第8話 更なる召喚
「………なるほどね。使い魔にすることによって魂の繋がりができる、ね。」
「……そしてその使い魔が持っていた能力全てを私たちが使えるようになる、と。」
…
…
「…使い魔召喚しまくったらめっちゃスキル増えるってことだよな?」
「…そうしたら生きてこの森を出るのも夢ではないって事ですね。」
…
…
「来た!?来たのでは!!?白雪さん俺たち来ちゃったのでは!?!?」
「あ、あはは…や、やった…!私…まだ生きていていいんだ…!!」
「っしゃあ!希望が見えてきた!!俺もう召喚しまくっちゃうもんねぇ!」
「その意気ですよ双葉さん!!さあジャンッジャン召喚しちゃってくださいな!」
俺と白雪さんは生き残れる希望が見つかり、小躍りを踊るが如く舞い上がった。
「さあて、強い子来ちゃって下さいな〜。召喚!!」
…
…
しかし何も起きなかった。
「………あれ?」
「どうしたんですか?双葉さん、さあさあ召喚召喚っ♪」
「う、うん…待っててねマイハニー…今召喚するね…」
「気を取り直して……召喚!!!」
しかし何も起きなかった。
「……あの?双葉さん?」
「あるぇぇ???おっかしいな?召喚出来ないぞ??」
俺は不思議に思い、自分の能力を見た。
ネーム 双葉成美
スキル 一心同体 召喚(使用不可) 契約 鑑定眼 翻訳 魔素操作 再生 猛毒 隠密 擬態 水中呼吸
魔法 生活魔法 水魔法
耐性 魔素耐性 水魔法耐性 毒耐性
使い魔 ???
「…?なんだこれ。使用不可?」
「え〜詳細詳細……」
召喚(使用不可) 「使い魔となる魔物を召喚することができる。」「現在使用することが出来ない」
「んっふ??」
俺は変な声と共に鼻水がちょびっと出た。
「ふ、双葉さん?どうしたんですか??」
「いや、なんかその…召喚。使えなくなったっぽい。」
「……え?」
「現在使用することが出来ないって…書いてある…ます。」
余りの戸惑いに思考がショートし語尾がおかしくなった。
「…えぇぇ?」
「なんならその、多分鑑定眼使えば見れると思いますんで……僕の能力、見ちゃってくださいな…?」
「…………鑑定眼。」
そういい白雪さんは俺の能力を鑑定眼を使って見た。
「ええええええ………なに、これぇ……」
「ね……なに、これぇ……だよね…」
俺と白雪さんは分かりやすく気分が沈んだ。
「…さっきどさくさに紛れてマイハニーとか呼びましたよね。張り倒していいですか?」
「…すみません。」
その場で俺たちは膝を抱えて座った。
タコはなんか俺の顔とかを足でニュルニュル触っていた。
「…スキル。」
「…自分のスキル確認してるの?」
「はい、なにかないかなあと思い。」
「まぁ、まだ魔法とかスキルを実際に使ってもないしな。もしかしたらこの森を出る打開策があんがい……」
「…あれ?」
「…?どうした?」
「いえ、あの…私の方スキル欄にも召喚あるんですけど、こっちには使用不可とはかいてなくて…」
「…え?ちょっと見てもいいか?」
「はい、どうぞ是非是非。」
「鑑定眼。」
ネーム 白雪花音
スキル 一心同体 召喚 契約 鑑定眼 翻訳 魔素操作 再生 猛毒 隠密 擬態 水中呼吸
魔法 生活魔法 水魔法
耐性 魔素耐性 水魔法耐性 毒耐性
「…ほんとだ。ていうかあれ?白雪さんの方には使い魔が表記されてないな。」
「あ、本当ですね…なんででしょうか…」
「……能力とかは一心同体のスキルで使うことはできるけど使い魔はまた別ってことか…?」
「…ですかね?」
「…うぅんよくわからん。とりあえずじゃあ白雪さんも召喚使ってみたら?」
「え”…私もですか…?」
(すげぇ声出したな今…)
「いやだって、使えるっぽいし。またいい感じの使い魔来るかもよ?」
「えぇぇぇぇ………」
…
…
「……はぁ、わかりました。やりましょう。」
「ファイトだぜっ!白雪さんっ!」
俺はこれでもかと言う程の渾身イケメンスマイルを白雪さんに叩き込んだ。
「殴っていいですか?」
「ごめんなさい。」
「…はぁ、じゃあ。行きます。」
場に緊張が走った。
(きっとさっきの俺みたいに心臓バックバクに違いないな…)
何が出てくるか分からない恐怖。友好的なのは今俺の頭を撫で回しているタコだけなのかもしれない。
もしかしたら凶暴な魔物を呼んでしまうかもしれない。
その不安が今、白雪さんに襲いかかってるに違いない。
(…頼む、話の通じる、それか大人しい魔物来てくれ……!)
そして、白雪さんは発した。
「……召喚!!」
するとさっきと同じように森の木々が風で揺れ、辺りが暗くなり始めた。
「…こんな感じだったのかな、さっきも。」
「お願いします!私まだ死にたくない!いやもう1回死んだけどもう死にたくないです!!お願いいい魔物来て!!お願い!お願いぃぃ!!」
神社で気合を入れて願掛けをするかのように、白雪さんはお願いした。
次に白雪さんのとった行動、それは―――
「お願い!お願いぃぃ!!!」
見事な土下座だった。
巨大な魔法陣の前で土下座をしているJKなど今後お目にかかることはないだろうと、思いながら行く末を見守っていた。
(その気持ち、わかるよ…ほんっと怖いもんな。何が出てくるかわからんって。俺も今手汗尋常じゃねぇわ。)
そして辺りが光に包まれてでてきたのは――
「ひぇ…」
人間大サイズの蛇だった。
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