第5話⁂神様レイニン!⁂





実は神様レイニン、前世では人間で更には日本人だったのです。


前世の名前は佐藤玲人。


日本で最も多い苗字の佐藤さんです。

名前はアキトと読みます。


サ・ト・ウ・ア・キ・ト


余りにもありふれた名前ですが、何故レイニンとなったのか?


それは昔から向こう見ずな性格に加え、非常に見栄っ張り。

神に招集された途端、憧れの横文字に改名したいとの注文があったのです。

【玲人レイニンとも読める】


昔から英語の成績は最底辺のⅮ判定のくせに西洋に対する憧れだけは人一倍強く

見栄を張りとんでもない目にあっています。


「おい!ステイタスってなんだ?スキルってなんだ?エクストラってなんだ?

それからゲーム機の操作もてんで分からん?PCの使い方も難しい!タブレットも苦手じゃ!ああああああああ!ワシは日本人じゃ————!ホレ魔法のステッキを渡してあったじゃろう?あっステッキとストロンガーウエポンⓏってのもややこしい、やはり日本はおまじないの『ちちんぷいぷい』に【神槍と神剣】で良いだろう。エエエエ————イ!」


するとステッキとストロンガーウエポンⓏが消えて【神槍と神剣】が裕也の手に渡ったのです。


「チッ!カッコ悪いな~!なんだよ?ちちんぷいぷいって【神槍と神剣】て時代錯誤もいいとこだよ!」


「おん年100歳のワシにはハイカラな横文字は分からん。ワシが志半ばで叶わなかった夢、いじめられっ子をこれで救済して異世界のいじめっ子退治をしてくれ!おぬしには特殊な能力が備わっておる!又異世界の救済もたのんだぞ~!ワシはもうこの年、老後はゆっくり極楽浄土温泉にでも浸かって骨休めをしたい!アッそれと御主の名前はこの世界では【天草タケル】だ。生まれながらにしての美形とカリスマ性を持った天草四郎にちなんで天草、それとヤマトタケル、どんなピンチが迫っても数々の機転で乗り越えて来たタケルを取って【天草タケル】だ!エエエエ————イ!」


すると何と!美しい天草四郎のコスプレ衣装に変身しているではありませんか。


「それでは、頼んだぞ~!それではさらばじゃ!」


髪は後ろで結び、黒のインナー上下に肩からは真っ赤なマントをひるがえし。時空を超えてやって来た江戸時代の若武者天草四郎そのものです。


「嫌だヨ―!こんな時代錯誤な衣装、どうせならマトリックスにしてくれ————!」



こんな一見、最新アイテム音痴の冴えない老人ですが???

じゃ~!レイニンは何故神様になれたのか?


それは世のため、人のために良い行いをした人のみに後代の人々から「神」に据えられたのです。

それは子供の頃からいかんなく発揮されていたのです。


虐められている子供を見るとどんな火の中水の中、学校一チビのくせに果敢に飛び込んで助け出していたのです。



ある日不良に絡まれて大変な状況の男子を発見。


「コラ————!弱い者いじめするな————!」


「フフフフフゥッ!チビのくせして生意気な————!みんな————!やっちまいな!」

##ボカン〷バカン///グシャン##


危険も顧みず助けに入り、ボコボコにされ殴り殺されてしまったのです。


それはそうです。当然の事です。

15歳の玲人は身長155cm体重55kgの超チビ。

一方の相手は身長180cm体重がなんと100㎏の巨漢。


向こう見ずな事を!到底叶うわけ有りません。

余りにも向こう見ずな行いであっけなく15歳でこの世を去ったのです。


社会の為に尽くし、かつ、非業の死を遂げると神として祀られるようです。


イエス・キリストが最も良い例です。


近年では三島由紀夫を祀るという動きがあったようです。(実現しなかったようですが…)


エリック・クラプトンあたりは「神」と呼ばれました。

世界的な支持と人気を誇るジェブ・ベック、ジミー・ペイジと並ぶ世界3大ロック・ギタリストの一人。


神様レイニンに変身させられた裕也【天草タケル】は早速氷の世界のいじめられっ子を探索して歩きます。




すると今まさに数人の女子達が一人の女子の顔目掛けて泥をぶつけ、更には

服はボロボロに引き千切っています。


何故そんな事をするのか?


ヨクヨク聞き耳を立てて聞いていると?


「よくも私の彼氏に色目を使ったわね!」


「アンタ——!生意気ね!チョット綺麗だからって先生にエゴひいきされちゃって許せない!」



実はこの女の子、この氷の世界のアイス女学院の本年度のアイスクイ―ン。

この女学院一の美少女なのです。


あまりの美しさに妬みやっかみが酷いのです。


だからと言って顔に泥を投げたり、服をボロボロにする等以ての外。


そこに天草タケル参上!


「キャ———!日本のサムライ!カッコイイ!」


「ワア~!ステキ————!」


「君たち何してるんだい!そっちの女の子の顔や服が台無しじゃないか?どうしたんだい?」


「ああ!この子氷の柱から落ちて泥水にはまったんです」


「大丈夫!大丈夫!心配いりませんから!それよりアイスクリームの美味しいお店知ってますから一緒に行きましょう。エリカあなたは帰りなさい!そんな格好じゃ恥ずかしいでしょう?」


「行きましょう!行きましょう!」


「君たち俺が何も知らないとでも思っているのか~?全て御見通しだ!何故そんな酷い事をするんだい!」


「ワァ~~~ン😭だって~!いつも皆エリカだけ見て私達なんか誰も見てくれないワァ~~~ン😭ルックスだけで何故こんなに扱いが違うのよ~?ワァ~~~ン😭」


「そんな事無いヨ!君たちには君たちの良さが有るんだから!これからは絶対に弱い者いじめはしない!約束できるね!!仲直りできるんだったらアイスクリーム付き合うよ!」


「分かりました~!エリカごめんなさ~い!」


「許して~!ワァ~~~ン😭」



「ちちんぷいぷい」おまじないをすると、エリカも綺麗な元の姿に戻りました。


そしてみんなでアイスクリームを食べに行きましたとさ!


これからさらに救済は続きます。








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