株式取引の備忘録(投資は自己責任で)

第2話 資産を持っている人が大きく儲けられる

　今回は「株式取引」での「儲け」についてです。

　「株式取引」は資産を有している人ほど大きく儲けられます。

　つまり裕福な人のための稼ぐ手段なのです。

────────

資産を持っている人が大きく儲けられる

　「株式取引」の書籍には

　「10万円を2億円にする」

　「株で1億円つくる」

　のような、勇ましいタイトルが並びます。

　しかし実際に「10万円を2億円にする」には、元から潤沢な資産を持っていなければまず不可能です。

　資産が10万円しかない投資家は、ひとつの銘柄にしか賭けられません。

　ですが資産1000万円の投資家は、100の銘柄に賭けられるのです。

　現在の株価が1000円で100株保有して10万円ぶん。それが2億円に化けるには株価が200万円にならなけれぱなりません。

　そんな株価の銘柄は東京証券取引所でもまず見つかりません。そんな高価な銘柄の需要が少ないからです。

　現在の株価が100円で1000株保有して10万円ぶん。それが2億円に化けるには株価が20万円になればよい。

　これでも難しい。

　現在の株価を考えれば、10円を1万株保有して10万円ぶん。それが2億円に化けるには株価が2万円になる。

　これはできなくはないのですが、そもそも10円の株式を1万株も売りに出している投資家はまずいません。

　つまり買えないのです。

　過去2万円の株価だった銘柄を10円で買っても、また2万円に戻るなんてまず起こらない。

　株価は需要と供給によって決まります。

　一度市場から見放された銘柄が、再び業界トップクラスの株価になるなんてまず不可能です。

　「10万円を2億円にする」など机上の空論。

　できもしないのに、さもできると吹聴して書籍の売上を伸ばしているだけ。

　前回書きましたが、「テンバガー」つまり株価が10倍になる銘柄は探せば見つかるものです。

　しかしどの銘柄が「テンバガー」となって恩恵を受けられるのか。

　恩恵を受けたければ、実際に安い株式を購入する以外にありません。

　ですが資産10万円の方が「テンバガー」を買っても資産は100万円にしかならないのです。90万円の儲け。

　しかし資産1億円の方が「テンバガー」を1億円ぶん買ったら資産は10億円になります。まったく同じ銘柄を購入したのに9億円の儲けが出ます。

　最初から「資産を持っている人が大きく儲けられる」のが「株式取引」なのです。

　しかし「テンバガー」と思って買ったのに倒産して株式が紙くずに変わったら、資産10万円の投資家は10万円をなくすだけですが、資産1億円の投資家は1億円を失ってしまいます。

　資産を1億円持っているのなら、100の銘柄に100万円ずつ投資すれば、いずれどれかが「テンバガー」になって株価10倍。1000万円になる。

　100銘柄も買っているので、打率はよいはずです。たとえ99銘柄が変わらなくても、たった1銘柄がヒットするだけで900万円も儲かります。

　「株式取引」は資産を持っている人が圧倒的に有利です。

　これから「株式取引」を始めようと思ったら、できるかぎり運用資産を増やしてから始めましょう。

　最低でも100万円は欲しいですね。

　後日書きますが、運用資産のうち実際に株式を買うのはその1/10の10万円だけです。

　株価1000円の銘柄を100株買えば10万円になります。

　えっ、「株式取引」で100万円用意しても10万円しか運用できないの？

　そう思いますよね。

　そのくらいでなければ、余裕を持って「株式取引」ができないからです。

　また、仮に読みが外れたときの保険のためにも、1/10の枠でしか買わないようにしましょう。

────────

　「株式取引」は金持ちのための稼ぎ場です。

　運用資産が10万円しかない方が稼げるようには出来ていません。

　だから最低でも100万円は用意しましょう。

　「10万円を2億円にする」なんて、現実を見ていないのです。

　勘違いして「10万円」で「株式取引」を始めないでくださいね。