36話 The camelia turn blood
前回までの
ジュダスとその武器である
ラナンキュラスに殺されたサフィニアを
やり場のない気持ちをジニアにぶつけていた。
ジュダス
「でも...でも...俺は...ラナンキュラスを
ラナンキュラスを!!!
俺はこの感情を!!どうしたらいんだ!!!」
ジニア
「無理にとは言わへん。
ゆっくりでええ。
ゆっくり答えを見つければええ。
今まで1人でよう頑張ったなぁ。」
作者 REN’sJackson
ー
ジニア
「ほんで...落ち着いたか?」
砂に
グッタリと うつむいていた。
ジニア
「おーい。ジュダスくーん。
泣き止みまちたかぁー??」
「うるせぇ」
ジニア
「ジュダスくーん?
ナデナデしたってもえぇんやで?
ほら、ナデ!!ナデ!!ナデナデナデナデ!!」
ジュダス
「うるせぇ!!!
つーか、やめろ!!!触んな!!!」
ジニア
「何やと!?
お前がギャンギャン仔犬みたいに
泣き喚めいてしゃーないから
ナデたってんねんぞ!!!!」
ジュダス
「別に頼んでねーよ!!!」
すると、ゴゴゴゴゴと
大きく揺れ始めた。
ジニア
「な、なんや!?」
ジュダス
「ここは天地左右が入れ替わる
今まで入れ替わらなかった分
短いスパンでこれから入れ替わる。
ここにいるとタダじゃ済まないぜ」
ジニア
「なんや...邪魔くさいシステムやなぁ。
ほな、行こか!!!!」
ジュダス
「なっ!!!?」
ジニアはニッと笑い
ジュダスの砂を解くと
そっと閉まった。
ジニア
「戻りぃ
ジュダス
「なんの...つもりだ...」
ジニア
「なんのって」
ジュダスは困惑した顔でジニアを見ていた。
ジニア
「ソープワイトをぶっ殺しに決まっとるやろ」
ーーソープワイトサイドーー
ソープワイト
「このバカッ!!共ッ!!ガァ!!!!!」
息を荒げ部下を蹴り
ソープワイト
「よりによって!!看守長が!!
千刃花のバカ共に!!!ヤられるとは!!
何の為の!!!
思って!!いるんだっ!!ね!!!
はぁ...はぁ...はぁ...」
ソープワイトは最後に部下を蹴り殺すと
モニターへと叩きつけた。
ズルズルとモニターに
血をつけながら落ちていく死体を横目に
ふと、
ソープワイト
「ジュダス...ギギ...アルマーニ...
監視カメラというのは
目に見えない所に置くのが基本だよ。
壊して
見られていないとでも思ってるのかね...
貴様を殺しに
はっきりと分かった。
わざわざ
あの面倒な男がよく下山を許したものだよ...。
しかも、加護まで付けているとは...
どういうもりか全く理解がし
まぁ、いずれ
だが...その前に...
ソープワイトは指をパチンと鳴らし
部下達は大きな黒い箱を持って来ると
ドスンと床に置いた。
ソープワイトの顔を見ていた。
ソープワイト
「なんだね?その顔は?
気になるのかね?これをどうするのか。
まさか、こんなに重い物を自分達が
上まで運ぶのかと
不安にでもなったのかね?
はぁ。慈愛と博愛が
貴様ら無能の為に説明してやろう。」
ソープワイトは靴にこびりついた血を
ピッと足で
綺麗に吹き飛ばすと
ビチャっと部下の顔に飛ばした。
ソープワイト
「トギリや他の者達が
三世界、三空間を生み出す強力な武器だ。
そして、その空間を自由に行き来する事ができる。
強力過ぎて適合者が現れなかったんだよ。
だが、
生み出した私の手にかかれば
誰もが空間移動できる様に
あの短期間で改造してみせ
配備させた私はやはり天才
一度記録させれば500m圏内なら
触れたものを自由に瞬間移動させられる
この
ソープワイトは小さな機器を取り出して
部下達に見せた。
するとソープワイトに対して
部下達は尊敬の念を込めて拍手をした。
ソープワイト
「黙れ!!!!この低能共が!!!
私からすれば 取るに足らない事だ!!
いちいち拍手するんじゃあないよ!!」
部下達はすぐさま拍手をやめて
ソープワイト
「まぁ、まだ改良の余地がある。
充電は1時間
回数にして10回程度しかまだ使えないがね。
さぁ、始めようじゃあないか。千刃花
グランドフィナーレはすぐそこだよ。
ヌフッヌフフフフフッ!!!!!」
ーーツバキサイドーー
エリカ
「ウフフ!!ツーバーキお兄ちゃーん!!
驚いた!?驚いた!?
助けられたって思わせて
踏みにじる希望って
どんな感じなのかなぁ?
残念だったねぇ!!"我が国"の隊士達
死んじゃったよ?
エリカの
破裂した部下達の血を無表情で拭いながら
ツバキは
エリカ
「ふーん。流石は千刃花の隊長さんだね!!
全く動じてる様に見えない!!
でも...それって本当かなぁ?
ねぇ、ツバキお兄ちゃん。」
ツバキ
「問答は無用だ。
我が
『
エリカの背後に空間が生まれると渦を巻き始めた。
エリカ
「あっぶなーい!!!」
エリカはとっさに真横にジャンプし距離を取った。
ツバキ
「
渦巻いた空間は更に速度を上げた。
エリカ
「え!?まだ大きくなるの!?
ここが全部なくなっちゃうよ!?」
ツバキ
「構わぬ」
エリカ
「困るよぉ!!エリカのおうちだよ!?」
ツバキ
「地獄に行くがいい」
エリカ
「もう!!ツバキお兄ちゃんのバカ!!!」
エリカ
「本当に飲み込まれちゃーーーー」
グニュンッと音を立てて
エリカは吸い込まれてしまった。
ツバキ
「...他愛もない。」
『
ツバキ
「なん...だと...」
エリカ
「騙されたぁ!?驚いたぁ!?
やっぱり
エリカは血の池溜まりからノプッと突然現れた。
ツバキ
「私が
エリカ
「鮮血の
読み間違えさせないわけないでしょ?
見てよお!!!!」
エリカは両手を広げて
血の池地獄と化した
エリカ
「こんなに血が溢れてれば
血液に含まれる
エリカの可愛い分身を作るなんて
おままごとより簡単なんだよ?」
ツバキ
「ならばーー」
「エリカのターンだよ」
『
『
ツバキ
「ガッ」
ツバキは一瞬で赤い聖母に包まれ
動きを封じられると両肩に
エリカ
「へぇ...叫ばないんだ。すごく痛いのに。
しかもしっかり
ほら、放しなよ。」
『
ツバキの両手が徐々に開いていく。
エリカ
「
ほらぁ!!抵抗しないで!!!ねぇ!!
放しなよ!!!ツバキお兄ちゃん!!!」
ツバキ
「命よりも...重い...
離すことなど...有り得ぬ」
エリカ
「ふーん。流石に
時間がかかりそう!!」
ツバキ
『
エリカ
「ぁあ!!!!」
ツバキの足元から空間の
次々と壊れていった。
エリカ
「この!!この!!この!!!」
エリカは
何度も放つが全て弾かれてしまった。
ツバキ
「
故に
エリカ
「へぇ。ってことはツバキお兄ちゃんも
そこから動けないって事でしょ?」
ツバキ
「なんだと」
エリカ
「ウフフッ見せてあげるね!!
エリカのとっておき!!!」
ツバキ
「何をする気だ。」
エリカは
地面に刺すとオドロオドロしく呟いた。
エリカ
「我が血を
ツバキ
「これは...」
血液が形を
変貌していった。
エリカ
「髪も、皮膚も、骨も全ては血
こうやって一緒に遊べるんだよー?」
すると、エリカは自身の手首をシュッと切った。
ナーベルク帝国兵に降り注ぐ
エリカ
『
ツバキ
「なん...だと...」
ーージニアサイドーー
ジニア達は
ジニア
「おーい!何でそっちに行かなあかんねん!!」
ジュダス
「黙ってついてこい!!」
ジニア
「逆やん?普通行くならあっちやろ!!」
ジュダス
「お前らの手にした地図に
どう書いてあるか知らねーけど
ソープワイトは恐らく最下層
こっちの方が速い」
ジニア
「あれぇ?」
ジニアは
地図を見ていた。
ジュダス
「その地図は大まかな事しか書いてねーんだよ。」
ジニア
「キキを助けに行った時は
アホみたいにこの地図通りに抜けて来たんやけど
近道もあんねんな!!!」
ジュダス
「キキ?キキって誰だ」
ジニア
「俺の副隊長やで!!」
ジュダス
「キキョウ=ジュリエット
ジォヴァーナ=ジレンホール...
ソープワイトが捕まえた
ジニア
「せやで、そして俺がヒーローの如く助けたんやで?」
ジュダス
「そいつの出身地は...」
ジニア
「出身地!?
んーーーイリスとか
あっ!!!!!!」
ジュダス
「何!?それ本当かよ!!」
ジニア
「まさか...知り合いなん?」
ジュダス
「よく昔遊んでた。
向かいの家に住んでたんだ。」
ジニア
「なんやと!?
じゃぁなんでペチュニアとサフィニアの事
覚えとらんのや!!!」
ジュダス
「何年越しの再会だったか分からねぇだろ。
キキョウも俺たちも色々あったはずだ。
分からねぇさ。人は変わるからな。」
ジニア
「なるほどなぁ
ってことはキキョウの推薦も
もらえるっちゅうこっちゃ!!」
ジュダス
「推薦!?なんの話だ!!」
ジニア
「千刃花の副隊長になるんには条件があんねん。
副隊長の任命権は隊長にあるんやけど
他の隊長たち5人以上の承認か
任命した隊長と3人以上の推薦が必要なんやで?
あと...2人か...」
ジュダス
「お、おい待て!!副隊長!?
外部の人間がいきなり副隊長って
有り得ねーだろ!」
ジニア
「そんな事ないで?例外はおる。
キスツスって女隊長がおったんやけど
いきなし副隊長に任命されとったからな!!」
ジュダス
「...ってことは今は...」
ジニア
「ぁあ。死んだ。」
ジュダス
「そうか...。」
ジニア
「気にせんでええ!!
お前は俺の後ろで副隊長がなんたるかを
今日学ばせたるわ!!!!!」
ジュダス
「ふざけんな。俺は俺の好きにする。」
ジニア
「自由か!!!!
ペチュニアの奪還に協力する
しっかり副隊長の任務もこなすに
決まっとるやろが!!」
ジュダス
「好きにしろ」
ジニア
「どっちやねん!!!!」
そうこうしているうちに
2人は
ジュダス
「ついたぜ...
観客席に外側を覆われている
マグマと火柱に囲まれた巨大なリングが
ジニア達の目の前に現れた。
ジニア
「しっかし、めっさ熱いな!!!
こっちまで火吹いてまうわ!!」
ジュダス
「こっちだ!!」
ジニア
「へいへい」
ソープワイト
「また会ったじゃあないか
ジニア
「なっ!!ソープワイト!!!」
ジュダス
「ソープワイトォォオ!!!!!!」
ーーツバキサイドーー
エリカの
姿形を
囲まれたツバキ
それを見て笑うエリカの声が反響していた。
エリカ
「どう!?どう!?どう!?
自国の兵士さんに襲われる感覚は!!」
ツバキ
「魂の無い見かけだけの
外道とは貴公のような事を言うのだな。」
触れられる事はなかったが
ツバキは冷静を保っていた。
エリカ
「痛みってさぁ...身体だけじゃないよねぇ!
身体の痛みならさぁ!!治るもんね!!
エリカも、ほら見て!さっきの切り口なんて
一瞬で治ったよぉ!!
でもさぁ...恐怖に切り刻まれた傷って
いつ治るか分からないよね!!!
エリカはその傷を
グチョグチョするのが好きなの!!
ねぇ...今...怖い?」
ツバキ
「怖さなど無い。
戦線をくぐり、恐怖を跳ね除けたからこそ
私はここに立っている。」
エリカ
「見てよお兄ちゃん。
ナーベルク帝国兵の
低い声で唸るナーベルク帝国兵は
ツバキの
弾かれて腕が飛んでも次々と向かって来ていた。
ツバキ
「これは
そこには気高い兵士の魂など無い。」
エリカ
「違うよ?後悔と自責の念に
哀れな
それに...恐怖なんて無いとか言いながらさ
その結界の中にいるんじゃ
全然、説得力ないよねぇ!」
ツバキ
「挑発に乗せて
解除させようとしても無駄だ。」
エリカ
「ちぇ...この状況でそんなに
冷静でいられる人、初めてだよ。
でも正解!!!この子達に触れたら
ツバキお兄ちゃんでも
お仲間入りしちゃうからね!
堂々としたその態度!!
皇帝の息子って感じだね!」
エリカのその言葉にツバキの眉がピクっと動いた。
エリカ
「ぁあれぇ???
養子に出された事...まだ根に持ってるんだぁ!!
気高い兵士の魂はあっても
やっぱり幼い頃のトラウマには勝てないねぇ!
エリカ知ってるよ?というかラミオラス帝国民
全員が知ってるよ!?
皇帝にもなれない不出来な息子が
ツバキ
「私の前で皇帝を侮辱するとは」
エリカ
「ねぇ?気付いてないと思うけど
トラウマって恐怖だよ?
親に捨てられるってどんな気分?
エリカ殺しちゃったから
捨てられ損ねちゃったんだぁー
ねぇ!!教えてよ。」
すると大地が大きく揺れ始めた。
ツバキ
「なんだ」
エリカ
『
ツバキ
「何!?」
エリカ
「良い声で鳴いてよねぇ!!
ツバキお兄ちゃん!」
無数の緋色のコウモリが地面から羽ばたくと
ツバキの身体に噛み付いていった。
「グッグァァアァアァア!!!!!!!」
エリカ
「
ううん!!
ーージニアサイドーー
突然目の前に現れたソープワイトは
黒い箱と共にいた。
ジニア
「ジュダス下がれ!!!」
ジュダス
「ソープワイトォォオ!!」
ジニア
「下がれ
このハゲ!!」
ソープワイト
「ヌフフフフフッ
賢明な判断だよ。しかし、下がるも下がらないも
私にとっては些細な事。
満に一つも勝機などないのだから。
ジニア
「な!!」
ジュダス
「なっ!!!」
するとソープワイトはジニアとジュダスの肩を抱き
一瞬で
ジニア
「ジュダス!!!!!」
ジニアはジュダスを抱えすぐに距離を取った。
ジニア
「一瞬で...移動したやと?」
ソープワイト
「
ジニア=サラザール=ロペス
全く、一本取られたよ。
誰にも見破られる事はないだろう。
隠れた
ジニア
「アホ!!隠密部隊の隊長が実力を隠して当然やろ」
ジュダス
「ソープワイト...許さねぇ!!!許さねぇ!!」
ジニア
「行くな
ジュダス
「離せ!!!」
ソープワイト
「ジュダス=ギギ=アルマーニ
厄介な男だよ。加護まで付けられたんじゃあ
見抜く事も出来ない訳だ。
まずは...
その厄介な加護から消そうじゃあないか。」
ジュダス
「加護だと!?
何訳分かんねー事言ってんだ!!!!!」
ソープワイト
「やはり、知らなかったか
指を鳴らすとソープワイトは
ジュダスの胸をドンッと叩いた。
ジニア
「ジュダス!!!!!!」
『
ジュダス
「ガハッッ!!!」
ジュダスの胸から光が飛び出すと
そのままはじけて消えてしまった。
ジニア
「その技...」
ソープワイト
「ぁあ、こんな技ぐらい
長く生きてれば誰にだって使えるんだよ。
いちいち驚くのはやめたまえ。
他人の無知を
不快な事はないよ。」
ジュダス
「ウグッ...」
ソープワイト
「サフィニアの
ペチュニアを救うだったか
どちらにせよ。貴様らはここで死ぬんだ
せいぜい
ジュダス
「ふざけん...な!!!!」
ジニア
「何
お前が死ぬんじゃこのボケ!!!
ジュダス!!!いくで!!!!」
ジニアはそう叫ぶと自身の胸に手を当て
すると、あたりの岩やマグマが砂へと還っていく。
ジニア
『『天輪•
渇き飢えしは舌無き
ジュダス
『『
機械音
ーー
ーーー
ーーー起動しますーーー
ジニア
『『
ジュダス
『『
ソープワイト
「ヌフフフフフッ!!
ヌフフフフフッ!!!!!
地獄を見せてやろうじゃあないか!!」
ソープワイトは黒い箱に目をやると
ソープワイト
「やれ」
すると、黒い箱がギイィィとゆっくり開いた。
ジュダス
「ウソ...だろ...」
ジニア
「なんやねん...なんのつもりやねん!!!」
ジュダス
「サフィニアァァァア!!!!!!!」
ー
おまけ
ここは
伝説の
その
そこに最も神に近いと呼ばれる男がいた。
「今日は晴天。それに風が涼しいわね。
「そりゃぁ
ここが天気良けりゃ下は大荒れだ。
「また、お戯れを...」
「いつものことだろ」
桜が吹雪く庭園を歩く2人は
互いの顔も見ずに話していた。
「あの
「あれは
好きな気持ちは誰にも止められねーよ。」
「あら?どこかで聞いた台詞ね」
「うるせーよ。」
すると黄金であしらわれた
ヴォンっと2人は消えてしまった。
そして、
聖水が
ハスの花が浮かぶ美しい部屋へと
一瞬で移動していた。
「どうかされましたか」
「お呼びでしょうか」
2人は
「クックックッ
世界が滅びを迎えるようだぜ
な?俺の予言通りだろ?」
(完)
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