第8話逃亡者、これからを考える
僕は女神アステリナと話しながらステータスの詳細を確認していた。
職業[逃亡者]
逃亡する事に特化した職業
逃げる又は隠れる為のスキルを覚えやすい
SPDに+補正(中)
称号[運命から逃げたもの 神]
神が用意した運命から逃げたものに送られる称号
定められた事象さえも逸脱する力を得る
LUKに+補正(極大)
スキル[逃走]
置かれている場所、状況から逃げる
SPD LUKに依存
スキル[生活魔法Lv:3]
生活に必要な魔法を使う
水魔法(微)
火魔法(微)
土魔法(微)
僕の逃走スキルが女神様にも有効で助かった
さてこれからどうするか
今僕が取れる選択肢は
・異世界に諦めて行く……行きたくない
・存在ごと忘れられるくらいなら死ぬ……死にたくない
・諦めるまで逃げ続ける……出来たとしても逃げ続けてたら両親に会うことも難しいな。それじゃダメだな
・女神アステリナを倒す……チョロそうだったけどまぁ無理だろう
・女神アステリナを説得する……うん。これかな
女神様を説得する為に、交渉材料を集めつつ勝算があるまでは逃げ続けるか。
僕はまず妥協点を模索する
・異世界に行かない。
これを実行するには…
異世界に行かずに僕が混乱を収めれると証明する
アステリナの言葉を信じるなら僕の中に入ってるシステムを破壊する事が出来ればいいのかな。
インストールしたって言ってたけどシステムが脳?魂?に書き込まれたとしたらシステムを破壊したら僕も死ぬんじゃ……
うん、うまくやる想像がつかない。無理そう
・異世界には行くけど、存在を無かった事にはさせない
これは出来るかも知れない。混乱を収める為に存在を消すなら、人が30人行方不明になるのはダメでも僕1人なら許容範囲内だったりするかもしれない。
存在を消されるのは許容出来ない。異世界に行くならこれは絶対だ。
この線でなにか考えてみるか。
異世界には行くけど、地球と行き来する事が出来れば何も問題がないよな…
僕が異世界に行ってる間に僕以外の存在を消してもらう。
消し終わったらぼくは地球に戻ってくる。
地球から異世界に行けるんだから異世界から地球に戻れる可能性は十分にあるな。
今の手持ちカードで考えられるのはスキル[逃走]か…異世界から逃げるって解釈してくれればいけるか?
さっき逃走スキルを使った時、気づいたら家の外にいた。
初めは転移したと思ってたけど、ちゃんと外靴を履いている。多分実際に体を動かして玄関から外に出たのだろう。
スキルが自動で逃走ルートを算出して無意識下で逃げてくれたのだろう。
異世界から地球へのルートが確立されてるなら自動で逃げてくれそうだ。
いや、異世界から逃げれたとして逃げた先は地球なのか?
「試してみるしかないな」
さて何から逃げるか……
おっ、ちょうどいいところにヤンキーっぽいのがいるな。
ケンカ売ってみるか……怖いけどやるしかないか
「おい!…………そうお前だよ。俺の前を歩きやがって邪魔なんだよ!」
ヤバい、めっちゃ怒ってる。うわ、こっちに来た。
本当頼むよ。隣町の公園を意識してスキル[逃走]!
僕は警察署の前にいた。
ふぅ、助かった。
けど結果は…ダメだな。
逃げる事は成功してるけど、僕の意思は無視されてるのかな。
[生活魔法]にはレベルの表記があったけど[逃走]にはレベルの表記が無いって事は成長するスキルでは無いって事だよね。
[逃走]単体で地球に戻るのは無理そうだ。
[運命から逃げたもの 神]の称号はなんだか凄そうだけど、LUKが高くなってる以外はよく使い方がわからないな。
今のレベルは1だけど、どうしたらレベルが上がるんだろう?モンスターとか倒さないと上がらないのかな?
「うーん、難しいな。知ってる人に色々と聞きたいけど…聞くとなると女神様しかいないけど、急に逃げ出したし流石に許してくれないよね。そもそもどこにいるか知らないから話も出来ないか」
あ〜お手上げだ。
とりあえず今日どうするか先に考えるか。家に帰るのは流石にまずいだろうし…心配してると思うけど電話するのもまずいかな…当分帰れないと思うし掛けるか。
トゥルルルル ガチャ
「もしもし」
「あ、お母さん?何も言わずに外に出てきちゃったけど、その後大丈夫だった?」
「何言ってるの?急用が出来たから外行ってくるって言って慌てて出て行ったよね?」
無意識下でそんな事言ってたのかと驚く。
やっぱり記憶が無いだけで体を動かして逃げてたんだな。
心配掛けないように返事をする。
「……うん。そうだったね。女の人はどうしてる?」
「女の人?なんのこと?」
「僕の部屋にいた女の人のことだけど…」
「誰か部屋に上げてたの?母さんは知らないよ」
お母さんの頭から女神様に関する記憶が抜け落ちてるみたいだ。元々いなかった事になるってこうゆう事なのか…。
「僕の勘違いだったみたい。……昨日の事でしばらく家に帰れないと思う」
「昨日の事って、大丈夫なの?」
「うん。やらないといけない事があるから帰れなくなるけどなるべく早く終わらせるから心配しないで」
「心配しないってのは無理だけど、待ってるからちゃんと帰ってくるのよ」
お母さんは僕が何か隠し事をしているのには気づいているのだろう。その上で僕の考えを尊重しようとしてくれている。
「ありがとう。必ず帰るから」
僕は電話を切る。
連絡は出来たしまずは寝る場所の確保だな。
野宿は嫌だし、今お金いくらあったかな…
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