グランデウス領
「で、私がどれだけしつこく拒絶しても口説こうとするので、家ごと引っ越しをせざるを得ない状況になりまして……そのせいで素材採取も前とは違う場所で取らなくちゃいけなくて、本当にいい迷惑ですよ……ったく……」
舌打ちしながらとても不快そうな表情でそう漏らすリアンナ。まぁ、その気もないのにしつこく声かけられても鬱陶しいとは思うが、クリストフも私の最後の願いの為に動いてくれてると知ってる私は苦笑を浮かべつつも話題を変える事にした。
「家ごと引っ越したという事は……この家はかつての場所とは違う場所に転移したのか?」
この家には私がかつて設置した転移魔法道具があるので、家を別の地に転移する事ぐらいは可能なのだが、一体どこに転移させたの言うのか……
「はい。この家は今はグランデウス領の僻地にあります」
「グランデウス領……?」
聞いた事がない地名だが……グランデウス領……まさか……
「グランデウス領。かつて魔族と呼ばれた者達が集っていた地です」
リアンナの言葉にやはりなと得心する。恐らく、あの戦いの後、魔族達が集っていたこの地はグランデウス領と名を変えたといったところだろう。
「だが……そうなると……この地にいた魔族達は……」
「あぁ、魔族は無くなりました」
「はぁ!?無くなった!?まさか……魔族は全て滅んだというのか!?」
私達は確かに魔王グランデウスと戦い魔王グランデウスを討ち倒したが、別に魔族全てを滅ぼしたい訳ではなかったのだが……まさか、生き残った魔族達がまだ人族に恨みを抱いて戦争を仕掛けてそのせいで……!?
「あっ、すみません。言葉が足りませんでしたね。魔族という名が無くなっただけで、魔族という種が滅んだという訳ではありません」
リアンナはそう言って、クリストフ達が魔王グランデウスを討伐した後、魔族達がどうなったのかを説明してくれた。
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