39話 Her name is #0052,she was a S

前回までの千刃花〜帝国特務戦闘部隊〜は


第三監獄サラーサプリズンにて

激戦を繰り広げたノチ

看守長ジュダスの過去や

キキョウとの意外な接点を知った

三刃花隊サンジンカタイ 隊長ジニアは

ジュダスを千刃花センジンカの副隊長になるようにと

説得していた。

返事をニゴしつつも

戸惑うジュダスはジニアと共に

自身の妹であるペチュニア奪還

その双子の妹サフィニアの仇を取る為に

元凶であるソープワイトの元へと向かっていた。

そして、火ノ炉決闘場イミシオンシーニにて

ようやくソープワイトと相対アイタイ

怒りのまま叫ぶジュダスだったが

ソープワイトは不敵フテキな笑みを浮かべながら

巨大な箱から驚くべきものを取り出した。




ジニア

『『天輪•邪絶ジャゼツ ムクロ産声ウブゴエ

渇き飢えしは舌無き呼声ヨビゴエ

反魂ハンゴンせよ•執着せよ

砂城サジョウカルマに再び踊れ!!!』』


ジュダス

『『咲け•肉芽 ナノシード ブルーム!!』』


機械音

ーー声紋セイモン認証 完了ーー

ーーー対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ兵器ヘイキーーー

ーーー起動しますーーー


ジニア

『『金剛コンゴウ砕刃サイジン 金色木乃伊コンジキミイラ』』


ジュダス

『『アラガえ!!不倒不苦痛イージスオブジーザス!!』』



ソープワイト

「ヌフフフフフッ!!

ヌフフフフフッ!!!!!

地獄を見せてやろうじゃあないか!!やれ」



ジュダス

「ウソ...だろ...」


ジニア

「なんやねん...なんのつもりやねん!!!!」


ジュダス

「サフィニアァァァア!!!!!!!」





作者 REN’sJackson

ー〜千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

煉獄レンゴク 冥府ゲヘナ大監獄プリズン

Seasonシーズン22トゥエンティツー

Her nameハーネーム is #イズ ナンバー 0052ゼロゼロファイブツー,she was a シーワズア Sサフィニア



ーー時はサカノボり数時間前ーー


ここは煉獄レンゴク 冥府大監獄ゲヘナプリズン 最下層終園ヒンノムの先 裏門ヘブンズゲート

赤と黒の装飾、

マグマと岩石で作られた地獄とは裏腹に

青と白で作られた大理石があしらわれていた。

そこには巨大な門と特別監視室と言われる

冥府大監獄ゲヘナプリズンの全ての情報が一箇所に集まり

監視、管理する部屋があった。

その部屋には髭をたくわえ

ジェルでビッシリと髪型を立たせた一人の男が

持ち歩くには少し大きい牛革のブリーフケースを

脇にドサっと置きながら

ブツクサと誰かと話していた。



モンティ

「所長??サラセニア所長!?

なんで俺がそんな事するんすか?

え??なんて??あっ!

...切りやがった!!!

ったくよ!!!

あのタケノコヘッドパンクが!!」



モンティはそう言ってPinphone パイナフォンを投げ

イスをクルッと回転させると

数十台も並ぶ巨大モニターの前に移動した。


モンティ

「はぁ...。

えーっと...刃汽ジンキを解析して...

それから...この小型基地に取り込むっと。

それで...リナリアが第四監獄アルバァプリズンで...

ラナンキュラスが...第三監獄サラーサプリズン

ツバキとジジが第二監獄イスナー二プリズン

チョウランが第一監獄ワーヒドゥプリズンだっけか?

おしっ。設定完了。エンターっと。

はぁ。大変だなコレ。

影遠イシュタリア機器•シン•ポータル

持ってない奴を飛ばすって

やっぱり面倒だなー。

所長が自分でやりゃあ良いのによぉ。」



しばらくすると

火ノ炉決闘場イミシオンシーニにいたツバキ達が

モニターから消え

それぞれの監獄に飛ばされた映像が新たに映った。


モンティ

「いやぁ。相変わらずすげーなコレ。

シンシャドゥール出る前に渡されたけど

瞬間移動出来るってやっぱりすげーな。」



すると、モンティは目線を斜め上に向けて

シンシャドゥールの出来事を思い出していた。



ソープワイト

「これが影遠イシュタリア機器•シン•ポータルの小型基地だよ。

これがあれば最上階にある基地局の電波を介して

制限はあれど能力チカラを使うことが出来る。

我々の刃汽ジンキを認識して

自動認証出来る様に改造しておいた。

感謝したまえよ。

そして、このボタンと小型基地局があれば

シンシャドゥールから冥府大監獄ゲヘナプリズンへとすぐに飛べる。

冥府大監獄ゲヘナプリズンの移動も楽になるだろうね。

お前の仕事はこの小型基地局を

冥府大監獄ゲヘナプリズンに設置することだよ。

使い方は...そのアリの如く小さな脳髄ノウズイ

しっかり考えたまえ。

ん?なんだね?その顔は?

私の眼光が親しみとイツクしみで

出来ていなければ焼き殺していた所だよ。

しっかりやりたまえ。

フンッ。全く...」



ソープワイトの言葉を思い出したモンティは

マユをひそめながら小型基地を見ていた。


モンティ

「もっと他の言い方無かったのかよ!!

手書きのゴミみたいなメモだけよこしやがって!

大体、俺も開発に参加してんだから

使い方くらい分かるっつーの!!

ん?メモ?そういえば何て書いてあんだろ。」



モンティはクシャクシャのメモを

ポケットから取り出した。

そこにはこう書いてあった。





ソープワイト

「貴様はバカかね?」





モンティ

「ぁ"あぁぁあ!!!!

なんだよこれ!!!!

はぁ。もう疲れた。仕事しよ。」



しばらく影遠イシュタリア機器•シン•ポータル

いじっていると

モニターにノイズが走った。



モンティ

「ん?なんだ?

...ッチ!!アキレイが小鬼ゴブリエル大鬼オルクエル

全部倒しちまった!!

んだよ...あれ作んのに結構時間かかるんだよなー」



そしてモンティは巨大計器のメモリを見て

更にため息をついた。


モンティ

「はぁ。アセヴィに勝てるわけねーだろリナリア。

ったくよ。第四監獄アルバァプリズンの温度

もうちっと下げてやるか。

ドMなアイツが喜びそうなこった。」



モンティはパソコンをカタカタといじると

メモリは5度下がり

モニターに映るアセヴィとリナリアは

強烈な吹雪に吹かれた。


モンティ

「流石に音声は吹雪の中じゃ聞こえねーか。

お、こっちは決着ついたみたいだな。

ツバキ相手じゃ流石に無理か。

ってか、

"おい長髪チョウハツ!!"って

お前らも長髪じゃねぇかよ!!

おもしれー奴らだな」



続いて第三監獄サラーサプリズンが映るモニターに目を向けると

グルグルと監獄が回り始めていた。


モンティ

「いや、これ回転の設定5分3分10分じゃねぇかよ。

流石にスパンが短いな...

えーっと、1番長い設定は...40分2分3分か...

極端過ぎねぇか?

誰だよこれ考えたの。

とりあえず変えとくか。...よし。

さて、続きやるか。」



ーー1時間後ーー

影遠イシュタリア機器•シン•ポータルをいじりながら

モンティはモニターを見ていた。


モンティ

「まんまと出し抜かれたな...流石はジニア。

団長も気が付かなかったか。

にしても音声丸聞こえってことに

気が付かないのかねぇー。

団長に全て筒抜けなのによ。

ってか、がっつりジュダス裏切ってんじゃねーか。

まぁ、イリスは酷かったからな...」



そして、水門が映るモニターを見ると

作業する手が止まった。


モンティ

「ラナンキュラスとジギタリアス副団長...

こりゃあ...ひでぇ...死ぬ気かよ。

で、こっちが...マジか!!あのエリカかよ。

うわー。マジで解き放ちやがった。

何考えてんだよ所長も団長も...

はぁ...何考えてるか分かった試しもねーけどよ。

それで...所長は今...」



モンティは右処刑場ゴラムから左獄処刑場ソドム

モニターを切り替えた。



モンティ

「そうか...相手はアキレイか。」



ーーそして現在ーー

未だにモンティは影遠イシュタリア機器•シン•ポータル

いじりながら火ノ炉決闘場イミシオンシーニの映像を見て

驚愕していた。


モンティ

「サ、サフィニアだよなあれ!!

聞いてねーぞ!!なんだあの姿!!」



すぐさまブリーフケースの中に頭を突っ込み

何やらガサゴソと探し始めた。


モンティ

「あれ?もっと奥だったかなー。

だいぶ昔だからなーー。

ぁあ...下だわこれ。」



そう言うとモンティは頭からブリーフケースの中へと

吸い込まれてしまった。



ーージニアサイドーー


火ノ炉決闘場イミシオンシーニにて

ソープワイトとサフィニア

ジニアとジュダスは対峙していた。


サフィニア

「ヴゥ...ヴゥ...」


ジュダス

「嘘だ!!嘘だ!!嘘だぁぁあ!!」


ジニア

「な、なんやねん...どないなっとんねん!これは!!」


サフィニア

「ヴゥヴゥ...ヴゥ...」


ソープワイト

「ヌッフフッッ...気に入ってくれたようだね。

感動の再会と行こうじゃあないか。」



すると、ジュダスはサフィニアの元へと駆け出した。


ジニア

「あかん!!行くなジュダス!!」



ジニアは咄嗟トッサ金色木乃伊コンジキミイラの砂で

ジュダスと不倒不苦痛イージスオブジーザスの身体をオオ

自分のそばに引き寄せた。



ジュダス

「テメェ!!離し...やがれ!!」


ジニア

「行くなうとる...やろ!!!」


ジュダス

「グッッ!!イッテェな!!!

何しやがる!!!!!」


サフィニア

「ヴゥーーーヴゥーーーー」



ジニアは金色木乃伊コンジキミイラ

ジュダスを更に締め付けた。


サフィニア

「ヴゥ...ヴゥヴゥヴゥ」


ジニア

「何も考えんと突っ込むアホがどこにおんねん!!」


ジュダス

「うるせぇ!!!

目の前に!!俺の目の前に

サフィニアがいるんだ!!!!!

ようやく...よう...やく...会えたんだよ...」


ジニア

「わーっとる。

せやから行くなうとんねん」


ジュダス

「なんでだよ!!!」


ジニア

「今ここで冷静にならんかったら

取り戻せるもんも取り戻せんくなる」


ジュダス

「関係ねぇ!!!!!!離せ!!!

俺は!!この手で妹を抱きーーー」


  ジニア遮る様に

「抱き締めてどないすんねん!!

よう見てみぃ!!!

目の前におるんは...サフィニアちゃう!!」


ソープワイト

「ヌッフフ!!!!

バカかね!?

彼女は間違いなくサフィニアだよ。」



そしてソープワイトはサフィニアの頭を掴み

何度も頭を地面に叩きつけた。


サフィニア 殴られる間ずっと

「ヴゥ!!ヴゥ!!ヴゥ!!」


ソープワイト

「いや!!!正確には!!!!

サフィ!!!ニア!!!!だった!!!!

今は!!!記憶も!!!

痛みも!!!心もない!!!!

ただの!!!実験材料オモチャ!!

#ナンバー0052ゼロゼロファイブツーだよ。

ヌッフフッッヌッフフッッヌッフフッッ!!」



サフィニア

「ヴゥ...ヴゥ」


ジュダス

「やめろォォオ!!!!」


ジニア

「落ち着け!!このアホ!!!

死にたいんか!!!

何の為に!!誰の為に!!

ここまで来たか思い出さんかい!!」


サフィニア

「ヴゥーーーーッッ」


ソープワイト

「フン。感傷に浸るバカ共が。

何の為に?誰の為にだと?バカな妹達の為に

わざわざ天空山テンクウザンで修行したことも

ここ、冥府大監獄ゲヘナプリズンへやって来たことも

大方オオカタ、予想はつく。

第三監獄サラーサプリズン看守長

スズーラが保持していた不倒不苦痛イージスオブジーザスを手にし、

サラセニアの弔蟲アハズーヤ 天獄ヴェゼヴゥヴゥ

対抗する気だったんだろ?」


ジュダス

「だから何だってんだ!!!!」


サフィニア

「ヴゥヴゥ...」


ソープワイト

「無知もハナハだしい限りだよ。

ただの魔装兵器マソウヘイキ神滅兵器シヴァ

対抗出来ると思い上がる辺りが

滑稽コッケイ過ぎて笑えやしない。

ましてや、サラセニアや

この私をも倒せると思っていたのかね?

教えてやろうじゃあないかジュダス。

貴様のチワワの如き牙など

私には届かぬということをね!!

ヌッフフッッヌッフフッッ」


ジュダス

「やってやろうじゃねぇか!!!

ジニア!!!離せ!!!!

俺がぶっ飛ばしてやる!!!!」


ソープワイト

「全く...キャンキャンと吠える仔犬だよ」


サフィニア

「ヴゥ...ヴゥヴゥ」


ジュダス

「なんだと!?コノ野郎ーーー」


  ジニア遮る様に

「ジュダス!!!

いちいちソープワイトの言葉に

耳を貸すなうとるやろ!!!」


ジュダス

「俺は...俺は!!妹たちを助けに来たんだ!!」


ジニア

「わーっとるやんけ。

せやから闘うなとはうてへんやろ。

行くなうとんねん。

ええかジュダス...隙を作ったるから

そこを不倒不苦痛イージスオブジーザスで突け」


ジュダス

「ぁあ...分かった」


ジニア

「純粋か!!どないやねん!!

さっきまでの威勢はどこ行ってん!?」


ジュダス

「うるせぇ。」


サフィニア

「ヴゥヴゥ...ヴゥ」


ソープワイト

「敵のオサを前にして作戦を伝えるなど

アホ過ぎて笑いも起きないよ。

目の前にいるのが...

一体誰か...分かってないみたいだね!!」



ゾゾゾゾゾと

ソープワイトから強大な刃汽ジンキが溢れ出した。

その凄まじさに圧倒されたジュダスは

ヒタイから汗を流し目がウツロになっていた。

しかし、ジニアは顔色一つ変えていなかった。


ジュダス

「グッ...この刃汽ジンキ量...ハンパねぇ」


ジニア

「せやろ?

お前がやって勝てる相手ちゃう。

あいつはラミオラス帝国が誇る最高戦力の一人

冥王軍 団長 ソープワイト

刃術ジンジュツと科学を合わた

超科学っちゅうよう分からん科学の天才らしいで。

知らんけど。」



ーーモンティサイドーー


特別監視室は凄まじいノイズと

警告音が鳴り響いていたが

モンティはブリーフケース改め

俺のカバンはモンティーズ別世界マンションの中にいた。

そこは20畳ほどのワンルームの部屋が

1号室から3号室の3部屋存在しており

それぞれ扉で仕切られている。

各部屋には自身のパソコンや研究資料や開発した機器

医療道具が揃えられ

モンティは集中して作業をしたい時や

サボりたい時によく使っている。

完全防音仕様でもあり、本体であるブリーフケースが

揺れていてもなんら影響はない。

そして何より一番の強みは

このカバンの存在をこの世界で

2人しか知らないという事実である。


モンティ

「あの部屋だったかな?」



ハシゴを使わずにクルッと回転し着地すると

2号室の扉を開けた。


モンティ

「おっ、あったあった。」



モンティはすぐさま

サフィニアの資料が入っているタブレットを持つと

そばにあった音声レコーダーが落ちた。



モンティ

「やべえやべえ」



モンティはそれを拾おうとしたが

カチッと音がすると

レコーダーが再生し始めた。





モンティ

「あ、あーあー。おし聞こえるかな。

えー、今日は経過報告する。

被験体は...っておい!!!やめろって。」



サフィニア

「あっ!!ティンティン!!!」


モンティ

「おい!!やめろその言い方!!

邪魔っすんなって!!っておい!!返せ!!」


サフィニア

「えーっとサフィニアちゃんでーす!!

今日のお空は雪だよ!!!

お姉ちゃんとねぇ!!雪合戦したの!!

そしたらね!!街壊しちゃった!!」


モンティ

「ほら、返せ。」


サフィニア

「あっ!!ティンティンを紹介するね!

ティンティンはねぇ...

いつも怪我したら治してくれたり

お菓子くれたりねー!!

ゲームしてくれるの!!!

後は...遊園地連れて行ってくれたり!!」


モンティ

「バカ!!それは内緒だろうが!!!

ほら、もういいだろ...返せ。」



サフィニア

「まだあるよ!!えーっとねぇ!!

ずーっと彼女いないんだって!!!!」


モンティ

「ほっとけ!!!」


サフィニア

「トギリとばーっか飲み行ってるんだって!!

だから彼女出来ないんだよねー!!

アヒャアヒャアヒャアヒャ!!!!」


モンティ

「おい、サフィ!!おれ仕事中だから

返してくれって!!!!」


サフィニア

「だからね!!サフィニアがーーーー」



そこでプツッとレコーダーが途切れてしまった。



モンティ

「ぶっ壊れてたっけな??あれ??

あっ、そうだ!!!あの後サフィニアが逃げて

持って帰りやがったんだ!!

しばらく返してくんなかったもんなー。

懐かしいな。そう言えばアイツ愛嬌あって

みんなから意外に好かれてたんだよな。

あんな姿になっちまってよ。

はぁ。さてと、行くか。」



ハシゴを上がって行くと

俺のカバンはモンティーズ別世界マンションを出た。


モンティ

「ん?なんだこの音!!」



警告音が鳴り響き

刃汽ジンキを測る計器のメモリが赤く光っていた。


モンティ

「マジか!!

団長の刃汽ジンキで計器がぶっ壊れそうだ!

ぶっ壊れたら俺が所長にぶっ壊されるわ!!

抑えてくんねーかなー。

でも、戦闘中に通信するとぶっ殺されそうだしなー。

よくよく考えたら...だいぶブラックだな。」



そう言いながら警告音を切ると

タブレットを使ってサフィニアの情報を見ていた。


モンティ

「おい!!なんで閲覧制限なんだよ!!

俺は副所長だぞ?なんで俺の権限で入れねーんだよ。

突破すんのめんどくせーじゃねーか!!

はぁ。用心深いなー相変わらず。」



ーージニアサイドーー


火ノ炉決闘場イミシオンシーニにて


ソープワイト

「ヌッフフッッ

この刃汽ジンキにあてられても

顔色一つ変えないとは面白い。

砂塵の鞘花ショウカはアホばかりだったが

少しは楽しめそうだね。」


ジニア

金色木乃伊コンジキミイラ

アホばっか選んどるみたいやんけ!!」


ソープワイト

「選ぶのはサヤ

鞘花ショウカは選ばれたに過ぎない。

そこにそれぞれの神たちの趣味趣向が加わることに

何の疑問があるのかね?

歴代の鞘花ショウカは皆似たフシがあるんだよ。

継承を失敗した者も

数多くいるのを知っているのかね?

無知な貴様らに教えてあげようじゃあないか。

サヤの性格診断を」


ジニア

「そんなんあてになるかい!!!!!」


  ソープワイト遮る様に

紅大蛇クレナイオロチなら実直ジッチョク

嵯峨鼠鼠サガネズネズミなら驕心キョウシン

葡萄染麒麟エビゾメキリンなら婉美エンビ

銀狼ギンロウなら流麗リュウレイ

桜雌鹿サクラメロクなら情愛

青藍人魚セイランニンギョなら修羅

梔子猛虎クチナシモウコなら懇篤コントク

そして、金色木乃伊コンジキミイラなら誡告カイコク

...どうだね?」



ジニアは目を見開いていた。



  ジニア心の声

((知らんのもおるけど

だいたい合っとんな!!))


ジニア

「...だ、だ、だからなんなん!?

そんなん合ってませーん!!」


ジュダス

「おい、思いっきり動揺してんじゃねぇかよ。」


ソープワイト

「大体のサヤの性格は理解しているつもりだよ。

だからこそ発現した新たな鞘花ショウカを研究したくて

あの女をさらった訳だが

非常に興味深かったよ。

あの鞘花ショウカを守らんとするサヤの意思が

あまりにも強くてねぇ。

逆に興味がかれるばかり。

発現ともなると尚更だよ。」


ジニア

「せやからキキをさらったんか!!」


ソープワイト

「それ以外にあげる理由なら山ほどあるが?

だが1番の理由はまさに興味。と言った所だね」


ジニア

「どうでもええわ!!

俺らはお前の遊びに付きうとる暇ないねん!!」


ジュダス

「そうやって俺の妹たちを

モテアソんだのか!!!」


ソープワイト

「バカかね!!!

この世にある全ての万物は興味から

生まれた産物だよ?

その服も装飾ソウショク魔進マシンKARE8カレハ

刃術ジンジュツも全て!!

それが世のため人のためとなり

今の生活があるんじゃあないか!!

貴様ら低能な猿と仔犬には

到底、理解出来るとは思わんがね。」


ジュダス

「ふざけてんじゃねぇよ!!!

結局は私利私欲のためじゃねぇか!!

お前は人の人生を何だと思ってんだ!!!

お前とサラセニアがいなきゃ

俺と妹たちは今頃

こんな想いをしなくて良かったんだ!!」


ソープワイト

「人生?人生とは面白い!!

ヌッフフ!!ヌッフフ!!!

ジュダス=ギギ=アルマーニ。

長い年月を賭け

血の滲む修行し、拳闘僧侶ラカンにまで昇り詰めた。

壮大だが陳腐チンプな人生だよ全く。

どうせ記憶も曖昧アイマイなんだろ?」



サフィニア

「ヴゥヴゥ」


ジュダス

「確かに天空山テンクウザンの事は

技以外は覚えてねぇけど...

俺の人生は陳腐チンプじゃねぇ!!!

決して陳腐チンプなんかじゃねぇ!!!

ふざけ...んな...よ。ソープワイトォォオ!!」


ジニア

「ジュダス!!挑発やぞ!!!乗ったらあかん!!

ミミフサいでアーってうとけ!」



ソープワイト

「フンッ。余裕なフリをしていても

貴様も本当は思っているんだろ?砂塵の鞘花ショウカ

かと言って、口には出しやしない。

だから思いりと親愛が皮膚に張り付いた私が

貴様の代わりに言ってやろうジュダス!!

貴様が選んだ道!!!

そして乗り越えた苦痛 全てが!!」


ジニア

黙っダァーッとけ...それ以上...」


ソープワイト

「無駄 だったと言うことをーーー」


  ジニア遮る様に

剋刃ゴクハ十三ジュウサン遮々音々シャシャオンオン!!』



ジニアはジュダスを指差し剋刃ゴクハを発動すると

ジュダスを中心に波紋が広がった。


ソープワイト

「ほう...波動系 遮音シャオン剋刃ゴクハ

音自体を遮断するとは何の面白味もないね。

せっかくの絶望が台無しじゃあないか」


サフィニア

「ヴゥ...ヴゥ...」


ジュダス

「ん?音が聞こえねぇ!!!なんだこれ!!

サフィニア!!!サフィニア!!!!!

なんで!!なんでだ!!!!

グッ!!離せジニア!!!!ジュダスだよ!!

サフィニア!!!サフィニアァァア!!」



ジュダスは懸命に届かぬ声を叫び続けた。


ソープワイト

「まぁギャーピーギャーピー

仔犬の様なワメきを聞くのも

飽きたところだったよ。ん?」


  ジニア遮る様に

砂奏数スナソウジュ砂漠ノ命サバクノミコト!!』



突然ジニアは金色木乃伊コンジキミイラから

砂の弾丸を無数に発射した。


ソープワイト

#ナンバー0052ゼロゼロファイブツー!!」


サフィニア

「ヴゥ!!ヴゥ!!!」


ジニア

「ただの砂の弾丸ちゃうで?弾けろ!!!」

砂奏数スナソウジュ砂漠ノ崩玉石サバクノホウギョク!!』



砂の弾丸が弾けソープワイトに降り注いだ。


ソープワイト

「はぁ。芸の無い猿が。

そんな弾が弾けた所で何の意味があるんだね?」


サフィニア

「ヴッ!!!」



ソープワイトがサフィニアに目線をやると

サフィニアが盾となり全てを受け止めた。


ジニア

「なっ!!」


ジュダス

「やめろぉお!!!!」


サフィニア

「ヴゥ!!!ヴゥ!!!!」


ソープワイト

「なんだね?このチャチな砂の針が

貫通しない事に驚いているのかね?

それとも自分の意思かの様に動いたことに

驚いているのかね?」


ジニア

「自分の意思で誰がお前なんか守るかい」


ソープワイト

「身をテイして主人を守ることはあれど

主人に立て付くオモチャが

この世界のどこにいるんだね?

イカヅチ鞘花ショウカに切り裂かれたサフィニアを

私が改造ナオしてやったんだ。」



ソープワイトはそういうと

サフィニアを突き飛ばした。


サフィニア

「ヴッ!!」


ジュダス

「サフィニア!!」


ジニア

「女を盾にコソコソ隠れとるのが

お前にはお似合いやな。ソープワイト」


ソープワイト

「女?女なんてどこにいるんだね?

ここにいるのは#ナンバー0052ゼロゼロファイブツー

私の兵器だよ?まさか...

生物学的にメスという事を言いたいのかね?

バカと話すほど疲れるものは無いとは

まさにこの事だよ。

猿にも分かるように教えてやろうじゃあないか。

生殖器など兵器には必要ない。

そんなもの破壊したに決まってるだろ?

また必要とあれば創造ツクれば良いだけのこと。

貴様はバカかね!?

どうせ死んだ入れ物だ

腐った臓器など兵器が劣化する原因だよ。」


ジニア

「なん...やと...このクソが...

どこまでも腐っとる奴やな!!

人を何やとオモとんねんこのハゲ!!」


ソープワイト

「人を私に語る気かね?

人体のジの字も知らん猿が

この私に向かって人を語るとは面白い。

バカに付き合うほど私は暇じゃあないんだ。

さっさとサヤを置いて死にたまえよ」



ソープワイトはそういうと背を向けた。


ジニア

「なんや...逃げるんかい」


ソープワイト

「逃げる?この私が?

冥王軍の管轄カンカツでもある

この冥府大監獄ゲヘナプリズンで?

面白い事を言う侵入者イントュルーソ だね。」



そう言うとソープワイトは

上空に手をかざして叫んだ。


ソープワイト

小鬼ゴブリエル!!大鬼オルクエル!!」



すると上空からドスンッドスンッッと

赤と青の小鬼ゴブリエル

羽の生えた紫色の大鬼オルクエルが降って来た。

襲い掛かろうとするも

ソープワイトは拳をグッと握り

それを静止させた。



ソープワイト

「50体の失敗作フラカサード#ナンバー0052ゼロゼロファイブツー

歓迎しようじゃあないか。」


ジニア

「コイツらはこないだの小鬼ゴブリエル!!

それと...なんや...

羽まで生えた奴までおるやんけ...」


ジュダス

「何だありゃあ...」


ソープワイト

「私が、直々ジキジキに手を下すとでも思っていたのかね?

私は楽しみに来たんだよ。

実の妹に無抵抗に殺される兄と

それを庇って死に行く鞘花ショウカをね。

ほぅら、解いてやるよ。ジュダス」


ジニア

「やめーーーー」


ソープワイト

パンッ手を叩く音

オン... 解脱ゲダツ... 薩婆訶ソワカ



ソープワイトが両手を叩くと

ジュダスの周りをオオ刃術ジンジュツ

金色木乃伊コンジキミイラの砂が解かれた。


ジュダス

「グッ...おい、何なんだコレ...」


ジニア

「子供を拉致ラチってたやろ?

その子ぉらを実験台にして

失敗した結果が小鬼ゴブリエルやねん」


ジュダス

「何...だと!?

まさか...コレが第三世代鞘花ショウカ計画OGAオージーエー...」


ソープワイト

「ほう...」


ジニア

「...そやろな」



ジニアの発言にソープワイトは

一瞬、マユをピクッと動かした。


ジュダス

「よく分からねぇけど

第7 魔装マソウ研究所で

実験記録を見た時にそう書いてあったんだ」


ソープワイト

「そこにも侵入したのかね。

よくもバレずに生きてこれたものだよ。

だが、その命もここで終わりを迎える。

つまらない人生だよ」


ジュダス

「うるせぇ!!!」



ジニアはしばらく考え事をすると

ゆっくり口を開いた。


ジニア

「なるほどなぁ...何となく読めてきたで。

行くでジュダス!!

ソープワイトしばいて色々聞き出すで!!!」


ジュダス

「元からそのつもりだ!!!!」


ソープワイト

「面白い事を言うバカ共だね パチン指を鳴らす音



ソープワイトは指を鳴らすと

一体の小鬼ゴブリエルが両手両足をつき

その背中へと腰掛けた。


ソープワイト

「やれ!!!!

ここがどこだが教えてやるんだよ!!!」



ソープワイトの掛け声と共に

サフィニアと小鬼ゴブリエル大鬼オルクエル

一斉に襲い掛かってきた。


ジュダス

不倒不苦痛イージスオブジーザス!!」

鈍放螂ドンポウロウ!!!』


ジニア

砂塵百大天サジンヒャクダイテン!!』





次々と上半身だけがコマのように

高速回転する不倒不苦痛イージスオブジーザス

細い砂の竜巻が小鬼ゴブリエル

空中にいる大鬼オルクエルツラヌいていった。


ジニア

「やれ パチン指を鳴らす音



砂の竜巻は更に加速していく


ソープワイト

「元が子供と知っているのにも関わらず

躊躇チュウチョせずに仕掛けて来るとは

血も涙もないね」


ジニア

「どの口がうとんねん!!

ジュダス!!!!鬼は俺がやる!!

サフィニアは頼んだで!!!」


サフィニア

「ヴッヴッヴッ」


ジュダス

「分かった!!!!」

パンッ手を叩く音

オン!!亀羅硬尼キラコーニ!!

オン!!眼陀羅尼ガンダラニ!!』

「行くぜ不倒不苦痛イージスオブジーザス!!」

熾烈真壊戦シレツマカイセン!!』



ジュダスの目は血走り身体から湯気が出ていた。


ジニア

「大丈夫なん!?」


ジュダス喰いしばりながら

「い...け...る!!!!」


ジニア

「...そうか。おっしゃ行くで!!!」



ジニアの砂がサフィニアまでの道を作ると

不倒不苦痛イージスオブジーザス

超高速で駆け抜けた。


ジュダス

「ンガッッ!!!」


ジニア

「ジュダス!!!!!」


ジュダス喰いしばりながら

「大...丈夫だ!!」



ジュダスは小鬼ゴブリエルに噛みつかれるも

無傷だった。


ジニア

「大丈夫そやな!!!

ほれ!!!!!!!」



砂の竜巻がジュダスに噛み付いた鬼を

ツラヌいていった。

不倒不苦痛イージスオブジーザス

サフィニアに向かって行くが

サフィニアの両腕から光線が発射され

その勢いに負けると吹き飛んでしまった。


ジニア

「なんやあれ!?

対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ兵器か!?」


サフィニア

「ヴッー!ヴッ!!」


ジュダス喰いしばりながら

「光線で...近づけねぇ!!」


サフィニア

「ヴッーー!!!ヴッーーー!!!」



小鬼ゴブリエル大鬼オルクエルが群がり

ジニアに向かってワラワラと突進してきた。


ジニア

「クソ!!なんやねん!!

思春期のニキビぐらい数が多いやんけ!!」


ジュダス喰いしばりながら

「何なんだ..その例え!!」



その様子をソープワイトは小鬼ゴブリエルして見ていた。


ソープワイト

「自身に身体硬化をホドコして防御をし

不倒不苦痛イージスオブジーザスと視界を共有する。

その組み合わせは非常に負担が大きいと見える。

熾烈真壊戦シレツマカイセンとやらで

格段に不倒不苦痛イージスオブジーザスの性能を

底上げしたのか知らんが

術者は一歩も動けないようだね。

だが、不倒不苦痛イージスオブジーザスの自動治癒が相まって

リスクすら相殺ソウサイさせるか。

だが。全てを不倒不苦痛イージスオブジーザスに任せられるほど

使いこなしてもいない。

にしても...思ったより小鬼ゴブリエル大鬼オルクエル

少ないのは何故かね?モンティ」



通信刃術ツウシンジンジュツでソープワイトは

モンティに問いただしていた。


モンティ

((そんな事言われても俺知りませんよ。

アキレイとチョウランが小鬼ゴブリエル大鬼オルクエル

第一監獄ワーヒドゥプリズン

殺しちゃったじゃないですか。

そりゃ数も減るでしょ))


ソープワイト

「相変わらず不遜フソンな態度だよ。

私の知る限りもっと送れるはずだがね。」


モンティ

((送れませんよ!!

色んな所ですごい事が起こってーーー))



ソープワイト

「ん?これは...」



ーーモンティサイドーー


特別監視室にて

今度は尋常じゃない程の警告音が鳴り響いていた。


モンティ

「おいおいおいおい!!

なんだよこれ!!!!!」



異常な刃汽ジンキ量の跳ね上がりを

計器が計測しメモリが振り切ったのを確認すると

モンティは急いで原因となる箇所を探し始めた。



モンティ

「複数箇所でほぼ同時に跳ね上がった!!

どこだ!!どこだ!!!

クソ!!!デカすぎて

ここの設備だけじゃ分かんねぇ!!

冥府大監獄ゲヘナプリズン刃汽ジンキ量を

調節しねーとココがぶっ壊れる!!!!

ッチ!!仕事増やすなよ!!!!」



そして、モンティは再度

俺のカバンはモンティーズ別世界マンションへ入ると

様々な機器を持ち出して並べ始めた。


モンティ

「勝手に配線いじるけど

後で怒られねーよな。」



自分の機器と冥府大監獄ゲヘナプリズンの機器を繋げた。


モンティ

「よし。さぁてどこだ...。

...左獄処刑場ソドム右処刑場ゴラム

水門!?

千年万花センネンバンカ最大輪マキシマかよ!!

そんな大技出すんじゃねーよ!!!!

ここを壊す気かよ!!!

早く空間刃汽ジンキを調整しねぇと

色々影響でちまう!!」



モンティは急いで

冥府大監獄ゲヘナプリズンの外へと

一気に刃汽ジンキを放出する様に調節し始めた。



モンティ

「よしっ。これでいいか。

なんだよ... 黒潮吹砲ヴァキアティモンのお披露目会だと思ったら

とんだ災難だぜ...」



ーージニアサイドーー


ジニア

「この刃汽ジンキ... 余程ヨホドやな...」



すると突然、足元から

次々とワニのような大きな赤い口が出現し

ジニア達を挟もうと襲ってきた。



ジニア

「グッ!!!なんやねん!!!これ!!!」


ジュダス喰いしばりながら

「グアッッ!!!!!!これは!!」



何個もの赤い口がジュダスを次々と挟んでいく。


ジュダス

「アガッ!!グッ!!!グアッッ!!!」


ジニア

「ジュダス!!!!!」



ジニアは砂の竜巻で赤い口をツラヌくも

次々と湧き出てきた。


ジニア

「なんやねん!!!!」



しかし、小鬼ゴブリエル大鬼オルクエル

噛まれ飲み込まれていった。


サフィニア

「ヴッ!!!ヴッ!!!!!」



ソープワイト

「......フン。エリカか」


ジニア

「ジュダス!!」



ジニアは間一髪で口を避けながら

ジュダスと不倒不苦痛イージスオブジーザスを砂で包むと上空へと飛ばした。

しかし、地面から赤い口が飛び出すと

ジニアの砂にぶつかり落下していった。



ジニア

「何やあの形...

拷問器具のアイアンメイデンみたいやないか。

空まで追いかけるて

何に反応して あぁなんねん。」


ジュダス喰いしばりながら

「悪...い」


ジニア

「集中せぇ!!!」


  ジニア心の声

((ソープワイトとサフィニアは襲われとらへんな...

目標を絞っとんのんか刃汽ジンキに反応すんのんか

よう分からんなぁ。))


ジニア

「めんどいやっちゃな!!!!!!」

大砂海ダイサッカイ!!』



ジニアはジャンプし金色木乃伊コンジキミイラ

上空に向けると何万トンもの砂が出現し

火ノ炉決闘場イミシオンシーニ

ドーーンっと降り注いだ。


ソープワイト

「砂の海...

#ナンバー0052ゼロゼロファイブツー!!!!!」



ソープワイトは砂の海を一蹴イッシュウ

空間を作ると

サフィニアと共に砂の上までゆっくり上がってきた。


ソープワイト

「砂だらけになったじゃあないか。この猿が。」



ソープワイトは服に着いた砂を払いながら

ジニアを睨んだ。


ジニア

「まぁ、こんなん効かんわな。

せやけど目的がちゃうねん!!!!」

葬天大砂海ソウテンダイサッカイ!!』


ソープワイト

「フン。」



ジニアが叫び金色木乃伊コンジキミイラを砂に刺すと

足元の砂の海が大きく振動し始めた。

すると、次々と湧き出る赤い口が出現しなくなった。



ソープワイト

「足場を作って固めたか...

下から湧き出るなら

フタをすればいいだけの話と言う訳かね。」



ソープワイトの言葉を横目に

ジニアはジュダスを襲う赤い口を砂で破壊した。

そして、ジュダスと不倒不苦痛イージスオブジーザス

ゆっくり下へ降ろした。


ジュダス喰いしばりながら

「悪いな...」



そう言うと再び不倒不苦痛イージスオブジーザス

サフィニアへと向けた。


ジュダス喰いしばりながら

「イージス!!!」


サフィニア

「ヴッ!!ヴッ!!!ヴッ!!!」



光線を乱発するも

不倒不苦痛イージスオブジーザスは華麗に避けて行く。


サフィニア

「ヴッーーー!!ヴッ!!!!!!」


ジュダス食いしばりながら

「絶対に!!連れ帰る!!!サフィニア!!」



サフィニア

「ヴッーー!!!!!!!」


ジニア

「無理やて!!!体力 持たへんぞ!!」


ジュダス食いしばりながら

「俺は!!!死んでも!!!連れ帰るんだ!!」


ソープワイト

「茶番だよ。全く。

エリカと猿のお陰で

小鬼ゴブリエル大鬼オルクエル

無駄にしたじゃあないか。」


サフィニア

「ヴッヴッヴッーーー!!!!」


ジニア

「これでサシでやれんなぁ。

手加減せんで!!!ソープワイトォオ!!」


ソープワイト

「ヌッフフ!!!!ヌッフフ!!!!

貴様の様な低能猿テイノウザルがなんだって?

手加減だと!?

誰に向かって言っている!!!!」


ジニア

「なんや?傷ついたんか?おん?

ショック過ぎて髪の毛 白なってもーとるやん!!!」


ソープワイト

恥晒ハジサラすのも大概タイガイにしたまえよ。

私の髪の毛は元々 白いんだよ」


ジニア

「真面目か!!!」


ソープワイト

「何だと?」


ジニア

「やかましい!!

その減らず口を叩き直したるわ!!」

砂奏数スナソウジュ砂岩砂射波サガンスナイパア!!』


ソープワイト

「早い。」



金色コンジキに輝く弾丸が

金色木乃伊コンジキミイラから発射され

ソープワイトに向かって一直線に飛んでいった。

しかし身をヒルガエ

ソープワイトはけてしまった。


ジニア

「まだやで パチン指を鳴らす音



グルンっと弾丸が方向転換し

ソープワイトに向かって更に飛んでいった。


ソープワイト

「ほう、追尾するのかね」


ジニア

「逃すかい!!!」





ソープワイト

「こんなものかね?」



ジニア

「嘘...やろ..」



シュルシュルと音を立てる弾丸は

ソープワイトにつままれても尚、回転していた。



ソープワイト

「今一度、言ってあげようじゃあないか。

...こんなものかね?」





すると上空からジュダスが

落下するのが見えた。



ジュダス

「ウグッ!!!!」


ジニア

「ジュダス!!!!」


サフィニア

「ヴッ!!!!ヴッ!!!ヴッ!!!」


ソープワイト

「流石に刃汽ジンキが切れたか。

こんなアホを連れて

私と戦おうとするその思考回路には

驚嘆キョウタンするよ。」



そう言って受け止めた弾丸を

ジュダスに向かって投げつけると

その身体をツラヌいた。


ジュダス

「アガッ!!!!」


ジニア

「グッ...身体硬化の術が切れかかっとる...」



ジニアは音と刃汽ジンキ知覚を駆使して

ジュダスを見ずに状態を察知していた。


サフィニア

「ヴッ!!!ヴッ!!!!」


ソープワイト

「ヌフフッ

私から目が離せないんだろ?

自分の視界から私が外れる事が怖いんだろう?

いつ、どこで、何を、仕掛けて来るか分からない。

それもそのはず、

私は能力チカラの片鱗さえも出していないからね。

だからジュダスを助けに行こうにも行けない。

そうだろう?

それともう一つ教えてあげようじゃあないか。

気付いているかね?猿」


ジニア

「誰のケツが赤いねん!!

まぁ、一応確認しとくわ...ホンマや!!

って何させんねん!!!」


ソープワイト

「どうやら見た目だけではなく

やはり、知能も猿並みのようだね。

本当に気付いていないようだ。

それでも千刃花センジンカの隊長かね?

私はここに来てからただの一度も

かすり傷 一つ付いていない。

むしろ、ほぼ攻撃すらしていないんだよ。」


ジニア

「んなこたぁ!!わーっとるわ!!!!!!!」


ジュダス

「ジニ...ア...俺は...大丈夫...だ。」


ジニア

「グッ...刃汽ジンキが切れかかっとるんやったら

回復速度も不倒不苦痛イージスオブジーザスの性能も落ちるんは

分かっとるやろ?」


ジュダス

「ぁあ。」



不倒不苦痛イージスオブジーザスの動きは

確かにニブくなっていた。


サフィニア

「ヴッーー!!ヴッーーー!!!!」


ソープワイト

「さぁて。

私が作った魔装兵器マソウヘイキの中にも

いくつかお気に入りの作品があってねぇ。

空間を閉じ込める

艶泡ラグジュアリー隠伏ケルフォールニア

硬度と伸縮性にんだ死面装仮バトレロアイヤ

そして、最強の盾と呼ばれる不倒不苦痛イージスオブジーザス

分かるかね?

ジュダスを殺し魔装兵器マソウヘイキを回収する。

そして、貴様ら鞘花ショウカサヤ

手に入れる。

邪魔者が消えて一石二鳥じゃあないか。」


ジュダス

「誰が殺される...かよ...

死ぬのはお前だ...ソープワイト」


ソープワイト

「面白い事を言う仔犬だよ。

一見、勇猛ユウモウとも取れるが

それはただ、死ぬ事に恐怖がない様にしか

見えないがね」


ジュダス

「なんだ...と!?テメェ!!!!」


ジニア

「叫ぶなや。怪我は大丈夫なんか?」


ジュダス

「ぁあ。べちゃくちゃ喋ってくれたお陰で

だいぶ癒えてきた。」


ジニア

「せやろ?時間稼いどったんやで。

...大丈夫そやな。

そんな事より

ジュダス...熾烈真壊戦シレツマカイセンは危険過ぎる。

あんま使ツコたらあかん。」


ジュダス

「ぁあ...分かってる。

不倒不苦痛イージスオブジーザスと俺で

サフィニアを抑える。

ジニアはソープワイトを頼む。」


ジニア

「当たり前や。」


ジュダス

パンッ手を叩く音

オン!!亀羅硬尼キラコーニ 薩婆訶ソワカ!!』

「イージス!!!!!!」


サフィニア

「ヴッ!!!ヴッーーー!!ヴッーーー!!」



ジュダスは不倒不苦痛イージスオブジーザスを盾に

サフィニアの発射する光線を防ぎ、

けながら前へとグングン進んでいった。


サフィニア

「ヴッーーー!!ヴッーーーーー!!!」



ジニア

「ほな行くで!!ソープワイトォォオ!!」





ソープワイト

「バカかね!!!」


ジニア

「ガハッ!!!!!

嘘...やろ!!??」



封じたはずの赤い口にジニアは挟まれてしまった。


ジュダス

「ジニア!!!

グッ!!!グアッ!!!!」


ソープワイト

千年万花センネンバンカの技が

こんな砂遊びで止められる訳がない。

やはり、砂塵の鞘花ショウカ

アホゥばかりだったようだね。」



ーーモンティサイドーー

裏門ヘブンズゲートにある特別監視室にて

モンティはサフィニアの資料を漁っていた。


モンティ

「...っと!!おし!!

閲覧制限はクグり抜けられたな。

えーっと。最新の更新は...1時間前かよ。早っ。

いつ更新出来る暇あったんだよ!!!!

まぁ、所長ちゃっかり仕事出来ちゃうもんなー。

それでそれでえーっと。あったあったあった。

サフィニア=トッド=アルマーニ

出身地はナーベルク帝国の漁師町イリスで

双子の姉がペチュニア =サンサ=アルマーニ

兄は元ラミオラス帝国兵...

偽名を使って入隊するも脱走する。

永久指名手配し我が兵士によって

サルバドル共和国にて射殺シャサツす。っと。

ほーん。」





モンティ

「射殺!?!?

待て待て待て待て。

殺されてんじゃねぇか!!!」



更にモンティはタブレットをスライドさせた。


モンティ

「それで...十年の歳月が過ぎ

容姿が似ているジュダスと名乗る男が

第三監獄サラーサプリズンの看守長となる。

要捜索対象。...マジかよ。

死んだ者を生き返らせるのは

ソープワイト団長でも

サラセニア所長でも無理だ!!」





モンティ

「...ジュダス...あいつは一体、誰なんだよ。」





作者 REN’sJackson

千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

煉獄レンゴク 冥府ゲヘナ大監獄プリズン

Seasonシーズン22トゥエンティツー

Her nameハーネーム is #イズ ナンバー 0052ゼロゼロファイブツー,she was a シーワズア Sサフィニア(完)






おまけ






ここはラミオラス帝国の首都シンシャドゥールにある

奇抜な緑と赤の内装がトゲトゲしい

ヒドラ軍事科学研究所本部

そこの一室には

冥王軍団長でもあり天才科学者のソープワイト

そして、副所長のモンティが

研究所内で作業していた。

そこに冥王軍副団長及び冥王兵器軍ヒドラ所長でもある

天才発明家サラセニアが

ガタガタとコーヒーカップを揺らし

歌い踊りながらソープワイトへと

近づいていった。



サラセニア

「ビリビリボーイ、ビリビリボーイ

ビリビリボーイ、ビリビリボーイ

ビリビリボーイ、ビリビリボーイ

ワチュガナドゥッ!

ワチュガナドゥ!!ヘッ!!

ビリビリボーイ、ビリビリボーイ

ビリビリボーイ、ビリビリボーイ

ビリビリボーイ、ビリビリボーイ

ワチュガナドゥッ!

ワチュガナドゥ!!君主クンシュ

コーヒーを淹れてきました次第です!!」


ソープワイト

「フン。私がコーヒーを所望する18秒手前で

コーヒーを持って来いと

いつも言っているだろう!!」


サラセニア

「申し訳ありません君主クンシュ!!」


モンティ

「歌ってるから18秒過ぎたんですよ。

大体、そんなの無理すぎますって。

あっ、ちなみにそのコーヒー入れたの

俺っすからね。」


サラセニア

「副所長!!!!君主クンシュに向かって

生意気な口を聞くなど!!!!!

ぁあ!!!神よ!!!この哀れなトンガリヘッドを

許したまえ!!!!!」


モンティ

「いや、頭が俺の10倍トンガってる人に

言われたくないんだけど。」


サラセニア

「ンフフフッ...今なんと?」


ソープワイト

「...黙れ!!!今、私は集中しているんだよ!!

この影遠イシュタリア機器•シン•ポータルが完成すれば

飛躍的に効率、生産性、軍事力が底上げされるのだよ!

黙って働きたまえ!!!

お前達はもうじきここを発つんだろ?

そうだろ?サラセニア!!」


モンティ

「え?それ聞いてないっす。」


サラセニア

君主クンシュ!!

ワタクシめは

このモンティめと先に向かう故!!」


モンティ

「え!?そうなんすか!?

俺も行かないといけないんすか?」


サラセニア

「何を言っているのですか!?

今日はお披露目パーティー!!

そう!!!!黒潮吹砲ヴァキアティモンの完成セレモニー!!」


モンティ

「ぁあ。そういえばそうだった...

いや、やっぱり聞いてないっす。」


サラセニア

「では!!今しがた伝えました!!

そして!!コレが!!!

その台本です!!!!」



サラセニアは

分厚い資料をデスクの上にドンッと置いた。

そして、指をペロッとしながら

説明し始めた。


サラセニア

「えーっ。

先ずは私めがスポットライトの中

登場致します故、拍手喝采。

君主クンシュは完成した事を

知らぬ程でお願いします。

そしてその後、看守長達が登場してーーー」


  モンティ遮る様に

「俺パスで。

忙しいから行かねぇよ?」


サラセニア

「パス!?そんな事が許される訳がありません!!

コレはパーティー!!

そう!!ミュージカル!!

台本は付き物です!!

それにモンティ!!あなたは副所長!!!

行かない理由にはなりませんよ!?」


モンティ

「はぁ。団長。責任者が研究所から

2人も抜けたらマズくないっすか?」


ソープワイト

「断る権利など貴様が産まれた時に

放棄されているよ。」


モンティ

「んなまさか。

ってか...よくよく考えたら

それってヒドすぎません?」


ソープワイト

「黙れモンティ。

この私に意見するなど

5億年早いんだよ。」


モンティ

「5億年って...」


ソープワイト

「はぁ。サラセニア以外に

そこそこ出来る人材がいないから

お前がいると言うのに。

職務を放棄するなら

ここで殺す事にするが構わないね?」


サラセニア

君主クンシュ!!

モンティはそこそこ出来る故

副所長なのです!!」


ソープワイト

「人材不足は由々しき問題だね。

早急に解決しなければいけないよ。全く」


サラセニア

君主クンシュ!!

大変申し訳ありません!!

新たな人材が見つかれば抹殺!!致します!!」


モンティ

「目の前で俺を殺す相談かよ...」


サラセニア

「殺す?そんな生半可なものではありませんよ。

戸籍から何まで抹消するのです。

まるで存在しなかったかのように。

何ともまぁ!!悲劇!!!いや!!喜劇!!」


モンティ

「はぁ。行きゃぁいんだろ。行きゃぁ。」


サラセニア

「それで良いのです!!

では共に歌いましょう!!!」


モンティ

「はぁ?歌わねーよ?」


サラセニア

「ガーーーーーン!!!」


ソープワイト

「どうでもいいよそんな事。

私は後から向かうよ。

来客を迎えねばならんのでね。

それと、ダチュラを遊楽駅アポボステーション

待機させる様に準備しておいてくれたまえ。」


サラセニア

「御意!!!」


モンティ

「...来客すか?」


サラセニア

「モンティ!!君主クンシュに対して疑問など

抱いてはいけません!!!

君主クンシュのお言葉は絶対!!

全てが愛!!!!愛すべきお言葉!!!」


モンティ

「まぁ、了解っす。

あっ、団長。この基盤使ってみてください。」



モンティはソープワイトに基盤を手渡した。



ソープワイト

「フン。

ちょうど取ろうと思っていた所だよ!!」



そう言ってコーヒーを全て飲み干すと

ソープワイトは影遠イシュタリア機器•シン•ポータルに基盤をつけた。

しばらく経つと影遠イシュタリア機器•シン•ポータルが青く光り輝き始めた。


サラセニア

「おぉ!!!!コレで完成しました!!

流石は君主クンシュ!!!!

時間にして三十分で作ってしまうとは!!」


ソープワイト

「ヌフフフッ後は実際に試してみるだけだ。

さて、その実験台1号は...」


  サラセニア遮る様に

「では!!モンティ!!!

地獄列車ケルベロスへ向かいますよ。」


モンティ

「マジかよ...」



サラセニアはそういうと

そそくさと扉を出て行った。


モンティ

「はぁ。なんで俺が行くんだよ。」


ソープワイト

「待ちたまえ。」


モンティ

「なんすか?」


ソープワイト

影遠イシュタリア機器•シン•ポータル

単体で動かないのは分かっているだろ?」


モンティ

「あ、はい。

むしろ、今さっきまで手伝ってましたからね。」


ソープワイト

「では、1つ影遠イシュタリア機器•シン•ポータル

持っていきたまえ。」


モンティ

「分かりました。」


ソープワイト

「それと」


モンティ

「はい?」


ソープワイト

「これが影遠イシュタリア機器•シン•ポータルの小型基地だよ。

これがあれば最上階にある基地局の電波を介して

制限はあれど能力チカラを使うことが出来る。

我々の刃汽ジンキを認識して

自動認証出来る様に改造しておいた。

感謝したまえよ。

そして、このボタンと小型基地局があれば

シンシャドゥールから冥府大監獄ゲヘナプリズンへとすぐに飛べる。

冥府大監獄ゲヘナプリズンの移動も楽になるだろうね。

お前の仕事はこの小型基地局を

冥府大監獄ゲヘナプリズンに設置することだよ。

使い方は...そのアリの如く小さな脳髄ノウズイ

しっかり考えたまえ。

ん?なんだね?その顔は?

私の眼光が親しみとイツクしみで

出来ていなければ焼き殺していた所だよ。

しっかりやりたまえ。

フンッ。全く...」



そういうとソープワイトは

クシャクシャのメモをモンティに投げ付けた。


ソープワイト

「何をしている!!!!

さっさと拾って向かいたまえ!!」


モンティ

「あ、あの...

小型基地局2メートルぐらいあるんですけど

俺1人じゃ運べないっすよ。」


ソープワイト

「正気かね?

今さっき影遠イシュタリア機器•シン•ポータル

渡したはずだよ。

さっさと地獄列車ケルベロスにいきたまえ。」


モンティ

「あっ!!そうっすね。

では、失礼します。」



そう言ってモンティは小型基地局と共に消えて行った。

すると、ソープワイトはすぐさまモニターを

地獄列車ケルベロス付近の映像に切り替えると

そこにはしっかりとモンティの姿があった。


ソープワイト

「ヌフフフッ。成功か。

まさか、自ら進んで実験1号になってくれるとはね。

失敗したら身体が時空に挟まれると言うのに。

全く、バカな男だよ。

さぁ、コーヒーをもう一杯飲んだら...ん?」



ふと、コーヒーカップを見てみると

すでに満杯に注がれていた。



ソープワイト

「フン。モンティめ。

やるじゃあないか」





(完)

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