46話 So like an unable phoenix in hot ashes

前回までの千刃花センジンカ〜帝国特務テイコクトクム戦闘部隊〜セントウブタイ


煉獄レンゴク 冥府大監獄ゲヘナプリズンにて

10年越しにジュダスは

自身の妹である十鬼槍ジッキソウ黒薔薇クロバラ部隊副隊長

サフィニアと再会する。

しかし、意思疎通が出来ない死人シビトへと

変わり果てた姿に愕然ガクゼンとするも

死闘のスエその暴走を止めることが出来た。

それと同時に三刃花隊サンジンカタイ副隊長代理

ふみ子=  姫詩苑ヒメジオン

共にやって来たKARE8カレハ改式 弐號機カイシキニゴウキ

ジジ、リナリア、チョウランの活躍により

ギリギリ破壊する事が出来た。

が、感傷もツカの間

もう一体のKARE8カレハ改式 弐號機カイシキニゴウキが襲いかかるも

突如、目の前で

真っ二つに切り裂かれてしまった。

そして、土煙が舞うその中で

一同が目にしたのは...。



チョウラン•ジュダス•リナリア•ふみ子•ジジ

「ゴホッゴホッゴホッ」





ふみ子

「え!?ちょっと!!

何であんたがここにいんのよ!!」



ジジ

「チッ...新手かよ...」



そこに立っていたのは

なんと、モンティだった。



そして、一瞬で





ふみ子

「あっ」



ふみ子が消えてしまった。



作者 REN’sJackson

千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

煉獄レンゴク 冥府ゲヘナ大監獄プリズン

Seasonシーズン29トゥウェンティナイン

So like anソウライカナー unableネーブル  phoenix inフェニッキシン hot ashes ハーラーシェス



  ジジほぼ同時に

「ふみ子ぉおおお!!!」


リナリアほぼ同時に

「ふみちゃん!!!!」


  チョウランほぼ同時に

「ふみ子さぁあああん!!」


ジュダス

「何が...起きてんだ...」



整えられたヒゲに逆立つ髪

青いコートと大きなカバン

両手には異彩を放つ短刀を複数本握り

爆風を背に受けながらコツコツと

ブーツを響かせ歩いていた。

しかし、死闘を繰り広げた直後の強襲により

ジジ達の刃汽ジンキは底をつきかけていた。

モンティはブリーフケースに耳を当てると

大きなため息をついた。


モンティ

「はぁ。無作為の冷却時間クールタイムスロット長そうだな。

本当めんどくせぇカバンだな!!

ったくよ!!」


  ジジ心の声

((まずい!!

せめて時間を稼がねぇと!!))


ジジ

「おい!!テメェ!!誰だ!!」


リナリア

「止まりなさい!!!

痛い目見るわよ!!」


チョウラン

「そ、そ、そ、そうだ!!

こ、こ、こ、こっちは4人!!

刃術ジンジュツで痛い目みるぞ!!

...って、なんだよこれ!!

僕たちモブみたいなセリフ

言っちゃってるよぉお!!」


ジュダス

「リナリア...サフィニアを頼む。

ここは俺がーーーー」


  モンティ遮る様に大声で

「え!?爆発音で耳がキーンって

なってっから聞こえないんだわ!!

なんて!?!?」


チョウラン

「だから!!!!

よくも僕たちにモブみたいなセリフをー」


リナリア 遮る様に

「違うでしょ!!バカ!!」


ジジ

「動くな!!動いたら容赦しねぇぞ。」


ジュダス

「俺が時間を稼ぐ!!

お前らは逃げろ!!!」



モンティ

「お、ようやく少し耳が聞こえーー」



すると、次々とKARE8カレハ

襲来してきた。


リナリア

「嘘でしょ...」


ジュダス

「なんだよ...この数...」


チョウラン

「20体はいますよ!!!」


ジジ

「クソ!!!!!!!」



すると、モンティは

余裕の笑みを浮かべながら

周りを見渡した。


モンティ

「はぁ。ラミオラス軍はここ壊す気かよ

おいお前ら。縦一列になって逃げろ。」


ジジ

「誰が従うかよ。」


モンティ

「このままじゃ諸共モロトモ死ぬぞ?」


リナリア

「敵に黙って従う訳ないでしょ?」


チョウラン

「そ、そうですよ!!!!」


ジュダス

「やべぇぞ!!!KARE8カレハ

こっちに向かってきやがる!!」


モンティ

「まっ。従うわけねーか。

敵だもんな。なら。」



すると、モンティはブリーフケースを

開けてタブレットを取り出した。


モンティ

「ぁあ、めんどくせえ。

えーっとKARE8カレハ中枢チュウスウ回路は...と。

チッ!!電波悪りぃな!!!本当!!

あれだけ改善しとけって

散々言ったのによ!!」


リナリア

「まずい!!!

こっちに撃ってくる!!」


ジジ

「走れ!!!!!」


チョウラン

「ぎゃぁぁぁあ!!!」


ジュダス

「クソが!!!」


モンティ

「えーっと。あ、ここかな?

ここだ。あっ違った。」



突然、KARE8カレハ達が

ミサイルを次々と撃ち込んできた。


ジジ

「あれはやべぇ!!!!!」


リナリア

「みんな伏せて!!!!」



ドーーーンッと爆発音が辺りに響き渡る。


ジジ・リナリア・チョウラン・ジュダス

「ガハッッ!!!」


モンティ

「あちゃぁ。

おっ。これだこれ。

マニュアルに変えてっと。ほい。」



土煙が舞う中

なんとか爆発を逃れた4人は倒れていた。


ジジ

「グッ...なんなんだアイツ...」


リナリア

KARE8カレハを...操ってる...」


チョウラン

「僕達...万事休すです...ね。

もう、動けません」


ジュダス

「こんなもん...

死ぬほど乗り越えてきた...

俺は...必ず...ここから出る!!」


モンティ

KARE8カレハ!!」



モンティの言葉により

KARE8カレハは横一列に整列すると

モンティはゆっくりと

地に伏せるジジ達に近づいてきた。


モンティ

一刃花隊イチジンカタイ副隊長ジジ

六刃花隊ロクジンカタイ副隊長リナリア

同隊副隊長代理チョウラン

三刃花隊サンジンカタイ副隊長代理ふみ子

そして、謎の青年ジュダス」


ジジ

「ウグッ...俺たちを..始末しに来たの...か」


モンティ

「そうだなぁ。始末をつけに来た。

とでも言おうか。」


ジュダス

「始末...だと?

やれるもんなら...やってみやがれ...」


リナリア

「私達は...千刃花センジンカ...

ラミオラス帝国には...屈しない!!」



チョウラン

「ぼ、僕は条件により...ます!!」


リナリア

「チョウラン!!!」


チョウラン

「だっ...だって!!生き残る事の方が

ずっと...大事です!!!」


ジジ

「死ぬ為に来てるわけじゃねーんだよ。

生き残るのは...大前提だ。」


ジュダス

「さぁ、どうすん...だ。

いける...か...?ジジ」


ジジ

「答えは...一つだ...」



モンティはジジ達の前で立ち止まり

倒れる4人を見下ろした。



モンティ

「数々の死闘、全部見てたぜ。

お前達の実力も全て分かってる。

三看守長 サンカンシュチョウの撃破をはじめ

鬼人化したサフィニア、

KARE8カレハ改式 弐號機カイシキニゴウキまでも

鞘花ショウカでもねぇお前らが

倒してみせた。

フッ。ナーベルク帝国の千刃花ってのは

随分と無茶苦茶しやがる。

ましてや、隊長共は鞘花ショウカであるエリカや

副団長であるサラセニア、ジギタリアス

ラミオラスが誇る神滅適合者ラグナロクをも

退シリゾけた。まぁほぼ相打ちだがよ。

その上で...見せてやる。

俺とお前達との

圧倒的な能力チカラの差をな。」


ジジ

「どういう意味...だ」


モンティ

「まぁ見てろって。」



すると、モンティは

手に持った短刀を5本構えると

前方に投げつけた。



モンティ

パチン指を鳴らす音

不意の挟撃 カルキノス・切り裂け』



短刀が地面に刺さり

モンティが指を鳴らした瞬間

KARE8カレハが次々と

真っ二つに切り裂かれ爆発していく。

その一瞬の出来事にジジ達は

圧倒されていた。


モンティ

「あーうっせぇ!!

耳が壊れるわ!!!」



ジジ達はあまりの出来事に

驚きを隠せなかった。



チョウラン

「そんな...刃術ジンジュツでも

なかなか倒せないKARE8カレハが...」


リナリア

「一瞬で...待って。その能力チカラ


ジュダス

「真っ二つにしやがっ...た」


ジジ

「あれは...刃術ジンジュツじゃねぇ。」


モンティ

「ほぅ。見て分かるのか?」


リナリア

「もしかして...いいえ。やっぱり」





リナリア

「…魔術!!!」


ジジ

「そうみてぇだな。ってことは

奴は...魔術師オラクルだ」


リナリア

「やっぱりあれは...

刃術ジンジュツなんかじゃなかった。」


チョウラン

「聞いたこと...あります。

スペリオールでは刃術ジンジュツではなく

魔術を使うと。

そんな...なんでラミオラスに!!」


ジジ

「ここに来て...第三勢力かよ!!!

聖十字セイジュウジスペリオール魔術兵団!!!」



聖十字セイジュウジスペリオール魔術兵団とは

大陸スペリオールが有する魔術軍隊である。

ナーベルク帝国に千刃花センジンカ

ラミオラス帝国に十鬼槍ジッキソウ

スペリオールに聖十字セイジュウジ

各国々には固有の軍隊を有しており

この戦乱の世を割拠カッキョしている。

魔術師オラクルとは

魔術を行使する者のことを指す。


ジュダス

「待て!!話が読めねぇ!!!

コイツがここにいるって事は

ラミオラス帝国の人間に間違いねぇだろ!

簡単には侵入出来ねぇんだからよ!」


モンティ

「おー驚いてる驚いてる。

しかも聖十字セイジュウジを知ってんのか。

それに魔術の事までな。」


リナリア

「当たり前でしょ。

いつ攻めてくるか分からない勢力について

調べて無い方がおかしいわよ。」


チョウラン

「ど、どうしましょう!!

魔術に対抗するにしても

僕達はもう刃汽ジンキが!!」


モンティ

「まず一つ。

魔術師  オラクルってのは

まぁ、あながち間違いはねぇが

俺は聖十字セイジュウジの人間じゃねぇよ。 

あと一応、言っとくが

俺はラミオラス帝国兵であり

冥王兵器軍ヒドラの副所長も勤めてる。」


ジジ

聖十字セイジュウジじゃねぇけど

冥王兵器軍...ヒドラ!?」


チョウラン

「ヒドラの副所長!?!?!?

でも魔術師  オラクルではあるんでしょ!?」


モンティ

「ラミオラス帝国のメンツは

有名人ばかりだが

俺に関しては初めましてだろ?

俺は表舞台には立ってないからな。

目立つのが嫌いなんだよ。

どちらかと言えば軍人というより

技術者だしな。

魔術師  オラクルに関しては

そうだな...家柄とでも言おうか。」


リナリア

「ヒドラって言えば

ラミオラスの軍事兵器を作ってる部隊よね。

技術開発局がいつも後手ゴテに回るような

兵器ばかり作り出す天才集団よ。

まさか、魔術が関係していたなんて。」


モンティ

「おっと、間違いがあるぜ。

魔術に関しては俺は一切、

ヒドラでは行使してねぇ。

その必要がねぇんだよ。

ソープワイトが生み出した

科学と刃術ジンジュツを掛け合わせた超科学は

狂気的に凄まじく脅威。

サラセニアがデザインするメカも

どれもイかれてやがるが高性能。

どちらも正直、俺が扱う魔術よりも

秀でてるからな。」


ジュダス

「使える能力チカラを使わねぇなんて

信じられねぇな。」


モンティ

「まぁ確かにな。」


チョウラン

「じゃぁ、刃術ジンジュツと同じように

火をつけたり空飛んだり

いろいろ出来るんですね!!」


モンティ

「そこは色々と複雑なんだが

魔術にだって色々あるんだよ。

俺が得意なのは魔術の中でも

魔力を持った物質を生み出す錬金術。」


チョウラン

「ぇえ!!!

じゃぁ、じゃぁ!!!

黄金も銀もダイヤも!!!

作り出せるんですか!?

もし、出来たら...

億万長者も夢じゃない!!!!

うっひょー!!!!!!!」


ジジ

「黙ってろ!!このバカが!!バチン手を叩く音


チョウラン

「イッテェ!!!

だって理論上出来ますよ!!」


モンティ

「出来なくもない。」


チョウラン

「ほら!!ジジさんのーー」


ジジ 遮る様に

「殺すぞ!!」


チョウラン

「まだ何も言ってないですよ!!」


リナリア

「言わなくてよかったわよチョウラン」


モンティ

「だが、大半の魔術師オラクル

魔術の効果を高める為に

真っ先に金や宝石の錬金を

自ら封じ制約をかける。

黄金より価値のある魔術なんて

腐るほどあるからな。」


チョウラン

「そ、そうなんですか?

へ、へぇ。ふーん。

偽善者丸出しだ!!!

世の中金だぜ!!!

お金が有れば!!

課金アイテムだって無料と同義だ!!

って言ってやりたい!!」


リナリア

「もう言ってるわよ!!」


チョウラン

「え!?」


モンティ

「見たろ?俺の武器。

完成してから一度だって見せたことはねぇ。

これは黄金よりもずっと価値の高いもんだ。

人工魔導具タリスマンって言ってな

俺が開発したとっておきの武器だ。」


ジジ

「人工魔導具タリスマン!?!?

聞いたことねーな。」


モンティ

「予め込めた刃術ジンジュツ神術ジンジュツ、魔術

そう言ったタグいを

封じ込めてコントロールする事が出来る。」


リナリア

「まるで...魔導具タリスマンじゃない。」


チョウラン

「もし、そんなものが沢山あれば...」


ジジ

「厄介なことになる。」


リナリア

「もしかして...魔導具タリスマンも創れるんじゃ...」


モンティ

「おっと。魔導具タリスマン

錬金術じゃ無理だ。

あれは人が創ったものじゃねぇからな。

元々存在していたものだ。

現代の科学や技術では解明できない謎の鉱石。

だからこそ人工魔導具タリスマン

画期的かつ強力な代物シロモノなんだよ。」


チョウラン

「す、すごい」


モンティ

「俺も苦労してんだぜ?

対して、ソープワイトは

神滅シヴァをコントロールするために

研究を始めた。

そして、神滅シヴァを抑制する方法を発見し

擬似的に 

刃術ジンジュツと科学と

天空山テンクウザン能力チカラを使って

神滅シヴァに最も近く

より扱いやすい魔装兵器を作り上げた。

さらに決して相容れない

サヤ能力チカラをも加えてな。

ソープワイトは恐るべき天才だ。

流石は団長というだけはある。」


ジュダス

「やっぱり...奴は天空山テンクウザンの...」


ジジ 心の声

((嘘は言ってなさそうだが...

何故、こうペラペラと喋る。

まぁこっちとしても好都合だがな。))



ジジはリナリア達に目配せすると

一同は小さくウナズいた。


モンティ

「ちなみに人工魔導具タリスマン

代々俺の家に伝わる錬金術の秘術レシピ

俺が再現し、長年かけて

ラミオラス帝国でツチカった知識を足した結果だ。

対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ兵器にだって劣らねぇ。」



するとモンティは短刀を取り出し

ジジ達に見せた。


モンティ

「どうだ。カッコイイだろ?

コイツは"天空ノ刃遮ウラノメトリア"って言ってな。

魔礎マソを...ぁあ、お前らで言う刃汽ジンキ

刃術ジンジュツを込めた短刀を

点として結んでいって

魔法陣を展開すると色んな技が出せる」


ジジ

「っておい、テメェ!!サラッと

述縛戒放ジュバクカイホウかよ!!」


モンティ

述縛戒放ジュバクカイホウ

安心しろ。使うまでもなく

今のお前らに負けるわけねぇだろ?」


チョウラン

「ですよねぇ。僕はすでに

ボロボロですから!!って。

ぇえ!!!!やっぱり

攻撃してくるんですか!!!!??」


ジュダス

「俺らをどうする気だ!!」


モンティ

「安心しろよ。ただの自慢だ。」


チョウラン

「この状況で自慢!?

それに平静を保って話せるなんて...

やっぱり敵ですよ!!!」


ジュダス

「気を抜くなよ...」


モンティ

「はぁ。千刃花センジンカって

全員、こんなんなのかよ。」


ジジ

「普通に話す割には

隙が全くねぇのがバレバレなんだよ。」


モンティ

「そろそろ頃合いか。おしっ」


ジジ

「チッ!!やっぱ時間稼ぎか!!

だが俺たちの刃汽ジンキ

少しは回復させてもらった!!

逃げ切れるくらいにはな!!

行くぞーーー」


  リナリア遮る様に

「待ってジジ!!!」


ジジ

「なんだリナリア!!」


リナリア

「...モンティ。

あなたはふみちゃんも消した!!

だけどKARE8カレハを倒した!!

一体...目的は何なの!!?」


モンティ

「だから言ったろ?

始末をつけに来たって。」


リナリア

「え?だからそれって」


ジジ

「離れろリナリア!!」


  モンティ遮る様に

パチン指を鳴らす音

γ強制入居ガンマインダクト



そしてモンティはブリーフケースを

ブンッッと振るうとリナリアを一瞬で消した。


ジジ

「リナリアァァァァァァア!!!」


  モンティ遮る様に

「いちいち騒ぐなって。パチン指を鳴らす音


ジジ

「ふざけやがッッ」


チョウラン

「ジジさん!!!!リナッッ」


  モンティ遮る様に

パチン指を鳴らす音。仲良しかよ。」



次々とブリーフケースで消し去っていく

モンティを見てジュダスは

サフィニアを抱きしめながら

キッとモンティをニラんだ。


ジュダス

「俺は...サフィニアを救えなかった。

だがペチュニアは必ず救う!!

お前に何をーーー」


モンティ 遮る様に

パチン指を鳴らす音

おし。完了。

はぁ。KARE8カレハ 勢いで

倒しちまったなぁ。

でも実際、冥府大監獄ゲヘナプリズン壊されても

面倒だったしなぁー

さてさて、俺も行こうかなっと。」



モンティはしばらく歩くと

正門横にある岩壁ガンペキをグイッと押した。

すると、足元から階段が出現し

そこを下ると目の前には

赤いウサギのジェットコースターが見えた。


モンティ

零ーX レッキスに今日乗りまくって

吐きそうなんだけど。

初めは参ったなぁ

確認して良かったぜ。

500キロってアホか!!

首が折れるとこだったわ!!

まぁ、ここの入り口は俺しか知らねえから

ここでもいっか。よっと。」



そう言ってモンティは

ブリーフケースをパカっと開けると

自らもブリーフケースに吸い込まれていった。

モンティはブリーフケース改め

俺のカバンはモンティーズ別世界マンションの中にいた。

そこは20畳ほどのワンルームの部屋が

1号室から3号室の3部屋存在しており

それぞれ扉で仕切られている。

各部屋には自身のパソコンや

研究資料や開発した機器

医療道具が揃えられ

モンティは集中して作業をしたい時や

サボりたい時によく使っている。

完全防音仕様でもあり

本体であるブリーフケースが

揺れていてもなんら影響はない。

初めて入室する者は個人差はあるが数分間

強制的に吐き気やシビれといった

反作用 スタンがかかる術式が組まれている。

そして何より一番の強みは

このカバンの存在をこの世界で

2人しか知らないという事実である。


モンティ

「さて、アイツらは3号室に

送ったはずだから...っと。ぬぉ!!」



モンティは開けた瞬間

何かが飛んできたので

素早く扉を閉めた。


モンティ

「はぁ。反作用スタンだけじゃ足んなかったかぁ。

なんだかんだ強いんだな。あいつら。」



モンティはそう言って

恐る恐る扉を開けた。

するとそこには

ジュダスの背中に座ったふみ子が

鬼の形相でモンティをニラんでいた。

そして、その後ろにはジジとチョウランが

倒れていた。


ジュダス

「んの...野郎。ドケ!!」


ジジ

「許さねぇぞ...ふみ子!!」


チョウラン

「なんで僕までえぇえ!!」


ふみ子

「黙んな前髪!!!」


ジジ

「グハッ」


チョウラン

「ひぃ!!ジジさんが殴られたぁ!!

あれ?なんかスカッとした!!

ふみ子さん!!是非もう一度グハッッ!!

ぼ、僕のことじゃ...ない...で、す...」


リナリア

「ど、どう言うこと?

ここは何??」


ふみ子

「どうやら...この部屋に入ると

吐き気やシビれを起こすみたいだね。

大丈夫かい?」


リナリア

「...だいぶ動けるようになった。」


ジジ

「動けねぇからって...

覚えておけよふみ子!!」


ふみ子

「あ"ん!?」


チョウラン

「や、やっちゃってください!!

ふみ子さグハッッ!!

い、いや、僕じゃなく...て...」


ふみ子

「ふぅーー。それで?

久しぶりじゃない??

モンティ。いや...」






ふみ子

「…千刃花センジンカ 通信刃術ジンジュツ

  九根キュウコン 司令 モンティ=ブランゴ=ダンゴ」


ジジ・ジュダス・リナリア・チョウラン

「ッッッ!!?」


ふみ子

「死んだかと思えば...

長い間、ラミオラスに潜入してたとはね。

あんただろ?

千刃花センジンカに地図を送って

あたいにメールをよこしたのは。」


モンティ

「まぁな。従ってくれて助かった。

久しぶりじゃねぇか!!ふみ子!!

あ、相変わらず...強引な女だな。」


ふみ子

「ふん。じゃぁ覚えてんだろ?

あたいの腕っ節。

敵か。味方か。どっちだい??

あたいは待ってる間

そこそこ回復出来たんだ。」


モンティ

「忘れてねぇだろ?

俺の術中領域テリトリーだぜ??

ここは俺のカバンはモンティーズ別世界マンション

良し悪しも全ては俺の気分だ。」


ふみ子

「忘れてんのはあんたさ。

あたいの見立てだと

この部屋だけじゃない。

他にも部屋があるだろ?

科学者と技術者は絶対バレない所に

研究材料や資料を保管するもんさ。

さぁて。

ここをぶっ壊されたく無かったら

正直に吐きな!!!!!」


モンティ

「グッ...相変わらずだなふみ子。

安心しろ。あの日から何も変わってねぇよ。」


ふみ子

「そうかい。」



すると、ふみ子は突然立ち上がった。


ジュダス

「グッ!!」


ふみ子

  ブチュッ大きなリップ音

ある時は美少女!!またある時は美女!!

電光石火の 圧倒的暴力 テクニシャン!!

Fエフ. Lレディ. Gガール!!優雅に参上!!」


モンティ 遮る様に

ホトバシるパルス!!

この世の 機密警護セキュリティなんて

俺にかかれば少数派  マイノリティ!!

疾風怒濤シップドトウの天才ハッカー!!

Sソー. Cサリー. Jジェイこと俺参上!!」



ふみ子

「…よし。それで??

ジニア隊長とは話がついてんだろ?」


モンティ

「一応な。」


ジジ

「待て待て待て待て!!」


チョウラン

「ぇえー!!!何でナチュラルに

話を進めてんの!?!?」


ふみ子・モンティ

「え?」


リナリア

「え?じゃないわよ!ふみちゃん!!

ちゃんと説明してよ!!」


ふみ子

「今の見て分かんなかった?」


チョウラン 遮る様に

「分かるかよ!!!!!!」



そして、再びふみ子はジュダスに座った。


ジュダス

「ガハッ!!てめぇ!!!

いい加減にしろ!!」


  ジジ遮る様に

「説明してくれんだよな?

まず、コイツが千刃花センジンカだと!?

俺は知らねぇぞ!!」


チョウラン

「しかも九根キュウコン!?!?

司令は長い間、未着任で

副司令のアパパパーヤンさんが

毎年、俺が来年なるって言ってたような...」


リナリア

「毎年なれてないじゃないそれ。」


ジジ

「俺は...聞いてねぇぞ。

そもそも司令はクリシャンテが

担ってるんだと思ったが?

まさか、別に司令がいたなんてよ。」


モンティ

「はぁ。言っとくけどなぁ。

お前らが戦いやすいように

第四監獄アルバァプリズンの冷気を

下げてやったり第三監獄サラーサプリズン

回転率を操作したり

サルバドル共和国から手引きしたり

アキレイ達を助けに行ってやったり

色々やってやったんだからな!!!

誰のおかげでみんな生きてる...

ってえぇえ!?!?!?!?

アキレイがいねぇ!!

ラナンキュラスも!!

ツバキも!!!!!!!!」


リナリア

「え!?兄さん達がいたの!?」


モンティ

「アイツら!!!」


ジジ

「おい!!説明しろ!!義忠ヨシタダがいたのか!?」


ふみ子

「え!?ラナンきゅんも!?

血の匂いしかしないから

あたい分からなかった!!!!」


モンティ

「ツバキの奴...3人の中でも

1番傷が軽いって言っても

重症だったはずなのに

他2人を回復して連れ出しやがったか!

ったく!!空間で移動しやがったな!!

あのガキ!!

計画が台無しじゃねぇかよ!!!」


ジュダス

「ちょっと待て。

計画があったのか!?」


モンティ

「俺は色んな権限をラミオラスで持ってる。

だからお前らをこのブリーフケースにいれて

そのまま逃げる算段だったんだ。」


ジジ

「だが、ソープワイトの登場で

番狂わせを食らった。

だからジニアを助けに行った...

いや、違うな...」


ふみ子

「どう言うこと!?

ジニア隊長助けにいったわけじゃないの?」


リナリア

「でも、兄さんもラナンキュラス隊長も

ついていった訳だし

目的は救出と援護だとは思うけど...」


モンティ

「まさか...いや、報告したハズだ。」


ジュダス

「なんの話だ!?!?

っていうかドケ!!ふみ子!!!」


ふみ子

「あ、ごめんねジュダスきゅん!!

血が出てたから圧迫止血しようと思って!!」


ジュダス

「嘘つけ!!!」



そう言ってふみ子は


ジュダスから



立ち上がらなかった。



チョウラン

「立ち上がらないのかよ!!!」


リナリア

「ふみちゃん。可哀想だから

ジュダスくん。」


ふみ子

「んもう!!

本当男子って素直じゃ無いんだから!!

最初から好きって言えばいいのに!!」


ジュダス

「言うかよ!!」


チョウラン

「なんてめちゃくちゃなんだ...この人。」


ジジ

「お前らうるせーぞ!!!

おいモンティ。

その報告はジニアから受けてたぜ?

受けてたが義忠ヨシタダは自分の目で

確かめるまでは信じねーんだろうよ。

誤報かもしれねぇからな。

あ、そういや、お前らには隠してたが

本来、俺と義忠ヨシタダ

キキョウ救出以外にも目的があったんだ。」


チョウラン

「ぇえ!!?そうなんですか!?」






ジジ

「ぁあ。第零監獄スィフィルプリズン

収監されてる義統ヨシムネ皇帝の救出任務だ。」



その言葉に一同は驚愕キョウガクした。


ふみ子

「ぇええ!!!!!!

皇帝はナーベルク帝国にいるでしょ!?」


チョウラン

「そ、そうですよ!!!!

何言ってるんですか!!!!」


ジュダス

「なんで、皇帝がラミオラスにいるんだよ。」


リナリア

「...ツバキ隊長をはじめ

兄さん、ラナンキュラス隊長

レンゲイ、ジニア隊長、アナスタシアさん

オルケイディア大隊長、プラムさん

私とジジ、そしてクリシャンテさんも。

今の皇帝が偽物だって考えてるのよ。」


ジュダス

「なんだそれ。

お前らの国めちゃくちゃだな。」


ふみ子

「そうなの!?!?

全然気づかなかった!!!

華四百花カシヒャッケが2人もいるじゃない!!」


リナリア

「まだ確証は無いんだけど...

だから綿密に調べてたの。」


モンティ

「俺もジニアに頼まれて

色々調べたがそこに関しては

深く入り込めなかった。

俺もあまりコソコソ嗅ぎ回り過ぎても

足がつくからな。

俺の任務はラミオラス帝国の科学力の

究明、及びスパイだったが

意外に難しくてな。

科学力と技術力はなんとかなったが

スパイ活動はなかなか進まなかった。」


ふみ子

「にしても長すぎやしないかい?」


モンティ

「そうだな。

だが、おかげでラミオラスが

どういう国かは分かった。

決して悪い国なんかじゃねぇ。

治安もナーベルクと大して変わらねぇし

いや、むしろ差別主義のない

実力国家としては良い例だとも思う。

ただ、自国には甘いが他国には

容赦しない。残酷ザンコク

抜け目のない恐ろしさがある。

ナーベルクにとっては危険だ。」


ふみ子

「...そうね。戦争だものね。」


モンティ

「ラミオラス軍にだって

良い奴はいる。

そいつらとは対話が出来るかもしれねぇ。

だが、ソープワイトやロージアに関しては

話しが別だ。

アイツらはバケモン過ぎて格が違う。

対話のレベルなんかじゃ

どうにもならねぇよ。」


ジュダス

「それで、これからどうすんだよ。」


モンティ

「そうだな。まずは...」



するとモンティは

ベッドに横たわるサフィニアに近づいてった。


ジュダス

「おい!!俺の妹に近づくな!!」


モンティ  遮る様に

「...サフィニア。」


ジジ

「なんの真似だ。」


チョウラン

「ちょっ!!急に!!」


リナリア

「モンティ...?」


ふみ子

「あんた昔から...変わってないのね。」



モンティはサフィニアの頭を撫でながら

切ない表情を浮かべていた。


ジュダス

「...おい。」


モンティ

「すまねぇ...サフィ。

こんな...  年端トシハも...

いかない女の子に...無茶させちまって

助けて...やれなくて...」


リナリア

「どういう...こと?」


モンティ

「俺は...ペチィとサフィを...

妹みてぇに...可愛がってきた。

あいつら...じゃじゃ馬でよぉ...

すぐ物壊すし...わがままだし...

イタズラばっかするけどよぉ...

いつも...いつも...寂しそうだったんだ。

記憶を無くしてんのに

元気なふりしててよぉ。

それが...見てられなくてなぁ...

たまに...寝言でペチィが言うんだよ。

お兄ちゃんってな。」


ふみ子

「え?」


ジュダス

「記憶を無くしたんじゃ...」


ジジ

「キキョウの事も

覚えて無かったんだろ?

マーベラスの時にはよ。」


チョウラン

「そうです!!

まぁでも、お互い会わなさすぎて

気付かないと思いますけど...

現にキキョウ副隊長も

気づいてませんでしたし。」


リナリア

「そうよね。

この場合、お兄ちゃんっていうのは

モンティの事を言ってたんじゃない?」


モンティ

「そうだな。

初めは俺の事かと思って

気にも止めて無かったが

2人の兄と同姓同名の男が今日現れた。

俺は...その寝言を思い出して

ここに来る前に兄の存在を調べた。」



すると、モンティの顔は険しくなっていく。


ジジ

「どうしたモンティ...」


モンティ

「ジュダーー」


  ジュダス遮る様に

「待てよ!!

俺のことなんかどうでもいい!!

さっき...KARE8カレハ改式 弐號機カイシキニゴウキ

  ペチィって言ってた。

それは...それはどういう事だ!!」


ふみ子

「アッ!!そうよ!!

あたいも確かに聞いた!!!

KARE8カレハ改式 弐號機カイシキニゴウキ

意思を持ってる!!!!」


リナリア

「普通のKARE8カレハじゃなかったのは

間違いないわ。

あんな数が沢山いたら

正直...手に負えない。」


ジジ

「副隊長二人でやっとの強さだ。

ラミオラス帝国の技術力は

どうなってやがる。」


チョウラン

「お、終わりですよぉお!!

うじゃうじゃ来ないですよね!?

また襲ってきたら...」


モンティ

「わりぃけど

KARE8カレハ改式 弐號機カイシキニゴウキに関しては

俺や所長...いやサラセニアは

関わってない。」


リナリア

「関わってない?

でも、副所長でしょ?」


ジジ

「待てリナリア。

ヒドラが関わってないってことは

誰が関わってんだ?」


モンティ

「あれはソープワイトが

生み出したものだ。

それ以外の情報はサラセニアしか

分からないだろう。」


ふみ子

「そんな...」


ジュダス

「おいテメェ。

何か隠してんじゃねーだろうな」


チョウラン

「か、隠してたら

信用なんて出来ませんよ!?」


モンティ

「隠す??

隠してんのはどっちだよ。」


ジュダス

「なんだと!?」


リナリア

「どういう事?ジュダスくん。」





モンティ

「…ジュダスはサルバドル共和国で

射殺されてる」


ジジ・リナリア・チョウラン・ふみ子

「!?!?!?」


ジュダス

「...どう言う事...だ」


チョウラン

「ぇえ!?死んでるんですか!?」


ジジ

「おい、まさか...」


リナリア

「じゃあ、今ここにいるのは...」


ふみ子

「ジュダスきゅん!?!?

嘘って言って!!!!」


モンティ

「お前の正体は...なんだ?

答えてもらおうか。」


ジュダス

「何言ってんだよ。

俺は死んでなんかいねぇ!!!

現にここにいるじゃねぇか!!!」


ジジ

「返答次第じゃ、敵として処理する」


リナリア

「待ってよジジ!!

昔の記憶は

しっかりあるんでしょ!?」


チョウラン

「そ、そうですよ!!

さっきの戦いでも

沢山サフィニアとの事

話してましたし!!」


ふみ子

「そうよ!!ジュダスきゅんの熱意は

本物としか思えない!!!!!

モンティ!!ジュダスきゅんが

カッコイイからって

嫉妬してんじゃ無いでしょうね!?」


モンティ

「怪しくねぇか?10年姿を消し

突如冥府大監獄ゲヘナプリズンに現れ

自身を兄だと名乗る。

ましてや、死亡履歴がある人間だ。

疑うのは当然だろ。

死んでんだからな。」


ジジ

「おい、ジュダス。まさか...」


ジュダス

「ちがう!!!!

俺はジュダス=ギギ=アルマーニ!!

ペチュニア とサフィニアの兄だ!!

ナーベルクのイリス出身で!!!

3人でずっと暮らしてた!!!」


リナリア

「消えた10年は...何してたの?」


ジュダス

「それは...天空山テンクウザンで...」


チョウラン

「記憶が...曖昧なんです...よね?

天空山テンクウザンへは

どうやって行ったんですか?」


  ジジ遮る様に

「サルバドル共和国で何があった。」


ジュダス 遮る様に

「やめろ」


  ふみ子遮る様に

「どうやって生き返ったの?」


ジュダス 遮る様に

「やめろ」


リナリア  遮る様に

「何で逃げてたの?」


ジュダス 遮る様に

「やめろ」


  チョウラン遮る様に

天空山テンクウザンで何をしてたんですか?」


ジュダス 遮る様に

「やめろ」


  モンティ遮る様に

「どうやって戻ってきた?」


ジュダス 遮る様に

「やめろ」

 

  ジジ遮る様に

「答えろ」


ジュダス 遮る様に

「やめろ」


  リナリア遮る様に

「答えて」

 

ジュダス 遮る様に

「やめろ」


チョウラン 遮る様に

「答えてください」


ジュダス 遮る様に

「やめろ」


ふみ子 遮る様に

「答えて」


ジュダス 遮る様に

「やめろ」


  モンティ遮る様に

「答えろ」


ジュダス 遮る様に

「やめろ」


  ジジ遮る様に

「答えろ」


ジュダス 遮る様に

「やめろ」


  リナリア遮る様に

「答えて」


ジュダス 遮る様に

「やめろ」


チョウラン 遮る様に

「答えてください」


ジュダス 遮る様に

「やめろ」


ふみ子 遮る様に

「答えて」


ジュダス 遮る様に

「やめろ」


  モンティ遮る様に

「答えろ」


ジュダス 遮る様に

「やめろ」


  ジジ遮る様に

「ジュダス」 


ジュダス 遮る様に

「やめろ」


  リナリア遮る様に

「ジュダスくん」


ジュダス 遮る様に

「やめろ」


チョウラン 遮る様に

「ジュダスさん」


ジュダス 遮る様に

「やめろ」


ふみ子 遮る様に

「ジュダスきゅん」


ジュダス 遮る様に

「やめろ」


  モンティ遮る様に

「ジュダス」



ジュダス 遮る様に

「やめろぉおおおおおおおお」



すると、ジュダスの瞳が 金色 コンジキ

輝き出した。


ジジ・リナリア・ふみ子・チョウラン・モンティ

「グッ!!!!!」


ジジ

「何だこれ!!」


リナリア

「眩しい!!!」


チョウラン

「み、見えないですよぉ!!!」


ふみ子

「モンティ!!!」


モンティ

「グッ!!押さえつける!!

お前ら!!!ちったぁ我慢しろよ!!」


チョウラン

「ちょ!!」


モンティ

パチン指を鳴らす音

α強制執行アルファスタン!!』


ジジ・リナリア・ふみ子・チョウラン

「グァァ!!!」


モンティ

「わりぃな!!個別じゃなくて

部屋ごとにしか 反作用 スタン出来ねーんだわ!」


ジジ

「グッ...いいから!!」


ふみ子

「グッ...ジュダス...キュン!!」


リナリア

「何か...おかしい...」


チョウラン

「僕、動け...な...」



すると、更にジュダスの瞳は輝きを増す。


モンティ

反作用スタンしねぇだと!?

これは一体!!!」





そして、ジュダスの声には間違い無い


だが、深く


更に深く


神々 コウゴウしい声が反響し


部屋中に響き渡る。





ジュダス

「よぉ。千刃花諸君。

実に見事な戦いだった。」


モンティ

「なんだ、その声!!」


リナリア

「別人...なのかしら」


チョウラン

「どうなってるのぉおお!??

怖っ!!怖すぎるぅうう!!」


ジジ

「うるせぇぞ!!バシンッ  手を叩く音


チョウラン

「イデッ!!!!

ひどいですよぉお!!

ジジさぁぁん!!」


ふみ子

「あんた...誰だい!?名乗りな!!」


ジュダス

「クックックック。

気の荒い連中だぜ全く。

俺は、菩提ボダイ 戀三 レンゾウ

天空山テンクウザンにある

天空寺テンクウジ 総本山 原初の都ランサデーヴァの最高位 

釈尊シャクソンだ。」


ジジ

「何!?天空山テンクウザンカシラかよ!!」


ふみ子

「なるほど...それが本当なら...ね」


リナリア

天空山テンクウザンなんて

実在するのかも疑わしいのに..」


チョウラン

「ひぇーー!!

ずっと目が輝いてる!!」


モンティ

「どっちだ...敵か味方か...」


ジュダス

「そもそも...が高い」


全員

「ガハッッ」



刹那セツナ、全員が床に叩きつけられた。


ジジ

「何し...やがる!!」


ふみ子

「身体が...動かない!!」


ジュダス

「あまり時間がねぇ。

ジュダスの身体が持たなくなるからな。

この俺様がお前らの思ってる疑問を

解決してやろうじゃあねぇか。

じゃねぇとジュダスの魂が

いつまで経っても救われねぇからな。」


ふみ子

「ググッ...

ジュダス...キュンは...死んだの?」


ジュダス

「ぁあ。間違いなく。」


モンティ

「何!?...じゃぁ偽物じゃ...」


ジュダス

「いいや。本物だ。俺が蘇らせた。

正確には死と生の境目の中で

こっち側に引き寄せた。」


リナリア

「死んだ人間を蘇らせられるの!?」


ジュダス

「選ばれた数少ない者だけだ。」


チョウラン

「10年の間は...一体何を...」


ジュダス

拳闘僧侶ラカンの修行だ。

天空山テンクウザンでの修行を終え

下山させた。」


チョウラン

「な、何のためですか?

え!?ちょ!?ぇええ!!

ジュダスさんの身体

浮いてるんですけど!!」


ジュダス

「何のため?

そんなの決まってんだろ。

本人の意思だからだ。」


ジジ

「本人の意思...だと?

何故、俺達にそんな事を教える。」


ジュダス

「クックック俺が言わなくても分かるだろ?

コイツがどう言う想いだったか

どう言う運命を辿ってきたか。

それを思えば、答えは簡単だ。」


リナリア

「妹達の...ため」


ジュダス

「全ては運命の終末ディステルニドンに導かれるがままに。

おっと。そろそろ限界みてぇだ。

そうだジーーーー」



突然、光が消え、ジュダスはそのまま

床に倒れてしまった。


モンティ

「グッ...何だったんだ...」


ジジ

菩提ボダイ 戀三 レンゾウ...釈尊」


リナリア

「...天空山テンクウザンって本当にあったのね...」


チョウラン

「でもこれで...ジュダスさんは」


ふみ子

「ジュダスきゅんは本物ってことね!」


モンティ

「...そうみてぇだな。

よし、俺達は一旦、冥府大監獄ゲヘナプリズンを脱出する。」


リナリア

「え!?待ってよ!!

兄さん達がまだ!!」


ジジ

義忠ヨシタダだってまだいんだろ!!」


ふみ子

「ラナンきゅんを置いていけって

言うの!?!?!?」


チョウラン

「ど、ど、どうするんですか?」


モンティ

「いいか。お前達は副隊長、副隊長代理だ。

俺は司令。権限は隊長と同じだ。

俺の命令に従ってもらう。

それにこれはジニアとオルケイディアで

決めた段取りの一つだ。

最優先事項は冥府大監獄ゲヘナプリズンからの脱出

俺なら安全に連れ出せる。」


ジジ

「捕まってる皇帝はどうするんだ!!」


リナリア

「そうよ!」


モンティ

「あれはガセだろう。

千刃花センジンカオビき寄せる為のな。

ツバキは必死すぎて分かってねぇ。

そこはジニアに任せろ。」


ふみ子

「...そう。どうやって逃げるんだい?」


モンティ

「このままジェットコースターで

水門までいく。そこから俺が用意した

潜水艦が1隻だけある。それで海から

ナーベルク帝国にあるイリスへと向かう。

そこでツバキ達と合流したら

ナーベルク帝国の迎えが

来ることになってる。」


チョウラン

「え!?潜水艦って

1隻しかないんですか?

キキョウ副隊長達はどうやって...」


ふみ子

鞘花ショウカなら

どうにでも出来るわよ。」


ジジ

義忠ヨシタダなら

空間を移動出来る。」


リナリア

「兄さんならマグマを無効化出来るし」


ふみ子

「でしょ?大丈夫よ!!」


モンティ

「よし、まずはサフィニアの横に

ジュダスを運ぶのを手伝ってくれ。」



そう言うとふみ子とチョウランが

ジュダスをベッドまで運んだ。


ふみ子

「ジュダスきゅん...ごめんね。」


モンティ

「お前らここで休んでろ。

おっと、他の部屋へは行けないからな。

俺と一緒に入るか入室許可がねぇと

扉は開かねぇ。

医療道具はその引き出しの中

トイレは右手奥だ。

それと、お前らクセェから

シャワー浴びてこい。

トイレの横にあるから。」


リナリア

「え!?私...クサイ!?」


モンティ

「気づいてねぇのかよ!!」


ジジ

「てめぇ!!ふざけんな!!

隣のチョウランがクセェから

ニオッてるだけだっつーの!!」


チョウラン

「えー?!?僕ですか!?!?!?

そんな!!!!クサくないですよ!!

ほら!!!嗅いでみて!!」


ジジ

「誰が嗅ぐか!!!バシン手を叩く音


チョウラン

「イダッ!!恩人に向かって

何するんですか!!」


ジジ

「誰が恩人だ!!!」


チョウラン

「僕ですよ!!!」


ふみ子

「恩人といえばあたいだろ!?

誰が助けに来てやったんだ!!」


リナリア

「ふみちゃんはKARE8カレハ改式 弐號機カイシキニゴウキ

連れてきただけでしょ!!!」


ふみ子

「ちょっと!!!

可愛いからって調子乗らないでよね!!

ぁあ!!その顔交換して!!今すぐ!!」


モンティ

「はぁ。騒がしい奴らだな全く。

ほら、いいから風呂入ってこい。

あ、物は壊すなよ!!」



そう言ってモンティは部屋を出て行った。


リナリア

「ふぅーー。なんだか

急に疲れちゃった。」


ふみ子

「そうね。あたいシャワー浴びる。

1週間ぐらい入ってないから。」


チョウラン 遮る様に

「クサイのふみ子さんじゃないですか!

謝ってください!!

僕が疑われたんですよ!!」


ふみ子

「え?」


チョウラン

「え?じゃないですよ!!」


ふみ子

「そんな事言って

見返りとしてシャワー

一緒に浴びろって脅す気でしょ!!」


チョウラン 遮る様に

「そんな事言うか!!」


ジジ

「早く浴びてこいよ。」


ふみ子

「何よ!!ジジ!!

いやらしい目で見ないで!!

このエッチ!!!!!!」


  ジジ遮る様に

「見てねぇよ!!!!」


リナリア

「...ジジ?」


ジジ

「やめろ!!そんな目で見てくんな!」



モンティサイド

ーー 零-X レッキス乗降口ーー

遥か下には燃えたぎるマグマ

その上空に浮かぶ線路とジェットコースター

モンティは俺のカバンはモンティーズ別世界マンションから

ある物を取り出した。


モンティ

「さて...

最後の落とし前つけてくるか。」



そう言うとモンティは

手に抱えた大きな箱をパカっと開けると

その中身をマグマの底へ投げ入れた。



モンティ

「もう邪魔してくんなよ。」





そこに入っていたのは


いびつに黒焦げた



生首だった。






モンティ

「...所長」



作者 REN’sJackson

千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

煉獄レンゴク 冥府ゲヘナ大監獄プリズン

Seasonシーズン29トゥウェンティナイン

So like anソウライカナー unableネーブル  phoenix inフェニッキシン hot ashes ハーラーシェス(完)






おまけ






ここはナーベルク帝国最北端にある

魚と船の町イリス

以前は漁師町リョウシマチとしても造船業としても

とても有名な町だった。

そして、ラミオラス帝国軍が

まず初めに手にかけた町でもある。

当時、苛烈カレツを極めた戦争が続き

帝国の守護を手厚くしたナーベルク帝国軍は

最北端の町を見放していたが

以前、ゲイジュやアイビー、ラナンキュラス

アナスタシアの戦闘を機に

国境を護るための

大きな壁を建設している真っ最中だった。



モンティ

「おー。ジュダス。ここにいたのか。」



ジュダスは以前

自身が住んでいた家の跡地に立っていた。


モンティ

「懐かしいか?」


ジュダス

「ぁあ。」


モンティ

「だろうよ。」



その寂しそうな顔を見たモンティは

ポケットからある物を取り出した。


ジュダス

「何だよ...これ。」


モンティ

「音声レコーダーだ。

ほれ、聞いてみろ。」


ジュダス

「...ぁぁ」



ポチッとボタンを押すと

懐かしい声が聞こえてきた。





サフィニア

ゴホン 咳払い!!

今日の天気は晴れだよ!!

ティンティンはいっつも眠そうです!

今日はぺチィとティンティンと

ピクニックなんだぁ!

この前の実験頑張ったからだって!

やったねぇ!!!!」


モンティ

「おーい。サフィニアどこいんだ?」


サフィニア

「ティンティンはいっつも優しい!!

でもね!足臭いの!!

アヒャアヒャアヒャアヒャアヒャ!!

あ!!来ちゃった!!」


モンティ

「ったく!!俺から離れんなって!

ほら、アイスクリーム!!」


サフィニア 小声で

「ほら、優しいでしょ!?」





サフィニア

「えーっと今日は雨!!」


ペチュニア

「サフィまた録音してるの?

いい加減モンティに返しなさいな。」


サフィニア

「やーだね!!!!

あっ、今日はお休みです!!

ティンティン何してるかな??

でも確か...」


ペチュニア

血塗収檻祭ハロウィンよ。」


サフィニア

「そうだ!!

じゃぁティンティンいないかな?」


ペチュニア

「なんか手伝うんじゃない?」


サフィニア

「じゃぁトギリ見張ってたら

ティンティンに会えるね!!」


ペチュニア

「何言ってるの?」


サフィニア

「待ち伏せしよっか!!」


モンティ

「おい!サフィ!!

レコーダー返してもらうぞ!!」


サフィニア

「あ!!ティンティン襲来!!」


モンティ

「もう行かねぇーと間に合わねぇから


ほら!!返して...もらうぞ!!」


サフィニア

「あ!!!!!」





モンティ

「これはとある僧侶の物語...

録音したか?」


サフィニア

「えー!これから

ブッダマンを読んでくれます!!

カッコいいよねぇ!!」


ペチュニア

「サフィ良かったね!!」


モンティ

「ほら、読むぞー。

昔々ある所に

大切な人を探す旅に出た僧侶がいました。

山を越え谷を越えて

世界中を歩き回りましたが

大切な人は見つかりません。

すると、僧侶が突然、悪い人達に

追われてしまいます。

怪我を負った僧侶は

途中で力尽きてしまいます。

その時、眩しい光の中で

声が聞こえました。

目覚めると僧侶は

とてつもない力を手に入れました。

風のように早く走り

大地を割るほど力持ちになりました。

その力を手にした僧侶は

平和のために使おうと決意しました。

大切な人を探す旅の途中

色々な人を助けて

悪者を退治していきました。

それでも...っておい。

聞いてんのか??」


サフィニア

「ねぇ、ぺチィ

僕にもブッタマンみたいに

大切に想ってくれる人いるかな?」


ペチュニア

「...そうね。」


サフィニア

「いたらいいな。」


ペチュニア

「いるよ。きっとね。」


モンティ

「ほら、続きまだあるから

って...え!?もう寝たのかよ。ったく。

はぁ。しっかし、この本を

サフィに読ませてくれって

ペチィに渡されたけど

こんな本見たことねーなぁ。

どこで手に入れてんだ?アイツ」





モンティ

「あ、あーあー。おし聞こえるかな。

えー、今日は経過報告する。

被験体は...っておい!!!やめろって。」



サフィニア

「あっ!!ティンティン!!!」


モンティ

「おい!!やめろその言い方!!

邪魔っすんなって!!っておい!!返せ!!」


サフィニア

「えーっとサフィニアちゃんでーす!!

今日のお空は雪だよ!!!

お姉ちゃんとねぇ!!雪合戦したの!!

そしたらね!!街壊しちゃった!!」


モンティ

「ほら、返せ。」


サフィニア

「あっ!!ティンティンを紹介するね!

ティンティンはねぇ...

いつも怪我したら治してくれたり

お菓子くれたりねー!!

ゲームしてくれるの!!!

後は...遊園地連れて行ってくれたり!!」


モンティ

「バカ!!それは内緒だろうが!!!

ほら、もういいだろ...返せ。」


サフィニア

「まだあるよ!!えーっとねぇ!!

ずーっと彼女いないんだって!!!!」


モンティ

「ほっとけ!!!」


サフィニア

「トギリとばーっか飲み行ってるんだって!!

だから彼女出来ないんだよねー!!

アヒャアヒャアヒャアヒャ!!!!」


モンティ

「おい、サフィ!!おれ仕事中だから

返してくれって!!!!」


サフィニア

「だからね!!

サフィが彼女になってあげる!!」


モンティ

「嫌だよ!!

そもそもロリコンじゃねぇし!!」


サフィニア

「ふーん。本当かな??」


モンティ

「本当だよ!!!

ほら、返せって!!!!」


サフィニア

「嫌だねぇ!!!!」


モンティ

「お、おい!!!」





サフィニア 最後まで小声で

「今日の天気は満月

...なんだか寂しいな。」


  ペチュニア最後まで小声で

「どうしたの?急に。」


サフィニア

「街に行くとみんな楽しそう。」


ペチュニア

「...そうね。」


サフィニア

「ペチィは寂しくないの?」


ペチュニア

「サフィがいるからね。」


サフィニア

「嘘つき。」


ペチュニア

「え?」


サフィニア

「知ってるもん。

ペチィたまに泣いてるの。」


ペチュニア

「え!?泣いてないよ!!」


サフィニア

「ペチィ...お兄ちゃんって誰?」


ペチュニア

「な、何言ってるの?」


サフィニア

「お兄ちゃんって言ってる時のぺチィ

いっつも泣いてるもん。」


ペチュニア

「...サフィ。モンティは好き?」


サフィニア

「うーん。足臭く無かったら!!」


ペチュニア

「それは病気だから治らないわよ。」


サフィニア

「そっか!!

アヒャアヒャアヒャアヒャ!!」


ペチュニア

「それで?」


サフィニア

「うーん。優しいよね!!

あ!!僕わかった!!!!」


ペチュニア

「何が??」


サフィニア

「お兄ちゃんって

ティンティンの事!?

ねぇ、そうでしょー?

でもね、ぺチィ!!

ティンティンは

本当のお兄ちゃんじゃないよ?」


ペチュニア

「分かってるよ!」


サフィニア

「ふーん。お兄ちゃんかぁ。

もし、僕達にお兄ちゃんがいたら

あんな感じなのかな?」


ペチュニア

「もっとカッコよくて

強いと思うけど?」


サフィニア

「ヒーローみたいに?」


ペチュニア

「ヒーロー?

うん。そうだね。

ヒーローみたいにね!」


サフィニア

「ヒーローみたいな...

お兄ちゃんいたら...いいなぁ泣きながら



ペチュニア  泣きながら

「...なんでサフィ泣いてるの?」


  サフィニア泣きながら

「え?」


ペチュニア  泣きながら

「泣いてるって。」


  サフィニア泣きながら

「泣いてる?え?

何でだろう...ペチィだって

泣いてるじゃん!!」


  ペチュニア 泣きながら

「何でだろう...。

お兄ちゃんに...逢いたいから...かな?」


サフィニア 泣きながら

「でも、僕達にはいないよ?」


ペチュニア  泣きながら

「ねぇ、サフィ。

もし、お兄ちゃんがいたら

...なんて言う?」


サフィニア  泣きながら

「決まってるよ。」


  ペチィ・サフィ泣きながら同時に

「お兄ちゃんだーいすきッ」


サフィニア 泣きながら

「何でだろ...涙が...止まらない」


ペチュニア  泣きながら

「ねぇ...サフィ...」


サフィニア 泣きながら

「ん?」


ペチュニア  泣きながら

「こっち...おいで」


サフィニア  泣きながら

「...うん。」


ペチュニア  泣きながら

「おやすみサフィ」


サフィニア泣きながら

「おやすみペチィ」





サフィニア寝息

「スーーースーーーー」





ペチュニア

「いつかきっと...

迎えに来てくれるから。」



そこでポチッと切れてしまった。



  ジュダス泣きながら

「...何だよ...これ...

何だよ!!これ!!!!

ペチュニア !!!!!!!!

サフィニア!!!!!!!!!」



ジュダスの泣き声がこだまする。

その悲痛な声にモンティも

涙が止まらなかった。


  モンティ泣きながら

「グフッ...わりぃ。助けてやれなくて」


  ジュダス泣きながら

「お前が!!!お前なら!!!

妹達を!!!!助けてやれたんだろ!

何で!!!何でだ!!!!!

お前は!!千刃花センジンカなんだろ!!

どうし...て...」


  モンティ泣きながら

「すまな...い。いくらでも

俺を殴ってくれ」


ジュダス 泣きながら

「この!!野郎!!!」


モンティ 泣きながら

「ガハッ!!!

他のラミオラスの奴らも

ペチュニア 達には同情してた。

だが、十鬼槍ジッキソウであるペチュニア と

サフィニアを逃すのは

リスクが大きい。

今となっちゃ...無理矢理にでも」


ジュダス  泣きながら

「アイツらには...お兄ちゃんがいた!!

この!!俺がアイツらの!!

お兄ちゃんだった!!

中途半端な優しさで!!!

兄貴ヅラしやがって!!!!!」


モンティ  泣きながら

「すまなかっ...た。

すまなかった。ジュダス」






  チョウラン小声で

「ゥゥウッ。ジュダスさーん」


ジジ小声で

「馬鹿野郎!!

何でお前が泣いてんだよ!」


  チョウラン小声で

「だってぇ!!」


ジジ小声で

「隠れてんのがバレるだろ!」



そして2人はしばらく

声をあげて泣いていた。

モンティとジュダスの胸の内

そしてペチュニア とサフィニアの胸の内

両方を聞いていたジジとチョウランは

張り裂けそうな胸の痛みを

グッとコラえていた。



モンティ

「...ジュダス。」


ジュダス

「...何だよ。」


モンティ

「サフィは埋めたのか?」


ジュダス

「...ぁあ。」


モンティ

「そうか。

なぁ、ジュダス...気づいたか?」


ジュダス

「何をだ。」






モンティ

「ペチュニア は全て覚えてる。」


ジュダス

「...ぁあ。」


モンティ

「それでも忘れたフリしてた。」


ジュダス

「...だろうよ。

サフィニアを、守る為にな。」


モンティ

「一度、会ったことあるだろ?

潜入した記録を見た。」


ジュダス

天空山テンクウザンに行く前にな。」


モンティ

「そうか。ペチュニアは

独自で調べてたみたいだな。」


ジュダス

「ぁあ。」


モンティ

「って事は...

守るもんが無くなった今。

ペチュニア はこっち側の人間だ。」


ジュダス

「ぁあ。」


モンティ

「2人でペチュニア を助け出そう。」


ジュダス

「...ぁあ!!」



モンティ

「それで?いつまで隠れてんの?」


  チョウラン小声で

「やべ!!」


ジジ小声で

「バレたか!!」





リナリア

「…えへへ。バレてた?

だって、ふみちゃんが!!」


ふみ子

「ジュダスきゅん!!ちゅき!!」



  チョウラン小声で

「バレてなかったぁあ!!!」


  ジジ小声で

「よし、普通に来たことにするぞ」


  チョウラン小声で

「了解です!!」



ジュダス

「いやバレてっから!!!」


チョウラン

「ひぃ!!!!」


ジジ

「や、やるじゃねぇか!!」


モンティ

「はぁ。

まぁ、あんだけ騒いでたら

人も来るわな。

とりあえず、俺のカバンはモンティーズ別世界マンション

話そうか。ナーベルク帝国の迎えが来る前に

捕まっても面白くねぇからな。」



そう言ってモンティ達は

次々と吸い込まれていった。

それと同時にピコンッと

メールが入ってきた。


モンティ

「ん?

何だ...えーっと

オルケイディアとレンゲイの連名だ。」


ジジ

「ん?メール?ここは電波...入るのか?」


モンティ

俺のカバンはモンティーズ別世界マンション

Hi-Wiヒイワイ完備だ。

しかもフリーパスのな。」



そして、各々のMangoroid マンゴロイド

メールの通知音が次々と鳴り響く。


チョウラン・ふみ子・ジジ・リナリア

「あっ」


モンティ

「ちょっと待っとけ。

今、見えるようにする。」



そう言うとモンティは指で

Pinphone パイナフォンを弾くと

地図が空中に映し出された。


モンティ

「ん?待て。添付がまだある。

これは...ボイスメールだ。」






機械音

((タッソ平原

ラミオラス帝国による襲撃。

タダちに全隊士帰還せよ。

繰り返す

タッソ平原

ラミオラス帝国による襲撃

タダちに全隊士帰還せよ。))



ジジ

「何!?タッソ平原!?

近くじゃねぇか!!!

モンティ!!外に出せ!!!」


リナリア

「タッソ平原なら

もしかしたら見えるかも!!」


ふみ子

「向こうで何が起こってんだい!」


チョウラン

「全隊士って...よほどですよ!」


モンティ

パチン指を鳴らす音

Δ強制退去デルタリダクト!!』



モンティが指を鳴らした瞬間

全員が強制的に外へと出された。


ふみ子

「チョウラン!!方角は!!」


チョウラン

「あっちです!!」


ジュダス

「こっちに丘がある!!」


ジジ

剋刃ゴクハ の三!!』


ジジ・リナリア・チョウラン・ふみ子

走疾ハシリバヤテ!!!』



ジジはジュダスを

ふみ子はモンティを掴んで

小高い丘へと駆け登っていった。


チョウラン

「見てください!!!!」



チョウランが指差した遠くの空が

赤黒く染まっていた。





リナリア

「...そんな!!!何が起こっーー」



すると空が一瞬輝き

ドーーーーンッッという轟音と共に

爆風がジジ達を襲った。


全員

「グッッッ!!!!」


チョウラン

「なんですかこれ!!」


ジジ

「しらねぇよ!!!!!!」


ふみ子

「何が起こって...る...んだい」



爆風が吹き止むと


タッソ平原上空には


巨大なキノコ曇が浮かび上がっていた。





ジュダス

「なんだ...これ」


リナリア

「そんな...ひどい」


ふみ子

「キノコ曇...それってまさか」


チョウラン

「ただの...爆発なんか...じゃない」


モンティ

「膨大なエネルギーが凝縮されて

放たれてるって事だ。」


ジジ

「どうなってやがんだ...」


ジュダス

「これが人のやる事...かよ!!」


リナリア

「何で空から...」


ふみ子

「分からない...」



チョウラン

「違います...空からなんかじゃない!!

あれは!!!!!」






モンティ

「宇宙からだ!!!!」



 (完)

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