クリストフへの謝罪と苦言
色々な疑問が解けたからか、リアンナのとんでも行動に気疲れしたからなのか、私のお腹が鳴って空腹を訴えはじめた。
……いや、ちょっと待て。何故空腹を感じるんだ?この身体は
「うふふふふふ♡良かった!やっぱり師匠のお世話は私の生き甲斐ですからね!師匠に私の料理を食べていただけないなんてあり得ないですから、ちゃんと胃などの内臓器官を含めて完璧に創ったんですよ!」
私の疑問を察したのかリアンナがとても嬉しそうにそう答え、私は再び頭痛を感じてこめかみを抑えた。
まぁ、とは言え、家事がその……ほんの少し苦手だった私は……家事を全てリアンナに託していた。そんな中、リアンナの料理の腕前はプロ顔負けで、クリストフ達と旅して来て、いろんな料理を食べてきたが、リアンナに勝る料理を食べた記憶がない。
故に、リアンナの料理を久しぶりに味わえるのは嬉しくもあったので、リアンナの私へのとんでも執着心には呆れるも、こればかりは感謝しかない。なので、私はリアンナが事前に作った料理を久しぶり味わいながら、リアンナと会話をする事にした。
「まぁ、とりあえず私が目覚めた理由は分かった。それで、せっかくだから私が死んでから60年の間世界がどうなってから聞いてもいいか?」
「はぁ、まぁ……私で分かる範囲でしたら……」
私の対面に位置する席でニコニコと私が食べる姿を眺めていたリアンナが、私の言葉に困ったような表情を浮かべた。
と言うのも、リアンナは私を復活させる為に
まぁ、と言っても私もそこまで世界の情勢を知りたい訳でもないし、とりあえず1番に気になるのはクリストフ達の事だ。クリストフにはリアンナの事を頼んでいたので、そのリアンナが未だに私の家にこうして居るという事は、リアンナの説得に失敗したのだろうか?そんな疑問もあって、私が死んでしまった後クリストフ達がどうなったか尋ねたのだが……
「……あの師匠を守れなかった下半身だけは立派なクソクズ勇者なら、魔王グランデウス討伐の功績もあって、人族の国の王となって、勇者王なんて呼ばれて祭り上げられてるそうですよ」
あれだけ私の顔を見てニコニコしていたリアンナが、嫌悪感と殺意を剥き出しにし舌打ちをしてそう答えた。そのあからさまな態度の変化に戸惑う私。私をこれだけ慕うリアンナだから、私を死なせてしまったクリストフ達を嫌っているのだろうか?
「あのクソクズ勇者。師匠を守れなかった報告をしたその日に、私をあのハーレム要員に加えようとしてきたんですよ。はらわた煮えくりかえって、極大魔法を連発してやりました」
私の疑問を察したのか、リアンナは舌打ちまじりでそう答えた。それと同時に思い出される死の直前にクリストフに言った言葉が蘇る……
『だから……あの子の事を頼む……何だったらお前のハーレムに加えてもいいんだぞ……』
(私のせいかあぁぁぁぁ〜ーーーーーーー!!!?すまん!?クリストフ!!)
私は心の中で全力土下座で届かないであろうクリストフに謝罪した。まぁ、でもクリストフも私からの頼みがあったとはいえタイミングが悪過ぎるぞ……前からちょっと空気読めないとこはあったが、そのタイミングでの告白はダメだろう……
私は届かぬとは分かっていても、クリストフに謝罪と同時に、苦言を言わずにはいられなかった……
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