第15話 アイテムゲット

俺は怯える2人を尻目に牛乳を煮立ててそこに、レモネの汁を混ぜてかき混ぜる。

すると撹拌されてくるので、布を数枚重ねてろ過して汁と固形に分ける。

汁がホエイプロテイン、固形がガゼインプロテインとなる。


「よし、俺が欲しかったのはこれだ!!」

「な、なんだ!そ、その気色の悪い物は!!」

「そ、それをどうなさるおつもりですか?レフ様」


2人の反応があまりにも面白いので、その場でホエイプロテインを飲んだ。


「ぎゃあああああああ!!!!」

「お、おい!だから辞めろって言ったじゃないか!」

「わ、私がす、すぐ看ます。」


2人が慌てて俺に寄ってきたので、


「なーんてな!!」

「!??」

「??」


ちょっとおちゃらけてみたら、2人の表情がみるみる変化していく。

さすがのフランすら顔を真っ赤にしている。


「てめぇ!我をたばかるとはいい度胸だな」

「これは少し許せませんわ」

「えっ!ちょ、ちょっとま・・・・」


待ってくれと言おうとする前に両方の攻撃を一度にくらった。

1人は神速の槍使い。もう1人は強度はなくても魔法を扱える魔法士。

さすがに避けることなどできようがなかった。


「う・・・う・・」

「自業自得だ!!」


少し悪ふざけが過ぎたようだ。この2人を本気にさせるのは金輪際やめることを心に決めたのであった。


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いずれにせよ。俺の欲しがっていたアイテム、プロテインをやっとのことで手に入れた。

そして、乳牛がすぐに手に入る場所にあった旅人の小屋をねぐらに決めた。


決しておいしくないプロテインを飲み干すと俺は神頑流トレーニングを開始。

シャンタルも特に口出しはしてこなかったどころかトレーニングを真剣な眼差しでうかがっていた。


「そのぷろていんとか言うやつでお前はさらに強くなれるというのか?」

「間違いなく強くなる!そしてフランに教えてもらっているルーン文字を解読できればさらに・・・。」

「ふん!」


それ以降は俺のトレーニングには一切口を出してこなかった。ただ興味はあったらしくひたすら見ていた。

対して、フランは全く興味を持っておらず、花畑で遊んでいる感じであった。


(少しでも早く強くなって、この世界でも安心して暮らせるようにするため、今、やるべきことに全集中する!!)


俺は昼間はトレーニングとルーン文字の授業。夜もトレーニングを行い少しでも瞬発力を増強するために特訓を重ねた。

もちろん、その間はプロテイン補給。食事にも気をつけながら、一か月間トレーニングを行ってきた。


それと真逆で思った以上にルーン文字の解読には時間を要している状態だ。

はっきり言って意味がわからない。英語のように型がある程度決まっているわけではないからである。


「これは難物だ。」俺はつい弱音を吐いていたことに気がつかなかった。


「ふん!やはりお前には無理であったか?」


すかさず、シャンタルが横やりを入れてきた。槍使いだけに・・・・。


ムカっときた俺はなんとか法則性を見出そうと必死になっていた。俺は前の世界では約10か国語をしゃべっていたからだ。

すると、


「そんなに堅苦しく考えなくてもイメージを掴むことが出来ればもっと簡単に習得できると思いますわよ」

「!!」


俺は前の世界での自分の能力に過信していて同じようにやれば同じような結果がついてくるものと思っていた。

だが、フランの一言で一瞬にしてひらめきのようなものを全身で感じ取った瞬間、目の前が広がった感じがした。


「なるほど、イメージか!!」

「そう!!イメージよ」


言語をイメージ化するのも重要な習得法の一つであったことに気がついた。

ルーン文字も同じようにイメージで対応できるのだと知ったのでそれを実践することにした。


最初はやはりうまくいくことはなかったが、前世の経験からルーン文字の習得をすることができないという考えは完全に消えていた。


それからは少しづつ内容の理解度が高まってきた!

わかり始めてくるとやはり面白いという感情が先に出てきた。

おれはルーン文字にのめりこんだ。


「だんだんと理解が出来てきた。」

「さすがですわ!ここまで早く習得できたのであれば前代未聞ですよ」

「すべてはフランの教え方がいいからだ」

「当たり前だ我の娘だからな」


そういうと開け放たれた窓からシャンタルの手元に何か落ちた。紙のようだ。

それを見るなり「少し外に出るがフランに手を出したら殺す!!」と言って足早に外に出た。

片時も離れなかったシャンタルが急にどうしたのかとも思ったが魔法の勉強に頭を切り替えた。


「どうだろう!俺はそろそろ魔法を扱うことができるであろうか?」

「うーん!ルーン文字の怖いところは暴走する可能性があるということです!」

「暴走!?」

「はい、要するに制御不能状態になって下手をすれば町一個ぐらいなら軽く破壊します。」

「そ、そんなことが」

「あるんですよ。だからこそルーン文字はできるだけ完璧に理解したうえで使うことをお勧めいたしますわ」


暴走!!そんなことが起きればただでは済まない。

そう思った瞬間であった!けたたましくドアが開くとシャンタルが言った。


「奴がお前をさがしているぞ!!」


何のこと?


(第16話につづく)

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