26話 The natural shape of an apparition

第一監獄ワーヒドゥプリズンに飛ばされたチョウランに

待ち受けていたのは小鬼ゴブリエルと呼ばれる怪物の群れだった。

そこは監獄とは名ばかりの餌場エサバであり

断鴉コトワリガラスの力で上空にいたチョウランは

翼を持った鬼に叩き落とされてしまう。

墜落した先には数えきれないほどの小鬼ゴブリエルがおり

チョウランに襲いかかった。

一方、看守長マンディと

激闘を繰り広げるツバキ&ジジ

突入する際に膨大ボウダイ刃汽ジンキ量を

消費してしまったツバキはジジの照刃ショウハにより

刃汽ジンキを分け与えてもらうと

マンディに対しサヤを解放するのであった。

そして現在、ラナンキュラスは

不可解な格好をしたジュダスと

激しい肉弾戦を繰り広げていた。




作者 REN’sJackson

千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

煉獄レンゴク 冥府ゲヘナ大監獄プリズン

Seasonシーズン9ナイン The naturalナチュラル shapeシェイプ of an オブアン apparitionアパレーション



ジュダス

「隊長さん!つえーじゃん!!!!」


目にも止まらぬ速さの拳撃を

目にも止まらぬ速さでサバいていくラナンキュラス


ラナンキュラス

「言ったろう?

僕はッ君に興味は、、ないっ!!!」


ジュダス

「グッ、、いーじゃん。いーじゃん。

最高じゃーん!!」


ラナンキュラス

「ずいぶんと、変わった攻撃方法だね!!

拳法かい!??」


ジュダス

「っとっ!!!拳法??

何それ。ウケんだけど。」


ラナンキュラス

「別にっ!面白いことを

言ったつもりはっ!!ないよ!!」


ジュダス

「拳撃がっ!こんなにっ!!

できるとはっ!!見た目からは

想像できないっね!!」


ラナンキュラス

「日々の訓練の!!おかげっ!!かな!!」


ジュダス

「師でもいるのかい?」


ラナンキュラス

「訓練仲間はいるよ?

ふみ子 姫詩苑ヒメジオンっていう拳豪ケンゴウがね!

君もっ!!聞いたことあるんじゃっ

ないのかい??」


ジュダス

「知らねーっすわ!!」


ラナンキュラス

「それは、残念」


ジュダス

「グッッ、、

隊長さーん。強いねー!!」


すると、突然 床が振動し始めた。


ジュダス

「おっと。また廻るぜ?」


ココは煉獄レンゴク冥府大監獄ゲヘナプリズンにある

第三監獄サラーサプリズン 別名 地天ジテン地獄

天地が左右上下とランダムに入れ替わることにより

常に上空100メートルから

転落死する恐れがある巨大監獄である。


ジュダス

「フッーーーーゥ!!!

やっぱスカイダイビングは気持ちいいぜぇ!!」


ジュダスは嬉々としながら落下を楽しんでいた。


ラナンキュラス

「天地が入れ替わった所で意味なんてないよ。」

剋刃ゴクハ 十七ジュウナナ 浮天地遊フテンチユウ


ラナンキュラスが詠唱すると

落下速度は止まったように徐々に緩慢カンマンしていった。


ジュダス

「でもそれってさぁ、、

術者本人も、遅くなるんじゃねーのっ?」


ラナンキュラス

「フッ、、一般隊士ならね。」

剋刃ゴクハ 四十五シジュウゴ走雷ハシリカヅチ


ラナンキュラスの足から紫色のイカヅチホトバシると

空中を蹴り一瞬でジュダスの元へと移動した。


ラナンキュラス

「悪いけど、このまま死んでくれないか」


ジュダス

「なっ」


ラナンキュラス

滅刃メツハ 四十一シジュウイチ雷神鉄槌ライジンテッツイ


ラナンキュラスの片腕に紫電シデンホトバシると

強大なイカヅチがジュダスを

バリバリとツラヌいた。



ジュダス

「ガガガッ」



ジュダスがしていたゴーグルにヒビが入り

身体が黒こげた。


ラナンキュラス

「僕はイカヅチ鞘花ショウカ

僕の放つ雷電系の滅刃メツハは並みじゃない。

そのまま地獄まで落ちるがいい」


そして、ドーンッとイカヅチ

呑まれるとジュダスは地面に叩きつけられた。

ラナンキュラスはそのままゆっくりと着地をし

奥にあるであろう扉に向かって走りだした。


ラナンキュラス

「待っていろ、、ジギタリアス!!!」






















ジュダス囁くように

『『咲け•肉芽 ナノシード ブルーム』』





ラナンキュラス

「な、、んだ、、と、」





機械音

ーー声紋セイモン認証 完了ーー

ーーー対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ兵器ヘイキーーー

ーーー起動しますーーー



ジュダス

アラガえ 不倒不苦痛イージスオブジーザス



ジュダスの背中から巨大なツタが出現し

グルグルと身体をマユオオっていくと

突然、そのマユから人型の黒い鎧が出て来た。


ラナンキュラス

「なんだ、、これは、、、、、」


ジュダス

「それなー!!!」


更にジュダスの黒こげた身体はみるみると

元通りになっていった。


ラナンキュラス

「術者の自己再生、、能力、、

それとは別にあの鎧は一体、、」


ジュダス

「カッコいいっしょ?

自立型対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ兵器。

ウチ、戦闘で死ぬことないからぁ」


ラナンキュラス

「死ぬことがない、、か、、

もしそれが本当だとしたら

少し、君に興味が出て来たよ。」


ジュダス

「ってかさぁ

、、隊長さんさぁ、、イカヅチ鞘花ショウカってことは

もしかして、、ナーベルクの"雷神レイシェン"だよね?

確か、、八刃花隊ハチジンカタイの、、

ラナンキュラスで間違ってないよね?」


ラナンキュラス

「僕のこと知ってるのかい?」


ジュダス

「ぁあ。」


ラナンキュラス心の声

((急に雰囲気が、、変わった。))


ジュダス

「やっぱりな、、、ようやく会えた。

お前が、、殺したんだろ?」


ラナンキュラス

「殺した?」


ジュダス

「イージス!!!!!」


ジュダスは指先をくるっと回すと

第三監獄サラーサプリズンの隅々の何かを

イージスと呼ばれる鎧が破壊していった。


ラナンキュラス

「フッ 血迷ったのかい?

その行動になんの意味があるんだい?」


ジュダス

「俺はついてるぜ、、、最高にな!!!」


すると、ジュダスは両手をパンッと

合わせて叫んだ。


ジュダス

オン!!亀羅硬尼キラコーニ!!』


ラナンキュラス

「何をする気だ、、」


ラナンキュラス心の声

((この術、、))


ジュダスの身体から蒸気のように

刃汽ジンキが溢れ出した。


ラナンキュラス

「この、、刃汽ジンキ量、、

隊長格クラスか!!」


ジュダス

「ォォォォォ!!!!!!!!!」


ジュダスが叫ぶと

イージスと共にラナンキュラスに突っ込んできた。


ラナンキュラス

滅刃メツハ 十九ジュウキュウ  稲斬狩イナザカリ!!』


大地にイカヅチがバリバリと走り

ジュダスとイージスをツラヌいたが

イージスはビクともせずかき消し

ジュダスは片手でイカヅチを弾いた。


ラナンキュラス

「僕のイカヅチを、、素手で弾いた、、

なるほど、、ね、、、

何に恨まれてるか知らないけど

後悔するがいい。ココで出会った事をね。」



ーーアキレイサイドーー

アキレイは火ノ炉決闘場イミシオンシーニ

紅大蛇クレナイオロチの火炎に乗って

吹き出すマグマを切り裂きながら

空中を爆走していた。


アキレイ

「グッ!!まだ追いかけてくるのかっ」


後ろから灼熱熔狐キラウエアが熔岩の上を

駆け抜けて来ていたが

相手にするのもバカバカしくなったアキレイは

Mangoroid マンゴロイドを取り出し地図をひらいた。


アキレイ

「リナリアは、、どこに向かった、、、

第一監獄ワーヒドゥプリズン

第二監獄イスナー二プリズン

第三監獄サラーサプリズン

第四監獄アルバァプリズン

何故、さっきから連絡が取れない、、

一体、リナリアに何があったんだ。」


すると、後ろから数えきれないほどの熔岩の砲弾が

アキレイを襲う。


アキレイ

「グッ、、こざかしいキツネだ。

切っても斬っても分裂を繰り返して

マグマに入り回復をする。

あんな雑魚に構ってる暇などないと言うのに、、

せめてマグマのない所に行かなければ、、

さて、、どこに行くか、、」




アキレイ

「えぇい!!勘だ!!!!

一番強い奴は大体一番だと相場がきまっている!」


アキレイは火ノ炉決闘場イミシオンシーニ

左に曲がって第一監獄ワーヒドゥプリズンの方へと向かっていった。

しばらく進んで行くと何やら声が聞こえる。


アキレイ

「この声は、、、リナリア、、じゃない、、

まさか!!!!チョウラン!!!!!」


アキレイは更に速度を上げた。

チョウランの叫び声は更に大きくなっていく


アキレイ

「一体何が起こってるんだ、、、」


するとアキレイの目の前に大きな扉が現れた。


アキレイ

「ぶち破るしかあるまい!!!」

炎蛇招来エンジャショウライ八岐ノヤマタノ咆哮ホウコウ


紅大蛇クレナイオロチ真紅シンクの刀身から

八頭の大蛇が召喚され灼熱の咆哮ホウコウを放った。

ドーンッと轟音が響き扉が焼け溶け

アキレイは更に速度を上げた。

扉を抜けると石畳イシダタミ

広大な山岳地帯が広がっていた。


アキレイ

「チョウラーーーーーン!!!!!!」



































チョウラン

「あっ!アキレイ隊長だー♪」



ギギーーーーっとアキレイは

急ブレーキをかけた。


アキレイ

「チョウラン!!!大丈、、夫、、か?」


チョウラン

「え?どうしたんですか?」


チョウランは断鴉コトワリガラス

発動したまま立っていた。


アキレイ

「平気なのか、、、?」


チョウランは歩きMangoroid マンゴロイドをしながら

アキレイの元へと歩いていく。


チョウラン

「何がです?」


アキレイ

「いや、、この声、、」



チョウラン

「グァァァア!!!

やめろ!!!!やめろぉおお!!!!!

やめろぉぉぉぉおおおお!!!!!!」



チョウラン

「あっ、これですか?

チッチッチッ!!アキレイ隊長!!これはですね!

鴉合ノ衆システーマ•カラス超影武者気鳥コントロールCです!」


アキレイ

「コ、コントロール、C、、無事ならそれはそれでーー」


チョウラン被せ気味に早口で

「砂で作った精巧な分身と僕の発した声を

即座に構築、プログラミングした僕の技です。

いゃー!!!分身に気を取られてる隙に

逃げ出せてよかった!!

ちょうどそこから逃げっ、、他のみんなを

助けに行こうと思ってですね!!!」


アキレイ

「そ、そうか、、、そんな事も出来たのか、、

たまに思うんだが、、チョウラン、、

戦闘回避能力は恐らく千刃花でも1番の才能だな」


チョウラン

「え?やだなぁ!!

急に褒めないでくださいよぉーん!!

僕だって新作のゲームが出るたびに

そこからインスパイアを受けて

プログラムを再構築しては

形状変化に取り入れてるんですよ?

真面目か!!って話です!!

あっ!!!

給料上げてくれても構いませんよっ!

なんて口が裂けても言えないですけどねー!!」


アキレイ

「いや、はっきり言ってるぞ今」


チョウラン

「あっ、聞こえちゃいましたぁーん?」


アキレイ

「もはや、隠すつもりもないのか、、、

それで、チョウラン。

地図を見る限りこっちの扉では

引き返す事になる。

進むなら真逆だ。」


チョウラン

「え!!そうなんですか!!!!

Mangoroid マンゴロイドよく見てませんでした!!」


アキレイ

「今 手に持ってるのは何だ?」


チョウラン

「ハッ!!持ってました!!」


アキレイ

「逆だ。急ぐぞ。」


チョウラン

「ま、ま、まっ、待って下さい!!!!

あっちには小鬼ゴブリエルが!!!」


アキレイ

「ゴブリ?ん?何だ??ゴブーーー」


ドンッと後ろの扉から熔岩が溢れ出してきた。


チョウラン

「いやぁぁぁあ!!!!

こっちからはキツネが来てるぅう!!!!!

アキレイ隊長!!倒さなかったんですか!!??」


アキレイ

「正確には連れてきたんだ。」


チョウラン

「嘘つけーい!!!」


アキレイ

「嘘ではない。

さっ、行くぞ。チョウラン。

いつものだ。」


チョウラン

「はい!!!」


チョウランは六刃花隊ロクジンカタイ副隊長代理、

来月から二刃花隊ニジンカタイ副隊長に任命される逸材だが

六刃花隊ロクジンカタイ隊長アキレイや

その副隊長であるリナリアと

共に任務に就くことが多いため

2人のコンビネーションは抜群であった。


チョウラン

「やりますよー!!」

剋刃ゴクハ三十六サンジュウロク空乗クラノリ波濤ハトウ

剋刃ゴクハナナ鏡乱合キョウランアワセ

刃術ジンジュツ式•分解•構築し更に分裂!!」

剋刃ゴクハ 十七ジュウナナ 浮天地遊フテンチユウ

剋刃ゴクハ の三 走疾ハシリバヤテ

『再構築完了!!!!!!貼り付けます!!」

鴉合ノ衆システーマ•カラス超模倣気鳥コントロールV!!!』


チョウランが詠唱を終えると

キラキラと黒い砂が舞い

アキレイの背中にチョウランの断鴉コトワリガラス

同じものが構築されていった。


アキレイ

「よし、これで飛びながら紅大蛇クレナイオロチ

戦えるな。

チョウラン!!鴉合ノ衆システーマ•カラス影武者気鳥コントロールCを解除して

サポートに回れ!!

このキツネは熔岩を撃つ!!!

斬っても分裂するがこの場所には

熔岩はない。倒すならココだ!!!」


チョウラン

「分かりました!!!

でも、向こうの方には小鬼ゴブリエル

沢山いるんです!!!!!」


アキレイ

小鬼ゴブリエルだと?

なんだそれは!!!」


チョウラン

「それは、、」


すると小さな灼熱熔狐キラウエアの群れが

次々と熔岩を発射してきた。


チョウラン

「あちっ!!!」


アキレイ

「チョウラン!!!」


反対方向からは小鬼ゴブリエルの群れと

翼の鬼の群れが襲い掛かってきた。


アキレイ

「何?こんなにいるのか!!

チョウラン!!戦わなかったのか!!」


チョウラン

「それは、、」


アキレイ

「俺が消し炭にしてくれる!!」


チョウラン

「待って下さい!!!」


アキレイ

「どうしたチョウラン!!」


チョウラン

「やめてください、、」


アキレイ

「何故だ!!

後ろからは熔岩のキツネに

前から小鬼ゴブリエルだ!!

倒して進まなければやられるぞ!!!」


チョウラン

「それでも、、、待って下さい、、

この小鬼ゴブリエルは、、、

この小鬼ゴブリエルたちは、、」


アキレイ

「なんだ、、、」





チョウラン

「ラミオラス帝国につれさられて

実験台にされた子供たちなんですよ!!!」





アキレイ

「なん、、だ、、と、、」



ーーラナンキュラスサイドーー


ジュダス

「後悔どころか感謝してるって。」


ラナンキュラス

「まだ、分からないみたいだね。

後悔するのは今からだよ」


そう言うとラナンキュラスは自身の胸に手をあてて

静かに口上コウジョウを唱えた。

第三監獄サラーサプリズン

暗雲が立ち込め、稲妻が走りゴロゴロと雷鳴が轟く。


ラナンキュラス

『『天輪テンリン遠鳴トオナリキラメく閃光

ウレい•黄昏タソガレ一矢イッシに消えよ

ホトバシれ  トドロかせ

そして彼方カナタ御•名オン ナを刻め!!!

『『紫苑シオン雷刃ライジン 葡萄染麒麟エビゾメキリン!!』』


葡萄染エビゾメ色の刀身がアヤしく輝きを増す。

そしてラナンキュラスは

ジュダスに向かって一閃、刀を振るった。


ラナンキュラス

雷迅虞斬ライジングサン


ジュダス

「イージス!!!!!」


ジュダスの呼び声と共に

イージスはジュダスの盾となり前へと出た。


ラナンキュラス

「これごと切り裂く」


ジュダス

「ウケる」


ラナンキュラス

「なんだと!?」


イカヅチホトバシる刀身を

受け止めたイージスはそのまま

ラナンキュラスはガッチリと抑えた。


ラナンキュラス

「受け止めただと!?」


ジュダス

「もらったぁあ!!!!」


ラナンキュラス

降身雷フルミカヅチ


ラナンキュラスは自身にイカヅチを落とした。


ジュダス

「グッッッッ!!

何!?消えた!?」


ラナンキュラス耳元で囁くように

雷迅虞斬ライジングサン


ジュダス

「後ろっだとぉぉお!?アガガガッ」


イカヅチの斬撃が

ジュダスにホトバシる。


ラナンキュラス

「僕は千刃花センジンカイチ最速を誇る鞘花ショウカ

降身雷フルミカヅチにより

その速度は音速を遥かに超えて雷速となる。」


ジュダス

「グッッ」


ラナンキュラス

「何の因縁か分からないけど、、

最期に名前だけでも聞いておこうか。」


ジュダス

「ガッ、、最期、、だと、、、

笑えねぇーつーの。。。

どうせ、、言っても、、わかんねぇ、、だろうが、、

俺は、、こんな所で、、死ぬわけには、、

行かねーんだよ、、、、」


ラナンキュラス

「そうかい。

じゃぁ、その命。もらーーー」


ジュダス食い気味に

「イージス!!!!!!!!」


ラナンキュラス

「遅い。」


イージスがラナンキュラスに掴みかかるも

ラナンキュラスは簡単にけていく。


ラナンキュラス

「雷速状態の僕に対応出来たのは

ラミオラス帝国の者では

あの姉妹の隊長だけだった。

まぁ、その妹は僕が殺してしまったんだが

その子達と比べれば

君じゃ格不足だ、、ん、、?殺した、、」



ジュダス

「よう、、やく、、気づいたか、、、

俺は、、ジュダス.ギギ.アルマーニ!!!!!」



ラナンキュラス

「まさか、、」











ジュダス

「てめえが殺したサフィニアの兄貴だぁあ!!!」



ーーアキレイサイドーー


アキレイ

「なんだと?、、それは本当か、、」


チョウラン

「ソープワイトが言ってました、、、

だからあの時、、僕もジニア隊長も

全然手が出せなくて、、、」


アキレイ

「なるほど、、

ソープワイトもそれが狙いだったのか、、

まんまとハマったってわけだ。」


チョウラン

「おそらくそれは本当かと思われます。」


アキレイ

「、、背格好みても確かに、、

しかし、チョウラン。

むしろ、解放してやろう。

望んであの姿になっていないなら

それが俺たちにできる優しさだ。」


チョウラン

「僕は、、でも、、」


アキレイ

「隊長格になると辛い選択を迫られることもある。

そんな時は相手のこと、敵のこと、仲間のことを

じっくり考えるんだ。

そこで選べ。一番辛い選択を。

一番辛い選択が一番正しいこともある。」


チョウラン

「出来ないです、、」


アキレイ

「今はまだいい。チョウラン。

今は俺がいるからな。」


そう言うとアキレイは

チョウランの前にグッと踏み出した。

その背中はとても大きく頼もしく感じた。


チョウラン

「アキレイ隊長、、」


アキレイ

「下がれ。チョウラン。消し飛ぶぞ。」


アキレイがそう言うと

チョウランは少し離れた。


アキレイ

「哀れな子共達よ。今、冥府に送ってやろう」


アキレイは紅大蛇クレナイオロチの刀身を

スーッと勢いよく撫でると

焼け焦げた刀身に煙とススが舞う

巨大な大剣クレイモアへと姿を変えた。


アキレイ心の声

((許せ))



アキレイ

焔彅ノ劒ホムラギノツルギ

「ォォオ!!!!!!」



アキレイは焔彅ノ劒ホムラギノツルギを両手で振り回していく

斬り付けられた小鬼ゴブリエル灼熱熔狐キラウエア

その裂けた傷口から次々に火花のように発火し

勢いよく燃えていった。


チョウラン

「熔岩のキツネが、、燃えてる。

これが絶対燃焼の大剣クレイモア、、焔彅ノ劒ホムラギノツルギ


灼熱熔狐キラウエア小鬼ゴブリエル

アキレイの三つ巴の戦いになっていたが

一人で立ち向かうアキレイは

攻撃をさばき切れず少しずつ疲弊していった。


チョウラン

「アキレイ隊長、、、、

なんだか、、悲しそうだ。。。

やっぱりアキレイ隊長も、、、」


アキレイ

「ォォォォォ!!!!」


そして、チョウランは上空高く舞い上がった。


チョウラン

「一番、、辛い選択、、、か、、、」


チョウランは視界を広く取る為に

アキレイの真上にいた。



チョウラン

「一番、、辛い選択!!!!!」



すると、アキレイは上空のチョウランに向かって叫んだ。


アキレイ

「選べ!!!チョウラン!!!!!」




チョウラン

「僕は、、僕は!!!!!」



チョウランは一度深く息を吸い

強い眼差しで数十匹の灼熱熔狐キラウエア

小鬼ゴブリエル達を睨んだ。


チョウラン

「ターゲット捕捉•分析•予測•探知•空間

各種演算処理オールグリーン。」

滅刃メツハ 三十一サンジュウイチ砂豹狽土サヒョウバイド!!!』

「殲滅プログラム圧縮!!!構築終了!!!!

行きます!!アキレイ隊長!!!!」

『展開!!!!』

鴉合ノ衆システーマ•カラス超追撃気鳥シフテッドデリーシモ!!!』


断鴉コトワリガラスの羽を大きく広げ

一気に羽ばたかせた。

すると一つ一つの黒い羽が

正確に小鬼ゴブリエル達と灼熱熔狐キラウエアツラヌいていく。


アキレイ

「さすがだ!!!チョウラン副隊長!!!

このまま一気に畳み掛けるぞ!!!」


チョウラン

「はい!!!!」



ーーラナンキュラスサイドーー



ラナンキュラス

「何、、サフィニアに兄がいたと言うのか!!!」



ジュダス

「ぁあ、、そうだ、、、、

俺の妹は、、サラセニアに連れ去られ、、

実験という名の拷問に

何度も何度も何度もかけられた、、、

辛かったろうに、、痛かったろうに、、、

優しかった妹達は

人を笑って殺すようになったんだよ!!!

まだ!!!幼い妹達がだ!!!!!!

奴らに、、奴らに変えられちまった!!!」


ラナンキュラス

「、、そんな事言っていいのかい?

ソープワイト達が見ているんだろ?」


ジュダス

「関係ねぇよ。カメラは壊した。」


ラナンキュラス

「そうか。、、、同情はする。」


ジュダス

「同情はするだ、、と、、」


ラナンキュラス

「ぁあ。君の妹の命は僕が背負って生きていく。

それに仮にもサフィニアとペチュニア は

ラミオラス帝国の将だ。

僕達と戦うと言うことは命がけの戦いだ。」


ジュダス

「ふざける、、な、、、よ、、

妹を返せ!!!!!!!!!!」


ラナンキュラス

「それは出来ない。

死んだ人間は、、元には戻らない。

もしも、、願いが一つだけ叶うことなんて

存在し得ない。

だから、僕らはそれでも生きていくしかない。」


ジュダス

「てめえに何が分かんだよ!!!!」


ラナンキュラス

「分かるさ。僕には分かる。

僕も戦争で愛した人を殺された。

彼女は誰にでも明るく誰よりも純粋な人だった。

だが、僕の目の前で死んでしまった。

僕は無力だった。

そして、この戦争が終わったら

僕を好きなようにするがいい。なんて事も言えない。

僕には千刃花センジンカの隊長としての誇りと

義務がある。簡単には命を差し出せない。」


ジュダス

「だから、、ココでお前を殺して

カタキを取るんだよ!!」


ラナンキュラス

「僕はそれを止める事もできない。

気持ちが痛いほど分かるからね。

だけど、降りかかる火の粉を

八刃花隊ハチジンカタイ隊長として僕は払う。」


ジュダス

「簡単に払えると思うなよ!!!」

パンッ手の叩く音

オン!!眼陀羅尼ガンダラニ!!』

「行くぜ、、イージス」


ラナンキュラス

「ジュダス、、、」


ジュダスの目は充血し

更に身体から水蒸気が吹き出し

ジュダスは一歩も動くことは無かった。


ラナンキュラス

「その技...よほど身体の負担があると見える。」



ジュダス

熾烈真壊戦シレツマカイセン!!』



ジュダスがそう呟くとイージスの身体が輝き

ラナンキュラスの元へと走り出した。


ラナンキュラス

「さっきと動きが違うね、、でも。遅い。」


ラナンキュラスは雷速で移動し

イージスを振り切った。

しかし、イージスは雷速に反応し追いかけてくる。


ラナンキュラス

「なに?」


イージスは複雑な動きの型で

強烈な連撃をラナンキュラスに繰り出していった。


ラナンキュラス

「なんだ、、この、、攻撃、、

まるで、、ジュダスと同じ、、

ガッ、、グッ、、ゴハッ、、

グァァァアッッッ!!!!!!」


雷速の攻防が繰り広げられ

イージスの一撃がラナンキュラスに叩き込まれた。


ジュダス

「まだ、終わらねぇ!!やれ!イージス!!!」


ラナンキュラス

「フフッ、、僕も、、ただ、、、

やられるわけには、、

いかないからね!!!」


そう言うとラナンキュラスとイージスは

更に更にと攻防を繰り返し、

超高速バトルを展開した。


ラナンキュラス

「グッ、、こんなに硬いとは、、

それに、、まさかここまで、

ついてこれるとは、ね、、

だけど、本人が無謀備だよ!!!」

雷迎招雷ヴォルテッカ!!!』


葡萄染麒麟エビゾメキリンキッサキから

紫色の巨大なイカヅチの玉を作りだし

ジュダスに向かって放った。


ジュダス

「イージス!!!!」


イージスはジュダスを守るように

すぐさま移動し巨大なイカヅチの玉を受け止めた。


ジュダス

「無駄だ!!!

イージスの防御性能は

対鞘花タイショウカ特殊魔装トクシュマソウ兵器の中で最高硬度だ!!!

その硬さは

ダイヤモンドに匹敵する!!!

故に、、最強の盾!!!!!!!」


ラナンキュラス

「無駄さ。そのイージスが無敵の盾だとしても

その質量は受け止めきれない。

葡萄染麒麟エビゾメキリンによって作り出された雷雲から

常に雷迎招雷ヴォルテッカ に向かって

イカヅチが降り注ぐからね」


イージスはラナンキュラスの言う通り

雷迎招雷ヴォルテッカを受け止めるも

次々とイージスをイカヅチツラヌ

完全に動きが止められていた。


ジュダス

「チッ」


するとラナンキュラスは一瞬の隙をみて雷速で

ジュダスの背後をとった。


ジュダス

「やらせるかよ!!!

オラァァア!!」


ジュダスは振り向いて繰り出された拳を

パシンっと受け止めた。


ラナンキュラス

「この速度に対応出来るんだね。

でも、、この状態の僕に触れて

平気なわけ、、無いだろう?」


ジュダス

「アガッアガガガ」


イカヅチを帯びたラナンキュラスに

触れたジュダスはバリバリと黒く焦げながら

感電していく。







ラナンキュラス

雷迅虞斬ライジングサン





ジュダス

「グァァァアッッッ」


ラナンキュラスはジュダスを雷速で切り裂いた。



ラナンキュラス

「悪いけど、カタキは打たせられないよ。

ジュダス•ギギ•アルマーニ」

















ジュダス

「だぁ、、かぁ、、らぁ、、、

俺は、、死なねーんだってパンッ手の叩く音

オン!!縛羅尼薩婆訶バクラニソワカ!!』


ラナンキュラス

「ガッ、、動け、、ない、、

ジュダス、、さっきから、、

君が、、使ってるその技、、

刃術ジンジュツじゃ、、ない、、ね、、」


ジュダス

「何だよ、、知ってたのか、、」


ラナンキュラス

「グッ、、何故、、君のような、、

人が、、使えるん、、だ、、」


ジュダス

「何でかって?」


すると、ジュダスはゴーグルを外し

髪をワシャワシャといじると

モヒカンを崩して髪を下ろした。
















ジュダス

「俺が天空山テンクウザン拳闘僧侶ラカンだからだよ。」





千刃花センジンカ帝国特務戦闘部隊テイコクトクムセントウブタイ〜ー

煉獄レンゴク 冥府ゲヘナ大監獄プリズン

Seasonシーズン9ナイン The naturalナチュラル shapeシェイプ of an オブアン apparitionアパレーション(完)





















おまけ
















エリカ

「おはよう!!」


いつもの様に朝、目覚めてベッドから出ると

エリカは日課である花の水やりと

最近、飼い始めたペットのエサやりへと向かった。

クンシラ邸の一件以降

エリカは行く所を無くし

そのままクンシラ邸に住んでいた。

警察の調べによると

正気を失ったクンシラは

警部補であるグラシズの心臓を突き刺した後

拳銃自殺をハカり死んだ。

その後、エリカの住む小さな村は

エリカに気を使い様々な面倒を見てくれていた。

特に目にかけてくれていたのが

若夫婦でパン屋さんを経営しているマンサク夫婦だった。


マンサク

「エリカちゃーん!!おはよう。」


マンサクはいつも元気に挨拶をする人だった。


エリカ

「あっ!マンサクお兄ちゃん!!おはよう!

奥さんは元気??」


マンサク

「ぁあ!もうすぐ臨月を迎えるから

お店に出てこれないけど、寂しがってたよ?

エリカちゃんも会いに行ってくれないかい?」


エリカ

「遊び行っていーの?やったー!!

ちなみに男の子?

女の子?もうわかった??」


マンサク

「男の子だと思うよ!!」


エリカ

「エリカも早くみたいなー。」


マンサク

「あっ!そうだ!!

今晩、うちにおいでよ!!

新しいパンの試食も兼ねて

ウチでパーティーがあるんだぜ!

あっ、このパン持っていってあげてよ!

グラシズ警部補に!!

最近、見ないけど、、

色々あったからね、、

早く元気になるといーね!」


エリカ

「やったーー!!!

ありがとうお兄ちゃん!!

エリカもちょうど会いにいこうと思ったの!!」


グラシズ警部補は

運良く一命をとりとめていた。

胸に入れていた警察のバッチのおかげで

心臓に到達する前にナイフを弾いたが

ショックで気を失ってしまっていた。


エリカ

「グラシズさーん。

マンサクさんがね!パンくれたよ!!」


エリカは重い扉を開け

笑顔でグラシズにパンを渡した。


グラシズ

「エリカちゃん。ありがとう。」


エリカ

「美味しいよね!マンサクさんのパン!!」


グラシズ

「そうだね。

この小さな村で一番のパンだね。」


エリカが住む村は都心から外れた

小さな小さな村である。


グラシズ

「エリカちゃん、、

もし、エリカちゃんが望むなら

隣町に引っ越す手続きも取れるけど、、どうかな?」


エリカ

「前にも行ったけどエリカは

この村が好きなの。やりたいこと

たっくさんあるし!!

お金は沢山あるからなんとかやっていけるしね!」


グラシズ

「だけど、、」


エリカ

「心配しないで。グラシズさん。

また、遊びに来るからね!」


そう言ってエリカは部屋を出ると

階段を上がっていった。

その日の夜、寝室で寝ていたエリカは

マンサク夫婦の家へと向かった。


エリカ

「少し遅くなっちゃった、、

疲れたから寝ちゃったよ、、」


エリカはマンサク夫婦の自宅の扉の前に立ち

インターホンを鳴らした。


エリカ

「あれ?おかしいな、、

マンサク、、お兄ちゃん、、」


ゆっくり扉を開けると




そこには















血まみれになって

小さな赤ん坊を抱いているマンサクが立っていた。











マンサク

「あ、、あっ、、あっ、、」









エリカ

「マンサク、、お兄ちゃん?」









マンサク

「ハハハッ、、、この子、、女の子だ、、」





マンサクの足元には腹を切り裂かれ

内臓が飛び出し、けいれんしている妻と

パーティーに来ていていた友人の死体が

転がっていた。






マンサク

「エリカ、、ちゃん、、、」




エリカ

「お兄ちゃん、、?、、」






突如、マンサクは抱いた我が子を

ボトッと落として

エリカに掴みかかった。



マンサク

「女の子だった!!!

女の子だった!!!!!!

エリカァァ!!!!!!!!!!」


エリカ

「やめっ、、て、、」


マンサク

「お前のせいだ!!!お前のせいだ!!!!」


エリカ

「どう、、して、、苦し、、い、、よ、、」


マンサク

「僕は、、もう、、」




突然、エリカを離すと

マンサクはナイフを取り出し

自分の首を切り裂いた。



マンサク

「アガッ、、ガッ」



そして、マンサクは床に倒れてしまった。


エリカ

「ゴホッ、、ゴホッ、、そんな、、」


サイレンの音が鳴り響く

エリカは恐怖のあまり

その場から逃げ出してしまった。




ーー2週間後ーー

エリカはグラシズの部屋にいた。


エリカ

「それでね、、マンサクお兄ちゃんは、、

マンサクお兄ちゃんは、、自分で、、ね、、」


グラシズ

「エリカちゃん、、大丈夫かい?」


エリカ

「うん、、エリカは大丈夫、、

すごく、、怖かったけど、、大丈夫、、

それよりもグラシズさん、、大丈夫?

最近、あまり食べて無いみたいだけど、、

エリカがせっかくグラシズさんのために

あげたプレゼントもユルユルじゃないの、、」


グラシズは痩せ細り

顔は青ざめていた。


グラシズ

「ぁあ、、大丈夫だよ。

最近、あまり眠れないんだ、、」


エリカ

「そうなの??しっかり寝てね。

また、元気な姿見せてね!

グラシズさんが早く元気になる様に

エリカ、毎日お祈りしとくね!」


そう言うとエリカは立ち上がり

グラシズの部屋を出た。












重い扉を開け












何重にも鎖で縛り













幾重イクエにも施錠セジョウした後













エリカは地上にある自分の部屋へと向かった。








(完)

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