38話 The nights of sorrow
前回までの千刃花
屋内にも関わらず雷雲が立ち込め
雨が降り注いでいた。
激戦を繰り広げる
そして、ラナンキュラスの副隊長でもあり
恋人でもあった
アイビー=へデラ=ポーチスを殺した張本人
海王軍副団長 及び 海王水軍 大提督ジギタリアスとの
血塗られた因縁の対決は
互いに致命傷を負いながらも
命を削ることにより回復した両者
そして、ジギタリアスが
真の
ラナンキュラス
「まさか!!!!!!」
ジギタリアス
「ぁあ。そうだ。
これから本当の力を解放してやるよ。
ラナンキュラス。
これで
ラナンキュラス
「本当の力...だと!?させるか!!!!!」
『
『『
作者 REN’sJackson
ー
ーー
ーーー
ーーー起動しますーーー
ジギタリアス
『
ラナンキュラス
「これは...」
十本もの鎖と
ドロドロと溶けて空中に
巨大な丸い門が空中に五つ出現した。
ラナンキュラス
「なんて凄まじい
これほどまでに強大なのか!!!」
ジギタリアス
「ガッハッハ!!!
どうだ坊主!!!!
これが
"
((
レンゲイとアナスタシアから聞いてたが...
詳細は分からなかった...
これが
ジギタリアス
「さぁ!!!こっからが本番だ!!!」
『
ジギタリアスの背後に浮かぶ五つの門から
幾千もの白く輝く槍が出現し
一斉にラナンキュラスに襲い掛かった。
ラナンキュラス
「グッ!!まずい!!!!」
『
ジギタリアス
「ガッハッハッハ!!!
坊主!!!逃げれると思うか!!!!!!」
ラナンキュラスは自身に
雷速状態になると
射出された様々な形の武具を
前に進みながら次々と
ラナンキュラス
「勢いが衰えない。
まさか...
ジギタリアス
「まだまだまだまだ!!!
ゾリャリャリャリャリャリャリャリャー!!」
ラナンキュラス
「グッ!!
なら!!直接お前を叩くだけだ!!
『
ラナンキュラスは上空に
ジギタリアスに真っ直ぐ
そして、その一瞬のスキをみて
更にラナンキュラスは斬り掛かった。
ラナンキュラス
「フフッ。まだ、終わらないよ。」
『
ジギタリアス
「
ゾリャァ!!!!!!!!!」
ラナンキュラス
「なに!?直撃したはず!!
グッグァァア!!!」
ドドドドドドドと
ラナンキュラスに襲い掛かった。
ラナンキュラス
「グァァア!!!!!」
ジギタリアス
「この姿を見せて殺し損ねた奴はいねぇ。
あの女の所まで俺が連れて行ってやるよ!!
なぁ、ラナンキュラス!!!」
ーーツバキサイドーー
エリカ
「アハハ!!!!
ツバキお兄ちゃん!!もうギブアップかな?
チョコレート食べるぅ?」
ツバキは空間を
エリカによる亡者の群れ
身を守っていたが
地面から湧き出る
身体中を
ツバキ
「グッ!!グアッ!!グッ!!」
エリカ
「
ツバキお兄ちゃん!!
もしかして...はじめてのキスなのかな?」
ツバキ
「グッ!!!!」
エリカ
「え!?結界解いちゃっていいの?
あっ。空間移動するのかー。
ズルいね!!!!
でも!!!ほら!!!!
まだ
エリカは空中を次々と移動するツバキに対し
追撃するように
ツバキ
「グッ...
空中には吸血コウモリ...下は亡霊か...
下劣な
エリカ
「下劣なんてお下品な言葉を使うんだね!
レディに対して失礼だよ!?」
ツバキ
「グッ...笑わせる」
エリカ
「んもう!!やっちゃって!!!!」
『
『
ツバキ
「二度も同じ手は喰わぬ。
消えて無くなるがいい。」
『
ツバキは空間を移動しながら
天井へ
半透明の花びらが
エリカ
「ん?何これ...雨?...綺麗な花びら...」
パチン、パチンと音を立てながら
次々と
ツバキ
「冷たき雨は夢をも醒ます。」
エリカ
「へぇ...」
エリカは冷めた目つきで
身を守る為に
傘の様な緋色の盾に変化させると
消えていく自身の技を眺めていた。
エリカ
『
「ぁーあ。みんな無くなっちゃったよ。
あれ、結構疲れるのになー。
崩れるならまだしも消えちゃうから
再利用もできないじゃーん。
小さな空間を丸ごと消すなんて
流石だね。ツバキお兄ちゃーーーー」
ガンッと
強い振動が走った。
エリカの足元は深く沈むも
エリカ自身は顔色さえも変えていなかった。
ツバキ
「なんだと」
ツバキは強く振り下ろした
またもや空間を移動すると体勢を整えた。
エリカ
「雨が降ったら傘を差すなんて当たり前じゃーん。
ん?どうしたの?不思議なの?
なんでエリカの傘が花びらの雨に触れても
消えないかって?
ねー!ねー!気になるんでしょー?」
ツバキ
「
そして、またもや空間移動し
エリカの背後をとった。
ツバキ
「もらっーー」
しかし、エリカはターンをすると
斬撃を弾いた。
エリカ
『
ツバキ
「ガッハッ」
エリカ
「両肩に穴が空いて噛み付かれて
今度はお腹まで
まだ生きてるの?...はぁ。
なまじ強いから中々 死ねないんだよねぇ。」
ツバキ
「グッ...ガハッ」
ツバキは血をドバッと吐くと手で拭った。
エリカ
「アハハ!!!痛そう!!苦しそう!!
不思議でしょー?空間ごと削れる
なんでエリカのは削れないか!!あっ。
可哀想なツバキお兄ちゃんは知らないのかな?」
ツバキ
「...何をだ。」
エリカ
「そもそも
した事ないんでしょ?
想定もしてなかったんでしょ?
まさか、
思っても見なかったんでしょ?」
ツバキ
「...だから何だと...言うのだ。
我が...覇道の前に...立ちはだかれば 斬る。
それだけだ。」
エリカ
「本当に
ツバキ
「何だと...」
エリカ
「たぶん
神様達も想定してなかったんだよー。
ただ、練度によって実力が変わるけどねー!
だから最初に聞いたでしょ?継承かってね。」
ツバキ
「練度は...高め積み上げるもの。
継承だろうが...発現だろうが...関係ない」
エリカ
「ツバキお兄ちゃんは
どれくらいなのかなー?」
ツバキ
「貴公には...関係の無いこと。」
エリカ
「エリカより長いわけないのは
まぁ、間違いないけどね!!」
ツバキ
「下らぬ。」
エリカ
「分かったでしょ?
エリカの方がずーーーっと
必然的にエリカの方が練度が上なの!!
だからエリカに勝てるわけないじゃん!!
練度の低い攻撃がエリカに効くわけないでしょ?
アハハ!!アハハ!!!!」
ツバキ
「何を...言っている。
貴公の
何層も...血塗られている。
その表皮を...削っているだけだ。」
エリカ
「本当にそうかな?」
『
エリカはまたもや血液で作られたコウモリの大群を
ツバキに向けて放った。
ツバキ
『
ツバキはすぐさま
エリカに向けて
8個の空間を生み出すと
それぞれの空間からエリカを囲む様に跳ね返した。
エリカ
「グッ!!跳ね返すなんて!!
自分の技が効くわけないっ!!でしょ!!!
んもう!!邪魔!!!」
ツバキ
『
次々とエリカは自分の技である
グチャっという音と共に
その
エリカ
「ぁあ!!!せっかく付けた傷なのに!!」
ツバキ
「練度で実力に差が出ると言ったな。
まさか、時の長さにより練度が変化する。
などと言うつもりか。
貴公は何か勘違いしている。
覚悟の無い貴公は
エリカ
「実力差を見れば分かるじゃーん。
さっきまで死にそうだったのに!!」
ツバキ
「ならば、問おう。
貴公は何の為に戦っている。」
エリカ
「何の為に?
何それ面白い!!!!
考えた事もないからエリカ分かんないなぁ。
んーーー。
みんな死んじゃえ!!って
思ったら
選んでくれたんだよねー!!!」
ツバキ
「神は理由もなく
ましてや発現ならば なおのこと。」
エリカ
「知らないよぉーー!!!
何も言ってくれないもん!!!」
ツバキ
「
まさか、姿さえも見たことが無いのではあるまい」
エリカ
「え?一回だけあるよ?
無きゃ
ツバキお兄ちゃんって
ツバキ
「そうか。」
エリカ
「グヌヌッ...
ただの殺しの道具だし!!」
ツバキ
「殺しの道具...
それは見方によっては間違いない。
戦乱の世ではそれも正義となり得る。
だが、今の問答ではっきりと分かった。」
エリカ
「何が?」
ツバキ
「貴公は弱い」
エリカ
「今、なんつった?」
ツバキ
「貴公は弱い。遥かに弱い。
私の足元にも及ばぬ弱さ。」
エリカ
「ハハッ...もういっぺん言ってよ!!
エリカが...弱い?アハハッアハハッ!!!!
さっきまでボロボロだったくせに!!
エリカに攻撃も通らなかったくせに!!!!
ツバキお兄ちゃんが言う覚悟が足りないから?
アハハッ!!アハハッ!!!
...お兄ちゃんの
ツバキ
「測るまでもなし。消え失せるがいい」
エリカ
「じゃあ!!お兄ちゃんの覚悟ってのは
なんなんだよ!!教えてみろーーーーー」
「私は皇帝になる」
エリカ
「はぁ!?
皇帝になれないから養子に出されたんだろうが!!
頭腐った事言ってんじゃねぇよ!!!!」
ツバキ
「
そして、我が覇道の前に
エリカ
「ふざけんな!!!!!」
『
『
互いの
空間が次々と歪んでいく。
ツバキは煌めく空間のマントを素早く羽織り
ツバキ
「何度も同じ手にかかるほど私は甘くない。
これより先は貴公の
一体、何が出来るというのだエリカ=ヒース」
「ツバキお兄ちゃん...
こんなにエリカを怒らせた人は初めてだよ。
ただのバカの集まり!!!!!
自分に酔った殺したがり!!!!!
みんな死んじゃえ!!!死んじゃえ!!!」
ツバキ
「私の前であれらを
それ相応の誇りと覚悟を持って戦っているのだ。」
エリカ
「何が誇りだ!!!何が
ただの馴れ合いでしょ!?!?
エリカ独りでそんな奴ら殺せるもん!!!」
ツバキ
「馴れ合いなどではない。
千刃花隊士はナーベルクの誇り
そしてそれが...私の誇りだ。」
エリカ
「その誇りも目の前で殺されて
守れなかったくせに!!!!!」
ツバキ
「
エリカ
「きっしょ。ウザマル梵天過ぎる!!!!
分かった!!!!
そんなにエリカより強いっていうなら
エリカを殺してみなよ!!!!!!」
するとエリカは自身の喉元に
ツバキ
「何の真似だ。」
エリカ
「もう知らないからね。
怒らせたのはツバキお兄ちゃんだよ!!!」
そして一気に喉元を
ーーラナンキュラスサイドーー
ラナンキュラス
「ガハッ...」
ラナンキュラスの身体は血に染まっていた。
ラナンキュラス
「なんて...威力なんだ...グフッ」
ジギタリアス
「おーおーおー。
まだ息があるとはなぁ!!
大したもんだ!!!坊主!!!
ラナンキュラス
「僕は...絶対に...お前を許さない!!
アイビーを殺した...お前を!!!!!!
僕は許さない!!!!!!」
ジギタリアス
「何かと言えば、またあの女の話しかよ。
はぁ。分かった。俺の負けだ。
真実を言ってやりゃあ。」
ラナンキュラス
「何だ...と?」
ジギタリアスはラナンキュラスの背後に
一瞬で移動すると耳元で囁いた。
ジギタリアス
「アイビーは生きてる。」
ラナンキュラス
「何...!?
それは...本当か!!!!」
ジギタリアス
「嘘だ。」
そして音もなくラナンキュラスの身体を
ラナンキュラス
「ガッッッッ!!...貴様」
ジギタリアス
「クックックック...
ガッハッハッハガッハッハッハ!!!!
ンなわけねーだろうが!!!!!
バカが!!!!!!
本当に甘っちょろいな坊主!!!
ほら!!よっ!!!!!!!!」
ジギタリアスはラナンキュラスを蹴り飛ばすと
更に
ラナンキュラス
「貴様あぁあぁあぁあ!!!
ガッ!!グッ!!ガハッ!!アグッ!!
アガッ!!グァァア!!!!!」
意識が遠のいていくラナンキュラス
絶望の
痛みをも忘れ、我をも忘れ
生きることさえも忘れかけていた。
((アイビー...僕は...君の
((ごめんよ...アイビー))
((僕は...もう...))
すると、
みるみる変わっていくとラナンキュラスは
暗がりの夜空が見える薄暗い雲の上に立っていた。
((ここは...))
「ラナン...ラナンキュラス」
((アイビー!? アイビーなのかい?))
???
「ラナンキュラス...」
((違う...この声は))
???
「ラナンキュラス...ラナンキュラス」
すると、アイビーの姿が目の前に現れた。
ラナンキュラス
「アイビー!!!! 君は!!どうして!!
アイビー!!!グアッ!!!」
そして、ドーンッと轟音と共に
アイビーの姿は消えてしまった。
???
「ラナン...ラナンキュラス」
ラナンキュラス
「誰だ!!!!」
ラナンキュラスは夜空を見上げると
紫の
ラナンキュラス
「グッ!!!君は!!!
ラナンキュラスの前に現れたのは
紫色の
白い角を
髪の長い女性が立っていた。
「ラナンキュラス...
こうして相対するのは。」
ラナンキュラス
「やぁ、久しぶりだね。
相変わらず君は美しい。」
「フン。世辞は要らぬ。」
ラナンキュラス
「お世辞なんかじゃないさ。
それで、一体どうしたんだい?」
またもや遠鳴りが響く
「どうしたと聞けるほど
余裕には見えぬが?」
叩いた。
「
そこにはアイビーの姿があった。
ラナンキュラス
「何のつもりだい?
まさか...さっきの記憶も
君の仕業だったのか!!
どうして昔の記憶を見せる様な真似をーー」
「己の弱さを見せてやったまでの事」
ラナンキュラス
「何だと...」
「今のお前では死ぬ。
先ほどの
ラナンキュラス
「僕は...もう...」
「本来であれば私は回復に特化していない。
お主が一番分かっているはずだ。
あんな戦い方、ラナン...お主らしくもない。」
ラナンキュラス
「心配しなくとも
リナリーやジジにチョウラン君もいる。
「ラナン...お主は分かっていない。
大切なものが見えておらぬ。
いざ、仇を目の前にした途端
我を見失うとは情けない。
それでも
ラナンキュラス
「
君も分かってるだろう?
僕の気持ちを」
「...分かっておる。」
ラナンキュラス
「ジギタリアスは簡単には倒せない。
それに、水門は僕らの避難経路の一つだろう。
倒さなければいけない。ただ、奴は強い。」
「取り
お主...ここで死ぬ気であろう。」
一瞬の
ラナンキュラスはゆっくりと口を開いた。
ラナンキュラス
「あぁ。」
「やはりな。
ジュダスに説教をしていた時
少しだけ違和感があった。
ジュダスが
お主と相対していたとき
僕はそれを止める事もできない。
気持ちが痛いほど分かるからね。と言ったな。
義務と誇りをうたい、火の粉を払うと言いながらも
復讐を容認していた。
それは何故か。
お主自身も復讐の為にここに来ているからだ。
自身の復讐が叶うまでは死ぬわけにいかないと
言わんばかりにな。」
ラナンキュラス
「そうだ。」
「人は奪い合う運命であり
それすなわち、与え合う運命でもある。
誰が為に
それは自身の為か はたまた人の為か
どの世も争いは人を狂わす。」
ラナンキュラス
「何が言いたいんだい?」
「お主は男として愛する者を奪われた。
そして、隊長として愛する者を奪った。
前任から私の
私には未来が見えていた。お前の運命がだ。
本当に覚悟があるのだな?」
ラナンキュラス
「もちろんさ。
道連れにしてでもジギタリアスを殺す。」
「そうか。」
ラナンキュラス
「フフッ。あのさぁ。
神に頼み事をするのも変だけど
ダンジョン化などせずに
真っ直ぐジジの元へと
飛んで行ってくれたりしないかな?
彼なら立派な
「運命は決まっている。知っておろう。
世界に
私は相応しい者を
ラナンキュラス
「
それは伝説じゃなくて本当なんだね。」
「なんだ?気になるのか?
今日、死ぬつもりの貴様には関係のない事だ。
アイビーの幻影でも追いかけていろ。」
ラナンキュラス
「フフッ。ぁあ。永遠に追いかけるさ。
彼女のいない世界に僕はあまり興味がないんだ」
「忘れるでない。
何の為に私を継承したのかを。
その曇切った心では
ジギタリアスは倒せぬ。
アイビーの為に死ぬ気であるのなら
アイビーを忘れ、
ジギタリアスは弱さを突いてくる。
仇を取るのであれば殺す前に死んだら意味などない」
ラナンキュラス
「そうだね。その通りだね。
ありがとう。」
「出し惜しみなどするな。
使えるものは使え。
全てを出し戦え。
ジギタリアスに刻むのだ
貴様の魂と我が名を。
傷は抑えてやる。
ただし、長くはもたぬぞ。」
ラナンキュラス
「ぁあ。ありがとう」
「フン。」
ラナンキュラスに背を向けて空を見上げた。
「なんと...切なき夜か...
あの日から星一つ見えておらぬ」
ラナンキュラス
「...
「なんだ。」
ラナンキュラス
「お別れを言いに来てくれたんだね。」
「たわけが。」
バチバチッと音を立てて
ラナンキュラスは目を覚ました。
ラナンキュラス
「ウグッ...」
ジギタリアス
「...まだ生きてやがるのか...ん?
傷が塞がってやがる...何をしやがった。」
ラナンキュラス
「グッ...言ったろ...お前を殺すと。
全てを賭けてお前を殺す!!!!」
ジギタリアス
「言ってろ!!!坊主!!!!」
『
ラナンキュラス
『
ラナンキュラスは
ジギタリアス
「ゾリャァァァァア!!!!!」
ラナンキュラスは次々と
五つの門から飛び出す様々な武具を
斬り裂いていった。
ジギタリアス
「ほう!!何でも斬れるってわけかい!!」
ラナンキュラス
「
どんな硬さがあろうとも
『
ラナンキュラスは自身の身体に
ジギタリアス
「雷速状態からの攻撃!!!
おもしれぇ!!!これならどうだ!!!」
ラナンキュラス
「何!?」
ジギタリアスも雷速状態となった。
ジギタリアス
「
全て
つまり!!雷撃を武具が受ければ
坊主の
喰らったもん全てが俺の支配下だ!!」
ラナンキュラス
「なんて、厄介な
ジギタリアス
「遊ぼうぜ!!!ラナンキュラス!!」
『
武具が射出されるとジギタリアスの手に収まった。
ラナンキュラス
「受け止められないよ。」
雷速で振動する
ジギタリアスの武具を真っ直ぐ斬り落としていった。
ジギタリアス
「なるほどな!!」
もう一方の手を伸ばしたジギタリアスに
新たな武具が飛んできた。
それを掴むと
ラナンキュラスを攻撃した。
ジギタリアス
「ガッハッハッハ!!
どんなもんが来るか分からねーが
武具には困んねーんだよな!!」
ラナンキュラス
「全て斬り裂くのは変わらない!!」
ジギタリアスは武具が斬られる度に
新たな武具を
雷速同士の超雷速攻防戦を繰り広げていた。
ラナンキュラス
「真っ直ぐ斬られないように
受け流しながら戦って!!いるのか!!!」
ジギタリアス
「当たり前だろうよ!!
俺の武器を斬り裂く
警戒しねぇ!!訳が!!!ねぇ!!!
神が生み出す!!最高硬度の貴金属だからな!」
ラナンキュラス
「最高硬度...
ジギタリアス
「そんなもんも!!あったなぁ!!」
((斬り裂いても斬り裂いても
武具が次々と出てくるのか...
僕じゃ無ければこの硬度...
恐らく斬り裂く事さえも不可能
敵側にこんな危険な
ジギタリアス
「なんだ!!動きが鈍ったぞ!!
考え!!事!!か!?」
ラナンキュラス
「グッ!!やはり!!
ここで殺す!!ジギタリアス!!
ハァァァア!!!!
グッ!?何!?」
ラナンキュラスは
無限射出された武具の残骸に囲まれ
逃げ場を無くしていた。
ジギタリアス
「ガッハッハッハ!!
みんな気づかねーんだよ。
撃ってたわけじゃねぇ。
俺が戦いやすい様に戦場を構築したんだよ。
お前みたいな
身動き取れなくするには
逃げ場を無くすしかねぇからな!!!
さぁ!!
ガガッと武具が射出されて
ジギタリアスの背後が武具で埋め尽くされた。
すべての
ラナンキュラスは文字通り囲まれてしまった。
ジギタリアス
「さぁ、ステージは整った。
インファイトしようぜ!!!!!」
更に射出されたグローブの様な武具をはめると
両拳を叩きつけジギタリアスはニィッと笑った。
ジギタリアス
「デスマッチと行こうじゃねぇか!!!」
ラナンキュラス
「望むところだ。
その武具も
斬り裂くまで...だ!!!!」
ジギタリアス
「お前の太刀筋はだいたい
頭に入った!!!ゾリャ!!」
ラナンキュラス
「何!?はじかれた!?」
ジギタリアス
「ガッハッハッハ!!!!
終わりだぁぁぁあ!!!ゾリャァァァァア!!」
ジギタリアスは
ラナンキュラスの顔面へと拳を叩き込んだ。
ラナンキュラス
「ガッッッ!!!!
負ける訳には!!!!行か...ない!!!」
ジギタリアス
「ウォォオオオ!!!」
((なん...て...怪力...だ))
ジギタリアス
「ゾリャァァァァア!!!
ラナンキュラスは吹き飛ばされ
背面に並べられた
その身を
ラナンキュラス
「グァハッ!!!!!」
ドッと口から血を吐くと
ラナンキュラスは薄っすらとする視界で
ジギタリアスを睨んだ。
ジギタリアス
「ガッハッハッハ!!!
殴り合いで俺が負ける訳ねぇ!!
ガッハッハッハ!!!!!
しかし、あの日からどう変わったか
楽しみにしてたが
まだ、女の幻を見てやがる!!!!
そんな
めでてぇ奴だな!!!!!!」
((身体が...動かない...僕はここで...))
ジギタリアス
「仲間の事なんて なんも考えてねぇ!!
お前の誇りは
あの夜から消えちまったんだよ!!」
ラナンキュラス
「仲...間...誇り...」
その時、ラナンキュラスは
思い出していた。
ラナンキュラス
「お別れを言いに来てくれたんだね。」
「たわけが。」
ラナンキュラス
「フフッ。」
「
ラナンキュラス
「なんだい?」
「敵と仇を
そして、バチバチッと音を立てると
ラナンキュラス
「グッ...ゴハッ...
ハァ...ハァ...
君の...言う通り...だね...」
ジギタリアス
「何言ってやがる...」
ラナンキュラス
「男として...アイビーの仇を取る
だが、
ジギタリアスを倒す。
どちらも...僕である事には...変わらない。
だが...今は...例え、憎き仇が目の前に居たとしても
僕は......
仲間を守る!!!!!!
それが!!!僕の誇りだ!!!!!!!」
ジギタリアス
「何!?急に
ラナンキュラス
「力を貸してくれ!!!
ジギタリアス
「何!?!?グッッ!!空気中に電撃が
グッ!!近づけねぇ!!!!!グッッ
おいおい...周りの武具が溶けてんじゃねぇか...
それに...この
まさか!!!
その賭け!!乗ってやるよ!!!!」
ーーエリカサイドーー
エリカ
「ウグッ」
ツバキ
「自らの喉元を
「殺し合おうよ...ツバキお兄ちゃん」
血が
津波の様に一気に
ツバキ
「この
"
「アハハ!!アハハ!!!そうだよ!?
あまりにも生意気だからエリカ怒っちゃった!!
チョコレートも食べてくれないし!!!
エリカの事バカにするし!!!!!
エリカが弱いとか言うし!!!!!!!
グチャに!!グチャに!!
グチャグチャにしてやる!!!!」
ツバキ
「下らぬ。」
「
「お遊びは終わりにしよ?ツバキお兄ちゃん♪」
ツバキ
「終わりだと?
貴公は何か勘違いしている。」
エリカ
「はぁ?」
ツバキ
「
故に、この私にも
失念しているわけではあるまい。」
そしてツバキは
グッと構えて言った。
ツバキ
「貴公こそ、終わりだ。」
エリカ
「ふーん。
じゃぁ比べっこしようよ!!!!
どっちの
すると、エリカは更に自身の喉元を深く
エリカ
「アガッッ」
『
ツバキ
『
ラナンキュラス
『
ジギタリアス
『
血を血で洗う
今、幕を開ける。
ー
おまけ
ここはナーベルク帝国の首都
ルシファンブルク郊外にある庭園
夜風が涼しく星が輝く夜
夜空の下、和装姿で歩いていた。
プラム
「こんな夜遅くに2人で散歩なんて
久しぶりですわね。
いつもなら迎えをよこすのに...
どうかなさったんですか?」
ツバキ
「いや、ただの気まぐれだ。」
プラム
「フフッ。相変わらずですね。
あっ、見てください。
こんなにも月明かりが眩しいですわ!」
ふと見上げた夜空は
首都ルシファンブルクを照らす様に
美しい月明かりが輝いていた。
ツバキ
「ぁあ」
プラム
「...あの頃が懐かしいですね。」
ツバキ
「そうだな。」
プラム
「無茶ばかりしてた学生時代
あの子達にはだいぶ無理をさせられましたね。」
ツバキ
「
プラム
「あの頃 描いていた夢は今も変わらないままなのに
時折、寂しくなるのは何故でしょうか。」
ツバキ
「我らが大人になったのかも知れん。」
プラム
「そうですね。
失うものなど無いと思ってましたから。」
ツバキ
「そうだな。」
プラム
「歳月が過ぎる度に大切なものが
刻一刻と無くなってしまうんじゃ無いかと
思います。
ツバキ
「同じかも知れん。」
プラム
「フフッ。
失う事が怖いと思う事がお有りなんですね。」
ツバキ
「...そうかも知れぬ」
プラム
「本当に久しぶりですね。
互いに忙しくなってから
こうしてお話しすることも
難しくなりましたね。」
するとツバキは突然、足を止めた。
プラム
「どうかなさいましたか?」
ツバキ
「
過酷な任務となろう。」
プラム
「はい。」
ツバキ
「場合によってはーー」
「
このナーベルク帝国に必要な人なのです。
そんな事を言ってはなりませぬ」
ツバキ
「
プラム
「また、会えると信じていますわ。」
そして、無言の時が過ぎていく。
2人はしばらく夜空を見上げていた。
ツバキ
「...プラム」
プラム
「はい。」
ツバキ
「...月が綺麗だな。」
プラム
「...月はずっと綺麗でしたよ。」
ツバキ
「そうか。」
プラム
「はい。」
ツバキ
「私も、そう思っていた。」
(完)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます