40話 The Final Advent

前回までの千刃花センジンカ〜帝国特務テイコクトクム戦闘部隊〜セントウブタイ


アキレイは数年前、ナーベルク帝国にある

ナーギィクントージャの村にて

唯一生き残った少年ワンダビーを救出する。

しかし、少年の身体は

得体エタイの知れない灰色の蟲にオカされていた。

灰色の蟲は少年の腕を徐々にむさぼっていき

数日間による懸命な治療もムナしく

全身を内側からムシバまれ命を落とした。

そして、煉獄レンゴク 冥府大監獄ゲヘナプリズン 左獄処刑場ソドムにて

その蟲の正体は冥王軍副団長及び

冥王兵器軍ヒドラ所長でもあるサラセニアの

対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ兵器

"弔蟲アハズーヤ 天獄ヴェゼヴゥヴゥ"による攻撃だった事を知る。

そして現在、

命を削る死闘の最中サナカ

遂に鞘花ショウカの奥義 千年万花センネンバンカ

サラセニアに対し発動した。

サラセニアも呼応する様に

神滅適合者ラグナロクの奥義 最大輪マキシマを発動するのであった。



サラセニア

「ガハッッ!!!!

ウグッ成金ナリキンの...

いや、これが...

神のサヤをその身に宿した火炎の鞘花ショウカアキレイ...

ンフフフッ!!!ンフフフッッ!!!!

まだ私めにはこれがある事を忘れていませんか!?

我々神滅適合者ラグナロクの真の能力チカラですよぉ!!!!」


アキレイ

「真の...能力チカラだと...!?」


サラセニア

トクと!!!ご覧あれ!!!!!

我が神の大敵タイテキ!!!

紅大蛇クレナイオロチィィイ!!!!!

神よぉ!!!!!

我が身体に慈愛と尊厳をもたらしたまえ!!!!

最大輪マキシマ!!!!!!』



機械音

ーー声紋セイモン認証 完了ーー

ーーー対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ兵器ヘイキ神滅シヴァーーー

ーーー起動しますーーー


アキレイ

「させるか!!!!!」


サラセニア

六ノ蟲マタイ•蠱毒ノ晩餐ウルティマチーナ!!』



アキレイ

千年焔センネンホムラ八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミ!!』



作者 REN’sJackson

千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

煉獄レンゴク 冥府ゲヘナ大監獄プリズン

Seasonシーズン23 トゥエンティスリー

The Finalファイナル Adventヴェント



猛烈な刃汽ジンキ左獄処刑場ソドムを包む。

アキレイの身体は紅蓮の炎に包まれ

次々と吹き荒れる熱風で岩やマグマが蒸発していく。

そして、煉獄レンゴク 冥府大監獄ゲヘナプリズン

巨大な八岐大蛇ヤマタノオロチが出現し

アキレイはその中に飲み込まれていった。



一方、神滅兵器シヴァを解放し

最大輪マキシマを発動したサラセニアの周囲は

灰色の竜巻きが巻き起こっていた。


サラセニア

「幼虫からサナギへ!!!

そして!!!サナギから王へ!!!

サラセニア!!オン!!ステージ!!!!!!」



サラセニアがそう叫ぶと

花が咲く様に竜巻きが割れ

その中からサラセニアが異形イギョウの姿となって現れた。



竜巻きが割れたと同時に骨の残骸が

左獄処刑場ソドム全体の足場へと波の様に広がっていく。


アキレイ

「これが真の能力チカラ...

服も変わり触覚も...羽も生えただと...

まさか...これが鬼人化か!?」


サラセニア

「ンノンノンノンノンノーン!!

私めは只今より王となり頂点となる。

まさに私めに相応しい姿!!!

そう!!最大輪マキシマ!!

そして!!!!舞台は終幕です。」


アキレイ

「ふざけるな。言っただろ。

貴様を殺す準備は整ったと!!!

ウォォォォオ!!!!!!!!!」



燃え盛る千年焔センネンホムラ八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミ

次々とサラセニアに襲い掛かった。


サラセニア

「これが千年万花センネンバンカ...

まさに荘厳ソウゴンですねぇ...だが!!その炎さえも届きません!!パチン指を鳴らす音

でよ!!!!

一ノ蟲•喰玉アンデーレ!!

ニノ蟲•鎧百足ヤコバアルフェイノォ!!

三ノ蟲・獄虫牢ヨハネダカーポ!!

四ノ蟲・虫々劣射ゼベダイトヤコブ!!

五ノ蟲・盾塊虫フィリポフィリポーノ!!」



ガサゴソと足場に広がる骨の山から

5メートルほどの巨大な虫たちが出現した。


アキレイ

消炭ケシズミと化せ!!!

なっ!?燃えないだと!?」


サラセニア

「ンフフフッッンフフフッッ!!

先ほど、三ノ蟲・獄虫牢ヨハネダカーポ

閉じ込めた際にデータは採らせて頂きましたよ?

成金ナリキンのアキレイ!!!」


アキレイ

「なんだと!?

紅大蛇クレナイオロチ刃汽ジンキを解析したというのか!!」


サラセニア

「ンフフフッッ。

私の六ノ蟲マタイ•蠱毒ノ晩餐ウルティマチーナ

相手のデータに基づき具象化するのです。

よって!!!紅大蛇クレナイオロチ刃汽ジンキから作られた

その炎の抗体を作らさせてもらいました。

故に!!!!!

その炎には耐性があるのですよ!!

さぁ!!!やるのです!!!」


アキレイ

千年万花センネンバンカを甘く見るな!!

掻き消えろ!!!」

崩連ナダレ蛇腹炎炎ジャバラエンガ!!!』



連なる炎の塊が八頭の大蛇オロチから

一気に吐き出された。


サラセニア

「ンフフフ!!!まだまだまだまだ!!!」



巨大な虫は火炎の玉をけながら

真っ直ぐアキレイの元へと向かっていった。


アキレイ

「押し切る!!!!

ウォォォォオ!!!!!!!」



アキレイは八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミ

焔彅ノ劒ホムラギノツルギで操りながら

火炎の衝撃で押しのけて行った。


アキレイ

「無限に上がり続ける温度に

冥府大監獄ゲヘナプリズンが焼き尽くされるか

お前が焼き尽くされるのが先か

どちらか一つ!!!!!

消えろ!!サラセニア!!!!」


サラセニア

「グッ!!!なんて炎!!!!

このままでは本当に冥府大監獄ゲヘナプリズン

焼き尽くされてしまいますね!!!」


アキレイ

炎蛇招来エンジャショウライ八岐ノヤマタノ咆哮ホウコウ!!!!』


サラセニア

「ウグッ!!火炎放射か!!!

どの技も通常時より遥かに威力が増している!!

五ノ蟲・盾塊虫フィリポフィリポーノ!!守りなさい!!!」



サラセニアが叫ぶと

巨大な虫がゴロゴロと転がり

サラセニアに覆いかぶさった。


アキレイ

「なるほど...今、防いだな?

防いだという事は

貴様は完璧な抗体など手にしていない!!

このまま畳み掛ける!!!!」



アキレイは4体の虫に1頭ずつの火炎を浴びせ

残りを全てサラセニアを守る虫に向けた。



サラセニア

「アガッ...なんて熱量!!!

酸素が...蒸発していく!!!!

ビリビリ...ボボボボーーーイ!!!!」


アキレイ

「虫が丸まって逃げただと!?

グッ!!!待て!!!サラセッッ!!

なん...だと?」



この時、アキレイは自身の目を疑った。

何故なら、千年焔センネンホムラ八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミの中に

侵入してくる者がいたからだ。





アキレイ

「俺だと!?」



サラセニア

「ンフフフッッンフフフッッ

言ったでしょう?

データは採らせてもらいましたと。

容姿も骨格も再現度は忠実

でも、ウナるようなその声とヘアスタイルは

私めの美意識に反するので変えさせて頂きました。

それにややこしいですからね!

同じ声が反響するのは!!ンフフフッッ」


アキレイ

「ふざけるな!!!!

俺はそんな訳のわからん顔も

髪もしていない!!」


サラセニア

「この芸術的フォルムを

常人たるあなたには理解できないでしょう!!

見せてやりなさい!!!」

七ノ蟲•業虫ユダ!!』


七ノ蟲•業虫ユダ!!

「ウォォォォオ!!!!!!」


アキレイ

「何!?...この刃汽ジンキ!!!!!

まさか!!!!!!ありえん!!!

させるかぁああ!!!!!!!」



アキレイは一頭の大蛇オロチ

七ノ蟲•業虫ユダへと向けた。


サラセニア

「させませんよ。」


アキレイ

「グッ!!!サラセニアァァァア!!!」



サラセニア自身も八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミに侵入し

アキレイに殴りかかった。


アキレイ

「ガッハ!!!

見た目に反して力が増したかサラセニア!!

だが八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミの中は

火炎の鞘花ショウカでなければ耐えられん。」



焔彅ノ劒ホムラギノツルギを振りかざし

サラセニアに斬りつけようとしたその瞬間





七ノ蟲•業虫ユダ

千年焔センネンホムラ八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミ!!』



アキレイ

「何!?」


サラセニア

「アガッ!!」



突如、ドーーーーンッと

左獄処刑場ソドム全体に巨大な爆発が起きた。


アキレイ

「ありえん...紅大蛇クレナイオロチ以外に

この千年万花センネンバンカが使えるなど...」


サラセニア

「ンフフフッッ

何を驚いているのですか?

何度も言わせないで下さい。

私めの六ノ蟲マタイ•蠱毒ノ晩餐ウルティマチーナ

相手のデータに基づき具象化するのです。

もちろん紅大蛇クレナイオロチ千年万花センネンバンカ

例外なわけないでしょー?」


アキレイ

「こんな事が...あるのか...

鞘花ショウカの奥義までも...」


七ノ蟲•業虫ユダ

「貴様はここで吹っ飛べ。千刃花」

炎蛇招来エンジャショウライ八岐ノヤマタノ咆哮ホウコウ!!!』


アキレイ

「グッ!!まずい!!!!!」

八岐ノヤマタノ双璧ソウヘキ!!』



七ノ蟲•業虫ユダによる八岐ノヤマタノ咆哮ホウコウ

アキレイは16枚の炎の壁で防いだ。


サラセニア

「私達もいますよ?成金ナリキンのアキレイ。」



防壁の裏側に回り込まれたアキレイは

巨大な5匹の虫と空を飛ぶサラセニアに挟まれた。


サラセニア

「引きずり出します!!!」



八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミの火炎の中を

突入してくるサラセニアと巨大な虫たち。

徐々に衰退スイタイしていく虫の動きはニブかったが

サラセニアは顔をユガませながら

アキレイに襲い掛かった。


七ノ蟲•業虫ユダ

「サラセニア!!!こっちは任せろ!!」


サラセニア

「生意気...ですよ!!アキレイの分際で!!」



アキレイ

「グッ!!!ややこしい!!!」


サラセニア

「アイヤイヤイヤイヤイヤイヤー!!!!」


アキレイ

「クソッッ!!邪魔だぁ!!虫ケラ共ォオ!!」

業火・焔彅ノゴウカ・ホムラギノ八岐刈ヤマタガリ!!』


サラセニア

「また飛ぶ炎の斬撃ですか!!」


七ノ蟲•業虫ユダ

炎斬エンギ大蛇オロチ!!』


アキレイ

「偽物の炎にこの防壁は破れん!!

燃え盛れ!!八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミ!!!」



八つに分裂した炎の斬撃は

サラセニアと虫たちに直撃し

16も立ちはだかる防壁は更に燃え上がった。


サラセニア

「ガハッ!!!」


七ノ蟲•業虫ユダ

「もらったぁああ!!」


アキレイ

「何!?グァァァア!!!!」



七ノ蟲•業虫ユダは自身の八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミから離れ

アキレイの八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミの中へと侵入し

アキレイの腕をツラヌいた。


アキレイ

「ガッッッ」


サラセニア

「喰らい尽くしなさい!!

これが最後の晩餐バンサンですよ!!」


アキレイ

「させる...か!!アガッッッ!!」



その隙を見逃さなかった虫たちは

アキレイに襲い掛かった。


アキレイ

「グッ!!

ウォォォォオ!!!

さばき...きれん!!!!!!」



アキレイは七ノ蟲•業虫ユダヤイバを引き抜き

焔彅ノ劒ホムラギノツルギで応戦するも

サラセニア、七ノ蟲•業虫ユダ、5匹の虫の猛攻を

ギリギリの中で受けていた。

斬り裂かなければ燃焼できない焔彅ノ劒ホムラギノツルギ

5匹の虫は硬い表皮で弾いていった。


アキレイ  飽きるまで

「オラァ!!」


サラセニア 飽きるまで

「アイヤァ!!!」


七ノ蟲•業虫飽きるまで

「ドォオァ!!!」


アキレイ  飽きるまで

「ウラァ!!」


サラセニア 飽きるまで

「アイヤアイヤァ!!!」


七ノ蟲•業虫飽きるまで

「オラァ!!!」


アキレイ  飽きるまで

「ゴォッラ!!!!」


サラセニア 飽きるまで

「ボボボーイ!!!!!」


七ノ蟲•業虫飽きるまで

「ウォォオ!!!」


アキレイ  飽きるまで

「ンヌっ!!!!!」


サラセニア 飽きるまで

「ソイヤッ!!!」


七ノ蟲•業虫飽きるまで

「オラオラオラッ!!!」


アキレイ  飽きるまで

「アリャ!!!!」


サラセニア 飽きるまで

「ホタッ!!!」


七ノ蟲•業虫飽きるまで

「ザダダダダ!!」


アキレイ  飽きるまで

「ヌオオオオオオ!」


サラセニア 飽きるまで

「ソイヤッサー!!」


七ノ蟲•業虫飽きるまで

「ドドドドォオ!!!」


アキレイ  飽きるまで

「グッ!!」


サラセニア 飽きるまで

「テイテイテイ!!!」


七ノ蟲•業虫飽きるまで

「テェゴオオオオシ!!!」


アキレイ  飽きるまで

「ウラウラウラウラ!!!」


サラセニア 飽きるまで

「ピーヤピーヤ!!!!!」


七ノ蟲•業虫飽きるまで

「テイヤァ!!!!!!」


アキレイ  飽きるまで

「ギヤットォオオ!」


サラセニア 飽きるまで

「ヲワタァアッ!!!」



七ノ蟲•業虫ユダ

消炭ケシズミと化せ!!!!!!」


サラセニア

「アキレェェエエエエイ!!!」


アキレイ

「ガハッ!!!!!!!」


七ノ蟲•業虫ユダ

「ウォォォォオ!!!!

炎斬エンギ大蛇オロチ 焔刈ホムラガリ!!』


アキレイ

「ガッッ!!ゴホッゴホッゴホッゴホッ!!」



七ノ蟲•業虫ユダの放った火炎の光線が

アキレイの腹を撃ち抜くと

ドサッとアキレイは膝をついた。


アキレイ

「ガハッ!!まず...い」


サラセニア

「やりなさい!!」



サラセニアの言葉に呼応し

虫たちがアキレイに襲い掛かる。


アキレイ

「ウォォォォオ!!!!!!

舐めるなぁあ!!!!!!!!!」

纏焼テンショウ焔彅ノホムラギノ八岐刈ヤマタガリ!!』


七ノ蟲•業虫ユダ

「何!?」



アキレイは焔彅ノ劒ホムラギノツルギ

燃え上がらせるとギリギリまで引き寄せて

五体の虫に直接斬撃を浴びせた。

すると、斬り付けられた虫たちは燃え上がり

次々と破裂していった。


サラセニア

「おのれぇええええ!!アキレイ!!!」


アキレイ

「ウグッ...八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミの中で

俺の斬撃を喰らって無事だと思うな!!

何が紅大蛇クレナイオロチの抗体だ!!

笑わせるな!!!!!!

所詮は二番煎じの真似事!!

さぁ...来い!!サラセニア!!

七ノ蟲•業虫ユダ!!

お前ら全員!!!消炭ケシズミにしてやろう!!」


すると、サラセニアはプスプスと

焼け焦げていく我が身を見て顔を歪(ユガ)ませ

七ノ蟲•業虫ユダに向かって叫んだ。


サラセニア

「グッ!!七ノ蟲•業虫ユダ!!

我々もそろそろまずいですよ!!

一度、八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミの中から

離れます!!!!!」


七ノ蟲•業虫ユダ

「なんでだ!!このまま押し切る!!!」


サラセニア

「うるさいビリビリボーイ!!ですね!!」


七ノ蟲•業虫ユダ

「何をする!!!!」



サラセニアは七ノ蟲•業虫ユダを連れて

八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミの中から消えていった。



  アキレイ心の声

((はぁ...はぁ...はぁ...千年万花センネンバンカ

解くわけには...いかない...が...

このまま中にいては俺も...燃え尽きてしまう...

まずい...神滅適合者ラグナロクの力は

鞘花ショウカと同等かそれ以上かもしれん。

神の力に...対抗するとは...一体どんな兵器なんだ...

あまりにも強大過ぎる...))



ーーサラセニアサイドーー


アキレイの八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミ

七ノ蟲•業虫ユダ八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミ

攻防を繰り広げている一方で

七ノ蟲•業虫ユダとサラセニアは

息も絶え絶え話していた。


サラセニア

「グッ...流石にこのままではまずいですね...

左獄処刑場ソドムの温度は

すでに常人では...生きていけない温度です。

抗体が無ければ死んでしまうほどに強烈...

これほどまでに...千年万花センネンバンカ

強大だとは予想外でした。

それに、八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミの中では

圧倒的にアキレイが有利です...

とにかく奴を引きずり出さねば...」


七ノ蟲•業虫ユダ

「俺が行く。お前は休んでいろ。」


サラセニア

「ンフフフッッ...聞いていましたか?

すでに左獄処刑場ソドムにいるだけで

命がけなんですよ。

左獄処刑場ソドムの空気口も

溶けて塞がってしまっています。

このままでは何をしようとも

まずいですねぇ。

手を打たなければ。」


七ノ蟲•業虫ユダ

「俺なら大丈夫だ。

紅大蛇クレナイオロチの火炎は効かん。」


サラセニア

「どんなに火炎が意味をなさなくても

酸素が無くなれば死にます。

酸素...。そうです!!第四監獄アルバァプリズンさえ

開ければ紅蓮地獄の空気を取り入れられますね。

少しはマシになるでしょう。」


七ノ蟲•業虫ユダ

「なら俺がいく。」



そう言って七ノ蟲•業虫ユダは走り出した。



サラセニア

「待ちなさい。そっちは右処刑場ゴラムですよ。」


七ノ蟲•業虫ユダ

「そうか。ならば!!」


  サラセニア遮る様に

「そっちは行き止まりですよ。

モンティに頼んで開けてもらいますから

あなたはアキレイに集中するのです。」


七ノ蟲•業虫ユダ

「分かった。」



サラセニア

「...アキレイの方向音痴まで

取り込んでしまいましたか...

この能力チカラはバグまで

コピーしてしまうのが良くないですね。

次回は調整しましょう...」


七ノ蟲•業虫ユダ

「サラセニア...奴の刃汽ジンキが揺らいだぞ。」



サラセニアは聞く耳を持たず

おもむろにPinphone パイナフォンを取り出した。


サラセニア

「あーー。聞こえますか?モンティ副所長?

第四監獄アルバァプリズンの扉を

ただちに開けなさい。

このままでは冥府大監獄ゲヘナプリズン

壊れてーーーーあっ」



サラセニアのPinphone パイナフォンは溶けてしまった。

するとすぐに勢い良く風が左獄処刑場ソドム

吹き抜ける。



七ノ蟲•業虫ユダ

「なんだこの突風は!!!グッ!!」



更にバチバチと空気中に電気が走った。


サラセニア

「モンティがやってくれました。

第四監獄アルバァプリズンの極寒の風が

一気に左獄処刑場ソドムに流れ込んだようです。

これより左獄処刑場ソドム

少々荒れますよ。」


七ノ蟲•業虫ユダ

「なんだと!?」



ーーアキレイサイドーー


アキレイは走馬灯の様に

少年ワンダビーとの過去を思い出していた。

その度に悔しさが滲み、拳が震える。

あの屈託クッタクのない笑顔が脳裏ノウリから離れなかった。


アキレイ

「ワンダビー。

お前の無念は俺が今日、晴らす!!!

例えこの身が業火に呑まれようとも

サラセニアだけは!!!!

絶対に許さん!!!!!!!

俺に力を貸してくれ!!!!!!

紅大蛇クレナイオロチ!!!!!

奴らを倒す!!力を!!!!!!

俺に!!!!!!!!」



すると、八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミが咆哮を上げた。

火炎が更に燃え盛りアキレイを包み込むと

アキレイはゆっくり立ち上がった。


アキレイ

「ぁあ。分かってる。

恩に着るぞ。紅大蛇クレナイオロチ!!

この命!!無駄にはせん!!!!!!!」

紅蓮グレン命灯火イノチノトモシビ!!!』



アキレイはそう叫ぶと

自身の傷を治癒の炎で癒し、一気に走り出した。


アキレイ

「行くぞ。紅大蛇クレナイオロチ!!」


七ノ蟲•業虫ユダ

「来るぞ。」


サラセニア

「更に...刃汽ジンキが高まり

温度が上がりましたか...しかし!!

勝つのは私めです!!!

あの少年の様に喰らい尽くしてあげますよ!!

成金ナリキンのアキレレレレレイ!!!」


七ノ蟲•業虫ユダ

「燃え盛れ!!!紅大蛇クレナイオロチ!!

な...何!?!?!?

炎が吸収されていく!?」


サラセニア

「なんだ...これは...

全ての熱がアキレイに集まっていく...

これは一体...」



左獄処刑場ソドムの熱気

七ノ蟲•業虫ユダ八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミ

熱という熱がアキレイに集まっていく。


七ノ蟲•業虫ユダ

業火・焔彅ノゴウカ・ホムラギノ八岐刈ヤマタガリ!!』

「何!?炎が!!!!!!」


サラセニア

「何をした...

何をしたのですか!!アキレイ!!」


  アキレイゆっくりと息を吐く

「ハァーーーーーーーーーーー。」


アキレイ

千年万花センネンバンカのまま試した事は

一度も無かった。

だが、先のペチュニア との闘いで

はっきりと分かった。

貴様ら相手に加減など無用だとな。」


サラセニア

「これは......」



サラセニアは空中をタップし

データがボワンッと展開された。

データのメモリは赤く振り切り

警告音が左獄処刑場ソドム全体に鳴り響いていた。


サラセニア

「こ、こ、この温度...まだ上がるのですか...」


七ノ蟲•業虫ユダ

「なんだ?どうした?」


サラセニア

「み、見たことが...ない!!!!

こんなもの!!!!!!

何なんだ!!!!!!!!!

この温度は何なんだ!!!!!!!!」


七ノ蟲•業虫ユダ

「見せてみろ!!!!」



七ノ蟲•業虫ユダがデータを見ると

そこにはこう書いてあった。





6000℃





サラセニア

「これはまさに...太陽」


七ノ蟲•業虫ユダ

「フン。抗体がある俺達には関係ない!!」



すると、七ノ蟲•業虫ユダは突然走り出した。



サラセニア

「やめなさい!!!!

その抗体はまだ作れていません!!

アキレイに近づいては!!!」


七ノ蟲•業虫ユダ

「ウォォォォオ!!!!!!!!

燃え盛れ!!!クレナーーーーー」



七ノ蟲•業虫ユダはドロンッと溶けてしまった。


サラセニア

「...やはり」


アキレイ

「サラセニア。

最後に問おう。

何故、ナーギィクントージャを襲った。」



サラセニア

ゴクリ息を飲む音...

ンフフフッッ。

我が神の大敵タイテキ...だからですよ。」


アキレイ

「そんな下らない事で

村を!!無実の人々を!!

無垢ムクな少年を!!!

お前は襲ったのか!!」


サラセニア

「下らないと?

あなたには下らないかもしれない。

しかし!!!私めにはそれが絶対なのです!!

神話の時代!!創造神を殺す為に

他の神を率いて戦ったのは

紛れもなく紅大蛇クレナイオロチ!!!

運命の終末ディステルニドン を巻き起こす元凶を

信仰するなどもっての他!!!!大罪です!!」


アキレイ

「...狂信者が。

それは...まやかしだ!!!!!」


サラセニア

「私めを...狂信者だと!?

ふざけるなぁあ!!!この悪党がぁあ!!

私めは立派な信徒!!!!!!!

それを!!!それをぉぉおお!!!!

許されない!!

許されない!!!

ゆるゆるゆるゆるゆるゆる許されない!!!」


アキレイ

紅大蛇クレナイオロチ

他の神を率いてもいなければ

創造神を殺したわけでもない!!!!」


サラセニア

「嘘だぁ!!!!!!

それこそ騙されている!!!!

貴様は紅大蛇クレナイオロチに騙されている!!!」


アキレイ

「お前らラミオラスが利用している

神滅シヴァこそ!!

創造神を殺した神々だ!!!」


サラセニア

「貴様の言葉など信じるはずもない!!

この異教徒が!!!!!!!!

狂信者が!!!!!!!

この大悪党が!!!!!!!!!

ふざけるなぁ!!ふざけるなぁ!!!

異教徒を殺して何が悪い!!!

全ての元凶は紅大蛇クレナイオロチから始まったのだ!!!

私めは!!!

あの少年ワンダビーを教えから救ったまで!!

全ては紅大蛇クレナイオロチを殺す為!

今日この日の為!!!!!!」


アキレイ

「黙れ!!!!!!!

お前が!!ワンダビーの名を!!!

汚い口から発するな!!

お前は!!あの子の未来を!!!!!

希望を!!!!!夢を!!奪った!!!!!

全てを奪ったんだ!!!!!!!」


サラセニア

「たかだか子供1人の命。

世界の破滅の元凶がぬけぬけと言いますねぇ!!

そんなに逢いたければ!!

この私が送ってあげますよ!!

ワンダビーとやらガキの所まで!!今すぐに!!

これで幕引きです!!!成金ナリキンのアキレーーーー」


  アキレイ遮る様に

「滅びろ!!!サラセニアァァァア!!!



アキレイは空中へと飛び上がり

自身の千年焔センネンホムラ八岐ノ蟒蛇ヤマタノウワバミさえも吸収し

100mを優に超える巨大な炎のツルギ

一気にサラセニアへと振り下ろした。


アキレイ

「ウォォォォオ!!!!!!!!!」


サラセニア

「なんだ...その炎は...

なんですか!!!!その炎は!!!

おのれぇええええ!!!!!!

アキレェェエエエエイ!!!」


アキレイ

焦炎地獄ショウエンジゴク八岐ノ首斬ヤマタノクビキりぃぃい!!」





作者 REN’sJackson

千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

煉獄レンゴク 冥府ゲヘナ大監獄プリズン

Seasonシーズン23 トゥエンティスリー

The Finalファイナル Adventヴェント (完)






おまけ






ソープワイト  心の声

((サビている。

私が出会った少年ガラクタ

キシむ心がスサむ様に

ただ...ただ... サビていた。

なんと、汚いガキ。そして、ツンザく様な緑髪ミドリガミ))


ソープワイト

「随分と忌々イマイマしいガキだね」



白髪シロカミ一束ヒトタバにした長い髪

片目を眼帯で隠し、もう片方の目は

レンズ越しに緑髪ミドリガミの少年を見ていた。



スズーラ

君主クンシュいかがなさいましたか?」



すると、黒髪クロカミの大男が

大きな数珠をジャラジャラと鳴らしながら

一歩前へ出て少年の顔を見た。


スズーラ

「なんだこのガキ...まさか...コイツが例の...」


ソープワイト

「どうだろうね。最近やたらと破棄したゴミが

次々と消えていくとの報告だったが...

それにしてもガキも汚ければココも汚いね」


スズーラ

「申し訳ありません!!君主クンシュ!!」


ソープワイト

「全くだよ副団長。

ゴミの掃除はいつやるんだね?

いつの間にかこんなにも

ゴミが増えてるじゃあないか!!

木を隠すなら森の中とは言っても

限度がある事くらい分からんのかね!?

今すぐ片付けろ!!!!」


スズーラ

「ハッ!!!!ただちに!!」



ガレキの山、鉄のクズ、街中から集められたゴミ

ここは機械大国メタラニアの中でも最も貧しく

潮風が吹き抜けるサビ黒鉄クロガネの街"ハル"

その街外れにはソープワイトが所有する

鋼の台所ノラソーンと呼ばれる研究材料の保管庫があった。

現代においてメタラニア原産の黒鉄クロガネといえば

安価で鉄の密度も高く

月夜ツキヨさえも照らせないほどに

漆黒とウタわれているが

当時はただのゴミだった。



ソープワイト

「何をしているんだね!?」


スズーラ

「お前達!!何をしている!!

そのガキ諸共モロトモ破棄しろ!!」



スズーラは部下にそう言うと

アゴで緑髪ミドリガミの少年を指した。

部下達は慌てて少年を引きずり出そうとするも

ガガガガガと漆黒のガレキの山が音を立てて

崩れ始めた。


サラセニア

「グッ」


スズーラ

「な、なんだこれは!!」


ソープワイト

「ほぉ。面白いじゃあないか。」


スズーラ

君主クンシュ!!

この機械はまさか...

破棄したものですか!?」


ソープワイト

「ただの機械じゃあない。

よく見るんだよバカが。

これは...機械兵器だよ」


スズーラ

「グッ!!戦闘態勢!!!

気を抜くな!!!こちらに銃口を向けている!!

全隊!!構え!!!!!!」



剥き出しの殺意をソープワイトに向ける少年は

ヨロヨロと立ち上がり息も絶え絶えに呟いた。


サラセニア

「殺せ」


ソープワイトの部下達が武器を取り出そうとすると

ソープワイトがそれを制止した。


スズーラ

君主クンシュ!!私がやります!!!」

『『咲け•肉芽 ナノシード ブルーム!!』』


機械音

ーー声紋セイモン認証 完了ーー

ーーー対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ兵器ヘイキーーー

ーーー起動しますーーー



スズーラの背中から巨大なツタが出現し

グルグルと身体をマユオオっていくと

突然、そのマユから人型の黒い鎧が出て来た。


サラセニア

「なんだ...その鎧は...」


スズーラ

「いけ!!不倒不苦痛イージスオブジーザス!!」

絶滅デッドバンズ破塊デッド!!』



不倒不苦痛イージスオブジーザスが機械兵器へと向かって行くと

身体を高速回転させ、次々とツラヌいていった。


スズーラ

「ゲハッハッハッ!!!

そんな機械など我が不倒不苦痛イージスオブジーザスの前ではーーー」


  サラセニア遮る様に

「アイヤイヤイヤイヤイヤイヤー」



サラセニアは重機関銃を取り出し

スズーラに向けて撃った。


スズーラ

「ガハッ!!!!なんだ...この銃弾は...」


ソープワイト

特殊魔装トクシュマソウ兵士の身体をツラヌくとはねぇ」


スズーラ

「ガハッッッ!!この...ガキが!!!!」


  ソープワイト遮る様に

「待ちたまえ。」


スズーラ

「な!?く、君主クンシュ!!!」


ソープワイト

「手を出すんじゃあない。

面白いガキじゃあないか。

対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ兵士は

常人よりも高い硬度を誇る。が。

それを撃ち抜いたんだ。ヌフフフッッ」


スズーラ

「しかし!!!!」


ソープワイト

「バカかね!!不倒不苦痛イージスオブジーザス

ろくに使いこなせんお前の出る幕は無いと

言っているんだよ!!!

誰しもが適合出来る様に作ってはいるが

シンクロ率が未だに48%などアクビが出るよ。

どんなに優秀な兵器でも

使い手によってゴミとなる良い例だ。

下がれ!!」


スズーラ

「ウグッ!!!も、申し訳ありません。」


ソープワイト

「さて。名も知らぬガキ。

せっかくだ。この私が直々に相手してやろう。」


サラセニア

「死ねぇえええええ」



少年の叫び声と共に漆黒の機械兵器が

ソープワイトに襲い掛かった。


ーー2分後ーー





ソープワイト

「ーーーで。こんなものかね?」



崩れた機械兵器と血に染まる少年が横たわっていた。


ソープワイト

「この私が...聞いているんだよ。

答え!!ろ!!!この!!!ガキ!!!」



倒れた少年を何度も踏み潰した。


サラセニア次のセリフまで

「アガッ!!ガハッ!!ウグッ!!」


ソープワイト

「生意気!!な!!この!!ガキ!!

一体!!誰に!!向かって!!

こんな事を!!しているの!!かね!!

ふざけた!!ガキだよ!!全く!!!」


サラセニア

「ガハッッッ!!!!」



すると、ソープワイトは少年の髪をグッと掴んだ。


サラセニア

「グッ...その能力チカラ... 大敵タイテキ...」


ソープワイト

「こんなものかね?

お前が作った機械兵器は」



その言葉に部下たちは

どよめいていた。


スズーラ

「まさか...このガキがこの機械兵器を...

君主クンシュが作ったのではないのですか?

もし、そうだとしたらーーー」


ソープワイト 遮る様に

「黙れ。スズーラ

私はこのガキに聞いているんだよ。

それで?どうなんだね?」


サラセニア

「離せ...」


ソープワイト

「否定しない。か。

ここの鉄クズから作ったのかね?

...見た所、ここまで光を反射しない鉄は初めてだよ。

貴様が作ったのかね?」



しかし、少年は気を失っていた。


ソープワイト

「スズーラ。このガキを連れて行く。

それとここにある鉄クズを全て持っていくよ。」



そう言うと部下たちは

次々に飛行戦闘魔進マシン5-武鱗ゴブリン

鉄クズを乗せていった。


スズーラ

「これより!!

ラミオラス帝国へと帰還する!!」


ソープワイト

「ヌフフフッッ。

真意を確かめる為に鋼の台所ノラソーンへと

久々に立ち寄ってみたが...

良い拾い物をしたよ。」



ーー3時間後ーー


ここはラミオラス帝国の北に位置する

ソープワイト領土"グウェイジマ"

ソープワイトをアルジとして

ラミオラス帝国に属する小国である。

常に空は薄暗い極夜キョクヤと呼ばれ

日中でも太陽が沈んでおり、太陽の光が届かない

一風変わった島である。

島の真ん中には巨大な屋敷があり

玉座の間にはソープワイトが鎮座し

その脇にはスズーラ、

少し離れた真ん中には

小綺麗な少年が座っていた。


ソープワイト

「汚いガキを上げるわけないじゃあないか。」


スズーラ

君主クンシュ。なぜここまでして」


ソープワイト

「話しは後だよ。」



ソープワイトがひと睨みすると

豪華な食事がありったけ運ばれてきた。


サラセニア

「これは...」


ソープワイト

て見れば栄養失調に

ダニだらけじゃあないか。

ある程度は治療したが空腹は飯を食う以外

どうにも出来んのだよ。」


サラセニア

「神よ......」


サラセニア次のセリフまで食べる

「ハグっモグ!!ガフッ!!!ハゴッッ」



少年は涙を流しながら

豪華な食事を頬張った。


スズーラ

「なんと下品な食べ方。」


ソープワイト

「下品なツラした貴様が言うとは面白いね。」


スズーラ

「も、申し訳ありません!!」


ソープワイト

「それよりもスズーラ。あそこのガラクタは

鉄のスクラップや壊れた機器が

捨てられていたはず。」


スズーラ

「はい。間違いなくそのハズです。君主クンシュ


ソープワイト

「と言うことは

私が"壊れた"と判断したゴミしかなかったはずだ。

それをこのガキはそのゴミクズから

あの兵器を作ったという訳だね。」


スズーラ

「本当にそうでしょうか...。

私には到底そのような事が出来る者には

見えないのですが...」


ソープワイト

「確かに不完全かつゴミのような兵器だが

あのガキの命令を確かに聞いていた。」


スズーラ

「それは...本当ですか!?」


ソープワイト

「ぁあ。間違いなく"天才"というやつだよ。」


サラセニア

飲み物を飲む音ゴクゴクプハーーーーー!!!

生き返りましたーー!!!!」


スズーラ

「下劣なガキめ。

まずは名を名乗れ!!!」



少年はバンッッと立ち上がると

クルクル周りながら挨拶をした。


サラセニア

「私は、サラセニア=サッチェ=スニッチと

申します。以後お見知りおきを。」


スズーラ

君主クンシュの前でなんたる態度!!」


ソープワイト

「黙れスズーラ。」


スズーラ

「ハッ!!!」


ソープワイト

「では聞こうじゃあないか。

どうやって鉄の硬度を上げ、兵器を作ったか。

それと...貴様から漂う血の匂いの訳を。」


スズーラ

「血の...匂い...」



すると、サラセニアはこれまでの経緯を全て話した。

教会からの出来事、発明が好きという事

鋼の台所ノラソーンを見つけた時

心が躍り住みついてしまった事

全ては神のオボしだという事


ーー2時間後ーー


ソープワイト

「なるほど...よく喋るガキだ。」


スズーラ

「いかがしますか君主クンシュ

すぐにでも私が殺しますが。」


ソープワイト

「いや、面白いじゃあないか。

サラセニア!!身寄りのないお前を

我が屋敷に住まわせてやる。

好きなだけ機械をいじるがいい。

制限などない。

実験したければ人間モルモットなら沢山いる。

好きに使いたまえ。

今日からここが貴様のウチだ。」


サラセニア

「ここが私めの...

ありがたき幸せ!!!!!」


スズーラ

君主クンシュ!!!

それは本気ですか!?!?」


ソープワイト

「フン。貴様より役に立つだろう。」


スズーラ

「グッ...サラセニア...」



ーー数年後ーー


ヒドラ軍事科学研究所本部にて

サラセニアは少年から青年へと変わり

ソープワイトの立派な右腕へと成長していた。


サラセニア

「ビリビリボーイ、ビリビリボーイ

ビリビリボーイ、ビリビリボーイ

ビリビリボーイ、ビリビリボーイ

ワチュガナドゥッ!

ワチュガナドゥ!!ヘッ!!

ビリビリボーイ、ビリビリボーイ

ビリビリボーイ、ビリビリボーイ

ビリビリボーイ、ビリビリボーイ

ワチュガナドゥッ!

ワチュガナドゥ!!ヘッ!!」


ソープワイト

「歌ってないで作業したまえ!!!」


サラセニア

君主クンシュ!!!

その回路にはこれですよ!!

それではないのです!!!!」


ソープワイト

「ほぉ。言うようになったじゃあないか!!」


サラセニア

君主クンシュ!!!

兵器とはオブジェ!!オブジェとは愛!!

愛とは芸術!!!!芸術とはーー」


ソープワイト 遮る様に

「全く、死にかけてたガキが

生意気な口を訊くようになったものだね。」


サラセニア

君主クンシュ!!

私めは今や冥王兵器軍ヒドラ二代目所長!!

君主クンシュから引き継いだヒドラを

更に更にと高めていくのです!!

そして!!私めなら高められるのです!!」


ソープワイト

「サラセニア!!貴様のせいで

所内が何度、爆発したと思っているんだね!!

所長としての能力を疑いかねんよ!全く。」


  サラセニア大きな声で

「はい?君主クンシュ今は作業中でして

よく聞こえないです!!君主クンシュ!?」


ソープワイト

「私の声が聞こえないだ...と?サラセーーー」



ドーーンッと巨大な爆発が起きた。


スズーラ

君主クンシュ!!!何故そこに!!

お怪我は!!君主クンシュ!!」



するとスズーラが前の扉から現れ

ソープワイトに駆け寄った。


スズーラ

君主クンシュ!!」





スズーラ

「お怪ーーーアガッ」



サラセニアは突然スズーラの首を掴んだ。



サラセニア

「ンフフフッッ。

もう飽きました...スズーラ副団長」


スズーラ

「アガッッ!!離...せ!!サラセ...ニア...

これは...命令だ!!」


サラセニア

「命令??ンフフフッッ。無視!!!

そんなことより!!スズーラ副団長

前々からお聞きしたい事がありました。

これまで数々の爆発がありましたが

あんな頻繁に爆発が起こるはずがない。

そうでしょ?」


スズーラ

「アガッ。」


ソープワイト

「...どう言う事だね。」


スズーラ

君主クンシュ!!...お助け...を!!

これは...軍法違反で...す!!」


サラセニア

「簡単な事ですよ。

単純に兵器の設計図をスズーラが手に入れ

爆発する様に細工する。

神滅適合者ラグナロクである私めは

爆発程度では死にません。

目的は複数回の爆発による施設の損害と

その責任を負って所長としての失脚。

そして、君主クンシュの信頼をなくす事。

そうでしょ?ねぇ?スズーラ?」


スズーラ

「アガッッッ...濡れ衣だ!!」


サラセニア

「頭の悪いスズーラ副団長がしそうな事ですね。

中途半端な覚悟だからダメなんです。

その爆発によって所員を皆殺しにするくらいの

覚悟が無ければ意味がないですよ?

ンフフフッッンフフフッッ」


スズーラ

君主クンシュ!! ハガッッッ

誓って!!私では...ない!!」


サラセニア

「どうやったって刺激と

サディズムが足りないんですよ。

こんなもの...何年も何年も何年もかけた

可愛い嫌がらせに過ぎません。」


ソープワイト

「...本当かね?」


スズーラ

「信じて...くだ...さい君主クンシュ...」


サラセニア

「ぁあ。神よ。この哀れな子豚を救いたまえ。」


スズーラ

「アガッ!!」


サラセニア

「よほど、自分の地位を私に奪われた事に

ご立腹しているのだと思い

雑魚は雑魚らしく泳がせて見逃して来ましたが

君主クンシュを巻き込んだ時点で

あなたのお遊びはこれにて終いですよ。」


ソープワイト

「信じろと言ったな?スズーラ。

私に向かって信じろと言う事がどう言う事か

分からない貴様ではないだろ?え?スズーラ。」


スズーラ

君主クンシュ...私は...アガッ」


サラセニア

「設備爆破の被害額は巨額ですよ?

払いますか?

それともここで殺して差し上げましょうか?」


スズーラ

「申し訳...ありません...君主クンシュ...

私はただ...あなたの...おそばに...

居たかっただけ...」


ソープワイト

「フン。私は貴様に興味はない。

だが、長年仕えてきたロウ

ネギラってやろうじゃあないか。

サラセニア!!この豚を冥府大監獄ゲヘナプリズンへ送れ!!」



サラセニアはスズーラの首を離して

地面に叩きつけた。


スズーラ

「ウグッ!!!」


サラセニア

「ンフフフッッ。

流石は君主クンシュ!!

ラミオラス帝国の敷地内で

副団長を殺しては

またそれは別の問題ですからねぇ。」


スズーラ

「嫌だ...やめて下さい!!」


サラセニア

「殺されないだけマシですよ?スズーラ?

それに、冥府大監獄ゲヘナプリズンには

冥府大監獄ゲヘナプリズンの法があります。

看守長にさえなればいいのです。

もし、なれなければ...

あなたは第零監獄スィフィルプリズンにある

エリカ地獄行きですよ。」


スズーラ 

「エリカ地獄......嫌だ!!嫌だ!!!!!

どうか!!あそこだけは!!!!

君主クンシュ!!!!慈悲を!!

どうか御慈悲を!!!御慈悲をぉお!!」


ソープワイト

「言っただろ?貴様になど興味がない。と。

特殊魔装トクシュマソウ兵器は持っていきたまえ。

神滅兵器シヴァと違って

無理矢理外すと死んでしまうからね。

副団長を死刑にするにしても

私が面倒な処理をするだけだよ。

お前が看守長に挑み死んだ時か

エリカに殺された時にでも回収するよ。

早く死にたまえ。」


スズーラ

「そんな!!!君主クンシュ!!!

私は!!長年!!君主クンシュを支えてきました!!

それなのに君主クンシュは!!

サラセニア!!サラセニア!!サラセニアと!!

私ばかりをナイガシろにする!!!!

何故ですか!?何故ですか!!君主クンシュ!!」



するとソープワイトはゆっくりと

スズーラに近づいた。


  スズーラ次のセリフまで

「アガッ!!ウグッ!!ガハッ!!ガッ!!」


ソープワイト

「ヌフフフフフッ。

面白い事を!!言う豚だよ!!

貴様の事など!!!!

ナイガシろにしなかった日などない!!

初めから!!何も変わっていないのに!!

何故!!そんな事を言うのかね!?

まるで!!サラセニアが来たから!!

ナイガシろにした!!

みたいな口を聞くのはやめたまえよ!!!」


スズーラ

「アガッ」


ソープワイト

「サラセニア!!!!」


サラセニア

「はい君主クンシュ

爆発に巻き込まれた事にして殺しましょうか?」


ソープワイト

「書類にサインするのが何倍にも増える。」


サラセニア

「かしこまりました。」



サラセニアは気を失ったスズーラを抱えて

扉へと向かっていた。


ソープワイト

「サラセニア。」


サラセニア

「はい君主クンシュ。」


ソープワイト

「女性所員を複数回強姦した罪も付け加えておけ」


サラセニア

「それは名案ですね!君主クンシュ!!」



その日の夜、グウェイジマ屋敷にて

酒を交わすサラセニアとソープワイトがいた。


ソープワイト

「サラセニア。

私はお前を副団長にすると

ロージアに伝えてきた。」


サラセニア

「なんと!?

私めで...私めで良いのですか!?」


ソープワイト

「私が決めたんだ。

何か問題でもあるのかね!?」


サラセニア

君主クンシュ!!!

君主クンシュがお決めになった!!

つまり!!それは神への誓い!!

絶対なのです!!」


ソープワイト

「今思えば...あの日から

ラミオラス帝国は変わった。

私の超科学とサラセニアの発明が合わさり

全ての機械が発展しサヤを多数保有する

ナーベルクにさえ引けを取らない軍事力を誇った。」


サラセニア

「私めと君主クンシュさえいれば

世界さえも掌握ショウアク出来ます故!!」


ソープワイト

「フン。生意気なガキだよ。

そういう自惚ウヌボれた所は

何も変わっていないじゃあないか。」


サラセニア

「今の私めは君主クンシュいてこその私めです。

あの日の馳走チソウの味は今も忘れられません!!

君主クンシュに育てて頂き

私めは感謝と祈りの日々でございます!!」


ソープワイト

「育てた?

いつ私がお前を育てたんだね?」


サラセニア

君主クンシュ

幼き私に衣食住だけでなく

知識と知恵を与えて下さいました。

それを育てたと言っても何らおかしくもありません。

君主クンシュこそが私めの親でございます。」



するとソープワイトは陽気に笑った。


ソープワイト

「ヌフフフフフッ

貴様はバカかね!?

なんとも気味が悪い奴だよ。

反吐が出る!!!!!

相変わらず忌々イマイマしいガキだよ。

ヌフフフフフッ。」


サラセニア

「ンフフフッッ。

反吐が出るほどの親愛でございます」


互いに酔いが回り始め

ソープワイトはゆっくりと口を開いた。


ソープワイト

「いいかね。お前はこの先、私のためだけに働き

私のためだけに死ね。」


サラセニア

君主クンシュ!!

それはまさにブラック企業ですねぇ!!

ンフフフッッ」


ソープワイト

「...サラセニア

私はあの日、お前をサビていると思ったが

実際は違った。

お前はサビてなどいない。

お前は誰よりもサビていた。

誰よりも、何よりもサビていた。

全く...私の中枢神経が情念と良識リョウシキで出来ていなければ

とっくに殺していた所だよ」



そして夜がけていく。

ソープワイトは酒のせいかその場で寝てしまった。

サラセニアはソープワイトが風邪をひかぬよう

そっとブランケットをかけて呟いた。





サラセニア

「出会ったあの日から

私めの命は全て

君主クンシュのものでございます。」






ーーそして現在ーー


焦炎地獄ショウエンジゴク八岐ノ首斬ヤマタノクビキりを

正面から受けたサラセニアは

灼熱の炎に包まれゆっくりと倒れた。


サラセニア

「ゴハッッ」



そして、霞んでいくその視界の中で

何かを見ていた。

白く、神々コウゴウしく光る何かを。


サラセニア

「あれは...」


サラセニア 心の声

((ぁあ。神の御姿ミスガタ...

なんとお美しい姿でしょうか...

やっとお会い...できました...やっと...

ぁあ。神よ...紅大蛇クレナイオロチに...

屈した私めを...許し...たまえ...

神よ...私めは...今日...ココで...))



すると視界がゆっくりとヒラけていった。






そこに立っていたのは






ソープワイトだった。






  サラセニア心の声

((...君主クンシュ

あなたと...出会って...私めの世界は...変わりました。

今...こうして思えば...

私めの心を...支えていたのは..神では..なく...

...君主クンシュだったのかも...しれません。

そう...出会えたあの日から...))



燃え盛る業火の中、サラセニアは

ソープワイトと初めて対峙タイジした日を

思い出していた。



サラセニア 心の声

((死神...


私めを迎えにでも来たのだろうか。


いっそ、死んでしまえば


空腹に苦しむ事も寒さに震える事もない。


だが、私めはまだ死にたくない。


それにしても...


何故、微笑みかけるのですか?



死神なのに何故あなたは



そんなにも美しいのですか?))





ーーそして現在ーー


斬り付けられた箇所から

ブワッと勢い良く火炎が吹き出し

肉体は更に更にと燃え上がる。

サラセニアは震える身体を抑えながら

最後の力を振り絞り立ち上がろうとしたが

それは叶わなかった。



サラセニア

「ガハッッッ」


サラセニア 心の声

((私めは...確かに... サビていたかもしれない。


しかしそれは...思い返してみれば


君主クンシュと出会ってからでした。


だから...私めは...あの日誓ったのです。))



アキレイ

「まだ、息があるとはな...

だがその灯火もすぐに消える。」



  サラセニア心の声

((私めの...命は...全...て...






君主クンシュのもの...だと...))






ヒラけた視界も消え

焼き焦げた肉体は、もはや力さえ入らず

サラセニアは微笑みながら崩れ落ちていった。





アキレイ

「さらばだ。サラセニア」





(完)

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