誰かを愛した私は、日の下で生きることにした

@blanetnoir



日の下に照らされるこの世界は、


ジリジリと日光が不躾な程に私の輪郭を人目に晒して、


ユメを形にできない惨めな姿を自覚させられる、嫌な時間だと思っていた。






日が落ちて、


夢のプールの中に戻っていく時ばかりが私の生きる時間だと、


そう思って生きてきた。






また夜が明けて


甘い水の中から陸にあがったら、


早く夜よ来いと願いながら、


汗ばむジリジリした熱気への嫌悪感を噛み殺しながら、やり過ごす。


陸に上がらざるを得ないのは、

生きる糧を得るためだけだと、思っていた。








熱中症に罹ったかのように、


眩む一瞬


貴方が私の前に現れた。


その瞬間に


私の認知は昼夜逆転した。







貴方が作り出す



音が、



言葉が、



創作が、



見せようとする世界が、




私の求める世界にとって変わろうとしていた。








私は、私が作り出すことの出来ないものに

執心してしまった、




地獄のはじまり。








夜なんて、なくてもいいとまで

思ってしまうほどに。




あなたのいる世界から離れたくなかった。










昼の世界よ こんにちは。




私は未だに空っぽで、


私の口の中に唯一隠しているユメの欠片すら

少しの力を加えれば砕けそうに頼りなくて、


それでもなんとかこの日の下の時間で


欠片を育てる勇気を持とうと思ったから、






だから加減が分からないけれど、


こんな私だけど、





貴方を愛したい


貴方の世界を愛したい、


求めることを許してほしい




だから、




日の下で自我を無くさずに生きる術を


教えて欲しい。


昼の世界は地獄だなんて

思い込みだったと思えるように。








耐えきれずに干からびかけたら

急いで夜のプールに戻るから、



もう少し陸の世界で



愛を知れますように。


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