46話 So like an unable phoenix in hot ashes
前回までの
10年越しにジュダスは
自身の妹である
サフィニアと再会する。
しかし、意思疎通が出来ない
変わり果てた姿に
死闘の
それと同時に
ふみ子=
共にやって来た
ジジ、リナリア、チョウランの活躍により
ギリギリ破壊する事が出来た。
が、感傷も
もう一体の
突如、目の前で
真っ二つに切り裂かれてしまった。
そして、土煙が舞うその中で
一同が目にしたのは...。
チョウラン•ジュダス•リナリア•ふみ子•ジジ
「ゴホッゴホッゴホッ」
ふみ子
「え!?ちょっと!!
何であんたがここにいんのよ!!」
ジジ
「チッ...新手かよ...」
そこに立っていたのは
なんと、モンティだった。
そして、一瞬で
ふみ子
「あっ」
ふみ子が消えてしまった。
作者 REN’sJackson
ー
「ふみ子ぉおおお!!!」
「ふみちゃん!!!!」
「ふみ子さぁあああん!!」
ジュダス
「何が...起きてんだ...」
整えられたヒゲに逆立つ髪
青いコートと大きなカバン
両手には異彩を放つ短刀を複数本握り
爆風を背に受けながらコツコツと
ブーツを響かせ歩いていた。
しかし、死闘を繰り広げた直後の強襲により
ジジ達の
モンティはブリーフケースに耳を当てると
大きなため息をついた。
モンティ
「はぁ。
本当めんどくせぇカバンだな!!
ったくよ!!」
((まずい!!
せめて時間を稼がねぇと!!))
ジジ
「おい!!テメェ!!誰だ!!」
リナリア
「止まりなさい!!!
痛い目見るわよ!!」
チョウラン
「そ、そ、そ、そうだ!!
こ、こ、こ、こっちは4人!!
...って、なんだよこれ!!
僕たちモブみたいなセリフ
言っちゃってるよぉお!!」
ジュダス
「リナリア...サフィニアを頼む。
ここは俺がーーーー」
「え!?爆発音で耳がキーンって
なってっから聞こえないんだわ!!
なんて!?!?」
チョウラン
「だから!!!!
よくも僕たちにモブみたいなセリフをー」
「違うでしょ!!バカ!!」
ジジ
「動くな!!動いたら容赦しねぇぞ。」
ジュダス
「俺が時間を稼ぐ!!
お前らは逃げろ!!!」
モンティ
「お、ようやく少し耳が聞こえーー」
すると、次々と
襲来してきた。
リナリア
「嘘でしょ...」
ジュダス
「なんだよ...この数...」
チョウラン
「20体はいますよ!!!」
ジジ
「クソ!!!!!!!」
すると、モンティは
余裕の笑みを浮かべながら
周りを見渡した。
モンティ
「はぁ。ラミオラス軍はここ壊す気かよ
おいお前ら。縦一列になって逃げろ。」
ジジ
「誰が従うかよ。」
モンティ
「このままじゃ
リナリア
「敵に黙って従う訳ないでしょ?」
チョウラン
「そ、そうですよ!!!!」
ジュダス
「やべぇぞ!!!
こっちに向かってきやがる!!」
モンティ
「まっ。従うわけねーか。
敵だもんな。なら。」
すると、モンティはブリーフケースを
開けてタブレットを取り出した。
モンティ
「ぁあ、めんどくせえ。
えーっと
チッ!!電波悪りぃな!!!本当!!
あれだけ改善しとけって
散々言ったのによ!!」
リナリア
「まずい!!!
こっちに撃ってくる!!」
ジジ
「走れ!!!!!」
チョウラン
「ぎゃぁぁぁあ!!!」
ジュダス
「クソが!!!」
モンティ
「えーっと。あ、ここかな?
ここだ。あっ違った。」
突然、
ミサイルを次々と撃ち込んできた。
ジジ
「あれはやべぇ!!!!!」
リナリア
「みんな伏せて!!!!」
ドーーーンッと爆発音が辺りに響き渡る。
ジジ・リナリア・チョウラン・ジュダス
「ガハッッ!!!」
モンティ
「あちゃぁ。
おっ。これだこれ。
マニュアルに変えてっと。ほい。」
土煙が舞う中
なんとか爆発を逃れた4人は倒れていた。
ジジ
「グッ...なんなんだアイツ...」
リナリア
「
チョウラン
「僕達...万事休すです...ね。
もう、動けません」
ジュダス
「こんなもん...
死ぬほど乗り越えてきた...
俺は...必ず...ここから出る!!」
モンティ
「
モンティの言葉により
モンティはゆっくりと
地に伏せるジジ達に近づいてきた。
モンティ
「
同隊副隊長代理チョウラン
そして、謎の青年ジュダス」
ジジ
「ウグッ...俺たちを..始末しに来たの...か」
モンティ
「そうだなぁ。始末をつけに来た。
とでも言おうか。」
ジュダス
「始末...だと?
やれるもんなら...やってみやがれ...」
リナリア
「私達は...
ラミオラス帝国には...屈しない!!」
チョウラン
「ぼ、僕は条件により...ます!!」
リナリア
「チョウラン!!!」
チョウラン
「だっ...だって!!生き残る事の方が
ずっと...大事です!!!」
ジジ
「死ぬ為に来てるわけじゃねーんだよ。
生き残るのは...大前提だ。」
ジュダス
「さぁ、どうすん...だ。
いける...か...?ジジ」
ジジ
「答えは...一つだ...」
モンティはジジ達の前で立ち止まり
倒れる4人を見下ろした。
モンティ
「数々の死闘、全部見てたぜ。
お前達の実力も全て分かってる。
鬼人化したサフィニア、
倒してみせた。
フッ。ナーベルク帝国の千刃花ってのは
随分と無茶苦茶しやがる。
ましてや、隊長共は
副団長であるサラセニア、ジギタリアス
ラミオラスが誇る
その上で...見せてやる。
俺とお前達との
圧倒的な
ジジ
「どういう意味...だ」
モンティ
「まぁ見てろって。」
すると、モンティは
手に持った短刀を5本構えると
前方に投げつけた。
モンティ
「
『
短刀が地面に刺さり
モンティが指を鳴らした瞬間
真っ二つに切り裂かれ爆発していく。
その一瞬の出来事にジジ達は
圧倒されていた。
モンティ
「あーうっせぇ!!
耳が壊れるわ!!!」
ジジ達はあまりの出来事に
驚きを隠せなかった。
チョウラン
「そんな...
なかなか倒せない
リナリア
「一瞬で...待って。その
ジュダス
「真っ二つにしやがっ...た」
ジジ
「あれは...
モンティ
「ほぅ。見て分かるのか?」
リナリア
「もしかして...いいえ。やっぱり」
リナリア
「…魔術!!!」
ジジ
「そうみてぇだな。ってことは
奴は...
リナリア
「やっぱりあれは...
チョウラン
「聞いたこと...あります。
スペリオールでは
魔術を使うと。
そんな...なんでラミオラスに!!」
ジジ
「ここに来て...第三勢力かよ!!!
大陸スペリオールが有する魔術軍隊である。
ナーベルク帝国に
ラミオラス帝国に
スペリオールに
各国々には固有の軍隊を有しており
この戦乱の世を
魔術を行使する者のことを指す。
ジュダス
「待て!!話が読めねぇ!!!
コイツがここにいるって事は
ラミオラス帝国の人間に間違いねぇだろ!
簡単には侵入出来ねぇんだからよ!」
モンティ
「おー驚いてる驚いてる。
しかも
それに魔術の事までな。」
リナリア
「当たり前でしょ。
いつ攻めてくるか分からない勢力について
調べて無い方がおかしいわよ。」
チョウラン
「ど、どうしましょう!!
魔術に対抗するにしても
僕達はもう
モンティ
「まず一つ。
まぁ、あながち間違いはねぇが
俺は
あと一応、言っとくが
俺はラミオラス帝国兵であり
冥王兵器軍ヒドラの副所長も勤めてる。」
ジジ
「
冥王兵器軍...ヒドラ!?」
チョウラン
「ヒドラの副所長!?!?!?
でも
モンティ
「ラミオラス帝国のメンツは
有名人ばかりだが
俺に関しては初めましてだろ?
俺は表舞台には立ってないからな。
目立つのが嫌いなんだよ。
どちらかと言えば軍人というより
技術者だしな。
そうだな...家柄とでも言おうか。」
リナリア
「ヒドラって言えば
ラミオラスの軍事兵器を作ってる部隊よね。
技術開発局がいつも
兵器ばかり作り出す天才集団よ。
まさか、魔術が関係していたなんて。」
モンティ
「おっと、間違いがあるぜ。
魔術に関しては俺は一切、
ヒドラでは行使してねぇ。
その必要がねぇんだよ。
ソープワイトが生み出した
科学と
狂気的に凄まじく脅威。
サラセニアがデザインするメカも
どれもイかれてやがるが高性能。
どちらも正直、俺が扱う魔術よりも
秀でてるからな。」
ジュダス
「使える
信じられねぇな。」
モンティ
「まぁ確かにな。」
チョウラン
「じゃぁ、
火をつけたり空飛んだり
いろいろ出来るんですね!!」
モンティ
「そこは色々と複雑なんだが
魔術にだって色々あるんだよ。
俺が得意なのは魔術の中でも
魔力を持った物質を生み出す錬金術。」
チョウラン
「ぇえ!!!
じゃぁ、じゃぁ!!!
黄金も銀もダイヤも!!!
作り出せるんですか!?
もし、出来たら...
億万長者も夢じゃない!!!!
うっひょー!!!!!!!」
ジジ
「黙ってろ!!このバカが!!
チョウラン
「イッテェ!!!
だって理論上出来ますよ!!」
モンティ
「出来なくもない。」
チョウラン
「ほら!!ジジさんのーー」
「殺すぞ!!」
チョウラン
「まだ何も言ってないですよ!!」
リナリア
「言わなくてよかったわよチョウラン」
モンティ
「だが、大半の
魔術の効果を高める為に
真っ先に金や宝石の錬金を
自ら封じ制約をかける。
黄金より価値のある魔術なんて
腐るほどあるからな。」
チョウラン
「そ、そうなんですか?
へ、へぇ。ふーん。
偽善者丸出しだ!!!
世の中金だぜ!!!
お金が有れば!!
課金アイテムだって無料と同義だ!!
って言ってやりたい!!」
リナリア
「もう言ってるわよ!!」
チョウラン
「え!?」
モンティ
「見たろ?俺の武器。
完成してから一度だって見せたことはねぇ。
これは黄金よりもずっと価値の高いもんだ。
人工
俺が開発したとっておきの武器だ。」
ジジ
「人工
聞いたことねーな。」
モンティ
「予め込めた
そう言った
封じ込めてコントロールする事が出来る。」
リナリア
「まるで...
チョウラン
「もし、そんなものが沢山あれば...」
ジジ
「厄介なことになる。」
リナリア
「もしかして...
モンティ
「おっと。
錬金術じゃ無理だ。
あれは人が創ったものじゃねぇからな。
元々存在していたものだ。
現代の科学や技術では解明できない謎の鉱石。
だからこそ人工
画期的かつ強力な
チョウラン
「す、すごい」
モンティ
「俺も苦労してんだぜ?
対して、ソープワイトは
研究を始めた。
そして、
擬似的に
より扱いやすい魔装兵器を作り上げた。
さらに決して相容れない
ソープワイトは恐るべき天才だ。
流石は団長というだけはある。」
ジュダス
「やっぱり...奴は
((嘘は言ってなさそうだが...
何故、こうペラペラと喋る。
まぁこっちとしても好都合だがな。))
ジジはリナリア達に目配せすると
一同は小さく
モンティ
「ちなみに人工
代々俺の家に伝わる錬金術の
俺が再現し、長年かけて
ラミオラス帝国で
するとモンティは短刀を取り出し
ジジ達に見せた。
モンティ
「どうだ。カッコイイだろ?
コイツは"
点として結んでいって
魔法陣を展開すると色んな技が出せる」
ジジ
「っておい、テメェ!!サラッと
モンティ
「
安心しろ。使うまでもなく
今のお前らに負けるわけねぇだろ?」
チョウラン
「ですよねぇ。僕はすでに
ボロボロですから!!って。
ぇえ!!!!やっぱり
攻撃してくるんですか!!!!??」
ジュダス
「俺らをどうする気だ!!」
モンティ
「安心しろよ。ただの自慢だ。」
チョウラン
「この状況で自慢!?
それに平静を保って話せるなんて...
やっぱり敵ですよ!!!」
ジュダス
「気を抜くなよ...」
モンティ
「はぁ。
全員、こんなんなのかよ。」
ジジ
「普通に話す割には
隙が全くねぇのがバレバレなんだよ。」
モンティ
「そろそろ頃合いか。おしっ」
ジジ
「チッ!!やっぱ時間稼ぎか!!
だが俺たちの
少しは回復させてもらった!!
逃げ切れるくらいにはな!!
行くぞーーー」
「待ってジジ!!!」
ジジ
「なんだリナリア!!」
リナリア
「...モンティ。
あなたはふみちゃんも消した!!
だけど
一体...目的は何なの!!?」
モンティ
「だから言ったろ?
始末をつけに来たって。」
リナリア
「え?だからそれって」
ジジ
「離れろリナリア!!」
「
『
そしてモンティはブリーフケースを
ブンッッと振るうとリナリアを一瞬で消した。
ジジ
「リナリアァァァァァァア!!!」
「いちいち騒ぐなって。
ジジ
「ふざけやがッッ」
チョウラン
「ジジさん!!!!リナッッ」
「
次々とブリーフケースで消し去っていく
モンティを見てジュダスは
サフィニアを抱きしめながら
キッとモンティを
ジュダス
「俺は...サフィニアを救えなかった。
だがペチュニアは必ず救う!!
お前に何をーーー」
「
おし。完了。
はぁ。
倒しちまったなぁ。
でも実際、
面倒だったしなぁー
さてさて、俺も行こうかなっと。」
モンティはしばらく歩くと
正門横にある
すると、足元から階段が出現し
そこを下ると目の前には
赤いウサギのジェットコースターが見えた。
モンティ
「
吐きそうなんだけど。
初めは参ったなぁ
確認して良かったぜ。
500キロってアホか!!
首が折れるとこだったわ!!
まぁ、ここの入り口は俺しか知らねえから
ここでもいっか。よっと。」
そう言ってモンティは
ブリーフケースをパカっと開けると
自らもブリーフケースに吸い込まれていった。
モンティはブリーフケース改め
そこは20畳ほどのワンルームの部屋が
1号室から3号室の3部屋存在しており
それぞれ扉で仕切られている。
各部屋には自身のパソコンや
研究資料や開発した機器
医療道具が揃えられ
モンティは集中して作業をしたい時や
サボりたい時によく使っている。
完全防音仕様でもあり
本体であるブリーフケースが
揺れていてもなんら影響はない。
初めて入室する者は個人差はあるが数分間
強制的に吐き気や
そして何より一番の強みは
このカバンの存在をこの世界で
2人しか知らないという事実である。
モンティ
「さて、アイツらは3号室に
送ったはずだから...っと。ぬぉ!!」
モンティは開けた瞬間
何かが飛んできたので
素早く扉を閉めた。
モンティ
「はぁ。
なんだかんだ強いんだな。あいつら。」
モンティはそう言って
恐る恐る扉を開けた。
するとそこには
ジュダスの背中に座ったふみ子が
鬼の形相でモンティを
そして、その後ろにはジジとチョウランが
倒れていた。
ジュダス
「んの...野郎。ドケ!!」
ジジ
「許さねぇぞ...ふみ子!!」
チョウラン
「なんで僕までえぇえ!!」
ふみ子
「黙んな前髪!!!」
ジジ
「グハッ」
チョウラン
「ひぃ!!ジジさんが殴られたぁ!!
あれ?なんかスカッとした!!
ふみ子さん!!是非もう一度グハッッ!!
ぼ、僕のことじゃ...ない...で、す...」
リナリア
「ど、どう言うこと?
ここは何??」
ふみ子
「どうやら...この部屋に入ると
吐き気や
大丈夫かい?」
リナリア
「...だいぶ動けるようになった。」
ジジ
「動けねぇからって...
覚えておけよふみ子!!」
ふみ子
「あ"ん!?」
チョウラン
「や、やっちゃってください!!
ふみ子さグハッッ!!
い、いや、僕じゃなく...て...」
ふみ子
「ふぅーー。それで?
久しぶりじゃない??
モンティ。いや...」
ふみ子
「…
ジジ・ジュダス・リナリア・チョウラン
「ッッッ!!?」
ふみ子
「死んだかと思えば...
長い間、ラミオラスに潜入してたとはね。
あんただろ?
あたいにメールをよこしたのは。」
モンティ
「まぁな。従ってくれて助かった。
久しぶりじゃねぇか!!ふみ子!!
あ、相変わらず...強引な女だな。」
ふみ子
「ふん。じゃぁ覚えてんだろ?
あたいの腕っ節。
敵か。味方か。どっちだい??
あたいは待ってる間
そこそこ回復出来たんだ。」
モンティ
「忘れてねぇだろ?
俺の
ここは
良し悪しも全ては俺の気分だ。」
ふみ子
「忘れてんのはあんたさ。
あたいの見立てだと
この部屋だけじゃない。
他にも部屋があるだろ?
科学者と技術者は絶対バレない所に
研究材料や資料を保管するもんさ。
さぁて。
ここをぶっ壊されたく無かったら
正直に吐きな!!!!!」
モンティ
「グッ...相変わらずだなふみ子。
安心しろ。あの日から何も変わってねぇよ。」
ふみ子
「そうかい。」
すると、ふみ子は突然立ち上がった。
ジュダス
「グッ!!」
ふみ子
「
ある時は美少女!!またある時は美女!!
電光石火の
「
この世の
俺にかかれば
ふみ子
「…よし。それで??
ジニア隊長とは話がついてんだろ?」
モンティ
「一応な。」
ジジ
「待て待て待て待て!!」
チョウラン
「ぇえー!!!何でナチュラルに
話を進めてんの!?!?」
ふみ子・モンティ
「え?」
リナリア
「え?じゃないわよ!ふみちゃん!!
ちゃんと説明してよ!!」
ふみ子
「今の見て分かんなかった?」
「分かるかよ!!!!!!」
そして、再びふみ子はジュダスに座った。
ジュダス
「ガハッ!!てめぇ!!!
いい加減にしろ!!」
「説明してくれんだよな?
まず、コイツが
俺は知らねぇぞ!!」
チョウラン
「しかも
司令は長い間、未着任で
副司令のアパパパーヤンさんが
毎年、俺が来年なるって言ってたような...」
リナリア
「毎年なれてないじゃないそれ。」
ジジ
「俺は...聞いてねぇぞ。
そもそも司令はクリシャンテが
担ってるんだと思ったが?
まさか、別に司令がいたなんてよ。」
モンティ
「はぁ。言っとくけどなぁ。
お前らが戦いやすいように
下げてやったり
回転率を操作したり
サルバドル共和国から手引きしたり
アキレイ達を助けに行ってやったり
色々やってやったんだからな!!!
誰のおかげでみんな生きてる...
ってえぇえ!?!?!?!?
アキレイがいねぇ!!
ラナンキュラスも!!
ツバキも!!!!!!!!」
リナリア
「え!?兄さん達がいたの!?」
モンティ
「アイツら!!!」
ジジ
「おい!!説明しろ!!
ふみ子
「え!?ラナンきゅんも!?
血の匂いしかしないから
あたい分からなかった!!!!」
モンティ
「ツバキの奴...3人の中でも
1番傷が軽いって言っても
重症だったはずなのに
他2人を回復して連れ出しやがったか!
ったく!!空間で移動しやがったな!!
あのガキ!!
計画が台無しじゃねぇかよ!!!」
ジュダス
「ちょっと待て。
計画があったのか!?」
モンティ
「俺は色んな権限をラミオラスで持ってる。
だからお前らをこのブリーフケースにいれて
そのまま逃げる算段だったんだ。」
ジジ
「だが、ソープワイトの登場で
番狂わせを食らった。
だからジニアを助けに行った...
いや、違うな...」
ふみ子
「どう言うこと!?
ジニア隊長助けにいったわけじゃないの?」
リナリア
「でも、兄さんもラナンキュラス隊長も
ついていった訳だし
目的は救出と援護だとは思うけど...」
モンティ
「まさか...いや、報告したハズだ。」
ジュダス
「なんの話だ!?!?
っていうかドケ!!ふみ子!!!」
ふみ子
「あ、ごめんねジュダスきゅん!!
血が出てたから圧迫止血しようと思って!!」
ジュダス
「嘘つけ!!!」
そう言ってふみ子は
ジュダスから
立ち上がらなかった。
チョウラン
「立ち上がらないのかよ!!!」
リナリア
「ふみちゃん。可哀想だから
ジュダスくん。」
ふみ子
「んもう!!
本当男子って素直じゃ無いんだから!!
最初から好きって言えばいいのに!!」
ジュダス
「言うかよ!!」
チョウラン
「なんてめちゃくちゃなんだ...この人。」
ジジ
「お前らうるせーぞ!!!
おいモンティ。
その報告はジニアから受けてたぜ?
受けてたが
確かめるまでは信じねーんだろうよ。
誤報かもしれねぇからな。
あ、そういや、お前らには隠してたが
本来、俺と
キキョウ救出以外にも目的があったんだ。」
チョウラン
「ぇえ!!?そうなんですか!?」
ジジ
「ぁあ。
収監されてる
その言葉に一同は
ふみ子
「ぇええ!!!!!!
皇帝はナーベルク帝国にいるでしょ!?」
チョウラン
「そ、そうですよ!!!!
何言ってるんですか!!!!」
ジュダス
「なんで、皇帝がラミオラスにいるんだよ。」
リナリア
「...ツバキ隊長をはじめ
兄さん、ラナンキュラス隊長
レンゲイ、ジニア隊長、アナスタシアさん
オルケイディア大隊長、プラムさん
私とジジ、そしてクリシャンテさんも。
今の皇帝が偽物だって考えてるのよ。」
ジュダス
「なんだそれ。
お前らの国めちゃくちゃだな。」
ふみ子
「そうなの!?!?
全然気づかなかった!!!
リナリア
「まだ確証は無いんだけど...
だから綿密に調べてたの。」
モンティ
「俺もジニアに頼まれて
色々調べたがそこに関しては
深く入り込めなかった。
俺もあまりコソコソ嗅ぎ回り過ぎても
足がつくからな。
俺の任務はラミオラス帝国の科学力の
究明、及びスパイだったが
意外に難しくてな。
科学力と技術力はなんとかなったが
スパイ活動はなかなか進まなかった。」
ふみ子
「にしても長すぎやしないかい?」
モンティ
「そうだな。
だが、おかげでラミオラスが
どういう国かは分かった。
決して悪い国なんかじゃねぇ。
治安もナーベルクと大して変わらねぇし
いや、むしろ差別主義のない
実力国家としては良い例だとも思う。
ただ、自国には甘いが他国には
容赦しない。
抜け目のない恐ろしさがある。
ナーベルクにとっては危険だ。」
ふみ子
「...そうね。戦争だものね。」
モンティ
「ラミオラス軍にだって
良い奴はいる。
そいつらとは対話が出来るかもしれねぇ。
だが、ソープワイトやロージアに関しては
話しが別だ。
アイツらはバケモン過ぎて格が違う。
対話のレベルなんかじゃ
どうにもならねぇよ。」
ジュダス
「それで、これからどうすんだよ。」
モンティ
「そうだな。まずは...」
するとモンティは
ベッドに横たわるサフィニアに近づいてった。
ジュダス
「おい!!俺の妹に近づくな!!」
「...サフィニア。」
ジジ
「なんの真似だ。」
チョウラン
「ちょっ!!急に!!」
リナリア
「モンティ...?」
ふみ子
「あんた昔から...変わってないのね。」
モンティはサフィニアの頭を撫でながら
切ない表情を浮かべていた。
ジュダス
「...おい。」
モンティ
「すまねぇ...サフィ。
こんな...
いかない女の子に...無茶させちまって
助けて...やれなくて...」
リナリア
「どういう...こと?」
モンティ
「俺は...ペチィとサフィを...
妹みてぇに...可愛がってきた。
あいつら...じゃじゃ馬でよぉ...
すぐ物壊すし...わがままだし...
イタズラばっかするけどよぉ...
いつも...いつも...寂しそうだったんだ。
記憶を無くしてんのに
元気なふりしててよぉ。
それが...見てられなくてなぁ...
たまに...寝言でペチィが言うんだよ。
お兄ちゃんってな。」
ふみ子
「え?」
ジュダス
「記憶を無くしたんじゃ...」
ジジ
「キキョウの事も
覚えて無かったんだろ?
マーベラスの時にはよ。」
チョウラン
「そうです!!
まぁでも、お互い会わなさすぎて
気付かないと思いますけど...
現にキキョウ副隊長も
気づいてませんでしたし。」
リナリア
「そうよね。
この場合、お兄ちゃんっていうのは
モンティの事を言ってたんじゃない?」
モンティ
「そうだな。
初めは俺の事かと思って
気にも止めて無かったが
2人の兄と同姓同名の男が今日現れた。
俺は...その寝言を思い出して
ここに来る前に兄の存在を調べた。」
すると、モンティの顔は険しくなっていく。
ジジ
「どうしたモンティ...」
モンティ
「ジュダーー」
「待てよ!!
俺のことなんかどうでもいい!!
さっき...
ペチィって言ってた。
それは...それはどういう事だ!!」
ふみ子
「アッ!!そうよ!!
あたいも確かに聞いた!!!
意思を持ってる!!!!」
リナリア
「普通の
間違いないわ。
あんな数が沢山いたら
正直...手に負えない。」
ジジ
「副隊長二人でやっとの強さだ。
ラミオラス帝国の技術力は
どうなってやがる。」
チョウラン
「お、終わりですよぉお!!
うじゃうじゃ来ないですよね!?
また襲ってきたら...」
モンティ
「わりぃけど
俺や所長...いやサラセニアは
関わってない。」
リナリア
「関わってない?
でも、副所長でしょ?」
ジジ
「待てリナリア。
ヒドラが関わってないってことは
誰が関わってんだ?」
モンティ
「あれはソープワイトが
生み出したものだ。
それ以外の情報はサラセニアしか
分からないだろう。」
ふみ子
「そんな...」
ジュダス
「おいテメェ。
何か隠してんじゃねーだろうな」
チョウラン
「か、隠してたら
信用なんて出来ませんよ!?」
モンティ
「隠す??
隠してんのはどっちだよ。」
ジュダス
「なんだと!?」
リナリア
「どういう事?ジュダスくん。」
モンティ
「…ジュダスはサルバドル共和国で
射殺されてる」
ジジ・リナリア・チョウラン・ふみ子
「!?!?!?」
ジュダス
「...どう言う事...だ」
チョウラン
「ぇえ!?死んでるんですか!?」
ジジ
「おい、まさか...」
リナリア
「じゃあ、今ここにいるのは...」
ふみ子
「ジュダスきゅん!?!?
嘘って言って!!!!」
モンティ
「お前の正体は...なんだ?
答えてもらおうか。」
ジュダス
「何言ってんだよ。
俺は死んでなんかいねぇ!!!
現にここにいるじゃねぇか!!!」
ジジ
「返答次第じゃ、敵として処理する」
リナリア
「待ってよジジ!!
昔の記憶は
しっかりあるんでしょ!?」
チョウラン
「そ、そうですよ!!
さっきの戦いでも
沢山サフィニアとの事
話してましたし!!」
ふみ子
「そうよ!!ジュダスきゅんの熱意は
本物としか思えない!!!!!
モンティ!!ジュダスきゅんが
カッコイイからって
嫉妬してんじゃ無いでしょうね!?」
モンティ
「怪しくねぇか?10年姿を消し
突如
自身を兄だと名乗る。
ましてや、死亡履歴がある人間だ。
疑うのは当然だろ。
死んでんだからな。」
ジジ
「おい、ジュダス。まさか...」
ジュダス
「ちがう!!!!
俺はジュダス=ギギ=アルマーニ!!
ペチュニア とサフィニアの兄だ!!
ナーベルクのイリス出身で!!!
3人でずっと暮らしてた!!!」
リナリア
「消えた10年は...何してたの?」
ジュダス
「それは...
チョウラン
「記憶が...曖昧なんです...よね?
どうやって行ったんですか?」
「サルバドル共和国で何があった。」
「やめろ」
「どうやって生き返ったの?」
「やめろ」
「何で逃げてたの?」
「やめろ」
「
「やめろ」
「どうやって戻ってきた?」
「やめろ」
「答えろ」
「やめろ」
「答えて」
「やめろ」
「答えてください」
「やめろ」
「答えて」
「やめろ」
「答えろ」
「やめろ」
「答えろ」
「やめろ」
「答えて」
「やめろ」
「答えてください」
「やめろ」
「答えて」
「やめろ」
「答えろ」
「やめろ」
「ジュダス」
「やめろ」
「ジュダスくん」
「やめろ」
「ジュダスさん」
「やめろ」
「ジュダスきゅん」
「やめろ」
「ジュダス」
「やめろぉおおおおおおおお」
すると、ジュダスの瞳が
輝き出した。
ジジ・リナリア・ふみ子・チョウラン・モンティ
「グッ!!!!!」
ジジ
「何だこれ!!」
リナリア
「眩しい!!!」
チョウラン
「み、見えないですよぉ!!!」
ふみ子
「モンティ!!!」
モンティ
「グッ!!押さえつける!!
お前ら!!!ちったぁ我慢しろよ!!」
チョウラン
「ちょ!!」
モンティ
「
『
ジジ・リナリア・ふみ子・チョウラン
「グァァ!!!」
モンティ
「わりぃな!!個別じゃなくて
部屋ごとにしか
ジジ
「グッ...いいから!!」
ふみ子
「グッ...ジュダス...キュン!!」
リナリア
「何か...おかしい...」
チョウラン
「僕、動け...な...」
すると、更にジュダスの瞳は輝きを増す。
モンティ
「
これは一体!!!」
そして、ジュダスの声には間違い無い
だが、深く
更に深く
部屋中に響き渡る。
ジュダス
「よぉ。千刃花諸君。
実に見事な戦いだった。」
モンティ
「なんだ、その声!!」
リナリア
「別人...なのかしら」
チョウラン
「どうなってるのぉおお!??
怖っ!!怖すぎるぅうう!!」
ジジ
「うるせぇぞ!!
チョウラン
「イデッ!!!!
ひどいですよぉお!!
ジジさぁぁん!!」
ふみ子
「あんた...誰だい!?名乗りな!!」
ジュダス
「クックックック。
気の荒い連中だぜ全く。
俺は、
ジジ
「何!?
ふみ子
「なるほど...それが本当なら...ね」
リナリア
「
実在するのかも疑わしいのに..」
チョウラン
「ひぇーー!!
ずっと目が輝いてる!!」
モンティ
「どっちだ...敵か味方か...」
ジュダス
「そもそも...
全員
「ガハッッ」
ジジ
「何し...やがる!!」
ふみ子
「身体が...動かない!!」
ジュダス
「あまり時間がねぇ。
ジュダスの身体が持たなくなるからな。
この俺様がお前らの思ってる疑問を
解決してやろうじゃあねぇか。
じゃねぇとジュダスの魂が
いつまで経っても救われねぇからな。」
ふみ子
「ググッ...
ジュダス...キュンは...死んだの?」
ジュダス
「ぁあ。間違いなく。」
モンティ
「何!?...じゃぁ偽物じゃ...」
ジュダス
「いいや。本物だ。俺が蘇らせた。
正確には死と生の境目の中で
こっち側に引き寄せた。」
リナリア
「死んだ人間を蘇らせられるの!?」
ジュダス
「選ばれた数少ない者だけだ。」
チョウラン
「10年の間は...一体何を...」
ジュダス
「
下山させた。」
チョウラン
「な、何のためですか?
え!?ちょ!?ぇええ!!
ジュダスさんの身体
浮いてるんですけど!!」
ジュダス
「何のため?
そんなの決まってんだろ。
本人の意思だからだ。」
ジジ
「本人の意思...だと?
何故、俺達にそんな事を教える。」
ジュダス
「クックック俺が言わなくても分かるだろ?
コイツがどう言う想いだったか
どう言う運命を辿ってきたか。
それを思えば、答えは簡単だ。」
リナリア
「妹達の...ため」
ジュダス
「全ては
おっと。そろそろ限界みてぇだ。
そうだジーーーー」
突然、光が消え、ジュダスはそのまま
床に倒れてしまった。
モンティ
「グッ...何だったんだ...」
ジジ
「
リナリア
「...
チョウラン
「でもこれで...ジュダスさんは」
ふみ子
「ジュダスきゅんは本物ってことね!」
モンティ
「...そうみてぇだな。
よし、俺達は一旦、
リナリア
「え!?待ってよ!!
兄さん達がまだ!!」
ジジ
「
ふみ子
「ラナンきゅんを置いていけって
言うの!?!?!?」
チョウラン
「ど、ど、どうするんですか?」
モンティ
「いいか。お前達は副隊長、副隊長代理だ。
俺は司令。権限は隊長と同じだ。
俺の命令に従ってもらう。
それにこれはジニアとオルケイディアで
決めた段取りの一つだ。
最優先事項は
俺なら安全に連れ出せる。」
ジジ
「捕まってる皇帝はどうするんだ!!」
リナリア
「そうよ!」
モンティ
「あれはガセだろう。
ツバキは必死すぎて分かってねぇ。
そこはジニアに任せろ。」
ふみ子
「...そう。どうやって逃げるんだい?」
モンティ
「このままジェットコースターで
水門までいく。そこから俺が用意した
潜水艦が1隻だけある。それで海から
ナーベルク帝国にあるイリスへと向かう。
そこでツバキ達と合流したら
ナーベルク帝国の迎えが
来ることになってる。」
チョウラン
「え!?潜水艦って
1隻しかないんですか?
キキョウ副隊長達はどうやって...」
ふみ子
「
どうにでも出来るわよ。」
ジジ
「
空間を移動出来る。」
リナリア
「兄さんならマグマを無効化出来るし」
ふみ子
「でしょ?大丈夫よ!!」
モンティ
「よし、まずはサフィニアの横に
ジュダスを運ぶのを手伝ってくれ。」
そう言うとふみ子とチョウランが
ジュダスをベッドまで運んだ。
ふみ子
「ジュダスきゅん...ごめんね。」
モンティ
「お前らここで休んでろ。
おっと、他の部屋へは行けないからな。
俺と一緒に入るか入室許可がねぇと
扉は開かねぇ。
医療道具はその引き出しの中
トイレは右手奥だ。
それと、お前らクセェから
シャワー浴びてこい。
トイレの横にあるから。」
リナリア
「え!?私...クサイ!?」
モンティ
「気づいてねぇのかよ!!」
ジジ
「てめぇ!!ふざけんな!!
隣のチョウランがクセェから
ニオッてるだけだっつーの!!」
チョウラン
「えー?!?僕ですか!?!?!?
そんな!!!!クサくないですよ!!
ほら!!!嗅いでみて!!」
ジジ
「誰が嗅ぐか!!!
チョウラン
「イダッ!!恩人に向かって
何するんですか!!」
ジジ
「誰が恩人だ!!!」
チョウラン
「僕ですよ!!!」
ふみ子
「恩人といえばあたいだろ!?
誰が助けに来てやったんだ!!」
リナリア
「ふみちゃんは
連れてきただけでしょ!!!」
ふみ子
「ちょっと!!!
可愛いからって調子乗らないでよね!!
ぁあ!!その顔交換して!!今すぐ!!」
モンティ
「はぁ。騒がしい奴らだな全く。
ほら、いいから風呂入ってこい。
あ、物は壊すなよ!!」
そう言ってモンティは部屋を出て行った。
リナリア
「ふぅーー。なんだか
急に疲れちゃった。」
ふみ子
「そうね。あたいシャワー浴びる。
1週間ぐらい入ってないから。」
「クサイのふみ子さんじゃないですか!
謝ってください!!
僕が疑われたんですよ!!」
ふみ子
「え?」
チョウラン
「え?じゃないですよ!!」
ふみ子
「そんな事言って
見返りとしてシャワー
一緒に浴びろって脅す気でしょ!!」
「そんな事言うか!!」
ジジ
「早く浴びてこいよ。」
ふみ子
「何よ!!ジジ!!
いやらしい目で見ないで!!
このエッチ!!!!!!」
「見てねぇよ!!!!」
リナリア
「...ジジ?」
ジジ
「やめろ!!そんな目で見てくんな!」
モンティサイド
ーー
遥か下には燃えたぎるマグマ
その上空に浮かぶ線路とジェットコースター
モンティは
ある物を取り出した。
モンティ
「さて...
最後の落とし前つけてくるか。」
そう言うとモンティは
手に抱えた大きな箱をパカっと開けると
その中身をマグマの底へ投げ入れた。
モンティ
「もう邪魔してくんなよ。」
そこに入っていたのは
いびつに黒焦げた
生首だった。
モンティ
「...所長」
作者 REN’sJackson
ー
おまけ
ここはナーベルク帝国最北端にある
魚と船の町イリス
以前は
とても有名な町だった。
そして、ラミオラス帝国軍が
まず初めに手にかけた町でもある。
当時、
帝国の守護を手厚くしたナーベルク帝国軍は
最北端の町を見放していたが
以前、ゲイジュやアイビー、ラナンキュラス
アナスタシアの戦闘を機に
国境を護るための
大きな壁を建設している真っ最中だった。
モンティ
「おー。ジュダス。ここにいたのか。」
ジュダスは以前
自身が住んでいた家の跡地に立っていた。
モンティ
「懐かしいか?」
ジュダス
「ぁあ。」
モンティ
「だろうよ。」
その寂しそうな顔を見たモンティは
ポケットからある物を取り出した。
ジュダス
「何だよ...これ。」
モンティ
「音声レコーダーだ。
ほれ、聞いてみろ。」
ジュダス
「...ぁぁ」
ポチッとボタンを押すと
懐かしい声が聞こえてきた。
サフィニア
「
今日の天気は晴れだよ!!
ティンティンはいっつも眠そうです!
今日はぺチィとティンティンと
ピクニックなんだぁ!
この前の実験頑張ったからだって!
やったねぇ!!!!」
モンティ
「おーい。サフィニアどこいんだ?」
サフィニア
「ティンティンはいっつも優しい!!
でもね!足臭いの!!
アヒャアヒャアヒャアヒャアヒャ!!
あ!!来ちゃった!!」
モンティ
「ったく!!俺から離れんなって!
ほら、アイスクリーム!!」
「ほら、優しいでしょ!?」
サフィニア
「えーっと今日は雨!!」
ペチュニア
「サフィまた録音してるの?
いい加減モンティに返しなさいな。」
サフィニア
「やーだね!!!!
あっ、今日はお休みです!!
ティンティン何してるかな??
でも確か...」
ペチュニア
「
サフィニア
「そうだ!!
じゃぁティンティンいないかな?」
ペチュニア
「なんか手伝うんじゃない?」
サフィニア
「じゃぁトギリ見張ってたら
ティンティンに会えるね!!」
ペチュニア
「何言ってるの?」
サフィニア
「待ち伏せしよっか!!」
モンティ
「おい!サフィ!!
レコーダー返してもらうぞ!!」
サフィニア
「あ!!ティンティン襲来!!」
モンティ
「もう行かねぇーと間に合わねぇから
ほら!!返して...もらうぞ!!」
サフィニア
「あ!!!!!」
モンティ
「これはとある僧侶の物語...
録音したか?」
サフィニア
「えー!これから
ブッダマンを読んでくれます!!
カッコいいよねぇ!!」
ペチュニア
「サフィ良かったね!!」
モンティ
「ほら、読むぞー。
昔々ある所に
大切な人を探す旅に出た僧侶がいました。
山を越え谷を越えて
世界中を歩き回りましたが
大切な人は見つかりません。
すると、僧侶が突然、悪い人達に
追われてしまいます。
怪我を負った僧侶は
途中で力尽きてしまいます。
その時、眩しい光の中で
声が聞こえました。
目覚めると僧侶は
とてつもない力を手に入れました。
風のように早く走り
大地を割るほど力持ちになりました。
その力を手にした僧侶は
平和のために使おうと決意しました。
大切な人を探す旅の途中
色々な人を助けて
悪者を退治していきました。
それでも...っておい。
聞いてんのか??」
サフィニア
「ねぇ、ぺチィ
僕にもブッタマンみたいに
大切に想ってくれる人いるかな?」
ペチュニア
「...そうね。」
サフィニア
「いたらいいな。」
ペチュニア
「いるよ。きっとね。」
モンティ
「ほら、続きまだあるから
って...え!?もう寝たのかよ。ったく。
はぁ。しっかし、この本を
サフィに読ませてくれって
ペチィに渡されたけど
こんな本見たことねーなぁ。
どこで手に入れてんだ?アイツ」
モンティ
「あ、あーあー。おし聞こえるかな。
えー、今日は経過報告する。
被験体は...っておい!!!やめろって。」
サフィニア
「あっ!!ティンティン!!!」
モンティ
「おい!!やめろその言い方!!
邪魔っすんなって!!っておい!!返せ!!」
サフィニア
「えーっとサフィニアちゃんでーす!!
今日のお空は雪だよ!!!
お姉ちゃんとねぇ!!雪合戦したの!!
そしたらね!!街壊しちゃった!!」
モンティ
「ほら、返せ。」
サフィニア
「あっ!!ティンティンを紹介するね!
ティンティンはねぇ...
いつも怪我したら治してくれたり
お菓子くれたりねー!!
ゲームしてくれるの!!!
後は...遊園地連れて行ってくれたり!!」
モンティ
「バカ!!それは内緒だろうが!!!
ほら、もういいだろ...返せ。」
サフィニア
「まだあるよ!!えーっとねぇ!!
ずーっと彼女いないんだって!!!!」
モンティ
「ほっとけ!!!」
サフィニア
「トギリとばーっか飲み行ってるんだって!!
だから彼女出来ないんだよねー!!
アヒャアヒャアヒャアヒャ!!!!」
モンティ
「おい、サフィ!!おれ仕事中だから
返してくれって!!!!」
サフィニア
「だからね!!
サフィが彼女になってあげる!!」
モンティ
「嫌だよ!!
そもそもロリコンじゃねぇし!!」
サフィニア
「ふーん。本当かな??」
モンティ
「本当だよ!!!
ほら、返せって!!!!」
サフィニア
「嫌だねぇ!!!!」
モンティ
「お、おい!!!」
「今日の天気は満月
...なんだか寂しいな。」
「どうしたの?急に。」
サフィニア
「街に行くとみんな楽しそう。」
ペチュニア
「...そうね。」
サフィニア
「ペチィは寂しくないの?」
ペチュニア
「サフィがいるからね。」
サフィニア
「嘘つき。」
ペチュニア
「え?」
サフィニア
「知ってるもん。
ペチィたまに泣いてるの。」
ペチュニア
「え!?泣いてないよ!!」
サフィニア
「ペチィ...お兄ちゃんって誰?」
ペチュニア
「な、何言ってるの?」
サフィニア
「お兄ちゃんって言ってる時のぺチィ
いっつも泣いてるもん。」
ペチュニア
「...サフィ。モンティは好き?」
サフィニア
「うーん。足臭く無かったら!!」
ペチュニア
「それは病気だから治らないわよ。」
サフィニア
「そっか!!
アヒャアヒャアヒャアヒャ!!」
ペチュニア
「それで?」
サフィニア
「うーん。優しいよね!!
あ!!僕わかった!!!!」
ペチュニア
「何が??」
サフィニア
「お兄ちゃんって
ティンティンの事!?
ねぇ、そうでしょー?
でもね、ぺチィ!!
ティンティンは
本当のお兄ちゃんじゃないよ?」
ペチュニア
「分かってるよ!」
サフィニア
「ふーん。お兄ちゃんかぁ。
もし、僕達にお兄ちゃんがいたら
あんな感じなのかな?」
ペチュニア
「もっとカッコよくて
強いと思うけど?」
サフィニア
「ヒーローみたいに?」
ペチュニア
「ヒーロー?
うん。そうだね。
ヒーローみたいにね!」
サフィニア
「ヒーローみたいな...
お兄ちゃんいたら...
「...なんでサフィ泣いてるの?」
「え?」
「泣いてるって。」
「泣いてる?え?
何でだろう...ペチィだって
泣いてるじゃん!!」
「何でだろう...。
お兄ちゃんに...逢いたいから...かな?」
「でも、僕達にはいないよ?」
「ねぇ、サフィ。
もし、お兄ちゃんがいたら
...なんて言う?」
「決まってるよ。」
「お兄ちゃんだーいすきッ」
「何でだろ...涙が...止まらない」
「ねぇ...サフィ...」
「ん?」
「こっち...おいで」
「...うん。」
「おやすみサフィ」
「おやすみペチィ」
「スーーースーーーー」
ペチュニア
「いつかきっと...
迎えに来てくれるから。」
そこでポチッと切れてしまった。
「...何だよ...これ...
何だよ!!これ!!!!
ペチュニア !!!!!!!!
サフィニア!!!!!!!!!」
ジュダスの泣き声がこだまする。
その悲痛な声にモンティも
涙が止まらなかった。
「グフッ...わりぃ。助けてやれなくて」
「お前が!!!お前なら!!!
妹達を!!!!助けてやれたんだろ!
何で!!!何でだ!!!!!
お前は!!
どうし...て...」
「すまな...い。いくらでも
俺を殴ってくれ」
「この!!野郎!!!」
「ガハッ!!!
他のラミオラスの奴らも
ペチュニア 達には同情してた。
だが、
サフィニアを逃すのは
リスクが大きい。
今となっちゃ...無理矢理にでも」
「アイツらには...お兄ちゃんがいた!!
この!!俺がアイツらの!!
お兄ちゃんだった!!
中途半端な優しさで!!!
兄貴ヅラしやがって!!!!!」
「すまなかっ...た。
すまなかった。ジュダス」
「ゥゥウッ。ジュダスさーん」
「馬鹿野郎!!
何でお前が泣いてんだよ!」
「だってぇ!!」
「隠れてんのがバレるだろ!」
そして2人はしばらく
声をあげて泣いていた。
モンティとジュダスの胸の内
そしてペチュニア とサフィニアの胸の内
両方を聞いていたジジとチョウランは
張り裂けそうな胸の痛みを
グッと
モンティ
「...ジュダス。」
ジュダス
「...何だよ。」
モンティ
「サフィは埋めたのか?」
ジュダス
「...ぁあ。」
モンティ
「そうか。
なぁ、ジュダス...気づいたか?」
ジュダス
「何をだ。」
モンティ
「ペチュニア は全て覚えてる。」
ジュダス
「...ぁあ。」
モンティ
「それでも忘れたフリしてた。」
ジュダス
「...だろうよ。
サフィニアを、守る為にな。」
モンティ
「一度、会ったことあるだろ?
潜入した記録を見た。」
ジュダス
「
モンティ
「そうか。ペチュニアは
独自で調べてたみたいだな。」
ジュダス
「ぁあ。」
モンティ
「って事は...
守るもんが無くなった今。
ペチュニア はこっち側の人間だ。」
ジュダス
「ぁあ。」
モンティ
「2人でペチュニア を助け出そう。」
ジュダス
「...ぁあ!!」
モンティ
「それで?いつまで隠れてんの?」
「やべ!!」
「バレたか!!」
リナリア
「…えへへ。バレてた?
だって、ふみちゃんが!!」
ふみ子
「ジュダスきゅん!!ちゅき!!」
「バレてなかったぁあ!!!」
「よし、普通に来たことにするぞ」
「了解です!!」
ジュダス
「いやバレてっから!!!」
チョウラン
「ひぃ!!!!」
ジジ
「や、やるじゃねぇか!!」
モンティ
「はぁ。
まぁ、あんだけ騒いでたら
人も来るわな。
とりあえず、
話そうか。ナーベルク帝国の迎えが来る前に
捕まっても面白くねぇからな。」
そう言ってモンティ達は
次々と吸い込まれていった。
それと同時にピコンッと
メールが入ってきた。
モンティ
「ん?
何だ...えーっと
オルケイディアとレンゲイの連名だ。」
ジジ
「ん?メール?ここは電波...入るのか?」
モンティ
「
しかもフリーパスのな。」
そして、各々の
メールの通知音が次々と鳴り響く。
チョウラン・ふみ子・ジジ・リナリア
「あっ」
モンティ
「ちょっと待っとけ。
今、見えるようにする。」
そう言うとモンティは指で
地図が空中に映し出された。
モンティ
「ん?待て。添付がまだある。
これは...ボイスメールだ。」
機械音
((タッソ平原
ラミオラス帝国による襲撃。
繰り返す
タッソ平原
ラミオラス帝国による襲撃
ジジ
「何!?タッソ平原!?
近くじゃねぇか!!!
モンティ!!外に出せ!!!」
リナリア
「タッソ平原なら
もしかしたら見えるかも!!」
ふみ子
「向こうで何が起こってんだい!」
チョウラン
「全隊士って...よほどですよ!」
モンティ
「
『
モンティが指を鳴らした瞬間
全員が強制的に外へと出された。
ふみ子
「チョウラン!!方角は!!」
チョウラン
「あっちです!!」
ジュダス
「こっちに丘がある!!」
ジジ
『
ジジ・リナリア・チョウラン・ふみ子
『
ジジはジュダスを
ふみ子はモンティを掴んで
小高い丘へと駆け登っていった。
チョウラン
「見てください!!!!」
チョウランが指差した遠くの空が
赤黒く染まっていた。
リナリア
「...そんな!!!何が起こっーー」
すると空が一瞬輝き
ドーーーーンッッという轟音と共に
爆風がジジ達を襲った。
全員
「グッッッ!!!!」
チョウラン
「なんですかこれ!!」
ジジ
「しらねぇよ!!!!!!」
ふみ子
「何が起こって...る...んだい」
爆風が吹き止むと
タッソ平原上空には
巨大なキノコ曇が浮かび上がっていた。
ジュダス
「なんだ...これ」
リナリア
「そんな...ひどい」
ふみ子
「キノコ曇...それってまさか」
チョウラン
「ただの...爆発なんか...じゃない」
モンティ
「膨大なエネルギーが凝縮されて
放たれてるって事だ。」
ジジ
「どうなってやがんだ...」
ジュダス
「これが人のやる事...かよ!!」
リナリア
「何で空から...」
ふみ子
「分からない...」
チョウラン
「違います...空からなんかじゃない!!
あれは!!!!!」
モンティ
「宇宙からだ!!!!」
(完)
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