第3話 手錠をかけられる

「強盗に襲われたなんて嘘じゃないですか」


 パトカーから降りてきた警察官は眠そうな目でおじさんと話している。

 たぶん彼は疲れてるんだろうな。


「こいつら、超能力者のくせに俺の店に……」


「わかりました、彼らに言い聞かせますから今日のところは穏便に……」


「チッ、しょうがねぇ」


 おじさんは店の中へ戻っていった。


「さて……」


 警察官はくるりと振り返り、今度は僕達に歩み寄ってきた。


「ちょっと失礼」


 そして、いきなり手錠をかける。


「え!?」


「なにこれ!?」


「一応、念のためね」


 逃げたら困るから?

 そんなことしないのに。


「それで、君達は本当に知らなかったんだね?」

「自分達が超能力者だってことを」


「はい」


 シャロールも隣でうなずく。


「カードは?」


 さっきもそんなこと言ってたな。


「ありません」


「困ったな……」


 目の前の警察官は頭を掻いて空を見上げる。


「不携帯は罰金なんだが……」

「君達、ご両親に連絡がつくかな?」


 異世界から来たんだから、つくわけない。

 僕は横に首を振る。


「ますます困ったな……」

「だが、よくわからない超能力者を野放しにするわけにもいかない……」


 この世界は相当超能力者に敏感なのかな?


「とりあえず、パトカーに乗ってくれ」

「詳しい話は向こうで聞こう」


 ……どんどん事態が悪化してる気がする。

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