総集編 The Battle of Digitalias
ここは
伝説の
その上空に浮かぶは
そこには巨大な白い壁に沿うように
聖水が流れ落ち
鮮明に映し出されている部屋"
そして、
神に最も近い男と言われている
「おーおー。因縁の対決ってやつかねぇ。
まぁ...その因縁さえも
すると、片目に傷跡が目立つ
「
いつまでここにいる気ですか?」
「サボってる訳じゃねーよ。
俺は楽しみにしてたんだ。
ラナンキュラスとジギタリアスの戦いをな。」
「観察も良いですが
雷を降らせるのも
それに...」
あくびをしていた。
「ふぁぁ...」
「
「分かってるさ。祈りの時間だろ?」
「ぇえ。そうです。
「もう少し待たせとけよ。」
「
「時間は有限だが
それに...これが最後だからよ。」
「最後?
まさか...誰かが
見破ったのですか?」
「アイツが気付かねぇ訳ねぇだろ。」
「グッ...申し訳ありません。」
「何故お前が謝る?」
「それは...」
「クックックック...
ほら、ラナンキュラスが解放するぞ?
どうせならお前も見てけ。
哀れな2人を」
作者 REN’sJackson
ー
総集篇
ラナンキュラス
『『
そして
ジギタリアス
『『
機械音
ーー
ーーー
ーーー起動しますーーー
ラナンキュラス
『『
ジギタリアス
『
ジギタリアスに向けて叫んだ。
ラナンキュラス
『
ジギタリアス
「ガッハッハッハ!!!!
とんでもねぇ
ジギタリアスは目をカッと見開かせると
背中から次々と巨大な鎖と
その内、4本の鎖は1つ1つが
人の顔ほどの大きさがあり
ジギタリアス
「こんな
鎖が次々と
ラナンキュラス
「無駄さ。
常に
その鎖を伝って
ジギタリアス
「ガッハッハ!!!!!
効くかよ!!!!!!!」
ラナンキュラス
「何!?
消えていく...なんだと!?」
突如、
ラナンキュラスは驚きを隠せなかった。
ジギタリアス
「まさかこれで終わりじゃねーだろうな?」
ラナンキュラス
「そんな...馬鹿な...一体どうやって!!」
ジギタリアス
「あんまりがっかりさせんじゃねぇよ。
これからが楽しいのによぉ!!!!!
ウラァ!!!!!!!!」
次々に鎖と
とてつもない速さで
ラナンキュラスへ向けて飛んでくるが
ラナンキュラスの速度の方が
圧倒的に早かった。
ラナンキュラス
「そんな遅い攻撃、当たるはずがない」
『
『
雷速で次々と回避する度に
鎖と
ジギタリアス
「ウラァ!!!!!」
((鎖は全部で10本...
小さい鎖には小さな
大きい鎖には大きい
全て、全て覚えてる!!!!))
全ての鎖が地面に刺さったのを確認すると
ラナンキュラスは飛び上がり
ジギタリアスに
ラナンキュラス
「神の
『
ジギタリアスに向けて放たれた。
ジギタリアス
「まだまだ!!!呑みこめえ!!!」
『
ジギタリアスは
地面にめり込んだ
グイッと引っ張り
ジャラジャラと音をたてて
すると
消えてしまった。
ラナンキュラス
「吸収したのか...いや、違う!!
これは!!!」
ジギタリアス
「オラッッ!!!!!」
雷速でラナンキュラスへと突っ込んでいった。
ラナンキュラス
「この速さ!!!
雷速だと!?僕の
次々と雷速で襲いかかる鎖と
ラナンキュラスは叩き落としていくが
叩き落としても叩き落としても
次々と
ラナンキュラス
「グッ!!!」
ジギタリアス
「おい、坊主。
気をとられんなよ?俺はこっち...だぜ!!!!!
ゾォオリャア!!」
一瞬の隙をジギタリアスは見逃さず
ラナンキュラスの後頭部に渾身の拳を叩きつけた。
ラナンキュラス
「グァァアァアァアァア!!!!!」
ジギタリアス
「まだまだ!!!!!」
ジギタリアスは更に空中で
足場にして跳ぶとラナンキュラスに突っ込んだ。
ジギタリアス
「ゾォオリャア!!!!!!」
ラナンキュラス
「ガッ」
拳が勢いよくラナンキュラスの腹を打つと
大地が割れ地面から次々と水が噴き出した。
ジギタリアス
「雷速ってのは速くていいなぁ
今ならどんなイカサマもバレやしねぇ。
なぁ?坊主。」
ジギタリアスはシューッと身体から煙をあげて
ジギタリアス
「って聞こえてねーのか?
まさか、気を失ったんじゃねーだろうな?」
そう言ってラナンキュラスの首を持ち上げた。
ラナンキュラス
「気なんか...失うわけ...ないだろう...
こんな攻撃...訳なんてない...さ...」
ジギタリアス
「そうだな。しっかりと
握ってやがる。
気を失ってた方が幸せだったのによ。」
ジャラジャラと音をたてて
ラナンキュラスに
ジギタリアス
「
どんなもんかはよく分かってらぁ。
ちょっとやそっとじゃ死なねぇからな。
だが、そのための
ただ、俺のはもっとすげえがな。
ラナンキュラス
「死ぬのは...お前...だ...
僕に触れて...タダで済む...と...思うな...よ」
ジギタリアス
「死ぬのはお前だ坊主
俺は
『
ラナンキュラスはジギタリアスの手を掴んだ。
ジギタリアス
「何!?」
ドーンッと
ジギタリアスに落ちる。
ジギタリアス
「ガガガガガガ!!!!
効く...ねぇ!!!!!ガガガガガガ!!!」
ラナンキュラス
『
「まさか!!ウグッ!!!」
ラナンキュラスは離れようともがくも
ジギタリアスはその手を離さなかった。
ジギタリアス
「離すわきゃぁねぇだろう?」
『
すると
一斉に襲い掛かった。
ラナンキュラス
「その...よう...だね...!!」
『
ジギタリアスに襲いかかる。
そして、次々とラナンキュラスの身体は
ラナンキュラス
「ァアァアァア"ア"
ァアァアァア"ア"ァア
ァアァァアァアァア"ア"ア"ア"
ァアァアァア"ア"
ァアァアァア"ア"ァア
ァアァァアァアァア"ア"ア"ア"!!!!!!!!!」
ラナンキュラスの
次々と鎖が溶けていくと
ジギタリアスはそれを目の
ジギタリアス
「こんなッ!!!
『
ラナンキュラス
「アガッ!!!」
ジギタリアスは
全て消すと改めて鎖を背中から出した。
ラナンキュラス
「自動...再生...いや、再召喚か!!」
ジギタリアス
「ォォォォオオオ!!!!」
『
ラナンキュラスの
ジギタリアスは
雷速で距離を取った。
ラナンキュラス
「はぁっ...はぁ...ウグッッ...」
身体中に穴が開き血がドバドバと流れる。
ラナンキュラスはゆっくりと膝をついた。
ジギタリアス
「まさか...それで死なねぇのかよ...」
ジギタリアスも雷速を解き膝をついた。
ラナンキュラス
「ア...イ...ビーを殺したお前...を...許さない...」
『
ラナンキュラスは弱々しく呟くと
傷を癒していった。
ジギタリアス
「嘘...だろ...その傷でも...治せるのかよ...」
ラナンキュラス
「
過度の傷は...命を削って...癒す...
そして...削る命...が無くなった時...初めて死ぬんだ。」
ジギタリアス
「元々、傷を...与えるのも...
苦労する
命を...削って癒すってかよ。
何でも...ありじゃねぇか...
奇遇だな......
そりやぁあ同じだ!!!!!!!!」
ラナンキュラス
「
ジギタリアス
「
二種類有るんだよ!!
だがオリジナルの
戦闘用に改良した
ォォォォオオオ!!!!!!!!!!」
『
ラナンキュラス
「なんだ...と?傷が...」
ジギタリアスは
自身の胸を
傷がみるみる癒えていった。
ジギタリアス
「そして!!
普段は抑制してるが
それを操る事が出来る!!!」
ラナンキュラス
「まさか!!!!!!」
ジギタリアス
「ぁあ。そうだ。
これから本当の力を解放してやるよ。
ラナンキュラス。
これで
ラナンキュラス
「本当の力...だと!?させるか!!!!!」
『
『『
機械音
ーー
ーーー
ーーー起動しますーーー
ジギタリアス
『
ラナンキュラス
「これは...」
十本もの鎖と
ドロドロと溶けて空中に
巨大な丸い門が空中に五つ出現した。
ラナンキュラス
「なんて凄まじい
これほどまでに強大なのか!!!」
ジギタリアス
「ガッハッハ!!!
どうだ坊主!!!!
これが
"
((
レンゲイとアナスタシアから聞いてたが...
詳細は分からなかった...
これが
ジギタリアス
「さぁ!!!こっからが本番だ!!!」
『
ジギタリアスの背後に浮かぶ五つの門から
幾千もの白く輝く槍が出現し
一斉にラナンキュラスに襲い掛かった。
ラナンキュラス
「グッ!!まずい!!!!」
『
ジギタリアス
「ガッハッハッハ!!!
坊主!!!逃げれると思うか!!!!!!」
ラナンキュラスは自身に
雷速状態になると
射出された様々な形の武具を
前に進みながら次々と
ラナンキュラス
「勢いが衰えない。
まさか...
ジギタリアス
「まだまだまだまだ!!!
ゾリャリャリャリャリャリャリャリャー!!」
ラナンキュラス
「グッ!!
なら!!直接お前を叩くだけだ!!
『
ラナンキュラスは上空に
ジギタリアスに真っ直ぐ
そして、その一瞬のスキをみて
更にラナンキュラスは斬り掛かった。
ラナンキュラス
「フフッ。まだ、終わらないよ。」
『
ジギタリアス
「
ゾリャァ!!!!!!!!!」
ラナンキュラス
「なに!?直撃したはず!!
グッグァァア!!!」
ドドドドドドドと
ラナンキュラスに襲い掛かった。
ラナンキュラス
「グァァア!!!!!」
ジギタリアス
「この姿を見せて殺し損ねた奴はいねぇ。
あの女の所まで俺が連れて行ってやるよ!!
なぁ、ラナンキュラス!!!」
ラナンキュラス
「ガハッ...」
ラナンキュラスの身体は血に染まっていた。
ラナンキュラス
「なんて...威力なんだ...グフッ」
ジギタリアス
「おーおーおー。
まだ息があるとはなぁ!!
大したもんだ!!!坊主!!!
ラナンキュラス
「僕は...絶対に...お前を許さない!!
アイビーを殺した...お前を!!!!!!
僕は許さない!!!!!!」
ジギタリアス
「何かと言えば、またあの女の話しかよ。
はぁ。分かった。俺の負けだ。
真実を言ってやりゃあ。」
ラナンキュラス
「何だ...と?」
ジギタリアスはラナンキュラスの背後に
一瞬で移動すると耳元で囁いた。
ジギタリアス
「アイビーは生きてる。」
ラナンキュラス
「何...!?
それは...本当か!!!!」
ジギタリアス
「嘘だ。」
そして音もなくラナンキュラスの身体を
ラナンキュラス
「ガッッッッ!!...貴様」
ジギタリアス
「クックックック...
ガッハッハッハガッハッハッハ!!!!
ンなわけねーだろうが!!!!!
バカが!!!!!!
本当に甘っちょろいな坊主!!!
ほら!!よっ!!!!!!!!」
ジギタリアスはラナンキュラスを蹴り飛ばすと
更に
ラナンキュラス
「貴様あぁあぁあぁあ!!!
ガッ!!グッ!!ガハッ!!アグッ!!
アガッ!!グァァア!!!!!」
ジギタリアス
「...まだ生きてやがるのか...ん?
傷が塞がってやがる...何をしやがった。」
ラナンキュラス
「グッ...言ったろ...お前を殺すと。
全てを賭けてお前を殺す!!!!」
ジギタリアス
「言ってろ!!!坊主!!!!」
『
ラナンキュラス
『
ラナンキュラスは
ジギタリアス
「ゾリャァァァァア!!!!!」
ラナンキュラスは次々と
五つの門から飛び出す様々な武具を
斬り裂いていった。
ジギタリアス
「ほう!!何でも斬れるってわけかい!!」
ラナンキュラス
「
どんな硬さがあろうとも
『
ラナンキュラスは自身の身体に
ジギタリアス
「雷速状態からの攻撃!!!
おもしれぇ!!!これならどうだ!!!」
ラナンキュラス
「何!?」
ジギタリアスも雷速状態となった。
ジギタリアス
「
全て
つまり!!雷撃を武具が受ければ
坊主の
喰らったもん全てが俺の支配下だ!!」
ラナンキュラス
「なんて、厄介な
ジギタリアス
「遊ぼうぜ!!!ラナンキュラス!!」
『
武具が射出されるとジギタリアスの手に収まった。
ラナンキュラス
「受け止められないよ。」
雷速で振動する
ジギタリアスの武具を真っ直ぐ斬り落としていった。
ジギタリアス
「なるほどな!!」
もう一方の手を伸ばしたジギタリアスに
新たな武具が飛んできた。
それを掴むと
ラナンキュラスを攻撃した。
ジギタリアス
「ガッハッハッハ!!
どんなもんが来るか分からねーが
武具には困んねーんだよな!!」
ラナンキュラス
「全て斬り裂くのは変わらない!!」
ジギタリアスは武具が斬られる度に
新たな武具を
雷速同士の超雷速攻防戦を繰り広げていた。
ラナンキュラス
「真っ直ぐ斬られないように
受け流しながら戦って!!いるのか!!!」
ジギタリアス
「当たり前だろうよ!!
俺の武器を斬り裂く
警戒しねぇ!!訳が!!!ねぇ!!!
神が生み出す!!最高硬度の貴金属だからな!」
ラナンキュラス
「最高硬度...
ジギタリアス
「そんなもんも!!あったなぁ!!」
((斬り裂いても斬り裂いても
武具が次々と出てくるのか...
僕じゃ無ければこの硬度...
恐らく斬り裂く事さえも不可能
敵側にこんな危険な
ジギタリアス
「なんだ!!動きが鈍ったぞ!!
考え!!事!!か!?」
ラナンキュラス
「グッ!!やはり!!
ここで殺す!!ジギタリアス!!
ハァァァア!!!!
グッ!?何!?」
ラナンキュラスは
無限射出された武具の残骸に囲まれ
逃げ場を無くしていた。
ジギタリアス
「ガッハッハッハ!!
みんな気づかねーんだよ。
撃ってたわけじゃねぇ。
俺が戦いやすい様に戦場を構築したんだよ。
お前みたいな
身動き取れなくするには
逃げ場を無くすしかねぇからな!!!
さぁ!!
ガガッと武具が射出されて
ジギタリアスの背後が武具で埋め尽くされた。
すべての
ラナンキュラスは文字通り囲まれてしまった。
ジギタリアス
「さぁ、ステージは整った。
インファイトしようぜ!!!!!」
更に射出されたグローブの様な武具をはめると
ジギタリアス
「デスマッチと行こうじゃねぇか!!!」
ラナンキュラス
「望むところだ。
その武具も
斬り裂くまで...だ!!!!」
ジギタリアス
「お前の太刀筋はだいたい
頭に入った!!!ゾリャ!!」
ラナンキュラス
「何!?はじかれた!?」
ジギタリアス
「ガッハッハッハ!!!!
終わりだぁぁぁあ!!!ゾリャァァァァア!!」
ジギタリアスは
ラナンキュラスの顔面へと拳を叩き込んだ。
ラナンキュラス
「ガッッッ!!!!
負ける訳には!!!!行か...ない!!!」
ジギタリアス
「ウォォオオオ!!!」
((なん...て...怪力...だ))
ジギタリアス
「ゾリャァァァァア!!!
ラナンキュラスは吹き飛ばされ
背面に並べられた
その身を
ラナンキュラス
「グァハッ!!!!!」
ドッと口から血を吐くと
ラナンキュラスは薄れる視界で
ジギタリアスを睨んだ。
ジギタリアス
「ガッハッハッハ!!!
殴り合いで俺が負ける訳ねぇ!!
ガッハッハッハ!!!!!
しかし、あの日からどう変わったか
楽しみにしてたが
まだ、女の幻を見てやがる!!!!
そんな
めでてぇ奴だな!!!!!!」
((身体が...動かない...僕はここで...))
ジギタリアス
「仲間の事なんて なんも考えてねぇ!!
お前の誇りは
あの夜から消えちまったんだよ!!」
ラナンキュラス
「仲...間...誇り...」
その時、ラナンキュラスは
敵と仇を
思い出していた。
ラナンキュラス
「グッ...ゴハッ...
ハァ...ハァ...
君の...言う通り...だね...」
ジギタリアス
「何言ってやがる...」
ラナンキュラス
「男として...アイビーの仇を取る
だが、
ジギタリアスを倒す。
どちらも...僕である事には...変わらない。
だが...今は...例え、憎き仇が目の前に居たとしても
僕は......
仲間を守る!!!!!!
それが!!!僕の誇りだ!!!!!!!」
ジギタリアス
「何!?急に
ラナンキュラス
「力を貸してくれ!!!
ジギタリアス
「何!?!?グッッ!!空気中に電撃が
グッ!!近づけねぇ!!!!!グッッ
おいおい...周りの武具が溶けてんじゃねぇか...
それに...この
まさか!!!
その賭け!!乗ってやるよ!!!!」
ラナンキュラス
『
ジギタリアス
『
一気に
バリバリバリッとラナンキュラスの足元から
逆さ
ラナンキュラス
「こんなところに呼び出してすまない
さぁ、共に逝こう。」
ラナンキュラスは
キッとジギタリアスを
一方、ジギタリアスは
水門全体を不気味な霧が包んでいった。
ラナンキュラス
「なんだ...これは...一体何処だ...
どこに消えた...ジギタリアス!!」
すると何処からともなく声が反響して聞こえる。
ジギタリアス
「ガッハッハッハ!!!
良かったなぁ!!!そのキリンちゃんがいてよぉ!!
じゃなかったら今頃沈んでたぜ!?」
ラナンキュラス
「なんだと!?姿を見せろ!!!ジギタリアス!!」
ジギタリアス
「そうカッカすんな坊主。
よーく見ろ」
ラナンキュラス
「何!?」
少し霧が晴れるとラナンキュラスの視界に
無数の
波に
ジギタリアスはその船首に立ち
ラナンキュラスを見下ろしていた。
ラナンキュラス
「フフッ...空間転移に巨大戦艦...死者の兵か...
何てめちゃくちゃな
ジギタリアス
「有利な戦場で有利に戦況を運ぶのは
当たりめぇの話しだ。
タイミングが良かったみてぇだな。
どうやらエリカの
空間の外で暴れ回ってやがる。
まぁ...見たところお前さんの
場所を選ぶ必要はねぇみてぇだがな。
ちなみに...まさかとは思うが
雷雲を
ガッハッハッハッハッ!!面白れぇ!!!!
さぁ!!!!見せてみな!!ナーベルクの
おめぇの
ラナンキュラス
「フフッ。
言われなくてもそのつもりさ。
全力の貴様を全力を
ラナンキュラスは
((消えた!!雷速か!?))
ラナンキュラス
「ハァァァア!!!!!」
雷速で距離を詰めるとジギタリアスに斬り掛かった。
ジギタリアス
「あめぇんだよ!!!」
ラナンキュラスの動きに合わせて
ジギタリアスは拳の武具で
タイミングよくカウンターを繰り出した。
ジギタリアス
「ウォオオオオ!!!」
ラナンキュラス
「
「な!?ガガガガガガガガガガガッッツ!!」
ラナンキュラスは
ジギタリアスをすり抜け海の上を駆け抜けていった。
ジギタリアス
「グッ...どういう...こと...だ。」
シューっと煙をあげるジギタリアスは
口から煙を吐きながらラナンキュラスを見た。
ラナンキュラス
「
まだ、人の形を保っているのか...」
ジギタリアス
「グハッッ...お前さんが通るたび
海面が蒸発しやがる...。」
ラナンキュラス
「海面だけじゃないさ。」
そう言うとジギタリアスの武具を指さした。
ジギタリアス
「どんなに溶けようが...また!!
付ければいいこった。」
ジギタリアスは
射出された拳の武具を再び装着した。
ジギタリアス
「それよりも...その
どうなってやがる。坊主ごと俺を
ラナンキュラス
「教える訳無いだろう?」
ジギタリアス
「クックックック...そうだろうよ...。」
そして、ゆらっとジギタリアスは船ごと消えてしまった。
ラナンキュラス
「何!?
ラナンキュラスは
空中を駆け上がり辺りを見渡した。
そしてまたもや
反響した声が空間に響く
ジギタリアス
「なんだぁ?消えた事に驚いてんのか!?
ガッハッハ!!」
ラナンキュラス
「
だが!!!
何処までもお前を追う!!!!!」
『
ラナンキュラスは
ラナンキュラス
「そこかぁぁあ!!!!!」
するとザバーンッッと波が割れ
突如、ラナンキュラスの足元から
雷速で様々な武具が発射された。
ジギタリアス
「もらったぁあ!!!!」
ラナンキュラス
「グッ!!雷速!?!?」
激しい爆発が巻き起こった。
ジギタリアス
「グッ」
ラナンキュラス
「逃すかぁあ!!!!!!ハッ!!」
ジギタリアスへ向けて突進した。
ジギタリアス
「バカが!!!自ら突っ込んでくるなんてよぉ!!」
ラナンキュラス
「ウォオオオオ!!!!!」
「ゾォリャリャリャリャリャリャ!!!!!!」
猛烈な武具が発射されるが
ラナンキュラスと
全てすり抜けていく。
そして
ラナンキュラス
「これで終わりだぁ!!!ジギタリーーーー」
「バカが!!!!」
ガキンッと音がしジギタリアスの武具が
ラナンキュラスの
ラナンキュラス
「フッ。何度も言ってるだろう?
そして、
その武具さえも溶かす。
それに、忘れた訳じゃないだろ?
僕に触れてタダでーーー
ッッガハッッ!!」
突然、背後から腹部を
ゆっくりと後ろをラナンキュラスが見たのは
広大な海に広がった
ラナンキュラス
「グハッッ...あれだけの技を放つ船が...
もう
ジギタリアス
「そんじょそこいらの
一緒にしてくれんなよ?
俺は!!海王水軍
ジギタリアスだぁぁあ!!
ゾォリャァア!!!!!!!!!」
ラナンキュラス
「何!!??グァァア!!!!!」
ジギタリアスはラナンキュラスと
鋭く尖った武具の上に叩きつけた。
無数の武具に
すぐさま雷速で駆け抜け上空へと距離をとった。
ラナンキュラス
「はぁ...はぁ...ゥグッ」
ジギタリアス
「その態勢から逃げ出す...か。
それに、致命傷にも達してねぇ。」
ラナンキュラス
「はぁ...はぁ...」
更にジギタリアスはラナンキュラスを
ジッと見つめると不思議そうな顔で
口を開いた。
ジギタリアス
「おい、戦闘
ラナンキュラス
「使う...までも...ないからさ...」
ジギタリアス
「ガッハッハッハ!!
なんだそりゃあ!!
ぁあ...そういう事か...
使わないんじゃねぇ。
ラナンキュラス
「それは...どうかな?」
((
それにあれほどの数...
そして、未だに動く気配を見せない
いつまで僕の身体が持つか...時間との勝負!!))
ジギタリアス
「それによぉ。
その
移動してる時は物理攻撃が効かねえ。
何故なら...お前さん自身が移動するその瞬間だけ
だから
全ての
焼き焦げるからな。
移動以外でも相当な電圧を
だから、使いたくても使えねぇ。
そうだろ?坊主?」
ラナンキュラス
「はぁ...はぁ...はぁ...どう...かな?」
ジギタリアス
「
そんな技にリスクがねぇ訳がねぇ。
長くは持たねぇのは明白だ。
クックックック。
あと、どんくらい持つんだろうな?
ラナンキュラス!!」
ラナンキュラス
「貴様...に...は...関係ない!!!!!!!」
ジギタリアス
「見えるぜ?お前さんが
消えて無くなるのがなぁ!!!!!!
一斉にラナンキュラスに照準を合わせた。
ジギタリアス
『
ラナンキュラス
「グッッッ!!!!」
ジギタリアス
「
逃げたっていいんだぜ!?
俺の武具は尽きる事を知らねぇんだからよぉ!!!!!」
ラナンキュラスは
雷速で大きな弧を描き空中を駆け抜けると
ジギタリアスに向かって突撃していった。
ジギタリアス
「さっきからそう来るしか脳がねぇ野郎だ!!坊主!!」
ラナンキュラス
「そう思ってくれてるなら!!正解さ!!!」
『
ジギタリアス
「ガッ!!何!!?」
「ゥオオオオオオオオオオオオオオオ」
「アガッアガッガガガガガガガガガガガ」
ラナンキュラスは
ジギタリアスの身体を何度も何度も
次第に紫色の球体が出来上がっていった。
ラナンキュラス
「終わりだぁああぁああ!!!!!」
『
『
ラナンキュラスはその球体を
上からバリバリと
ラナンキュラス
「ハァァァァァア!!!!!」
((アイビー...これで
君の仇を...討つことができる...))
ラナンキュラス
「ジギタリアス!!!!!!!!」
ラナンキュラスの
到達したその瞬間
ラナンキュラス
「アイ...ビー?」
ラナンキュラスは
すると、それを見逃さなかったジギタリアスは
鎖の武具でラナンキュラスを一瞬で縛り
猛烈な
「ゾォリャリャリャリャリャリャリャリャ」
「オゴゴゴゴゴゴゴッッツ」
ジギタリアス
「ゾォリャァア!!!!!!」
ラナンキュラス
「ガハッッッッツ」
ジギタリアスは鎖ごと砕くと
ラナンキュラスと
渾身の拳で吹き飛ばした。
ジギタリアス
『
「
最も嫌う場所をこの空間に投影し
この
人によって見える景色も逢いたいもんも違うが...
まさか...気付かなかったのか?坊主。
ここは...ジオザ海峡だ!!!スゴウ平野の大戦の場だ!!
数年ぶりの感想はどうだ!!!!???なぁ!!
アイビーは斬れなかったみてぇだな!!!
ガッハッハッハッハッ!!!!」
ジオザ海峡とは
ラミオラス帝国の北に位置する海峡。
そして数年前のスゴウ平野の大戦で
ラナンキュラス率いる
当時、海王軍の団長だったジギタリアスが対峙した場所であり
更に副隊長であったラナンキュラスの恋人アイビーが
ジギタリアスに殺された場でもあった。
ラナンキュラス
「そ...んな...」
ラナンキュラスは走馬灯の様に当時を思い出していた。
アイビー
「ラナンキュラス!!!!」
ジギタリアス
「仲良く死にな。」
アイビー
「ガッッ」
アイビーの腹部を
その先端は真っ直ぐラナンキュラスが
落ちていった所までグングンと伸びた。
同時に鎖が、ジャラジャラと
アイビーの腹部を通過していく。
アイビーは
叫び声を上げると
そのままラナンキュラスのいる海中まで
吹き飛んだ。
アイビー
「アガゴゴゴガゴガゴゴゴカ」
鎖が通過するたびに内臓はかき回され
痛みで頭が白くなっていく。
そして海水が体内に一気に流れ込んでいった。
すると海中で光が微かに見える。
ラナンキュラス
「アイビー!!!!!!!」
アイビーは目を開けると
そこにはラナンキュラスがいた。
アイビー
「ラナン、、いいの、、」
ラナンキュラス
「しっかりするんだ!!」
ラナンキュラスの鎖は消えていたが
アイビーの腹部には
まだ巨大な鎖が貫通していた。
アイビー
「ラナーーー」
「楽にしてやる」
ジャラジャラジャラジャラと音がすると
鎖がジギタリアスに帰っていく。
その反動でアイビーも引き寄せられていった。
しかし、アイビーは声などあげなかった。
もはや痛みさえも感じていなかった。
ラナンキュラス
「やめろぉぉぉお!!
これ以上、、彼女を傷つけないでくれ!!」
ジギタリアス
「ガッハッハ!!
勝つことを諦め女を選ぶとは!!」
ジギタリアスは引き寄せたアイビーを
海に投げ捨てるとラナンキュラスは
傷だらけの身体で海へと飛び込んだ。
ラナンキュラス
「アイビー!!!!!」
ジギタリアス
「死体が欲しいのかボウズ
そんなにその部下が大事か?
っと、、、ロージアから
ジギタリアスはめんどくさそうに応答すると
何やら話していた。
そしてしばらくすると口を開いた。
ジギタリアス
「おい。ボウズ。
ちゃんと
野郎共!!!出航だ!!!」
ラナンキュラスは海中で
アイビーの
海から顔を出すと
ジギタリアスに向かって
喉から血が滲むほどに叫んだ。
ラナンキュラス
「僕が!!必ず!!!お前を!!!!
殺しに行く!!!
必ず!!殺しに行く!!!!
ジギタリアスゥゥウ!!!!!」
そして、現在
ラナンキュラスは胸を押さえ
息を荒げていた。
「はぁ...はぁ...はぁ...」
ジギタリアス
「ん?顔色が、えらくワリィじゃねぇか!!」
ラナンキュラス
「貴様...貴様...貴様...貴様...貴様...貴様...貴様...貴様...
貴様...貴様...貴様...貴様...貴様...貴様...貴様...貴様...
貴様...貴様...貴様...貴様...貴様...貴様...貴様...貴様...
貴様...貴様...貴様...貴様...貴様...貴様...貴様...貴様...
貴様ァァァァァアア!!!!!!!!!!
これ以上!!!!アイビーを!!!!!!
ジギタリアス
「ガッハッハッハッハッ!!!
来い!!!!!」
『
ジギタリアスは指を鳴らすと
ゆらりと姿を消した。
海中からゾロゾロと骨を
髑髏の大群がラナンキュラスの元へと向かっていく。
そして、近づくにつれ
冷めた声で
覇気のない声で
心のない声で
ラナンキュラスの名を呼んでいた。
「ラナン...ラナン...ラナン」
ラナンキュラス
「やめろ...やめろ...やめてくれぇえええ!!!!」
「ラナン...ラナン...ラナン」
ラナンキュラスは
両耳を塞ぎ顔を沈めた。
ラナンキュラス
「アイビー...すまなかった...僕は...君を...」
「ラナン...ラナン...ラナン」
ラナンキュラス
「助けられ...なかった...」
「ラナン...ラナン...ラナン」
ラナンキュラス
「すまない...すまない...すまない...すまない」
するとドーーンッと
ラナンキュラス
「グッ...そうだね...
これは君が僕に見せた
ジギタリアスが生み出した薄汚れた
よくも...僕にこんな手を...こんな手を!!
ラナンキュラスは
「ラナン...ラナン...ラナンキュラス」
ラナンキュラス
「これ以上!!!!アイビーを
ジギタリアス!!!!!!!!!!
ハァァァア!!!!!!!!!!!!!」
ラナンキュラスは
「愛し...てる」
ラナンキュラスは振り下ろした
止めてしまった。
ラナンキュラス
「アイ...ビー」
「馬鹿が!!!!
『
「ぶっ放せ!!!!!!!!!!!」
一斉射撃と
ラナンキュラスに襲い掛かった。
ラナンキュラス
「僕...僕は...グッグァァァアァアアァアァアア!!」
波のように
ラナンキュラスに襲いかかる。
ジギタリアス
「隊長として俺を斬るとか言ってたよな?
それがどうだ??ガッハッハッハッハッ
女1人にこんな戸惑いやがって!!!
『
そう言ってジギタリアスは指を鳴らすと
突如、
ラナンキュラスの真横に現れ突進した。
ラナンキュラス
「真横!?グハッッ」
ジギタリアス
「それで終わると思うな。
悪夢はこれからだぜ!!!!」
入れ替わり立ち替わり様々な方向から
ラナンキュラスに突撃しては消えていった。
「アガッ!!ゥグッ!!!ガハッ
グッッッツ!!ゴハッ!!!オグッ
カッハッ!!グウゥッ!!オガッ!!」
「ラナン...ラナンキュラス」
崩れていく
血反吐を吐き続けるラナンキュラス
それを真剣な眼差しで見ているジギタリアス
限界を超える痛みの中で
ラナンキュラスは
((ジギタリアスは...強い...
おそらく...ラミオラスの中でも...屈指の強さだろう。
僕は...
僕はこのまま死んでいくのか...
ダメだ...ここはみんなが安全に...帰れる退路...
だから...まだ死ぬわけには...))
すると攻撃が止まった。
ラナンキュラス
「ガハッ」
ラナンキュラスは最後の一撃で
ジギタリアスのいる
ジギタリアスを威嚇していた。
ジギタリアス
「ほぉ。この連撃の中でも
離さず、
だが、
もはや
わざとセーブしてんのか?坊主。
いや、それとも...
まぁ、今更だけどよ。んなもん。」
黒焦げた身体に血まみれのジギタリアスは
ヨロヨロとラナンキュラスに近づいていくと
それにならって
甲板に次々と上がっていった。
ジギタリアス
「もう
...つまんねぇ幕引きだぜ。
海王軍副団長としてせめてもの慈悲だ。
この手で
ジギタリアスが腕を伸ばすと
巨大な斧が射出され片手に収まった。
ジギタリアス
『
ジギタリアス
「この
最も愛した人間を俺自身に投影出来る慈悲の
高密度のオリハルコンであしらわれてるこの世で最も硬い武器。
無論、
1億ボルトもの
溶けねぇって事は
お前さんの
ラナンキュラス
「なん...だ...と!?」
すると、ジギタリアスの身体が
ユラッと霧に包まれて行く。
ジギタリアス
「ほぅら、段々変わって来たろ?
なぁ?誰が見えてんだ?母か?父か?
兄か?それとも...」
ラナンキュラス
「フフッ...相変わらず...君は美しい...ね...アイビー。
それに...ゥグッ...なんでココに...君が...」
ジギタリアス
「クックックック。またアイビーかよ。
あっちもこっちもどこいっても
俺の
坊主...お前はそれほどまでにその女を...フンッ
見てみなぁ。この
アイビーが笑ってやがる。クックックック」
するとラナンキュラスは
ラナンキュラス
「なんだ...と?
もう一度...言ってみろ...」
ジギタリアス
「だから言ってんだろ坊主。
人によって見えるもんは違うってよ。
お前さんの場合は初めから
アイビーにしか見えてねぇんだろ?
今もそうだろうが!!!ガッハッハッハッハッ!!」
ラナンキュラス
「フフッ。...そうか...」
ジギタリアス
「何?」
ラナンキュラス
「...ジギタリアス」
そう言うとラナンキュラスは
グイッと引っ張った。
ラナンキュラス
「アイビーが...見えてるんだね?」
ジギタリアス
「......何?」
ラナンキュラス
「フフッ。
初めからそうさ。
人によって...見えるものが違うなら...
お前には何が...見えてる?
ゴホッゴホッ...
ジオザ海峡とアイビーが見えるんだろう?
最初にお前は僕に言っていた。
ジオザ海峡だ...とね。
グッ...まさか...
お前にとって"最も嫌う場所がジオザ海峡"で
"最も逢いたい者"が"アイビー"...なの...かい?
笑わせるな!!!!!」
「俺の
お前さんの景色を見てるだけだ!!
別に不思議な事なんてねぇんだよ!!!」
ジギタリアスは目を見開き
ラナンキュラスをガッと睨んだ。
ジギタリアス
「くだらねぇ!!!!
どうでもいいんだよ!!!
そんな事はよぉ!!!
的外れもいいこった!!!!
今は殺し合いだろうよ!!!坊主!!
仮に見えてたとしても
お前さんには関係ねぇ!!
俺はラミオラスの将軍で!!
お前はナーベルクの将軍!!!!
敵にゃぁ変わりゃしねぇんだからよ!!」
ジギタリアスがそう叫ぶと
ラナンキュラスと
ワラワラと押さえつけた。
ラナンキュラス
「グッ...そうさ...関係ない...どんな事があっても...
お前が...アイビーを殺した事には変わりない。
それを許す事は出来ない!!
ジギタリアス...確かにお前は強い。
だが...僕はお前に負けて
ここで倒れる訳にもいかない!!!
僕は!!
ミシェール=ラナンキュラス=バンジャマン!!
例え僕の命と引き換えても!!!
お前を殺して!!!
僕は!!仲間の退路を守る!!!!!」
アキレイ、ジジ、ツバキ、プラム、リナリア、アナスタシア
ジニア、キキョウ、クーワ、レンゲイ、チョウラン
オルケイディアといった
ジギタリアス
「グッ!!!!何をする気だ!!!!!!
この
グッ!!ガッハッッ!!!!」
ラナンキュラスは尋常では考えられないほどの
そして、
自身の胸を
ラナンキュラスを
ラナンキュラス
「ガハッ!!
我が命を
冥府の世界へ
ジギタリアス
「グッ!!!」
『
((
みんな...後は頼んだよ。))
ジギタリアス
「おいおいおいおい...なんて
なんて電圧...
自分から
お前さんが死んだら元も子もねぇだろうに!!
クックックック...少し
本気で死ぬ気でいたのかよ...
坊主!!!!!!」
凄まじい轟音と
ラナンキュラスの身体は徐々に
そしてジギタリアスは
ラナンキュラス
「ォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
ジギタリアス
「ォオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
((強くなったじゃねぇか。
ラナンキュラス))
ドーーーーンッと轟音が鳴り響き
水が干上がり、辺り一帯が光に包まれた。
アイビー
「ラナン?
ねぇ、起きて!!ラナン!!」
ラナンキュラス
「ん?...朝...かい?」
アイビー
「ううん。違うけど...」
ラナンキュラス
「じゃぁ...もう少し寝かせてくれ...
なんかずっと悪夢を見てた気がして
よく眠れなかったんだ。」
アイビー
「悪夢?」
ラナンキュラス
「そう。君が死んでしまう悪夢さ。
取り残された僕は永遠に君の面影を追い続けてたんだ。」
アイビー
「ウフフ!子供みたいね。相変わらず。」
ラナンキュラス
「フフッ。君のいない世界に僕は興味ないからね。」
アイビー
「もう。ラナンったら。
私が死んだってラナンには沢山の仲間がいるじゃない。」
ラナンキュラス
「寝言はベットの上でしか聞かない事にしている。
フフッ。さぁアイビー。隣においで。」
ラナンキュラスは
自身のベッドにアイビーを引き寄せた。
アイビー
「どうしたの?」
ラナンキュラス
「いや、なんだろう...懐かしいなって。」
アイビー
「うん。あたしも懐かしいなって思う。」
ラナンキュラス
「え?」
そう言うとアイビーはラナンキュラスを抱きしめた。
アイビー
「紅茶の香り...。」
ラナンキュラス
「そうだね。」
アイビー
「花の香り...。」
ラナンキュラス
「そうだね。」
アイビー
「ラナンキュラスの香り。」
ラナンキュラス
「...毎晩君を抱き締める度に
思い出すんだ。
この戦争が終わったら
僕は君と旅に出て...」
アイビー
「世界中を周る。」
ラナンキュラス
「小さな家を建てて
そこで紅茶を育てて売るんだ。
そして家に帰れば」
アイビー
「私が夕飯の準備をして待ってる。
大きなパイ生地に白いシチュー。」
ラナンキュラス
「君によく似た男の子と」
アイビー
「ラナンによく似た女の子」
ラナンキュラス
「それが、僕達の夢...」
アイビー
「...そうだね。」
ラナンキュラス
「アイビー...覚えているかい?」
アイビー
「何?」
ラナンキュラス
「君の誕生月、2人で行った海をさ。」
アイビー
「うん。覚えてる。」
ラナンキュラスは天井を見つめながら
思い出していた。
潮風が香る夜の海岸線を。
紫色のオープン
アイビー
「ねぇ!見て!!ラナン!!
とっても綺麗!!」
アイビーは月明かりで
照らされた青白い海を指差して
ラナンキュラスに微笑んだ。
ラナンキュラス
「フフッ。
それでも君の美しさには
アイビー
「ウフフッ。ラナンったら」
ラナンキュラス
「ちょっ!!アイビー!!」
助手席にいるアイビーは
ラナンキュラスに抱きついた。
ラナンキュラス
「あ、危ないだろ?
君に怪我をさせるわけにはいかないからね。」
アイビー
「フフッ。
怪我なんてしないわ。
だって、何があっても
ラナンキュラス
「フフッ。そうだね。
そうだアイビー。
今日はここの海岸線一帯は
君だけのものだ。
望みとあれば何でも出来る。
君の望みはなんだい?」
アイビー
「ラナンと砂浜を歩きたい。」
ラナンキュラス
「それだけでいいのかい?」
アイビー
「うん。」
ラナンキュラス
「分かった。」
ラナンキュラスはハンドルを切ると
砂浜に車を停めた。
アイビー
「わーーー!!すごーい!!」
そこに待っていたのは砂浜一面を埋め尽くす
数千のキャンドルライトと
ラナンキュラス
「少し、歩こうか。」
ラナンキュラスはアイビーの手を引き
しばらく砂浜を歩いた。
さざ波が優雅な音色に乗って
潮風が吹き抜ける。
ラナンキュラスは遠くを見つめると
口を開いた。
ラナンキュラス
「風が気持ちいいね。」
アイビー
「そうね。とっても心地いい」
ラナンキュラス
「時折、思うんだ。
風になりたい。ってね。」
アイビー
「どうして?」
ラナンキュラス
「風になって、君とどこまでも
遠くへ行きたい。」
アイビー
「ウフフッ
面白い事を言うのね。」
ラナンキュラス
「フフッ。そうだね。
でも、
君が
アイビー
「そんな事言ったら、
出逢った日から私はずっと
ラナンに
ラナンキュラス
「フフッ。
それをなんて言うか知ってるかい?」
アイビー
「なんて言うの?」
「恋。って言うのさ」
アイビー
「ウフフッ。ラナンったら。」
すると、ラナンキュラスは
アイビーの手を取り
白いテントの中へとエスコートした。
中に入ると中央には白いテーブルと椅子
冷えたシャンパンが用意されていた。
ラナンキュラスはアイビーの椅子を引くと
シャンパンに手をかけ栓を抜き
グラスに注いだ。
ラナンキュラス
「君とこうして過ごせる事に感謝する。
また、来年も一緒に過ごそう。
おめでとうアイビー。」
アイビー
「ありがとう...ラナン。」
ラナンキュラス
「乾杯。」
アイビー
「乾杯。」
2人はグラスを合わせると
シャンパンを口に運んだ。
しばらく談笑したあと
ラナンキュラスは
アイビーの手を引き
砂浜へと連れ出した。
ラナンキュラス
「せっかくだから
もう少し歩こうか。」
アイビー
「うん。」
ラナンキュラスは
アイビーが転ばぬように
腰に手をかけてゆっくりと歩いた。
アイビー
「...凄い綺麗。
青白く光る海に、沢山の花とキャンドル...
なんか、天国みたいだね!」
ラナンキュラス
「フフッ。
天国?相変わらず君は面白いねアイビー。
僕らが一緒に入る墓標の周りには
沢山の花を咲かせよう。」
アイビー
「...うん。」
ラナンキュラス
「海の近くだと花が枯れちゃうだろうから
アイビー
「そうだね。...ん?ちょっと待って
それってーーー」
「アイビー=へデラ=ポーチス」
アイビー
「え?」
ラナンキュラスは
アイビーの左手を取った。
ラナンキュラス
「死が2人を
共に過ごそう。
結婚してくれアイビー。」
アイビー
「...ラナン。私...ラナンにーー」
「YESと言ってくれないのかい?」
アイビー
「もちろんYES...」
ラナンキュラス
「分かってるさ。
心配しないでアイビー。
この戦争が終わったら
ハネムーンついでに旅にでよう。
その先で式をあげよう。」
アイビー
「...うん。」
ラナンキュラス
「よし。今日から君は僕の婚約者だ。
結婚式には
バンジャマン家も他の貴族達も呼んで
盛大に祝おう!!」
アイビー
「うん!!みんな呼ぼ!!」
ラナンキュラス
「ありがとうアイビー。愛してる。」
アイビー
「いつもありがとうね。ラナン。
私も愛してる。」
アイビーはうなじをさすりながら
ラナンキュラスを見た。
ラナンキュラス
「うん?どうしたんだい?」
アイビー
「ううん。何でもない。」
そして、ラナンキュラスは
ポケットから指輪を取り出して
アイビーの指に
大きなダイヤモンドの指輪をはめた。
それは、月明かりと海に照らされて
青く、青く輝いていた。
アイビー
「マリンブルー...すごく...綺麗...。」
ラナンキュラス
「君にこそ
アイビー
「ありがとう...ラナン」
そして現在
アイビーとラナンキュラスは
天井を見上げていた。
ラナンキュラス
「つい最近の出来事なのに
遠い昔のように感じるのは何故だろう...」
アイビー
「遠い昔の事だからよ。」
ラナンキュラス
「フフッ。何を言ってるんだい?」
「ラナン。あなたは戦わないといけない。」
ラナンキュラス
「え?何を言ってッッ」
景色がグルンッと変わり
光あふれる世界に2人は立っていた。
ラナンキュラス
「ん?どう言う事だ...ここは...」
アイビーはラナンキュラスを見ていた。
アイビー
「ラナン。思い出して。」
ラナンキュラス
「思い出す?一体何を?」
アイビー
「あなたはジギタリアスと...」
ラナンキュラス
「ジギタリ...アス?
グッ...ジギタリアス?
やめろ!!やめろ!!やめろやめろやめろやめろぉお!!」
アイビー
「ラナン!!!!!!」
ラナンキュラス
「僕は...僕は...」
アイビー
「聞いて。」
ラナンキュラス
「...アイビー...アイビー!!!!!!」
アイビー
「あなたに伝えたい事があるの。」
ラナンキュラス
「はぁ...はぁ...伝えた...い...事?」
アイビー
「私は...アイビー=へデラ=ポーチス」
ラナンキュラス
「どう...したんだい?」
アイビー
「...じゃない。
私はアイビー=へデラ=フォックス」
ラナンキュラス
「なん...だ...と?」
アイビー
「そう。ジギタリアスの娘よ」
ラナンキュラス
「嘘だ!!!!!!嘘だ!!!!
これはジギタリアスの
グッ!!これほどまでに僕を!!!
アイビーを!!!!」
アイビー
「最後まで聞いて!!!!ラナン!!
あなたは
魂が冥府の世界へ来てる。
まだ分からないの!?!?
なのに!!!!あなたは死にたがってるの!!!
しっかりして!!!ラナンキュラス!!!!!
あなたは神に選ばれた
ラナンキュラス
「アイビー...僕は...」
アイビー
「生きて!!!生きるのラナン!!!!
お願い...だから...。」
ラナンキュラス
「アイビー...」
ラナンキュラスは周りを見渡すと目を細めた。
ラナンキュラス
「冥府の世界...
じゃぁ、本当に君は...もう...いな...い...
でも待ってくれ!!!本当にジギタリアスが父なら
何故君を殺したんだ!!!!!!
何故、娘を...」
アイビー
「あの日の全てを話すわ。
お願い。
そう言うと景色がまたもやグルンッと変わり
ラナンキュラスの前に映像が浮かび上がった。
数年前、ジオザ海峡
ラミオラス帝国 海王水軍"トリトン"の
巨大戦艦"
「はぁ、はぁ、はぁ...」
アイビーは奥の通路を曲がると
奥の扉をノックした。
アイビー
「
ジギタリアス
「誰だ。」
アイビー
「
ジギタリアス
「ん?」
「
ジギタリアス
「この...リズムパターン..馬鹿やろうが!!」
ジギタリアスは周囲を確認すると
急いで扉を開けた。
すると、光彩刃術を解いたアイビーの姿があった。
ジギタリアス
「アイビー!!!」
アイビー
「シッ!!」
ジギタリアス
「ここは大丈夫だ。早く入れ!!」
アイビー
「そう。なら良かった。」
ジギタリアス
「おい!なんでここに来た!!
お前は潜入任務だろうが!!!
ソープワイトとロージアにバレたら
どうする気だ!!!」
アイビー
「分かってる...だけど...」
ジギタリアス
「お前の任務はラナンキュラスと
お前がおびき出して俺らが潰す
長年の苦労を無駄にする気じゃねぇだろうな?」
アイビー
「分かってる...分かってる...だけど父さん...」
するとアイビーは自身のうなじを
ジギタリアスに見せた。
ジギタリアス
「...おい。まさか...」
アイビー
「うん。」
ジギタリアス
「こいつぁ...
アイビー
「少し...前から...。」
ジギタリアス
「こんなに...くっきりと...」
ジギタリアスは全身から汗が拭きだし
うろたえていた。
ジギタリアス
「アイ...ビー」
裏切らぬように制約を結び
目的を達成した後
消える
制約違反した場合、内側から氷の種が芽吹き
胸を
その時点で術者に制約違反が瞬時に伝わる。
制約違反まで色の濃さが警告を示しており
アイビーの
くっきりと青白くなっていた。
しかし、この術の恐ろしさは
一度発動すれば術者以外は
解除する事ができない点である。
アイビー
「父さん、私から最初で最期のお願い聞いてくれる?」
ジギタリアス
「最初で最期のお願い...だと?
まさか...俺らを裏切ったのか!!!!!
なんでだ!!!!アイビー!!!!」
アイビー
「だって私...」
ジギタリアス
「だってじゃねぇ!!!!
それに発動まで時間がねぇー!!!!
すぐにでも発動しちまうじゃねぇか!!
待ってろ!!!俺の
アイビー
「いいのよ。もう。」
ジギタリアス
「よくねぇ!!!!」
アイビー
「芽吹けば最期。どうせ殺されるなら
ロージア様じゃなくて父さんがいい。」
ジギタリアス
「やめろ...俺には...出来ねぇよ...」
アイビー
「お願い!!!!
芽吹いたら裏切りがバレる!!!
そうなったら海王軍はどうなるの!?
トギリや他の部下達も処刑されるの!!!!」
ジギタリアス
「だったらなんで!!!!!
俺達を裏切るようなマネをしたんだ!!!!」
アイビーは涙を浮かべて笑顔で答えた。
アイビー
「だって...好きになっちゃったんだもん。」
ジギタリアス
「なに!?
まさか...ラナンキュラスをか!?」
アイビー
「うん。」
そのはっきりとした声に
ジギタリアスは
ジギタリアス
「ふざけん...じゃぁ...ねぇ...
大切な娘を...大切な一人娘を殺してぇ親なんかいねぇ!」
アイビー
「ワガママだって分かってる。
でも、私をロージア様の手で殺させないで!!!
あんな奴に殺されるくらいなら...私は!!!!」
ジギタリアス
「馬鹿野郎が...。
強情なのは...俺譲りかよ。」
アイビー
「父さんは海王軍のみんなが好きでしょ?
私の事を父さんが殺せば
ロージア様だって処罰は下さない。
今まで通りやっていける。
今私に出来るこれが最善の策なの。」
ジギタリアス
「...ロージアはお前が裏切る事を
いつ
実際に会ったのか?」
アイビー
「分からないけど...突然浮かび上がったの。」
ジギタリアス
「時限式
それほどの実力者は...
ゲイジュか...いや、ベロニカ...それとも...」
すると、戦艦が大きく揺れ始めた。
アイビー
「グッ!!父さん!!」
ジギタリアス
「来たか...ラナンキュラス...」
アイビー
「もう時間がない。
外に出れば恐らく観られてる。
だから、容赦なく私を殺して!!!!
出来るだけ残忍に!!!!!!
ロージア様に見せるの!!忠誠を!!!」
ジギタリアス
「...出来ねえ。俺にそんな事...」
「やるしか...ないの...やるしか...」
ジギタリアス
「怖ぇだろうに...震えてんじゃねぇか...」
「怖...く...ないよ。」
アイビーは震える手で
自身の身体をギュッと抱きしめていた。
娘のその様子を見ていたジギタリアスは
胸が張り裂けそうな想いを
必死で抑えながら悲しげな目で見つめていた。
ジギタリアス
「ラナンキュラスには...なんて言うつもりだ。」
アイビー
「何も言わない。
私は
父さんは海王軍の団長としてあくまでも居て。
だけど、あんまりやり過ぎちゃダメだよ?
ラナンも強いけど...
きっと父さんには敵わないからさ。今はね。
それにもし、真実を知ったら...」
ジギタリアス
「ラナンキュラスには黙ってろって事か?
アイビー
「ラナンと父さんは敵同士。
きっと
ラナンはロージア様に挑む。
そしたら絶対にラナンは死んじゃう。
だから!!!
その事は...言わないで。」
ジギタリアス
「...恐らく挑む。そして、死ぬ。
アイビー...それでいいんだな。」
アイビー
「うん。
ラナンキュラスには生きてほしいから」
ジギタリアス
「いずれはぶつかるぞ。」
アイビー
「分かってる。
だけど、今はまだ...」
ジギタリアス
「俺が強く...してやる。」
アイビー
「え...?」
ジギタリアス
「
普段だったらぶん殴ってるが
お前にも時間がねぇ...
俺にも選択の余地なんてねぇ。
心配するなラナンキュラスは...任せておけ」
アイビー
「ありがとう。」
そう言うとジギタリアスは
パイプをくわえ天井を見上げた。
ジギタリアス
「
アイビー。
それと、薬毒系の
二重詠唱は出来るな?麻痺させれば幾分マシだろうよ。
凍りつく事もねぇ。」
アイビー
「分かった。
もう、時間がないから今かけておくね...。」
『
『
アイビーが胸に手を当てると
身体中から泡が吹き出し身体を包み込む。
そして、緑色に光る煙が
スッとアイビーの鼻に入っていった。
アイビー
「私ね、父さんにも助かって欲しい
ラナンキュラスにも助かって欲しいの。
ワガママばかりでごめんなさい。
あともう一つ。」
ジギタリアス
「なんだ」
アイビー
「私の遺体はラナンキュラスに。」
ジギタリアス
「お前...それほどまでに...アイツを...」
アイビー
「うん。すごく大事にしてもらってる。」
ジギタリアス
「そうか。幸せだったのか。」
アイビー
「うん。」
ジギタリアス
「...もう行け。」
アイビーは背を向けて扉に手をかけたその瞬間
ジギタリアスの方を振り向いた。
アイビー
「あなたの娘に生まれて良かった。」
その言葉にジギタリアスは
溢れる涙を抑える事が出来なかった。
ジギタリアス
「馬鹿野郎!!!ゥグッ...ゥグッ!!
俺もだぁ...お前の父さんになれて...良がっだ!!!
こんな世界に...ゥグッ...産んじまって...!!
ごべんなぁあ!!!
ごべんなぁあ!!アイビー!!!!!」
アイビー
「父さんの夢。応援してる。
一足先に、母さんの所に行っーーーー」
次の瞬間、パリンッとアイビーの胸から
ジギタリアス
「アイビー!!!!!!!!!」
アイビー
「ガハッ...」
ジギタリアス
「アイビー!!待ってろ!!その氷を砕いてやらぁ!!
ゾォリャァア!!!!!!」
ジギタリアスは何度も何度も氷を砕いた。
ジギタリアス
「はぁ...はぁ...これで...ラナンキュラスにも
別れの挨拶が...できる...だろうよ...」
アイビー
「ありが...とう」
ジギタリアス
「行くぞ...ゾォリャァ!!!!」
ジギタリアスは血塗れのアイビーを抱えると
戦艦の天井を突き破って看板へと飛び出した。
ラナンキュラス
「何故逃げた先にこんなにも伏兵が、、
まさか、、追い込まれたのか、、
それに、、何故ここにお前がいるんだ!!」
ラナンキュラスは手に汗を握り締めながら
目線の先にいる男を睨んでいた。
ラナンキュラス
「海王水軍
そして映像がバチンと消えてしまった。
ラナンキュラス
「アイビー...君は...」
アイビー
「ラナン...怒らないの?」
ラナンキュラス
「何をだい?
君がラミオラス帝国のスパイだったことかい?
それとも名前すら違った事かい?嘘をついてた事かい?」
アイビー
「...全てよ。」
ラナンキュラス
「フフッ。女の嘘は許してあげるものさ。
それに、僕が気にすると思うかい?
だって、君は...最後まで僕を...僕を...」
アイビー
「ラナン。」
ラナンキュラス
「なんだい?」
アイビー
「もう、私の事はいいから。
私の事はもういいから。」
ラナンキュラス
「何を言ってるんだ...
僕は、君を永遠に愛す。
例えこの身が滅びても。」
アイビー
「ウフフッ。相変わらず...嬉しいなぁ...」
ラナンキュラス
「当たり前さ。」
アイビー
「ラナン...」
ラナンキュラス
「なんだい?」
アイビー
「父さんの事は...恨まないで...」
ラナンキュラス
「...ぁあ。もし恨んだら君が悲しむだろ?
それに...全てはロージアが仕組んだことだ。」
アイビー
「ロージアとは...戦っちゃダメ。」
ラナンキュラス
「何故だ!!!
君を追い詰めたのはロージアじゃないか!!!!
僕はそれを知らずに
何年も君の父さんを恨み続けた!!」
アイビー
「ロージアは次元が違うの!!!
絶対に戦わないで!!!!」
ラナンキュラス
「僕は許せない。
君の人生を苦しめたのはアイツだ!!!!」
アイビー
「
きっといつか分かるわ。」
ラナンキュラス
「君までその事を...」
アイビー
「ウフフ」
アイビーは悲しげに笑っていた。
アイビー
「最期にもう一つ...」
ラナンキュラス
「最期?」
アイビー
「一番、大切なことよ。」
すると、アイビーはゆっくりラナンキュラスに近づいていった。
しかし、伸ばした手はすり抜けた。
ラナンキュラス
「アイビー...」
アイビー
「ラナン...」
アイビー
「…私のことは忘れて下さい。」
ラナンキュラス
「僕には...出来ないよ。」
アイビー
「前に進んで。
だってラナンはみんなの王子様でしょ?
私が愛した人はそういう人よ。」
ラナンキュラス
「僕にはまだ!!!君が!!!」
ラナンキュラスはアイビーの方を振り向いた。
その瞬間
アイビー
「ごめんね。ラナンキュラス」
ラナンキュラス
「ァ...ァ...」
今にも消えてしまいそうなアイビーが
ラナンキュラスの頬に手を当て
互いに涙を流しながら
そっと、口付けをした。
アイビー
「さようなら。世界で一番愛し...た...ひ...」
アイビーは光に包まれ
ゆっくりと
消えていった。
ラナンキュラス
「アイビィィィィィイ!!!!!」
そして場面戻り、
「これは一体...。」
「
「まるで
「問題はそこじゃねぇんだよ。」
「と言うと?」
すると
片手で祈り始めた。
「
そして、カッと目を見開いた。
『『
『
「これは!!!」
断片的に映像が流れ始めた。
「どう言うことでしょうか...
断片的に映し出された映像には
ラミオラス帝国の軍艦に取り囲まれ
血を流すジギタリアスの姿があった。
「ぁあ。この物語の結末だ。
いや、始まりかもしれねぇな...トギリ」
作者 REN’sJackson
ー
総集篇
おまけ
地図にも記されていない南国
宴と海賊の島"アイカ"の入江にいた。
アイカは彩豊かな花々が愛らしく咲きほこり
潮風が心地よく吹き抜けると
花びらが舞い上がるとても美しい島だった。
ここに住む者達は
ならず者や訳ありな者ばかりだが
ジギタリアスを
陽気で明るい者達ばかりだった。
ジギタリアスは世界中で
海賊行為を繰り返しながら旅をしては
戦争孤児や行き場のない者を船に乗せ
アイカに連れて行った。
そして、トギリにとっても故郷である。
そう、ここはジギタリアスが支配する国
海賊国家アイカである。
トギリ
「おっさん。なんで帰ってきたんだ?
そんな身体ならシンシャドゥールに
行った方が良くねぇか?
俺が治すよりもちゃんとーーー」
「ガッハッハッハッ!!
分かるだろ?坊主?」
トギリ
「...分かりたくねぇよ。」
ジギタリアス
「見ろ坊主。あそこのヤシの木の傷
覚えてるか?」
トギリ
「覚えてねーよ。」
ジギタリアス
「俺ははっきり覚えてらぁ
坊主がガキだった頃
身長が伸びる度にあの木で測って
わざわざナイフで切り傷いれたんだからな。」
トギリ
「そうだっけか?」
ジギタリアス
「あの頃の坊主は生意気な坊主だったなー」
そう言うとジギタリアスは
懐かしむ様に空を見上げた。
トギリ
「ふざけんな。
いつまでも坊主扱いすんじゃねーての。」
ジギタリアス
「ガッハッハッハッ!!」
ジギタリアスは大笑いした後
大きな溜め息をついた。
ジギタリアス
「ふぅーーーー。
俺からすりゃぁ、
あの頃となんら変わんねー
生意気な坊主のままだ...」
トギリ
「...おっさん。」
ジギタリアス
「何だ?坊主」
トギリ
「本当はおっさーーー」
「いやぁーん!!真珠めっけ!!!」
ジェシカニーパ
「ウノ、ドス、トレス、クワトロ、シンコ、チンコ、あっ違った。セイス!!
6個の真珠めっけ!!!いやーん!!
素潜り最高!!オカマの登場!!!
おっ待ったせ...ぇえええ!!!!??」
トギリ
「うるせーなースイ...ちげぇな。
ジェシカニーパか。」
ジェシカニーパ
「ピンポンタンポン!!
さっすがねギリちゃん!!んーーバッ❤︎」
「汚ねぇ!!!」
ジギタリアス
「ガッハッハッハッ!!
相変わらず面白れぇ女だ!!」
ジェシカニーパ
「ねぇ!見てみて!!
ゴリッゴリ真珠が取れたの!!!
ゴリッゴリ!!!!」
トギリ
「で?スイセはどうした??」
そう言うとジェシカニーパは
神妙な
ジェシカニーパ
「出てきたくないそーよ。」
トギリ
「そうか。」
ジェシカニーパ
「だってジギおじちゃまが...」
トギリ
「だってよ?おっさん。」
ジギタリアス
「ガッハッハッハッ!!
お前らは昔から勘だけはいいな!!」
ジェシカニーパ
「女の勘は当たるのよ。」
ジギタリアス
「なぁに。最後に見たかったのさ
お前達とこの景色をな。」
トギリ
「何だそれ。景色ぐらいーー」
「俺はラミオラス帝国を去る。」
ジェシカニーパ
「え...本気なの?」
トギリ
「どう言う意味か分かってんのか?」
ジギタリアス
「ぁあ。」
ジェシカニーパ
「なるほど...セシーに
嫌な役目負わされちゃった。」
ジギタリアス
「おっと。説得なんか意味ねぇぞ?」
ジェシカニーパ
「説得?する訳ないじゃないの。
ジギおじちゃまが聞く訳ないもの。」
トギリ
「去るってことは
それは...死ぬって事だ。」
ジギタリアス
「返す訳ねぇだろ?」
ジェシカニーパ
「ラナンキュラスと戦って死んだ事にしても
っていうかラミオラス帝国最強の
死ぬ訳ないでしょ。
ロージア様には見え見えの嘘よ。」
ジギタリアス
「だから俺は帰らねーんだよ。
ラナンキュラスも育った。
トギリもスイセも育った。
俺の役目は終わった。
俺は俺らしく自由に生きる。」
トギリ
「...自由に?」
ジェシカニーパ
「まさか...」
トギリ
「ナーベルク帝国にいくつもりか!!」
ジェシカニーパ
「国を裏切るの!?!?」
ジギタリアス
「行くかよあんな地獄みてぇな国。
表は華やかだが裏は相当やばいのは
お前らも分かってんだろ?
皇族と六大貴族は大罪人。
世界を変えた悪魔の血族だ。
あの国は潰さなきゃなんねぇ。
だが...その役目はお前達がやれ。
これから俺はアイビーが育ったこの国で
生きていきたい。
そして、アイカと同じ墓に入って
アイビーとアイカと親子3人で
また暮らしてぇんだ。」
トギリ
「おっさん...。」
ジギタリアス
「海王水軍はお前が継げ
奴らも文句ねーだろうよ。」
トギリ
「みんな、おっさんを
おっさんについてくだろうよ。」
ジェシカニーパ
「そうね。だからわざわざ
みんなをここに呼んだんでしょ?」
ジェシカニーパがそう言った瞬間
海王水軍の面々がぞろぞろと海から
そして町からやって来た。
ジギタリアス
「お前ら...」
トギリ
「水臭え事しそうだから
連れて来ておいてやったぜ。
話しはしてある。
おい!!お前ら!!!
ジギタリアス大提督が
ズラからるつもりらしい!!
お前達も置いてくって言ってるぞ!!」
するとブーイングの嵐が
ジギタリアスに向けられた。
ジェシカニーパ
「海王水軍はジギおじちゃまが
拾ってきたムサくてクサイ男達でしょ?
そんな汚いもの置いてかないでよね!
イタッ!!ちょっと誰よ!!
ワカメ投げたやつ!!!!
出てこいや!!!!!」
トギリ
「おっさん。海王水軍が抜けた穴は
他の帝国兵で埋められる。
心配すんな。それに見てみろ。
みんなラミオラス帝国抜けて
おっさんについて行くつもりだぞ?」
ジギタリアス
「大バカ野郎どもだ」
トギリ
「覚悟は出来てんだろ?
あるのは戦死のみ。
それ以外に逃れられる
ロージア様、ひいてはソープワイトや
ルビウス達が黙ってねーぞ。」
ジギタリアス
「分かってる。
そん時はそん時だ。」
トギリ
「死ぬ覚悟はあんのか?」
ジギタリアス
「
どうにでもなる。
風と
トギリ
「ロージア様にそんな道理は通じねーぞ。」
ジギタリアス
「こうなる事は予見してただろうよ。
アイビーが死んだあの日からな。
それが今日か明日かって話しだ。」
トギリ
「そうか...おっさん。
次会う時は...敵同士になるぜ?
その時は団長として立ちはだかる。」
ジギタリアス
「ガッハッハッハッ!!
だろうよ!!!!
それが
...だから見たかったんだよ。
この場所で、最後に...お前達とな。」
トギリ
「...そうか。」
ジェシカニーパ
「ジギおじちゃま...」
さざ波の音、鳥の鳴き声が
ゆっくりと流れていく。
すると、ジギタリアスが
静かに口を開いた。
ジギタリアス
「...アイビーのいない世界に
俺はもう...興味なんてねぇーんだよ。」
そう言ってジギタリアスは
パイプに火をつけて
フゥーーーッと煙を吐く。
ジギタリアス
「フゥーーッ...わりぃな坊主。
最後まで迷惑かける。」
その言葉を聞いた瞬間
走馬灯の様にトギリは
これまでの出来事
ジギタリアスとの出会い。
そして、共に歩んで来た道を
思い出していた。
時は大きく
2人が初めて出会ったあの日
ジギタリアス
「おい、俺から宝を盗もうなんざ
大した度胸じゃねぇか坊主
覚悟は出来てんだろな?あん?」
「うるせぇ!!!
こんだけあるんだから
少しぐらい良いだろ!!」
ジギタリアス
「少しぐらいだと??
両手に抱え切れてねぇのにか?
ガッハッハッハッ!!
面白れぇ坊主だ!!!!
やるよ。」
「え?」
ジギタリアス
「ほら、もうちょっと持ってけ」
「いいのか!?!?」
ジギタリアス
「これだけあれば
しばらくは生きていけるだろうよ。
家に帰って親でも喜ばしてやれ」
「...親なんていねぇ」
ジギタリアス
「...そうか
別に珍しくもねぇな。
消えろ。気が変わらねぇうちにな。」
数日後
ジギタリアス
「おい、また来たのか坊主。
宝はくれてやったろ。」
「...礼を...言ってねぇ。」
ジギタリアス
「礼?いらねぇよ。
俺の気まぐれだ。」
「...助かった。
飯も久しぶりに...食えた。」
ジギタリアス
「そりやぁ良かったじゃねぇか。
ほら、家に帰れ。」
「...家なんてねぇ。」
ジギタリアス
「......坊主、名前は」
「トギリ。」
ジギタリアス
「
「...ねぇ。」
ジギタリアス
「急に歯切れが悪りぃじゃねぇか。
するとトギリはバツが悪そうな顔をした。
ジギタリアス
「...坊主、名前は?」
「...ねぇって!!」
ジギタリアス
「...嘘つくなら
別の名ぐらい用意しとけ。
宝が欲しいならやるよ」
「え...こんなに!?」
ジギタリアス
「その代わり...」
するとジギタリアスは
トギリの
「な、何すんだ!!!!離せ!!」
ジギタリアスは船の中に連れていき
扉を開けトギリを風呂に突っ込むと
ジギタリアスも服を脱ぎ
トギリの頭や身体を石鹸でゴシゴシと洗った。
「やめ!!やめろ!!」
そして、トギリを浴槽に向かって投げると
ザバーンッと自らも湯に入った。
ジギタリアス
「ふぅー!!風呂は気持ちいいな!!
...坊主。家がねぇのか。」
「ねぇ。」
ジギタリアス
「そうか。汚ねえもんな!!
ガッハッハッハッ!!!」
「うるせぇ!!!」
ジギタリアス
「風呂入ったら飯だ。
信じられねぇぐらい美味い飯を
食わせてやる。死ぬほどな!!」
「ほ、本当か!?!?」
ジギタリアス
「ただし、名乗らねぇなら
食わせてやれねぇな!!!」
「卑怯だ!!!!!!」
ジギタリアス
「俺が食わせるんだ。
俺の言う事聞かねぇ奴に
食わせる義理はねぇ!!」
「グッ...トギリ=ヴェルモー...ル...」
ジギタリアス
「何て言ってんだ??」
「トギリ=ヴェルモール=ポセドニア!!」
ジギタリアス
「...良い名前じゃねぇか。」
「...笑わない...のか??
絵本に...出てくるポセドニアだぞ?」
ジギタリアス
「なんでテメェの名を
名乗ったぐれぇで笑うんだよ。」
「だって...
みんな、この名を聞いた途端に
態度も!!!顔色も!!
全部変わるから!!!!」
ジギタリアス
「何もおかしくねぇさ。
言っただろ?良い名前じゃねぇかってよ。」
「本当か!?」
ジギタリアス
「ぁあ。」
「...おっさんの名前は?」
ジギタリアス
「俺か??俺は
ジギタリアス=サックビー=フォックス!!
世界に名を馳せる大海賊!!
海王水軍トリトン大提督!!
海王軍の団長だ!!!」
「プッハハハ!!嘘つけ!!」
ジギタリアス
「嘘じゃねぇ!!
この...クソ坊主が!!!!」
「や、やめろよ!!!」
ジギタリアス
「ガッハッハッハッ!!
おし!!次は飯だ!!!!」
そう言ってジギタリアスは
立ち上がると身体を拭き服を着た。
ーーその日の夜ーー
トギリはジギタリアスの船の
夜空を見上げていた。
ジギタリアス
「なんだぁ坊主。眠れねーのか?」
「...うん」
するとジギタリアスは
トギリの横に寝転がり
一緒に夜空を見上げた。
「な、なんだよ!!」
ジギタリアス
「なんで眠れねぇんだ。」
「...俺のいる場所は
眠ると
ジギタリアス
「怖ぇのか?」
「別に...」
ジギタリアス
「夜も眠れねぇ。飯も食えねぇ。
金も家もねぇ。坊主には何もねぇ。」
「うるせぇ。」
ジギタリアス
「ガッハッハッハッ!!!
こんな世界
嫌になっちまうな!!」
「死んじまった方が楽だ。
腹も空かねぇし何も考え無くてもいいしよ。」
ジギタリアス
「...坊主。夢ぐらい持ったって
いいんだぜ?」
「話し聞いてたのかよ...」
ジギタリアス
「夢を持つのに金はいらねぇからな。」
「そもそも生きる理由もねぇんだ。
夢なんて持てるかよ。めんどくせぇ。」
するとジギタリアスは
遠くの星を眺めながら
静かに口を開いた。
ジギタリアス
「俺の夢はなぁ坊主。
でっけぇ島に国を作って
自由に暮らすことだ。
王もいねぇ、ややこしい法もねぇ。
誰もが平等に暮らせる島を作る。
ん?なんだ坊主」
「...意外と普通...だな」
ジギタリアス
「ガッハッハッハッ!!
そんな事ねぇさ。
争いが続くこの世界で
平穏を願うってのは
ありきたりだが...難しい。
普通ってのが1番難しいんだよ。
坊主も俺も...普通じゃねぇだろ?」
「...将軍のくせに
戦争の無い世界を願ってんのか?
戦争する奴なんて...みんな悪だ!!」
ジギタリアス
「坊主。覚えとけ。
戦争ってのは
どちらも正義だから起こるんだ。」
「どちらも...正義?」
ジギタリアス
「国や人を救いたい
飯が食いたい。誰かを守りたい。
豊かになりたい。支配したい。
戦争には必ず理由がある。
じゃねぇと...
万もの軍や人を動かす事は出来ねーよ。
みんな、
誰かを信じて突き進む。
それで
自分は間違ってない。って思える。
じゃねぇと戦争なんて誰もしねぇよ。」
「戦争がしたいから戦争する奴もいるだろ?」
ジギタリアス
「ガッハッハッハッ
中にはいるかもな!!!!
だが...そいつは
正義なんかじゃねぇ。悪だ。
純粋な悪。俺らの本当の敵は
そう言う奴らだ。」
「ナーベルクの奴らは...」
ジギタリアス
「アイツらとの話しは
遥か昔の話に
聞きたいか???」
「うん!聞きたい!!」
ジギタリアス
「びびんなよ!?」
「び、びるわけねぇーだろ!!
俺は男だぞ!!!!」
ジギタリアス
「ガッハッハッハッ!!
生意気な坊主だ!!
よし、話してやる!!
「知らねー」
ジギタリアス
「じゃぁ、まずはこっから話してやろう。
遥か昔、
全ての物語が始まる...」
星空の下でトギリは
ジギタリアスの話しを
食い入るように聞いていた。
そして話し終わる頃には
トギリはジギタリアスの膝の上で
寝息をたてて眠ってしまっていた。
ジギタリアス
「ポセドニア...の子か。
数奇な運命だな。ロージア...」
ーー翌朝ーー
ジギタリアス
「ぉー!起きたか坊主!!!」
「よ!おっさん!
俺はそろそろ帰るーーーー」
「俺と来いトギリ!!
連れていってやる。」
「はぁ!?」
ジギタリアス
「最近見つけた島に連れてってやる。
地図にも載ってねぇ秘境だ。
今、そこに人を集めて
国を作ろうとしてんだ。
飯も女も絶品だぜ!?
特にアイカって女が
べっぴんでよぉ!!」
「き、聞きたくねーよ!!」
ジギタリアス
「...どうだ?坊主。」
「...俺は」
「って言っても
もう着くがな!!!!!
ガッハッハッハッ!!!」
「え!?
行くなんて一言も言ってねーよ!!
うわ!!本当だ!!ここどこだ!!」
ジギタリアス
「もう遅い。
騙された方が悪いんだろうが!!
ここは俺の船だぜ??
どこへ行くのにも
俺の自由じゃねぇか!!
ガッハッハッハッ!!」
「なんだよそれ!!!
ジギタリアス
「ガッハッハッハッ!!
チゲぇねぇな!!!!
心配すんな!飯も仕事も女もいる!!
今まで見れなかった夢も見れる!!
ここなら生まれも育ちも関係ねぇ!!
いいか?坊主!!
この島で、デッケェ夢でも見つけな!!」
「デッケェ...夢..か...」
そして、現在
宴と海賊の島 アイカの入江にて
「...礼を言うのは
こっちだっつーの。
...世話に...なったな...」
「おう。」
「あんたがいなきゃ俺は...死んでた」
「...おう。」
「こんな俺を...
身寄りのねぇ俺を育ててくれた恩は!!
一生、忘れねぇ!!!!」
「...おう。」
「簡単にくたばんじゃねぇぞ!!
クソ親父!!」
ジギタリアス
「あたりめぇだ!!!」
「クッ...今まで!!
お世話になりました!!!!」
トギリは深々と頭を下げた。
ジギタリアス
「グッ...バカ息子が!!」
ジェシカニーパ
「あらあら...本当不器用ね。男って。」
するとトギリとジェシカニーパ
その場にいたラミオラス帝国兵、
一斉に並んだ。
「ジギタリアス=サックビー=フォックス!!
海王軍副団長及び海王水軍大提督の任を ただ今を持って解く!!
並びに海王水軍兵の同志達よ。
その多大なる貢献に基づき団長の名の
感謝の意を表す!!!
全隊!!!敬礼!!!!!!」
陽の光が
花びらが優雅に舞う。
そして、むせび泣く男達の泣き声が
潮風に乗って流れていく。
酒を
盛大に笑い
盛大に泣いた宴は
夜まで続いていた。
ーー数日後ーー
アイカ南部の港にて
ジギタリアスと元海王水軍兵達は
慣れた手つきで
出航の準備を手早く済ませた。
すると、ジギタリアスは船首に立ち
((あとは任せたぜ...トギリ))
ジギタリアス
「野郎ども!!!!!出航だ!!」
(完)
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