第5話 親の心子知らずとて子知った上親離れ

「幸之助君、落ち着いて」

「でも!あの子を行かせるわけには!!」

「君が上京する時の助六さんのようなことを言いますね」

「え…なんでそんなことを」

「私は人類の収束先ですから」

「あなた…何言ってるんですか?」

「ははは」

「気持ち悪い」

「花が咲いてますよ」

「急に何言い出すんですか」

「君の眉間にです」

「はぁ?」

「ともかく、祐介君は見つけたんですよ」

「何言って…」

「あなたの眉間の花をね」

「はぁ」

「それとあの子のyがね」

「yってなんですか」

「嫌なものの基準ですよ」

「あなたでいう『失敗』のようなものです」

「は?」

「yはxの関数です、yが分かれば逆関数からxがわかります」

「数学の話ですか」

「いえ、人生の話です」

「はぁ?」

「嫌なものを逆に考えるんです。逆に、何が良いかってね」

「それが何か…」

「あの子の霧が晴れつつあります」

「でも学校に行かなくてはろくな人間に」

「十人十色ですよ」

「でも!!」

「あの子のx軸が定まりますよ」

あとはめぐみちゃんの件だ、それを訊くんだ。



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