第2話⁂タイムスリップ!⁂



1990年の日本にタイムスリップした裕也ですが・・・


「あれ~?な~んだよ~!全く違う異世界に転生出来ると思ったら日本じゃないか~つまらないな~?だけど俺が住んでいた2021年の日本とは雰囲気が違うぞ~?やけにキラキラしている」

1986年から1991年日本中がバブル景気に沸いた時代。


ワンレンボディコン、肩パット、太眉といったバブル時代のOLファッション


流行りの「アッシー・メッシー・ミツグくん」


当時の若者と言えばモテ車。


トヨタ「セリカ」ホンダ「プレリュード」日産「シルビア」日産「スカイラインGT-R」‥


若者たちは、こぞって愛車でワンレンボディコン女性のお出迎え。


バブル時代のクリスマスの3種の神器は高級ホテル(赤プリ)、ティファニーのオープンハートネックレス、フランス料理


こんなバブル景気に沸いた華やかな時代に超イケメンに転生出来た裕也は、早速スカウトたちの目に留まります。

「君、中々良いじゃないか~?今トレンディ―ドラマの新人を探していた所だ!」


「エエエエ————ッ!おおおっ俺が——ッ!ナナ何も出来ないですが?」

{只の豚と蔑まされていた俺が~?何かの間違いじゃないか?}


その時にウインドウに見慣れない何とも美しい男を発見。

「ひょっとしてこれが俺?ギャッホ~!」

裕也は自分の余りの転生ぶりに喜びと同時に恐怖すら感じます。


「良いんだよ!そのルックスさえあれば!早速次回作の本読み一週間後の午前9時にこの名刺に書いてある渡瀬プロダクションに来てくれ!」


「エエエエ————ッ!早い!早い!何も出来ませんって~!」


「分かってる!分ってる!顔、顔、それさえあれば鬼に金棒。顔をドアップにすれば視聴率アップ間違いなし!内容、演技なんかどうでもいい!おばさまとお姉さま達のハ-ト💛を鷲掴みにする事が君の役目、そういう事で、待っているからね!」


「ハイ~?」


一週間後の事務所で本読みの日がやってきました。

名立たる大物俳優たちが顔を揃えます。


「さあ君たち次回作の『愛は永遠に』の本読みの日ですが?頑張りましょう!主演俳優福山栄作さんの弟役の有村裕也君です。みんな初顔合わせだが、教えてやってくれよ!」監督の鶴の一声で本読みがスタート。


裕也の本読みの番です。『兄さん公子さん料理が上手いね!』を間違えて読む「にいさんコウコさんりょうりがウエテいね!」


「ワッハッハ————!ハッハッハ——!」大きな笑い声が場内に響き渡ります。


「コウコじゃないキミコだ!それとな~んだ~?ウエテいねって?うまいねだ」


「へえ~!キミコって呼ぶんですか?それと上と手で何故うまいになるんですか?可笑しいですって?」


「ワッハッハ————!ウッフフフフ」


「それと重要書類を書いてもらったが【銀行口座番号】も読めないのか?事務員に聞いたらしいじゃないか?とんだバカだな。先が思いやられるわ!」


「何も告げ口しなくったって~?」


「こんなんじゃ幾らルックスが良くても使い物にならないな~?」


実は転生する時にルックスのレベルアップは出来たのですが?それと引き換えに負の部分も抱える事になってしまったのです。


要は神様?の能力不足の為に手違いが起きてしまったのです。


裕也の一番望む物と引き換えに脳みそは空っぽになってしまったのです。


慌ただしく日にちが経ち本番の日を迎えます。


監督も何か良からぬ事が起こるのではと不安を抱えていますが、やはりとんでもない事が起こってしまったのです。


今日は裕也のラブシーンの撮影の日です。


「ハ~イ本番!」


「キャ————!何よこのブ男!」


どうも神様?の手違いで美しいルックスを維持できる時間が限られているようで5時間以上経つと元のデブ裕也に戻ってしまうのです。


「これは一体どうしたんだ!不審者と入れ替わったのか?」


一時撮影現場は大パニックになったのです。


こんな裕也ですので芸能事務所からあっさり首宣告を受けてしまったのです。


「アアアア!何という事だ!あの出来損ないの神様?のお陰でとんでもない目に合った。あの神様?とんだ不出来な神様だったが魔法の能力を与えた!と言っていたな、だけど『スキルアップの為には良き行いをしないとダメです』と言っていたな~、要は人助け!」


丁度その時、小学校の下校時に出くわした裕也は虐められている一人の男の子に目が行きます。

{このままだと短時間しかイケメンでいられない!後は只のデブのまんま。おまけに脳みそは空っぽ。いい行いをしてスキルアップしないと!}


「コラ————ッ!弱い者虐めなんかしちゃダメじゃないか!みんな仲良くしなさい」


「な~んだ、只のデブ!キモイッつうの!」


””ボ————ン!””大きな石を裕也の顔目掛けてぶつけたのです。


すると血が噴き出し次第に傷口がボンボンに腫れ上がり何とも醜い姿になったのです。


「へへへへ————ン!豚ゴリラ キ・モ・イ!」悪ガキたちは逃げて行きます。


「今度こんな所を見たら許さないからな!」


「お兄ちゃん助けてくれてありがとう」


「又虐められたら助けに行くからね!」


すると魔法のステッキが反応。

##スキルアップ!スキルアップ!##


「ようし確か!神様?からステッキを貰ったなエイ!」

一点に集中すると何か知性が湧き上がってきます。


「アアアア!漢字!漢字!オオオ!読める!読める!バカから抜け出せそうだ!

オオオ顔もイケメンにチェンジ出来た。良かった良かった!」


街の中を女の子達の熱い視線を感じながら意気揚々歩いていると、ある車の中から「たった助けて————!」女性の叫ぶ声が。

急いでその車を追いかけると竜巻のような虹色の渦に飲み込まれてしまったのです。

「ギャ————ッ!」


一体何処にたどり着くのやら…………。


















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