第8話

体育の先生の、


「位置について。用意...」


の掛け声の後。ドォン!と

ピストルの音が鳴り響き、俺たちは走り出した。だが、すぐ様、俺は藤島くんに

足をかけられ、前につんのめって倒れることとなった。


「...ふん、ざまぁ!」


ニヤニヤしながら。

藤島くんは俺を無視して、どんどん走って行く。


卑怯な奴...!


マヒロが、俺の元へと駆け寄ってきて、

「どしたの!?シンジ、こけたの?」


「違うよ。藤島くんに足をかけられてさ...!」


「酷い...!」


「それより、追わなきゃ...。マラソン大会とはいえ、たった三キロの距離しかないんだから...!ちょっとのロスが命取りなんだからっ!」


「う、うん...!」




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