40話 The Final Advent
前回までの
アキレイは数年前、ナーベルク帝国にある
ナーギィクントージャの村にて
唯一生き残った少年ワンダビーを救出する。
しかし、少年の身体は
灰色の蟲は少年の腕を徐々にむさぼっていき
数日間による懸命な治療も
全身を内側から
そして、
その蟲の正体は冥王軍副団長及び
冥王兵器軍ヒドラ所長でもあるサラセニアの
"
そして現在、
命を削る死闘の
遂に
サラセニアに対し発動した。
サラセニアも呼応する様に
サラセニア
「ガハッッ!!!!
ウグッ
いや、これが...
神の
ンフフフッ!!!ンフフフッッ!!!!
まだ私めにはこれがある事を忘れていませんか!?
我々
アキレイ
「真の...
サラセニア
「
我が神の
神よぉ!!!!!
我が身体に慈愛と尊厳をもたらしたまえ!!!!
『
機械音
ーー
ーーー
ーーー起動しますーーー
アキレイ
「させるか!!!!!」
サラセニア
『
アキレイ
『
作者 REN’sJackson
ー
猛烈な
アキレイの身体は紅蓮の炎に包まれ
次々と吹き荒れる熱風で岩やマグマが蒸発していく。
そして、
巨大な
アキレイはその中に飲み込まれていった。
一方、
灰色の竜巻きが巻き起こっていた。
サラセニア
「幼虫から
そして!!!
サラセニア!!オン!!ステージ!!!!!!」
サラセニアがそう叫ぶと
花が咲く様に竜巻きが割れ
その中からサラセニアが
竜巻きが割れたと同時に骨の残骸が
アキレイ
「これが真の
服も変わり触覚も...羽も生えただと...
まさか...これが鬼人化か!?」
サラセニア
「ンノンノンノンノンノーン!!
私めは只今より王となり頂点となる。
まさに私めに相応しい姿!!!
そう!!
そして!!!!舞台は終幕です。」
アキレイ
「ふざけるな。言っただろ。
貴様を殺す準備は整ったと!!!
ウォォォォオ!!!!!!!!!」
燃え盛る
次々とサラセニアに襲い掛かった。
サラセニア
「これが
まさに
ガサゴソと足場に広がる骨の山から
5メートルほどの巨大な虫たちが出現した。
アキレイ
「
なっ!?燃えないだと!?」
サラセニア
「ンフフフッッンフフフッッ!!
先ほど、
閉じ込めた際にデータは採らせて頂きましたよ?
アキレイ
「なんだと!?
サラセニア
「ンフフフッッ。
私の
相手のデータに基づき具象化するのです。
よって!!!
その炎の抗体を作らさせてもらいました。
故に!!!!!
その炎には耐性があるのですよ!!
さぁ!!!やるのです!!!」
アキレイ
「
掻き消えろ!!!」
『
連なる炎の塊が八頭の
一気に吐き出された。
サラセニア
「ンフフフ!!!まだまだまだまだ!!!」
巨大な虫は火炎の玉を
真っ直ぐアキレイの元へと向かっていった。
アキレイ
「押し切る!!!!
ウォォォォオ!!!!!!!」
アキレイは
火炎の衝撃で押しのけて行った。
アキレイ
「無限に上がり続ける温度に
お前が焼き尽くされるのが先か
どちらか一つ!!!!!
消えろ!!サラセニア!!!!」
サラセニア
「グッ!!!なんて炎!!!!
このままでは本当に
焼き尽くされてしまいますね!!!」
アキレイ
『
サラセニア
「ウグッ!!火炎放射か!!!
どの技も通常時より遥かに威力が増している!!
サラセニアが叫ぶと
巨大な虫がゴロゴロと転がり
サラセニアに覆いかぶさった。
アキレイ
「なるほど...今、防いだな?
防いだという事は
貴様は完璧な抗体など手にしていない!!
このまま畳み掛ける!!!!」
アキレイは4体の虫に1頭ずつの火炎を浴びせ
残りを全てサラセニアを守る虫に向けた。
サラセニア
「アガッ...なんて熱量!!!
酸素が...蒸発していく!!!!
ビリビリ...ボボボボーーーイ!!!!」
アキレイ
「虫が丸まって逃げただと!?
グッ!!!待て!!!サラセッッ!!
なん...だと?」
この時、アキレイは自身の目を疑った。
何故なら、
侵入してくる者がいたからだ。
アキレイ
「俺だと!?」
サラセニア
「ンフフフッッンフフフッッ
言ったでしょう?
データは採らせてもらいましたと。
容姿も骨格も再現度は忠実
でも、
私めの美意識に反するので変えさせて頂きました。
それにややこしいですからね!
同じ声が反響するのは!!ンフフフッッ」
アキレイ
「ふざけるな!!!!
俺はそんな訳のわからん顔も
髪もしていない!!」
サラセニア
「この芸術的フォルムを
常人たるあなたには理解できないでしょう!!
見せてやりなさい!!!」
『
「ウォォォォオ!!!!!!」
アキレイ
「何!?...この
まさか!!!!!!ありえん!!!
させるかぁああ!!!!!!!」
アキレイは一頭の
サラセニア
「させませんよ。」
アキレイ
「グッ!!!サラセニアァァァア!!!」
サラセニア自身も
アキレイに殴りかかった。
アキレイ
「ガッハ!!!
見た目に反して力が増したかサラセニア!!
だが
火炎の
サラセニアに斬りつけようとしたその瞬間
『
アキレイ
「何!?」
サラセニア
「アガッ!!」
突如、ドーーーーンッと
アキレイ
「ありえん...
この
サラセニア
「ンフフフッッ
何を驚いているのですか?
何度も言わせないで下さい。
私めの
相手のデータに基づき具象化するのです。
もちろん
例外なわけないでしょー?」
アキレイ
「こんな事が...あるのか...
「貴様はここで吹っ飛べ。千刃花」
『
アキレイ
「グッ!!まずい!!!!!」
『
アキレイは16枚の炎の壁で防いだ。
サラセニア
「私達もいますよ?
防壁の裏側に回り込まれたアキレイは
巨大な5匹の虫と空を飛ぶサラセニアに挟まれた。
サラセニア
「引きずり出します!!!」
突入してくるサラセニアと巨大な虫たち。
徐々に
サラセニアは顔を
アキレイに襲い掛かった。
「サラセニア!!!こっちは任せろ!!」
サラセニア
「生意気...ですよ!!アキレイの分際で!!」
アキレイ
「グッ!!!ややこしい!!!」
サラセニア
「アイヤイヤイヤイヤイヤイヤー!!!!」
アキレイ
「クソッッ!!邪魔だぁ!!虫ケラ共ォオ!!」
『
サラセニア
「また飛ぶ炎の斬撃ですか!!」
『
アキレイ
「偽物の炎にこの防壁は破れん!!
燃え盛れ!!
八つに分裂した炎の斬撃は
サラセニアと虫たちに直撃し
16も立ちはだかる防壁は更に燃え上がった。
サラセニア
「ガハッ!!!」
「もらったぁああ!!」
アキレイ
「何!?グァァァア!!!!」
アキレイの
アキレイの腕を
アキレイ
「ガッッッ」
サラセニア
「喰らい尽くしなさい!!
これが最後の
アキレイ
「させる...か!!アガッッッ!!」
その隙を見逃さなかった虫たちは
アキレイに襲い掛かった。
アキレイ
「グッ!!
ウォォォォオ!!!
さばき...きれん!!!!!!」
アキレイは
サラセニア、
ギリギリの中で受けていた。
斬り裂かなければ燃焼できない
5匹の虫は硬い表皮で弾いていった。
「オラァ!!」
「アイヤァ!!!」
「ドォオァ!!!」
「ウラァ!!」
「アイヤアイヤァ!!!」
「オラァ!!!」
「ゴォッラ!!!!」
「ボボボーイ!!!!!」
「ウォォオ!!!」
「ンヌっ!!!!!」
「ソイヤッ!!!」
「オラオラオラッ!!!」
「アリャ!!!!」
「ホタッ!!!」
「ザダダダダ!!」
「ヌオオオオオオ!」
「ソイヤッサー!!」
「ドドドドォオ!!!」
「グッ!!」
「テイテイテイ!!!」
「テェゴオオオオシ!!!」
「ウラウラウラウラ!!!」
「ピーヤピーヤ!!!!!」
「テイヤァ!!!!!!」
「ギヤットォオオ!」
「ヲワタァアッ!!!」
「
サラセニア
「アキレェェエエエエイ!!!」
アキレイ
「ガハッ!!!!!!!」
「ウォォォォオ!!!!
『
アキレイ
「ガッッ!!ゴホッゴホッゴホッゴホッ!!」
アキレイの腹を撃ち抜くと
ドサッとアキレイは膝をついた。
アキレイ
「ガハッ!!まず...い」
サラセニア
「やりなさい!!」
サラセニアの言葉に呼応し
虫たちがアキレイに襲い掛かる。
アキレイ
「ウォォォォオ!!!!!!
舐めるなぁあ!!!!!!!!!」
『
「何!?」
アキレイは
燃え上がらせるとギリギリまで引き寄せて
五体の虫に直接斬撃を浴びせた。
すると、斬り付けられた虫たちは燃え上がり
次々と破裂していった。
サラセニア
「おのれぇええええ!!アキレイ!!!」
アキレイ
「ウグッ...
俺の斬撃を喰らって無事だと思うな!!
何が
笑わせるな!!!!!!
所詮は二番煎じの真似事!!
さぁ...来い!!サラセニア!!
お前ら全員!!!
すると、サラセニアはプスプスと
焼け焦げていく我が身を見て顔を歪(ユガ)ませ
サラセニア
「グッ!!
我々もそろそろまずいですよ!!
一度、
離れます!!!!!」
「なんでだ!!このまま押し切る!!!」
サラセニア
「うるさいビリビリボーイ!!ですね!!」
「何をする!!!!」
サラセニアは
((はぁ...はぁ...はぁ...
解くわけには...いかない...が...
このまま中にいては俺も...燃え尽きてしまう...
まずい...
神の力に...対抗するとは...一体どんな兵器なんだ...
あまりにも強大過ぎる...))
ーーサラセニアサイドーー
アキレイの
攻防を繰り広げている一方で
息も絶え絶え話していた。
サラセニア
「グッ...流石にこのままではまずいですね...
すでに常人では...生きていけない温度です。
抗体が無ければ死んでしまうほどに強烈...
これほどまでに...
強大だとは予想外でした。
それに、
圧倒的にアキレイが有利です...
とにかく奴を引きずり出さねば...」
「俺が行く。お前は休んでいろ。」
サラセニア
「ンフフフッッ...聞いていましたか?
すでに
命がけなんですよ。
溶けて塞がってしまっています。
このままでは何をしようとも
まずいですねぇ。
手を打たなければ。」
「俺なら大丈夫だ。
サラセニア
「どんなに火炎が意味をなさなくても
酸素が無くなれば死にます。
酸素...。そうです!!
開ければ紅蓮地獄の空気を取り入れられますね。
少しはマシになるでしょう。」
「なら俺がいく。」
そう言って
サラセニア
「待ちなさい。そっちは
「そうか。ならば!!」
「そっちは行き止まりですよ。
モンティに頼んで開けてもらいますから
あなたはアキレイに集中するのです。」
「分かった。」
サラセニア
「...アキレイの方向音痴まで
取り込んでしまいましたか...
この
コピーしてしまうのが良くないですね。
次回は調整しましょう...」
「サラセニア...奴の
サラセニアは聞く耳を持たず
おもむろに
サラセニア
「あーー。聞こえますか?モンティ副所長?
ただちに開けなさい。
このままでは
壊れてーーーーあっ」
サラセニアの
するとすぐに勢い良く風が
吹き抜ける。
「なんだこの突風は!!!グッ!!」
更にバチバチと空気中に電気が走った。
サラセニア
「モンティがやってくれました。
一気に
これより
少々荒れますよ。」
「なんだと!?」
ーーアキレイサイドーー
アキレイは走馬灯の様に
少年ワンダビーとの過去を思い出していた。
その度に悔しさが滲み、拳が震える。
あの
アキレイ
「ワンダビー。
お前の無念は俺が今日、晴らす!!!
例えこの身が業火に呑まれようとも
サラセニアだけは!!!!
絶対に許さん!!!!!!!
俺に力を貸してくれ!!!!!!
奴らを倒す!!力を!!!!!!
俺に!!!!!!!!」
すると、
火炎が更に燃え盛りアキレイを包み込むと
アキレイはゆっくり立ち上がった。
アキレイ
「ぁあ。分かってる。
恩に着るぞ。
この命!!無駄にはせん!!!!!!!」
『
アキレイはそう叫ぶと
自身の傷を治癒の炎で癒し、一気に走り出した。
アキレイ
「行くぞ。
「来るぞ。」
サラセニア
「更に...
温度が上がりましたか...しかし!!
勝つのは私めです!!!
あの少年の様に喰らい尽くしてあげますよ!!
「燃え盛れ!!!
な...何!?!?!?
炎が吸収されていく!?」
サラセニア
「なんだ...これは...
全ての熱がアキレイに集まっていく...
これは一体...」
熱という熱がアキレイに集まっていく。
『
「何!?炎が!!!!!!」
サラセニア
「何をした...
何をしたのですか!!アキレイ!!」
「ハァーーーーーーーーーーー。」
アキレイ
「
一度も無かった。
だが、先のペチュニア との闘いで
はっきりと分かった。
貴様ら相手に加減など無用だとな。」
サラセニア
「これは......」
サラセニアは空中をタップし
データがボワンッと展開された。
データのメモリは赤く振り切り
警告音が
サラセニア
「こ、こ、この温度...まだ上がるのですか...」
「なんだ?どうした?」
サラセニア
「み、見たことが...ない!!!!
こんなもの!!!!!!
何なんだ!!!!!!!!!
この温度は何なんだ!!!!!!!!」
「見せてみろ!!!!」
そこにはこう書いてあった。
6000℃
サラセニア
「これはまさに...太陽」
「フン。抗体がある俺達には関係ない!!」
すると、
サラセニア
「やめなさい!!!!
その抗体はまだ作れていません!!
アキレイに近づいては!!!」
「ウォォォォオ!!!!!!!!
燃え盛れ!!!クレナーーーーー」
サラセニア
「...やはり」
アキレイ
「サラセニア。
最後に問おう。
何故、ナーギィクントージャを襲った。」
サラセニア
「
ンフフフッッ。
我が神の
アキレイ
「そんな下らない事で
村を!!無実の人々を!!
お前は襲ったのか!!」
サラセニア
「下らないと?
あなたには下らないかもしれない。
しかし!!!私めにはそれが絶対なのです!!
神話の時代!!創造神を殺す為に
他の神を率いて戦ったのは
紛れもなく
信仰するなどもっての他!!!!大罪です!!」
アキレイ
「...狂信者が。
それは...まやかしだ!!!!!」
サラセニア
「私めを...狂信者だと!?
ふざけるなぁあ!!!この悪党がぁあ!!
私めは立派な信徒!!!!!!!
それを!!!それをぉぉおお!!!!
許されない!!
許されない!!!
ゆるゆるゆるゆるゆるゆる許されない!!!」
アキレイ
「
他の神を率いてもいなければ
創造神を殺したわけでもない!!!!」
サラセニア
「嘘だぁ!!!!!!
それこそ騙されている!!!!
貴様は
アキレイ
「お前らラミオラスが利用している
創造神を殺した神々だ!!!」
サラセニア
「貴様の言葉など信じるはずもない!!
この異教徒が!!!!!!!!
狂信者が!!!!!!!
この大悪党が!!!!!!!!!
ふざけるなぁ!!ふざけるなぁ!!!
異教徒を殺して何が悪い!!!
全ての元凶は
私めは!!!
あの少年ワンダビーを教えから救ったまで!!
全ては
今日この日の為!!!!!!」
アキレイ
「黙れ!!!!!!!
お前が!!ワンダビーの名を!!!
汚い口から発するな!!
お前は!!あの子の未来を!!!!!
希望を!!!!!夢を!!奪った!!!!!
全てを奪ったんだ!!!!!!!」
サラセニア
「たかだか子供1人の命。
世界の破滅の元凶がぬけぬけと言いますねぇ!!
そんなに逢いたければ!!
この私が送ってあげますよ!!
ワンダビーとやらガキの所まで!!今すぐに!!
これで幕引きです!!!
「滅びろ!!!サラセニアァァァア!!!
アキレイは空中へと飛び上がり
自身の
100mを優に超える巨大な炎の
一気にサラセニアへと振り下ろした。
アキレイ
「ウォォォォオ!!!!!!!!!」
サラセニア
「なんだ...その炎は...
なんですか!!!!その炎は!!!
おのれぇええええ!!!!!!
アキレェェエエエエイ!!!」
アキレイ
『
作者 REN’sJackson
ー
おまけ
((
私が出会った
ただ...ただ...
なんと、汚いガキ。そして、
ソープワイト
「随分と
片目を眼帯で隠し、もう片方の目は
レンズ越しに
スズーラ
「
すると、
大きな数珠をジャラジャラと鳴らしながら
一歩前へ出て少年の顔を見た。
スズーラ
「なんだこのガキ...まさか...コイツが例の...」
ソープワイト
「どうだろうね。最近やたらと破棄したゴミが
次々と消えていくとの報告だったが...
それにしてもガキも汚ければココも汚いね」
スズーラ
「申し訳ありません!!
ソープワイト
「全くだよ副団長。
ゴミの掃除はいつやるんだね?
いつの間にかこんなにも
ゴミが増えてるじゃあないか!!
木を隠すなら森の中とは言っても
限度がある事くらい分からんのかね!?
今すぐ片付けろ!!!!」
スズーラ
「ハッ!!!!ただちに!!」
ガレキの山、鉄のクズ、街中から集められたゴミ
ここは機械大国メタラニアの中でも最も貧しく
潮風が吹き抜ける
その街外れにはソープワイトが所有する
現代においてメタラニア原産の
安価で鉄の密度も高く
漆黒と
当時はただのゴミだった。
ソープワイト
「何をしているんだね!?」
スズーラ
「お前達!!何をしている!!
そのガキ
スズーラは部下にそう言うと
アゴで
部下達は慌てて少年を引きずり出そうとするも
ガガガガガと漆黒のガレキの山が音を立てて
崩れ始めた。
サラセニア
「グッ」
スズーラ
「な、なんだこれは!!」
ソープワイト
「ほぉ。面白いじゃあないか。」
スズーラ
「
この機械はまさか...
破棄したものですか!?」
ソープワイト
「ただの機械じゃあない。
よく見るんだよバカが。
これは...機械兵器だよ」
スズーラ
「グッ!!戦闘態勢!!!
気を抜くな!!!こちらに銃口を向けている!!
全隊!!構え!!!!!!」
剥き出しの殺意をソープワイトに向ける少年は
ヨロヨロと立ち上がり息も絶え絶えに呟いた。
サラセニア
「殺せ」
ソープワイトの部下達が武器を取り出そうとすると
ソープワイトがそれを制止した。
スズーラ
「
『『
機械音
ーー
ーーー
ーーー起動しますーーー
スズーラの背中から巨大な
グルグルと身体を
突然、その
サラセニア
「なんだ...その鎧は...」
スズーラ
「いけ!!
『
身体を高速回転させ、次々と
スズーラ
「ゲハッハッハッ!!!
そんな機械など我が
「アイヤイヤイヤイヤイヤイヤー」
サラセニアは重機関銃を取り出し
スズーラに向けて撃った。
スズーラ
「ガハッ!!!!なんだ...この銃弾は...」
ソープワイト
「
スズーラ
「ガハッッッ!!この...ガキが!!!!」
「待ちたまえ。」
スズーラ
「な!?く、
ソープワイト
「手を出すんじゃあない。
面白いガキじゃあないか。
常人よりも高い硬度を誇る。が。
それを撃ち抜いたんだ。ヌフフフッッ」
スズーラ
「しかし!!!!」
ソープワイト
「バカかね!!
ろくに使いこなせんお前の出る幕は無いと
言っているんだよ!!!
誰しもが適合出来る様に作ってはいるが
シンクロ率が未だに48%などアクビが出るよ。
どんなに優秀な兵器でも
使い手によってゴミとなる良い例だ。
下がれ!!」
スズーラ
「ウグッ!!!も、申し訳ありません。」
ソープワイト
「さて。名も知らぬガキ。
せっかくだ。この私が直々に相手してやろう。」
サラセニア
「死ねぇえええええ」
少年の叫び声と共に漆黒の機械兵器が
ソープワイトに襲い掛かった。
ーー2分後ーー
ソープワイト
「ーーーで。こんなものかね?」
崩れた機械兵器と血に染まる少年が横たわっていた。
ソープワイト
「この私が...聞いているんだよ。
答え!!ろ!!!この!!!ガキ!!!」
倒れた少年を何度も踏み潰した。
「アガッ!!ガハッ!!ウグッ!!」
ソープワイト
「生意気!!な!!この!!ガキ!!
一体!!誰に!!向かって!!
こんな事を!!しているの!!かね!!
ふざけた!!ガキだよ!!全く!!!」
サラセニア
「ガハッッッ!!!!」
すると、ソープワイトは少年の髪をグッと掴んだ。
サラセニア
「グッ...その
ソープワイト
「こんなものかね?
お前が作った機械兵器は」
その言葉に部下たちは
どよめいていた。
スズーラ
「まさか...このガキがこの機械兵器を...
もし、そうだとしたらーーー」
「黙れ。スズーラ
私はこのガキに聞いているんだよ。
それで?どうなんだね?」
サラセニア
「離せ...」
ソープワイト
「否定しない。か。
ここの鉄クズから作ったのかね?
...見た所、ここまで光を反射しない鉄は初めてだよ。
貴様が作ったのかね?」
しかし、少年は気を失っていた。
ソープワイト
「スズーラ。このガキを連れて行く。
それとここにある鉄クズを全て持っていくよ。」
そう言うと部下たちは
次々に飛行戦闘
鉄クズを乗せていった。
スズーラ
「これより!!
ラミオラス帝国へと帰還する!!」
ソープワイト
「ヌフフフッッ。
真意を確かめる為に
久々に立ち寄ってみたが...
良い拾い物をしたよ。」
ーー3時間後ーー
ここはラミオラス帝国の北に位置する
ソープワイト領土"グウェイ
ソープワイトを
ラミオラス帝国に属する小国である。
常に空は薄暗い
日中でも太陽が沈んでおり、太陽の光が届かない
一風変わった島である。
島の真ん中には巨大な屋敷があり
玉座の間にはソープワイトが鎮座し
その脇にはスズーラ、
少し離れた真ん中には
小綺麗な少年が座っていた。
ソープワイト
「汚いガキを上げるわけないじゃあないか。」
スズーラ
「
ソープワイト
「話しは後だよ。」
ソープワイトがひと睨みすると
豪華な食事がありったけ運ばれてきた。
サラセニア
「これは...」
ソープワイト
「
ダニだらけじゃあないか。
ある程度は治療したが空腹は飯を食う以外
どうにも出来んのだよ。」
サラセニア
「神よ......」
「ハグっモグ!!ガフッ!!!ハゴッッ」
少年は涙を流しながら
豪華な食事を頬張った。
スズーラ
「なんと下品な食べ方。」
ソープワイト
「下品な
スズーラ
「も、申し訳ありません!!」
ソープワイト
「それよりもスズーラ。あそこのガラクタは
鉄のスクラップや壊れた機器が
捨てられていたはず。」
スズーラ
「はい。間違いなくそのハズです。
ソープワイト
「と言うことは
私が"壊れた"と判断したゴミしかなかったはずだ。
それをこのガキはそのゴミクズから
あの兵器を作ったという訳だね。」
スズーラ
「本当にそうでしょうか...。
私には到底そのような事が出来る者には
見えないのですが...」
ソープワイト
「確かに不完全かつゴミのような兵器だが
あのガキの命令を確かに聞いていた。」
スズーラ
「それは...本当ですか!?」
ソープワイト
「ぁあ。間違いなく"天才"というやつだよ。」
サラセニア
「
生き返りましたーー!!!!」
スズーラ
「下劣なガキめ。
まずは名を名乗れ!!!」
少年はバンッッと立ち上がると
クルクル周りながら挨拶をした。
サラセニア
「私は、サラセニア=サッチェ=スニッチと
申します。以後お見知りおきを。」
スズーラ
「
ソープワイト
「黙れスズーラ。」
スズーラ
「ハッ!!!」
ソープワイト
「では聞こうじゃあないか。
どうやって鉄の硬度を上げ、兵器を作ったか。
それと...貴様から漂う血の匂いの訳を。」
スズーラ
「血の...匂い...」
すると、サラセニアはこれまでの経緯を全て話した。
教会からの出来事、発明が好きという事
心が躍り住みついてしまった事
全ては神の
ーー2時間後ーー
ソープワイト
「なるほど...よく喋るガキだ。」
スズーラ
「いかがしますか
すぐにでも私が殺しますが。」
ソープワイト
「いや、面白いじゃあないか。
サラセニア!!身寄りのないお前を
我が屋敷に住まわせてやる。
好きなだけ機械をいじるがいい。
制限などない。
実験したければ
好きに使いたまえ。
今日からここが貴様の
サラセニア
「ここが私めの...
ありがたき幸せ!!!!!」
スズーラ
「
それは本気ですか!?!?」
ソープワイト
「フン。貴様より役に立つだろう。」
スズーラ
「グッ...サラセニア...」
ーー数年後ーー
ヒドラ軍事科学研究所本部にて
サラセニアは少年から青年へと変わり
ソープワイトの立派な右腕へと成長していた。
サラセニア
「ビリビリボーイ、ビリビリボーイ
ビリビリボーイ、ビリビリボーイ
ビリビリボーイ、ビリビリボーイ
ワチュガナドゥッ!
ワチュガナドゥ!!ヘッ!!
ビリビリボーイ、ビリビリボーイ
ビリビリボーイ、ビリビリボーイ
ビリビリボーイ、ビリビリボーイ
ワチュガナドゥッ!
ワチュガナドゥ!!ヘッ!!」
ソープワイト
「歌ってないで作業したまえ!!!」
サラセニア
「
その回路にはこれですよ!!
それではないのです!!!!」
ソープワイト
「ほぉ。言うようになったじゃあないか!!」
サラセニア
「
兵器とはオブジェ!!オブジェとは愛!!
愛とは芸術!!!!芸術とはーー」
「全く、死にかけてたガキが
生意気な口を訊くようになったものだね。」
サラセニア
「
私めは今や冥王兵器軍ヒドラ二代目所長!!
更に更にと高めていくのです!!
そして!!私めなら高められるのです!!」
ソープワイト
「サラセニア!!貴様のせいで
所内が何度、爆発したと思っているんだね!!
所長としての能力を疑いかねんよ!全く。」
「はい?
よく聞こえないです!!
ソープワイト
「私の声が聞こえないだ...と?サラセーーー」
ドーーンッと巨大な爆発が起きた。
スズーラ
「
お怪我は!!
するとスズーラが前の扉から現れ
ソープワイトに駆け寄った。
スズーラ
「
スズーラ
「お怪ーーーアガッ」
サラセニアは突然スズーラの首を掴んだ。
サラセニア
「ンフフフッッ。
もう飽きました...スズーラ副団長」
スズーラ
「アガッッ!!離...せ!!サラセ...ニア...
これは...命令だ!!」
サラセニア
「命令??ンフフフッッ。無視!!!
そんなことより!!スズーラ副団長
前々からお聞きしたい事がありました。
これまで数々の爆発がありましたが
あんな頻繁に爆発が起こるはずがない。
そうでしょ?」
スズーラ
「アガッ。」
ソープワイト
「...どう言う事だね。」
スズーラ
「
これは...軍法違反で...す!!」
サラセニア
「簡単な事ですよ。
単純に兵器の設計図をスズーラが手に入れ
爆発する様に細工する。
爆発程度では死にません。
目的は複数回の爆発による施設の損害と
その責任を負って所長としての失脚。
そして、
そうでしょ?ねぇ?スズーラ?」
スズーラ
「アガッッッ...濡れ衣だ!!」
サラセニア
「頭の悪いスズーラ副団長がしそうな事ですね。
中途半端な覚悟だからダメなんです。
その爆発によって所員を皆殺しにするくらいの
覚悟が無ければ意味がないですよ?
ンフフフッッンフフフッッ」
スズーラ
「
誓って!!私では...ない!!」
サラセニア
「どうやったって刺激と
サディズムが足りないんですよ。
こんなもの...何年も何年も何年もかけた
可愛い嫌がらせに過ぎません。」
ソープワイト
「...本当かね?」
スズーラ
「信じて...くだ...さい
サラセニア
「ぁあ。神よ。この哀れな子豚を救いたまえ。」
スズーラ
「アガッ!!」
サラセニア
「よほど、自分の地位を私に奪われた事に
ご立腹しているのだと思い
雑魚は雑魚らしく泳がせて見逃して来ましたが
あなたのお遊びはこれにて終いですよ。」
ソープワイト
「信じろと言ったな?スズーラ。
私に向かって信じろと言う事がどう言う事か
分からない貴様ではないだろ?え?スズーラ。」
スズーラ
「
サラセニア
「設備爆破の被害額は巨額ですよ?
払いますか?
それともここで殺して差し上げましょうか?」
スズーラ
「申し訳...ありません...
私はただ...あなたの...おそばに...
居たかっただけ...」
ソープワイト
「フン。私は貴様に興味はない。
だが、長年仕えてきた
サラセニア!!この豚を
サラセニアはスズーラの首を離して
地面に叩きつけた。
スズーラ
「ウグッ!!!」
サラセニア
「ンフフフッッ。
流石は
ラミオラス帝国の敷地内で
副団長を殺しては
またそれは別の問題ですからねぇ。」
スズーラ
「嫌だ...やめて下さい!!」
サラセニア
「殺されないだけマシですよ?スズーラ?
それに、
看守長にさえなればいいのです。
もし、なれなければ...
あなたは
エリカ地獄行きですよ。」
スズーラ
「エリカ地獄......嫌だ!!嫌だ!!!!!
どうか!!あそこだけは!!!!
どうか御慈悲を!!!御慈悲をぉお!!」
ソープワイト
「言っただろ?貴様になど興味がない。と。
無理矢理外すと死んでしまうからね。
副団長を死刑にするにしても
私が面倒な処理をするだけだよ。
お前が看守長に挑み死んだ時か
エリカに殺された時にでも回収するよ。
早く死にたまえ。」
スズーラ
「そんな!!!
私は!!長年!!
それなのに
サラセニア!!サラセニア!!サラセニアと!!
私ばかりを
何故ですか!?何故ですか!!
するとソープワイトはゆっくりと
スズーラに近づいた。
「アガッ!!ウグッ!!ガハッ!!ガッ!!」
ソープワイト
「ヌフフフフフッ。
面白い事を!!言う豚だよ!!
貴様の事など!!!!
初めから!!何も変わっていないのに!!
何故!!そんな事を言うのかね!?
まるで!!サラセニアが来たから!!
みたいな口を聞くのはやめたまえよ!!!」
スズーラ
「アガッ」
ソープワイト
「サラセニア!!!!」
サラセニア
「はい
爆発に巻き込まれた事にして殺しましょうか?」
ソープワイト
「書類にサインするのが何倍にも増える。」
サラセニア
「かしこまりました。」
サラセニアは気を失ったスズーラを抱えて
扉へと向かっていた。
ソープワイト
「サラセニア。」
サラセニア
「はい
ソープワイト
「女性所員を複数回強姦した罪も付け加えておけ」
サラセニア
「それは名案ですね!
その日の夜、グウェイ
酒を交わすサラセニアとソープワイトがいた。
ソープワイト
「サラセニア。
私はお前を副団長にすると
ロージアに伝えてきた。」
サラセニア
「なんと!?
私めで...私めで良いのですか!?」
ソープワイト
「私が決めたんだ。
何か問題でもあるのかね!?」
サラセニア
「
つまり!!それは神への誓い!!
絶対なのです!!」
ソープワイト
「今思えば...あの日から
ラミオラス帝国は変わった。
私の超科学とサラセニアの発明が合わさり
全ての機械が発展し
ナーベルクにさえ引けを取らない軍事力を誇った。」
サラセニア
「私めと
世界さえも
ソープワイト
「フン。生意気なガキだよ。
そういう
何も変わっていないじゃあないか。」
サラセニア
「今の私めは
あの日の
私めは感謝と祈りの日々でございます!!」
ソープワイト
「育てた?
いつ私がお前を育てたんだね?」
サラセニア
「
幼き私に衣食住だけでなく
知識と知恵を与えて下さいました。
それを育てたと言っても何らおかしくもありません。
するとソープワイトは陽気に笑った。
ソープワイト
「ヌフフフフフッ
貴様はバカかね!?
なんとも気味が悪い奴だよ。
反吐が出る!!!!!
相変わらず
ヌフフフフフッ。」
サラセニア
「ンフフフッッ。
反吐が出るほどの親愛でございます」
互いに酔いが回り始め
ソープワイトはゆっくりと口を開いた。
ソープワイト
「いいかね。お前はこの先、私のためだけに働き
私のためだけに死ね。」
サラセニア
「
それはまさにブラック企業ですねぇ!!
ンフフフッッ」
ソープワイト
「...サラセニア
私はあの日、お前を
実際は違った。
お前は
お前は誰よりも
誰よりも、何よりも
全く...私の中枢神経が情念と
とっくに殺していた所だよ」
そして夜が
ソープワイトは酒のせいかその場で寝てしまった。
サラセニアはソープワイトが風邪をひかぬよう
そっとブランケットをかけて呟いた。
サラセニア
「出会ったあの日から
私めの命は全て
ーーそして現在ーー
正面から受けたサラセニアは
灼熱の炎に包まれゆっくりと倒れた。
サラセニア
「ゴハッッ」
そして、霞んでいくその視界の中で
何かを見ていた。
白く、
サラセニア
「あれは...」
((ぁあ。神の
なんとお美しい姿でしょうか...
やっとお会い...できました...やっと...
ぁあ。神よ...
屈した私めを...許し...たまえ...
神よ...私めは...今日...ココで...))
すると視界がゆっくりと
そこに立っていたのは
ソープワイトだった。
((...
あなたと...出会って...私めの世界は...変わりました。
今...こうして思えば...
私めの心を...支えていたのは..神では..なく...
...
そう...出会えたあの日から...))
燃え盛る業火の中、サラセニアは
ソープワイトと初めて
思い出していた。
((死神...
私めを迎えにでも来たのだろうか。
いっそ、死んでしまえば
空腹に苦しむ事も寒さに震える事もない。
だが、私めはまだ死にたくない。
それにしても...
何故、微笑みかけるのですか?
死神なのに何故あなたは
そんなにも美しいのですか?))
ーーそして現在ーー
斬り付けられた箇所から
ブワッと勢い良く火炎が吹き出し
肉体は更に更にと燃え上がる。
サラセニアは震える身体を抑えながら
最後の力を振り絞り立ち上がろうとしたが
それは叶わなかった。
サラセニア
「ガハッッッ」
((私めは...確かに...
しかしそれは...思い返してみれば
だから...私めは...あの日誓ったのです。))
アキレイ
「まだ、息があるとはな...
だがその灯火もすぐに消える。」
((私めの...命は...全...て...
焼き焦げた肉体は、もはや力さえ入らず
サラセニアは微笑みながら崩れ落ちていった。
アキレイ
「さらばだ。サラセニア」
(完)
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