお金が出て来ます。
もし今投資すれば確実に儲けられる株式があるのに、「塩漬け」株式があるので買えない。これでは儲けたいのか損したいのかわかりませんよね。
「塩漬け」にするくらいなら、素直に損失を認めていったん「株式」を売り払う。
そして先行き明るい銘柄に乗り換えるのが、正しい「株式取引」のあり方です。
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