第2話

「手繋ぎに、キスやハグ、それからその先もオケ!」


ニヤニヤしながらマヒロが言った。


今はちょうど高校からの帰り道。

とりま、まだ恋人同士になった訳ではないが、

俺は幸せにも高嶺の花でモテモテのマヒロと

一緒に帰れている。


ま、これ、幼なじみの特権ってやつだと思う。


周りの男連中からしたら、

なんで、陰キャが、美少女と帰れてるんだ?

と言ったところだが、俺とマヒロは長年付き添った幼馴染ってなわけで、最初こそ、

不良や性格の悪いイケメンに文句言われて絡まれたが、マヒロが、うちら幼なじみだから!と

一蹴してくれたおかげで、暗黙の了解で、

現在は平和に帰れている。


ま、欲を言えば、

幼なじみから一歩階段を上がって、

ステータスを恋人同士にしたいのだが。


中々それは難しかった。


今度、俺に出された条件は。


弱小吹部でフルートを吹いてるヒョロヒョロ陰キャな俺が。


陸上部の長距離選手で。


県選抜で全国女子駅伝に出ちまうような実力者が。俺相手に、


「校内のマラソン大会、私に買ったら

何でも言うことを聞いてあげる」


なんて言いだされても。


完全に、負けが見えてる。







iPhoneから送信

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る