第39話 野球小僧-39
『続くバッターは東君。サンディ、投げた、ストライク!あっ、ボールを2塁へ、セーフ!ランナー走りました。ちょっと見ていませんで、気づきませんでした』
『五十嵐君が走るとは思っていなかったんでしょうが、やはりサンディを崩すにはこれが一番いいと思いますよ』
『まだ、ワンアウトですから、2塁ランナーというのはこわいですね』
『えぇ、得点圏にランナーを背負うのはなかなか辛いですよ』
『サンディ、東君に、2球目を投げた、打った、ボールは弾んでサンディの頭を越えた!ショート回り込んで捕って、サードには投げられない、1塁は、アウト!』
『また、3塁にランナーを進めました。やっぱり、野球部には余裕があります』
『バッターは崎森君。この人も素敵なんですよね』
『…あのね』
『あたくし、美形に弱いもので、つい。サンディ、今度はワインドアップから、投げた、ストライク!やっぱり自信を持って投げてきます。第2球、ゆっくりとしたフォームから、カーブ!ストライク!崎森君、唖然としています』
『あのカーブはちょっと打てないでしょう』
『ランナーがいると投げられないかと思いましたが、思い切って投げ込んできました。第3球、投げた!ストライク!遊び球なし、3球勝負で決めました。しかし、得点は2対2。同点になりました』
「さすがに、すごいね」池田
「あいつはダメだよ、イチローは出しちゃあ」山本
「でも、無理だよ。無茶苦茶速いんだから」木村
「まぁ、しかたないさ。振り出しに戻っただけさ」高松
「サンディ、大丈夫」高松
「ダイジョウブ、デス。もう、打たれません」サンディ
「あんまり、無理に抑えようとしないで、打たせてもいいよ」高松
「さぁ、この回、誰からだ?」山本
「僕」小林
「頼むぞ!」山本
「でも、山本、今日はおまえダメだな」池田
「タイミングが合わないんだよ」山本
「サウスポーはダメなんだな」高松
「右ピッチャーでも出てくれりゃあいいんだけど」山本
『打席に入った小林君、ぽんぽんとストライクを先行されて、ツーナッシング。強気ですね』
『小林君が慎重に来るのを読んでいたようですね』
『第3球、投げた、空振り!三振!あっけなく三振です』
『江川君、のってきましたね。愛球会で足の速いのは誰なんですか?』
『そうですね、山本君と小林君とぐらいじゃないですか』
『そうすると、なかなか江川君を崩すのは難しいでしょうね』
『サンディが打席に入りました。さっきは特大のホームランをたたき込んで見せましたが、今度はどうでしょうか。江川君、ふりかぶって、投げた、ストライク!速球をストライク!強気の勝負です』
『意地でしょうね』
『真っ向からの対決になっています。さぁ、第2球、投げた、ボール!高めに浮いた、ボール。少し、力んでしまったのでしょうか。ボールを手でこねて、馴染ませています。サインを確認して、ゆっくりとふりかぶって、投げた、打った!打球は、ピッチャーへ、はじいた、と、江川君急いで捕りにいって、投げた、1塁、アウト!でも、いまの…』
『左手でたたき落としましたね。大丈夫でしょうか?』
『そうですね、ワンバウンドのボールをグローブのないほうの手でたたき落としましたが、マウンドに選手が集まっています』
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