第4話 連れてきたよ

「よっ、高田祐介君」

「先生!」

学校だ、また小学生になっていた

「ちょっとは吐き出せたかい?」

「先生、此処は?」

「君が聞きたいのは『なんで此処に』だろ?」

「あっ」

腹が減った、多分そういうことだろう

「きみが訊きたそうだったから」

「あぁ」

腹が満ちた

口から花が咲いた

「と言うわけで、君のお父さんを連れてきました」

「えっ」

急にすごくお腹が空いた

そこには僕、小学生の僕とそっくりだが、僕と違ってメガネをかけた子供がいた。

「さて…高田幸之助君、君は何がしたいんです?」

「加賀白中学に受かりたいです。」

「それで何をしたいんですか?」

「良い高校に入って」

「そう」

「良い大学に入って」

「そう…」

「すると社会で成功するんです」

「そうかそうか」

気づけばそこには父が立っていた

「さて、幸之助君、君は怖いんですか?」

「何がですか…」

いつものようにふてぶてしい態度の父だ

「失敗です」

「当たり前ですよ」

「君が失敗するのはもちろん怖い、そうですね」

「そうですよ、でもそれ以上に息子の失敗が怖い…あの子には私の幸せな道を」

「よく言えました!!その通り」

「はぁ…なんなんですかあなた」

「私は幸之助君、あなたですよ」

「そして祐介君、君だよ」

「お父さん、で、僕?」

「ああ、というか皆、言わば人間の収束先だ」

「はぁ…」

「祐介!?学校はどうしたんだ!!」

「いや、気づいたらここに」

「今すぐ戻れ!!さもないと!!」

手を振り上げる

頰がひりつく、父の眉から花が咲いている

僕が湧いて出てくる

頰が破けてるように、口に出る、全部漏れる。口からでる。

嫌だと思った、合わせて花が咲いた

頰は痛まなかった

「幸之助くん、その辺に、」

「でも…学校に行かないなんてあり得ないでしょう!!責任取れるんですか!」

「祐介君、何が嫌かは収束したかい?」

「腹は満ちました」

「ヨシッ」

「待て祐介!!許さないぞ!!!今すぐ戻れ!!!」

「嫌だ!!」

「祐介ェ!!!!!!」

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