第47話嫁入りは突然に

三浦時高さんが帰った翌日、江戸城から石神井城へ戻ろうとしていると、三浦高救さんが江戸城にやって来た。

主殿の広間で仰々しく会うのも面倒なので普通の部屋に通して話を聞くと、昨日時高さんが自分との面会を終えると、明日中に彩姫さんを江戸城に連れて来ると船で急ぎ三崎城に戻ったらしく、今頃は既に彩姫さんを乗せた船が江戸城に向かっているとの事だった。


早いよ!!

急がなくても逃げないし!!

そうツッコミを入れると、高救さんの話ではどうやら泰経さん、道灌さん、景春さんが娘を側室でもいいので嫁にと言い自分と縁を結んだ為、自分の乗り遅れないようにとの事だった。

時高さんの情報収集能力は高いようで3人が自分に取り入ろうと娘を是非にと言って来る国人領主達を寄せ付けないようにしている事を知っているらしく邪魔が入る前にと思っているらしい。

まあ実際の所、相模の国人領主の中でも一大勢力の三浦家を敵に回すのは面倒なので邪魔はしないだろうけど…。


江戸城を出発しようとしていたけど、彩姫さんが来るとなると待ってないといけないような気がするので出発を延期し、彩姫さんを石神井城まで連れて行くのに使う輿の用意を指示し、高救さんと雑談をしながら待つことにした。

早く石神井城に戻ってやりたい事が沢山あるのに。


結局、彩姫さんが到着したのは夕方となり石神井城に戻った時には夜になっていた。

石神井城内にある自分用の家に彩姫さんを案内し、照姫さん、桔梗姫さん、椿姫さんに紹介する。

どうやら、既に情報は届いていたようで修羅場を予想していたけど普通に友好的な雰囲気で少し拍子抜けした。

この時代、何人もの女性を嫁にするのは普通みたいだし、3人の父親も複数の女性を嫁にしてるからこれが普通と思ってるのかもしれないけど自分からしたら文〇砲の餌食にならないか心配になる。

まあこの時代に週刊誌は無いし、一般人の自分を餌食にしても金にならないから歯牙にもかけられないんだけど…。


その後、遅い夕食を5人で摂り、今後の事に付いて話合った。

自分としては18歳になるまで夜伽はしないと伝えてあるものの、彩姫さんは既に18歳、数日して落ち着いたら祝言らしきものはまだだけど初夜をと話てみたら、彩姫さんが凄い形相で拒絶した。


「宗麟様!!! それはなりません! 私よりも先に妻となった照殿、桔梗殿、椿殿が今だ年齢を理由に夜伽でご寵愛を受けていないにもかかわらず、後から来た私が先にご寵愛を受けるのは道理に反すします!! 宗麟様の生まれ育った世界では女子が18になるまで手を出して行けないと聞き及んでおりますが、お3方を差し置き私だけ寵愛を受ける事など三浦家の娘として出来ませぬ」


「いや…、18歳になるまで手を出してはいけないと言う法律は無いんだけど…、自分がこの世界に召喚された際はまだ女の子は16歳で結婚出来たし、法的には相手が13歳未満の場合には、本人含め、誰の同意があろうといかなる場合も許されないけど、そうでなければ原則的に問題は無いんだけど…。 まあそこに金銭が絡んだら罪にはなるけど」


「「「そうなのですか?」」」

彩姫さんを除いた3人の声がハモった!!!

「そうなんだけどやっぱり夜伽をするって事は、その後妊娠や出産なんかもあるでしょ? まだ身体が育ちきっていない状態での妊娠出産は身体に負担がかかるし…」

18歳まで夜伽をしない理由を告げると、彩姫さんを含め全員が母上は私を14の時にとか15の時にと口々に言いだした。


シマッタ!!!

余計な事行ってしまった!!

「ただ自分の居た世界では女の子が結婚できる年齢は16歳からだから、せめてそれまでは」


余計な事を言った為に、今の年齢でも夜伽の相手は問題無いと思われてしまったものの、結婚が出来る年齢が16歳だから最低でもそれまではと言うと、一応3人共納得してくれた。

と言うか、実は最年少だった照姫さんは12月に15歳になり来年の12月には16歳なので1年後から順番で夜伽をするか既に4人で話し合い始めてる…。


若い娘は嫌いではないから良いんだけど、流石に16歳の女の子を夜伽の相手にするのはどうなんだろう。

とは言え20代の女の子は基本的に子供を持つ親になってるし、そもそも未婚の人は居ない。

未亡人なら居そうだけど、今未亡人で20代前半の女の子を探すと自分が滅ぼしたり、領地から追い出した国人領主の娘とかになりそうだから恨まれてる可能性あるし。

未亡人を嫁に加えたら、それこそ自分に従っている国人領主が目の色変えてうちの娘をとか言い出しそうだ。


今は泰経さんがこれ以上は18歳以上の娘しか自分が受け付けないと突っぱねてくれてるけど、多分突っぱねられなくなって、連日お見合いしないといけなくなりそうな気がする…。


うん、諦めよう。

一人ぐらいは大人の女性が居ると気が休まりそうな気がするんだけど、泰経さんの苦労が増えてしまう。


あと1年か…。

女の子と夜伽できるのは嬉しいけど、16歳の女の子とするのは気が引けるな。

彩姫さんは来年19歳になるから気兼ねなく出来るけど。


そして来年の12月までは禁欲生活か~~~。

PCでエロ動画見ながら1人で自分を慰めよう。


補足-------------------------------------------------

当時、管領、守護や守護代など国人領主に対し影響力はまだ存在していましたが、当主が若かったり、世代交代で地盤が弱かったりすると有力な国人領主などの意見を無視出来ない事があったそうです。

また地盤が安定していない状態で国人領主の頭を抑えつけると、一揆(反乱)などで当主の座を下ろされ弟など親族が祭り上げられることもあったそうです。

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