第3話 無事サーシャは……
現在の時刻は14時15分、昼休み終了の予鈴が鳴ってから10分である。俺は、いやクラスメイト含めて俺たち一年D組はいまだに廊下に立って数学の先生を待っていた。たいてい、フランスでは授業の合間に移動するのは生徒の方であるが昼休みという役2時間というん長い休みの合間では、教師も教室を移動することは珍しいことではない。まぁ、予鈴が鳴ってから10分以内に来ない先生は珍しいがないわけではない。そして何故我々生徒が先生を教室で待っていない理由は……教室のカギがないからである。もう一度言おう鍵がないからである!!大事なことなので二回言いました。
「俺っち思うんだけど」
「なんだ二コラ?」
「なんで生徒でさえ時間ぴったりに教室の前につけるのに、大人の先生たちができないのかな~?」
お前今多分、この国の全教師を敵に回したぞ……
「日本と違ってここはの教師は軽い人多いからな」
「どうせまた待たせても大丈夫だろとか思ってんじゃね?」
「「ありえる」」
「まぁ来なかったら来なかったで自習でいいしね~」
「確かに授業より街に繰り出す方が楽しいもんな」
「じゃあ僕は先生が来ないよう祈る!」
「俺っちも一緒に祈る~」
「授業より街で遊ぶ方が楽しいのは俺もわかるけど、お前ら…そんなくだらないことのために祈るなよ…」
「「あはははははははは」」
「あはは言うな!!」
幸いフランスでは自習の時間が二時間連結していた場合学校の外に出れるという校則がある。本当にフランスの校則ゆっるゆr…おっほん、なんで今この話が出たかというと、たまに何の連絡もなく先生が休むことがあるのでその場合その教師が受け持つべき授業に参加していた生徒たちは自習なのである。でも連絡がないのに自習扱いされるには15分間廊下で待たされて先生が来なかったら自習なのだ。そして次の俺の授業は自習、そう今の時間が自習に変わったら俺は合法的に外へとんずら出来るのです。
「よし後2分だ」
「二分がこんなにも待ち遠しいのは久しぶりだよ」
「だな」
「先生がこの二分でこの教室にたどり着けるか、お手並み拝見だ~」
「うわー先に教室前についてるからめっちゃ上から目線」
「俺っち達は待たされているので、こんな態度になっても何も言い返せないと思いますー」
「まぁ、あの先生だしねー。苦笑で終わるのが目に浮かぶよ」
なんせ今待たされている生徒たちの授業を受け持つ先生は、学校中に面白い先生と言われて大人気の先生だからだ。実際俺も、この15年間の中で一番面白い先生だと思っている。
残りの二分間を談笑しながら待っているとついにこの時が来た(大袈裟な言い方だけど)。
「残り10秒だ!」
「「「10…9…8…7…6…5…4…3…2…1…0!!」」」
「っしゃぁぁぁぁぁ街に行くぞヴァル、二コラ!!」
「ああ、二コラとは頻繁に行くけど真とは久しぶりだからな」
「俺っちも真といくの楽しみ~」
授業2時間分減ったぜーー!階段へゴー!!そしてクラス一丸となって降りて―――
「よぉ、餓鬼共授業の時間だ」
行こうとしたらなんであんたがいるんだよ!!外行こうというタイミングで普通来るか?!デスター先生!!ほら、俺含めてクラスメイト全員落胆している顔になっているじゃないか!後もうちょっとだったのにぃぃぃぃ!
「んじゃ教室戻れお前ら」
うわぁぁ。あの満面の笑みムカつくぅぅ。しかもあの人子供っぽいから絶対今の俺たちの心情を理解してるはずだし。ハァ…俺たちの合法的なさぼり時間がぁぁ…教室に戻るか、うん頭を切り替えよう。そして階段を上り始めると後ろから誰かが昇ってくる足音がして振り向くとそこには――――――
「サーシャ?」
なんか死にそうな表情でこっちを見上げてるサーシャがいました。やっべ、完全に存在を忘れてたわー。
「よしギリギリセーフ!!!」
「「「いや絶対アウトだろ!」」」
俺たちは声を合わせて心の底から叫んだ。
「絶対遅刻してボワセ先生に殺られてただろ!」
「殺られたが無事生還だぜこの野郎!もっと嬉しそうにしろよ!」
「んじゃ賭けは俺と二コラの勝ちでな」
「まぁこうなるだろうと予想はついていた。仲良く二人で分けるんだよー」
「ほいまいどありー」
「淵、二コラ、ヴァルお前ら自分の幼馴染で賭けやがったのか!?」
「そうだが」
「どこに問題が?」
俺には全く見当がつかないがサーシャは自分が賭けの対象にされたことが気に食わないらしい。どうしてだろう、ホントウニワカラナイ。
「いやーそれにしても15分という先生の大遅刻があってよかったねー」
「本当今日は運がよかったなー」
「いや、どちらかというとボワセ先生にこっぴどく殺られたからいい引き合いなんじゃないかなーと思うのは俺だけ?」
「「「はははははははは」」」
「俺だけでしたね、はい」
「今日のいじられキャラは珍しく淵じゃなくてサーシャだったね、あはは~」
「おい、いつから俺がいじられキャラになった?」
「「「えっ?」」」
「おいなんだその信じられないものを見る目は」
「ウン...じゃあ授業に遅れる前に行くかー」
「ソウダネ~」
「イクトスルカ」
「ちょ、おい待て!」
そのまま授業に全員無事参加出来ていつも通りの授業を受けたが、あの時のいじられキャラの件は解せん。いつから俺はそんなキャラになったんだ。
その頃の三人は全員『無自覚こわっ』と思っていが、それを淵が知ることはなかった……
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