第20話 ギルド
俺の拳がオークの鎧も貫きオークの腹に突き刺さっている。
「ぶ・ぶひっ!?」
今まで笑っていた豚どもが急に笑いを止めたので豚のような発声をした。
今まさに目の前で起こっている事象を把握できずにいたからだ。
「ふん!後は我にやらせてもらうぞ」
「どうぞ。俺は今のでどのくらい底上げできたのか理解したから」
そういうと俺は拳を納めた。
すると、前回の威勢のいいのオークはそのまま前のめりに倒れた。
「わかった。では任せてもらおう」
倒れたと同時にシャンタルはそう言った。
他の2体のオークも漸く事態に頭がついてきたようだ。
「き・きさ・・・・」
1体がそういうや否やシャンタルの怒涛の突きがそのオークに襲い掛かっていた。
「ぶ・ぶへ・ぶへ・ぶへ・ぶへ・ぶへ・ぶへ・ぶへ・ぶへ・ぶへ・ぶへ・ぶへ・ぶへ・ぶへ・ぶへ・ぶへ・」
すさまじい突きの連打が当たるたびにオークは変な声をあげていた。
シャンタルはその突きの威力と正確性にご満悦な顔をしながら打ち込んでいた。
「これで、、終わりだぁーーーーーー!!!」
と叫んだあと、最後の渾身の突きを繰り出した。
オークは奇麗に吹き飛ばされて岩にぶち当たり絶命した。
「う、、うわーーー」
やけになった最後の1体が襲い掛かってきた。
それをシャンタルは子供をあしらうかのように横なぎで真っ二つにした。
これには俺も少し驚いた。
「ふふふふ!どうだ陰でトレーニングしたこの横なぎは?」
「なかなかの威力だ。力の成せる技だな」
「ふふん!」
どうやら俺に褒められたのが余程うれしかったのか?見たことのないスキップをしながら西に向かい始めた。
俺はやれやれという体で後を追うことにした。
「そこで見てるやつ!」
「は、はいぃぃぃ」
そういうと草の陰からオークではない種族のものがすくっと立ち上がった。
俺の背面にいるので顔はわからないが、オークのおこぼれにあずかろうとしたものであろう。
おこぼれにあずかるどころかヤバい状態に最初から隠れていたのであろうが俺の気配察知にはかなわない。
「お前はこの場から逃げて俺のことを帝国の奴らに言いふらせ!!」
「???」
「言われたようにしろ!!!」
「は、はい!!!」
そう言ってそいつは足早に去っていった。
以前はブタ野郎の反乱を告げるものだったが、今回は、大将軍とやらに直接伝わることは間違いない。
これは宣戦布告の最初の一歩である。
もしくは、以前の件が大将軍に伝わった結果がこうなったのか?
「おーい!何やってるんだー!!」
スキップでかなり先へ進んだ狼の姿をした女性は暢気に話しかけてきた。
「すぐ行くー!!」
俺はそれに答えて急ぎ足でシャンタルの方へ向かった。
---------------------
お互いにある程度の力の底上げに手ごたえを感じながらさらに進むと山の前にたどり着いた。
その横には大きなクレパスが口をぱっくり開けていた。
「ここの頂上だ」
「???」
「ふふ、我のギルドは普通の所にはない。それが我ら”隠れ家ギルド”の本領だ」
「?????」
隠れ家ギルド?なんの集まりだよ!って思わずツッコミをいれたくなるところを抑えた。
いずれにしろ。山登りはいいトレーニングを行うことができるので俺にとっては願ったり叶ったりではあるが、、。
「ではいくぞ!!」
そうシャンタルに促され、俺たちは頂上を目指すことにした。
結構、整備されているような感じの山ではないし、急峻な崖や坂が行く手をふさいでいた。
(こんな山に本当にギルドが存在しているのか?)
そんなことを思いながらもトレーニングを行いながら山登りをした。
シャンタルは慣れているせいかスルスルっと登っていく感じなのでそれにならって俺も後を追ったのであまり疲れはなかった。
入り口から頭頂部まで時間にして2~30分ぐらいで到達した。これにはシャンタルも、
「ここまで早くこの山に登れたのはお前が初めてだ」
「シャンタルの登り方を真似しただけだけどな」
「それでも普通はついてこられないものだ」
「では、誉め言葉として受け取っておこう。しかし、見た所何もないような感じはするが?」
それにニヤッとしたシャンタルの顔を見て、すぐに確信した。
「隠し扉だな」
「うっ!なぜわかった」
バレバレだとは言わずに俺はだいたいの目星をつけて壁を触って確かめると、明らかに人為的な壁の部分があった。
それを力強く押し込むとゴゴゴゴゴゴゴゴッという大きな音とともに階段が現れた。
その階段はらせん状になって下の方まで続いている。
「さあ、行こうか!」
「え、あ、おう」
あまりにスムーズに入り口を見つけ、あまつさえ先を行こうとする俺に目を白黒させながらついてくることになったシャンタルを尻目に俺は階段を下りていった。
更に階段を進むと一段だけ踏み込んだところ、下に落ち込んだ。そして、先ほどの入り口が閉まった。
「ふーん。これを細工したものはなかなか面白いことをしているな」
「いや、それを簡単に理解して発見してしまっているお前の方がすごいぞ!」
その言葉には反応は見せずにまだまだ続く螺旋階段にため息を漏らしながら進んでいった。
(第21話につづく)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます